シェード
開花が展示会に間に合わない品種については8月23日から2〜3週間程度夕方から翌朝までシェード袋を掛けて開花を早めます。私は、8月23日〜9月6日まで夕方5:00から翌朝8:00の間シェードしていますが、8月下旬から日照が少なく開花が早そうな時は、品種に応じて期間を短くします。
Bナインの散布
福助、ジャンボ福助、ダルマ、や短幹仕立て用は、8月下旬から9月下旬に急に伸びますので、伸び具合を見て、2〜5日置きにBナイン125〜500倍液を蕾にかからないように花首や葉の裏に散布します。3本仕立ては枝の高さの調整用に500〜1000倍液を散布します。
Bナインが濃いと花の色が薄くなります。
一文字の花首に
Bナインを使うと色が薄くなります。
側芽の摘み取り
ドーム菊以外は定植後、葉の付け根から出る側芽(枝)を爪で摘み取りますが先端部分と根元はしばらく残します。
伸ばしたい枝の側芽は早めに摘み取り、伸ばしたくない枝の側芽は高さのバランスが取れるまで、残します。
下の側芽は9月中旬まで、残し、冬至芽が出難い品種は挿し芽をします。
厚物の柳蕾は側芽を沢山残し、蕾が丸くなれば全て取り、大きくならなければ、様子を見て上から取ります。
枝の固定
ドーム菊以外は伸びた枝は、5〜10cm間隔でラフィアで固定します。この時、あまり強く結ばないようにします。今の時期には茎が急に伸びてきますので、茎が曲がったままにして置くと折れてしまいますから、真っ直ぐに直します。なお、先端から5cm以内では結ばないようにしています。
色物の管理
盆養、だるま福助等の色物は7部咲きまで、夜露に当てます。
懸崖用の菊の摘心
花を一斉に咲かせるため、根元(肩)部分は8月25日か9月1日、中央分は9月1日か9月5日、先端部は9月5日か9月10日頃に摘心します。
懸崖用の菊の止め肥
懸崖用の菊に止め肥えとして9月中旬に乾燥肥料80ccを入れます。
親株用(秋苗)の挿し芽
9月中旬に、冬至芽が出難い品種の側芽をポット(ジフィーポットを入れても可)に挿し芽をします。
ポットの底に籾殻薫炭を3cm入れその上に鹿沼土の小粒と蝦夷砂を半々に混ぜたものを2.5cm入れます。更にポットの底に赤玉の中粒だけを1cm位入れたものを同様に水に漬け挿し芽用ポットの下に重ねます。(前日の晩と直前に水に漬けます。)
挿し穂は10cmの長さに、鋏で切り、一晩HB101一万倍液とえひめAI400倍液またはウルトラパワーやマルトの菊太郎2000培液やKING500倍液で水揚げします。(前日に、十分水を遣り、挿し穂は日に当てないようにします。)
水揚げした挿し穂は、茎を5cmの長さに、安全カミソリ刃で直角に切り、根本の葉を数枚落とし、根本2〜3cmを軍手で上から下へ2〜3回こすり、トノコと赤玉の微塵を半々に混ぜたものにハイフレッシュとルートンを入れて水で溶いたものを根本に付けて、バーミキュライトの微塵をまぶし、用土に竹べらで穴を明けてから、3cmの深さに挿しラベルを立てます。
挿した後は、えひめAI400倍液、HB101、菊太郎やKINGの液の残りををジョウロで掛けておきます。
挿し芽後は挿し芽箱を表土から10cmの高さで屋根代わりにするか寒冷紗やスダレを掛けて日除けをし、水遣りは控え、毎朝、スプレーで霧を吹いておきます。挿し芽10日後から少しづつ日に当て、葉がしおれてきたら、朝方か夕方、十分に水を遣り、葉が立ってきたら、更に日に当て、また、葉がしおれてきたら、朝方か夕方、十分に水を遣ります。
曇りの日は寒冷紗を外し、雨の日は水遣りをしません。
挿し芽から10日目にマルトの黒糖酢1000倍液を与えています。
挿し芽後12日から14日して、根が5mm以上あれば3号鉢(ジフィーポットの場合は18日後に4号鉢)に鉢上げできます。3週間以上経っても根が出ないものは廃棄します。
側蕾の除去
ドーム菊以外は9月に入ると蕾が出てきますので、原則として芯蕾を咲かせるため、側蕾は芯蕾が2mm位になったら全て爪で欠きます。3本仕立ての場合、芯蕾の1つに傷がある場合は3枝とも側芽の芯蕾を立てます。
間管と細管は芯蕾と3番目と4番目の側芽の芯蕾を、太管の場合はと3番目の側芽の芯蕾を花が7部咲きになるまで、肥料調整のため残します。
だるまと福助の蕾は爪で欠いで早めに一つにします。(切り口にBナイン250倍液を塗る。)
柳蕾の処理
8月25日以降に出た厚物の柳芽はしばらく様子を見て、側芽はそのまま残し、花首の柳葉が5枚以内であれば側芽で肥料調整をし、6枚以上の場合は鬼蕾になるので、側芽を立てます。管物の柳芽は切り3番目の側芽を立てます。
銀峰は半柳に良い花が咲きます。
側芽を7段目以下で調整すれば開花は遅れません。
厚物の柳蕾は側枝を多く残し、蕾が丸くなれば全て落とし、丸くならなければ様子を見ます。
化粧土入れ
9月中旬に鉢の表面に出てきた根を覆いカリ分を補給するため、籾殻薫炭を敷いた上に赤玉の大粒を被せます。この時、マグネシューム補給のため苦土石灰を9号鉢当たり大さじ一杯入れます。ただし、化粧土は菊の会の規定に従ってください。同時に発根剤のハイフレッシュと殺虫剤のアドマイヤー粒状を少し入れます。
鉢回し
蕾が出てきたら、週に1回転するように鉢回しをします。私は、晴れた日が2日続いたら、1/3回転させています。
花芽は厚物の場合は9/1〜9/7、管物は9/10〜15が理想
です。
籾殻薫炭作り
9月に籾殻600gを用意し、風のない日に、薫炭製造器の底に小枝を積み、新聞紙を丸めて火を付けておきます。
最初薫炭製造器を囲むように籾殻を少し積み、灯油を周囲に撒いて籾殻に燃え移るのを確認して、籾殻を積み上げます。(籾殻は4〜5袋が良い)
籾殻の表面が茶色くなって来たら、籾殻を良く混ぜます。
籾殻が全体に黒くなったら、広げて十分に水で冷やし、冷たくなってから土嚢袋やガラ袋に入れて保管します。
籾殻堆肥作り
籾殻60gにえひめAI 400倍液14gに展着剤を少々入れ、これを日陰で含ませ、米糠20gに三温糖200g、マルトの醗酵剤200ccを夕方、日陰で混ぜた上ペットボトルの湯たんぽを入れて、両方とも1日寝かせます。
翌日の夕方、両者を良く混ぜ醗酵して来るまで菓子箱の湯たんぽを入れ、敷布(またはぼろ布)とゴザを掛け仕込みます。
その後、1日置きに、日陰で切り返します。10日間程で熱が出なくなったら出来上がりです。
私は、籾殻堆肥の上で夏野菜の種をまいていますので、2月から3月に3回行っています。
鉢上用土作り
使用する2週間前に未熟腐葉土(落ち葉のまま)24g(落葉樹の葉のみ)、赤玉小粒麹12g、籾殻薫炭5g(木酢50倍液1gで中和)、籾殻堆肥5g、ミネラル富士1g、玉子の殻少々混ぜ、適度の水にマルトのサチュライドまたは展着剤を少々入れ、これを日陰で含ませ、用意します。
鉢の置き場所と断熱
置き場所は北風や西日が当たらない場所にします。
ビニールハウスやサンルームに置くのが理想ですが、できればトマトの雨避けに入れます。
鉢の台座は、石やコンクリートを避け、木の棚の上に置きます。
間・細管は富水を除き半日陰に、一文字は日向に、大掴みと富士系は涼しい所に置きます。
鉢の温度が上がらないように、鉢に断熱材を巻きその上にアルミホイルを巻きます。
8月下旬から9月上旬は街灯に当てないようにします。
水やり
晴れた日には朝方30度以下になったら8時までと夕方、柄杓を使って水を遣り、乾き具合を見て鉢毎に調整しています。水は汲み置きとし、(水道水の場合は一晩置きカルキを抜きます。PH6.5より水のアルカリ度が高い場合は木酢液を入れ、酸性度が高い場合は石灰を入れます。)、過燐酸石灰少々、それにマルトのサチュライドまたは展着剤とサンソを少々入れます。なお、容器の底には木炭と根腐れ防止剤(ゼオライト)を入れます。
9月上旬から10月にかけては、7部咲きまで朝は1gを2度かけ、夕方は1度かけます。(懸崖は3g)
だるまと福助は9月中旬から10月にかけて、一度、水に、鉢ごとどぶ漬けし根詰まりを防止します。
5月から10月まで、置き水に過燐酸石灰を少々入れます。
一文字の花芯にティシュを濡らして乗せ、7分咲まで朝と昼に水遣りします。
9月上旬まで地面に水を撒きます。
水耕は9月以降は鉢が乾いたら週に2度水遣りします。
鉢が湿っていたり、曇や雨の日には水遣りはしません。
水遣りが多いと葉が赤くなります。
肥料やり
大菊液肥KING1000倍液、菊アミノ黒1000倍液とえひめAI400倍液を週に1回与えています。
大菊液肥PK1000倍液
またはマルトの菊アミノ赤
1000倍液および菊アミノ黒1000倍液と
えひめAI400倍液
を
週に1回葉面散布しています。
ただし、細管や黄葉系は中旬まで、太、間管物は25日までで止めます。なお、厚物のハイポネックス1000倍液は下旬以降は花弁の色が見えた時と3枚花弁が倒れた時のみとします。
9月下旬以降は
大菊液肥QUEEN1000倍液
かマルトの第一PK1000倍液を週に1回与えています。
(7号鉢以下には与えず、翌日水を十分に与えます。先行法の場合は肥料抜きはあまり必要ありませんので、残留窒素を測ってから調整します。特に、銀峰系以外は肥料抜きはあまり必要ではありません。)
鉄力アクア1000倍液、硫酸マグネシューム500倍を月に1回とカルシューム2000倍液、
えひめAI400倍液
を週に1回葉面散布しています。
葉の色が黄色くなったら、マルトの硫酸マグネシューム500倍液とカルシューム2000倍液を葉面散布します。
肥料バランスが良いと葉の切れ込みが深くなります。
花芽が来たら管物はマルトの赤1000倍液を葉面散布します。
消毒
殺虫剤(スミチオン、オルトラン、ランネート、テルスター)と殺菌剤(ベンレート、ダイセン、ダイファー)を1週間に1回交互に散布します。オルトラン粒状(またはアドマイヤー粒状)と
殺ダニ剤(
ダニサラバ、ダニ太郎、ピラニカ、バロックまたはコロマイト)は10日に1回散布しています。アブラムシが付いたら、2〜3日置きにスミチオンとランネートを全ての鉢に散布します。また、白さび病が出たら、2〜3日置きに4回サプロールとベンレートを全ての鉢に散布します。 なお、薬剤はローテーションして使います。
虫除けのため粒状のアドマイヤーかオルトランを鉢の中に少々追加し、ハウス内にも散布します。ます。
薬害を防ぐため夕方散布します。ただし、挿し芽前の直前の挿し穂の消毒は控えます。
1000倍液は、1リットルの水に薬が液体の場合は、1ccを粉末の場合は1gを入れます。
水が100ccの場合は、薬が液体の場合は1滴、粉末の場合は耳かき2杯です。
ハウスの管理
ハウスのビニールが切れたらビニールハウス補修用テープで補修します。破れがひどくなったら張り替えます。
9月中旬まで屋根のビニールは半分開けておきます。
花芽を出させるため、地面に水を撒いて温度を下げます。
大掴みや富士系、砺波の錦は涼しい場所に置きます。
福助の色物は7,8分咲まで夜露に当てます。
台風が接近したら、ハウスの周りにヨシズを掛けます。
草が目立ってきたら、こまめに取ります。
3月〜11月までは、虫が入らないように出入り口とビニールを明けている所に、防虫ネットか4mmの防風ネットを張ります。
ハウスの地面全体に虫除けのため粒状のアドマイヤーかオルトランを撒きます。
色物は着蕾後、7,8部咲までハウスの外に出して夜露に当てます。
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