懸崖への追肥
- 8月上旬と中旬に乾燥肥料20ccを4箇所に追肥します。
Bナインの散布
- 福助とダルマ定植1週間前に1000倍液を散布します。
- 福助、ジャンボ福助、ダルマ、や短幹仕立て用は定植後5日置きにBナイン125〜500倍液を散布します。3本仕立ては枝の高さの調整用に500〜1000倍液を散布します。ただし、ダルマは3本の枝が立ち上がるまで控え、立ち上がり5〜10cmの時、250倍液を散布します。
- 8月中旬に枝が支柱の継ぎ目まで達していたら、Bナイン1000倍(長幹種は500倍)を散布し、達しなければ、マルトの青2000倍液とマルトの黒糖酢1000倍液を葉面散布します。
- 8月下旬から9月下旬までは急に伸びますので、2日置きに散布します。
- 9月以降の散布は蕾に掛からないように花首にかけます。
- Bナインが濃いと花の色が薄くなります。
だるま用苗の定植
- 5号鉢移植後、20日位経って根が5号鉢の底に届き、3枝が10cm位に伸びたら定植します。
- 使用する鉢は7号鉢ですが、菊花展の規定に従ってください。
- 支柱を留める針金(茶色のアルミ線)は用土を入れた後では、付け難いので、先に取り付けておきます。
- 鉢網(水耕の場合は給水用の20cmの紐を2本通して10cmを底に垂らして置きます。)の上に消し炭を載せ、その周囲にゴロ土を入れた上にカヤの腐葉土を敷きます。水耕栽培用の紐はカヤの上に寝かせて置きます。次に培養土を被せ、厚物はグリーンキングを大さじ1杯(太管はその2/3、間管と細管は0/3の量にします。)入れ、培養土を薄く掛け、その上に培養土を中高に入れます。苗を正面にして鉢底の赤玉を除いて、3枝を支柱の留め金の位置に合わせ、鉢の中央に植えます。植える高さは人の枝の根本から鉢の縁まで3〜4cmですが、菊花展の規定に従います。根にえひめAI 400倍液とHB101一万倍液を霧吹きで吹き付けます。苗の周りに培養土を被せ、根を隠すようにし、鉢の周囲を突き棒で固め、厚物と冨水は乾燥肥料300ccを3箇所に分けて入れます。(太管と一文字は200cc、間管と細管には入れません。)その上に培養土を鉢の8分目まで入れて手で固めて表面を平らにしておきます。根本に赤玉の大粒を掛けて置きます。その後、ラベルを天の手前の鉢際に立てます。
- 定植後猛暑対策のため鉢に断熱材を巻き、更にアルミホイルで包みます。
福助用苗の定植
- 根が3号鉢の底に届いたものから定植します。
- 培養土は定植用土を使います。
- 使用する鉢は5号鉢ですが、菊花展の規定に従ってください。
- 鉢網(水耕の場合は給水用の20cmの紐を1本通して10cmを底に垂らして置きます。)の上に消し炭を載せ、その周囲に赤玉の大粒を敷きます。水耕栽培用の紐は赤玉の上に寝かせて置きます。培養土を薄く掛けよく押さえます。厚物はグリーンキングを小さじ1杯(太管はその5割、間管と細管には入れません。)入れ、培養土を薄く掛け、次に培養土を中高に入れます。苗は鉢底の赤玉を除いて鉢の中央に植えます。根にえひめAI 400倍液とHB101一万倍液を霧吹きで吹き付けます。苗の周りに培養土を被せ、根を隠すようにし、鉢の周囲を4本の指で固め、厚物と冨水は乾燥肥料90ccを3箇所に分けて入れます。(太管は60cc、間管と細管は0ccにします。)その上に培養土を8分目まで入れて指で固めて表面を平らにしておきます。根本に赤玉の中粒を掛けて置きます。支柱はこの時垂直に立て、ラベルを正面に立てます。茎が伸びてきたら、ラフィアで10cm間隔に支柱に結びます。
- 定植後猛暑対策のためプラ鉢には断熱材を巻き、更にアルミホイルで包みます。
ジャンボ福助用苗の定植
- だるま用の苗で、3本の枝がうまく揃わなかったものもジャンボ福助にしています。
- だるま仕立ての定植と異なるのは、支柱を真ん中に1本立てる所だけです。当然、苗の高さの調整は不要で、肥料は厚物は200cc、太管は2/3、間・細は0/3にします。それ以外はだるま仕立ての定植に準じます。
だるま用苗の3枝の整枝(定植後)
- だるま用の苗の3本の枝が15cm位に伸びたら、針金をかけます。この時、3本の枝の長さが揃い、段差のないものを選びます。葉が混んでいて針金を掛けづらいものは、接ぎ木テープで支柱に誘引します。
- 針金は直径2mm〜2.5mmのアルミ線を60cmの長さに3本切り天の枝には中央に1本挿し、地と人は各枝の手前の鉢縁に挿します。
- 針金は枝の下か上に沿わし、80cmの長さに切った3本の接ぎ木テープを束ねて、人の枝の下で3本の針金と茎を縛り、枝の付け根から隣の枝と8の字を描くように巻いてから、接ぎ木テープで枝と針金を巻く様にして固定して行きます。
- 支柱(2cm位浮かして止めます。)を立てインバイドで止めます。
- 3枝が18cm位に伸びたら、更に曲げて支柱に固定します。この時、天の枝の結び目は鉢の縁まで8〜10cm、人の枝の結び目は鉢の縁まで6〜8cmとしますが、菊花展の規定に従います。
- 整枝に使った針金は2〜3日後に外します。
- 整枝後伸びた枝はラフィアで支柱に10cm間隔に結びます。
定植用土作り
- 使用する2〜3日前に未熟腐葉土(落ち葉のまま)38g(落葉樹の葉25g、常緑樹の葉13g)、古土麹16g、籾殻薫炭4g(木酢50倍液800ccで中和)、籾殻堆肥6g、醗酵燐酸3g、ミネラル富士1g、玉子の殻少々を混ぜ、適度の水にマルトのサチュライドまたは展着剤を少々入れ、これを日陰で含ませ、用意します。
福助、ジャンボ福助とだるまのドブ浸け
- 福助、ジャンボ福助とだるま定植前日に大菊液肥キング500倍液、えひめAI400倍液、大菊液肥V500倍液またはマルトの青1000倍液にドブ浸けします。
- 福助とだるま定植10日後にハイポネックス微粉500倍液と鉄力アクア1000倍液にドブ浸けします。
側芽の摘み取り
- ドーム菊以外は定植後、葉の付け根から出る側芽(枝)を指で摘み取ります。(但し、上の方の枝は柳芽の処理用にしばらく残し、下の方の枝も9月中旬まで残し、8月中旬に摘心して親株用の挿し芽に使います。)
- 枝を伸ばしたい場合は、早めに摘み取り、伸ばしたくない場合は、しばらく残しておきます。
- 枝を伸ばしたい場合、一番上の側芽は早めに摘み取ります。
枝の固定と弱い枝の切断
- ドーム菊以外は伸びた枝は、5〜10cm間隔でラフィアで固定します。この時、あまり強く結ばないようにします。
- 弱い枝は切断して残りを切花用にします。
懸崖用苗の枝の誘引と摘心
- 枝が10cm位伸びたら、針金と竹ひごに結んで行きます。この時、前方の枝以外は摘心します。8月20日に仮摘心をし、8月25日に根元から1/3の芽を摘み、9月1日に中央部分を摘みます。残りは9月5日に摘みます。
柳芽の処理
- 8月に入ると柳芽(不完全な蕾)が出る事があり、この場合、先端の成長が止まり頭部の脇芽は数本伸びてきますので、3〜4番目の脇芽(出来れば受葉を選ぶ)の上で切り(ピンチ)ます。(長幹種は切り口にBナイン500倍液、それ以外は700倍液を散布します。)
- 横綱、幸、掴みは柳芽が出やすいので、事前にピンチします。
- ただし、枝の長さが不揃いの場合は、ピンチする位置を調整します。
- ピンチした側芽が2〜3cmになったら、茎の先端を斜めに切り、予備の芽を支点にして茎をひねり側芽を正面にして、葉柄と側芽を一緒に支柱に結び、側芽を立てます。(長幹種は切り口にBナイン500倍液、それ以外は700倍液を散布します。)予備の側芽はしばらくして切ります。
- 柳芽が1〜2本しか出なくても、3本ともピンチします。
- 柳芽の側芽第一枝は伸びが弱いので、草丈の調節に使います。
- 8月25日以降の厚物の柳芽の場合、柳葉が5枚以上出たら、側芽を立て、以下なら側芽を残して肥料調整(側芽をしばらく残し、徐々に切ります。)をし、6枚以上の場合は鬼蕾になるので、側芽を立てます。ただし、茎が細い場合は1、3と4番目を切ります。
- 管物の柳芽はよい花にならないので切り、太管と間管は1、2を切り3番目の側芽を立て、細管は1、2を切り3番目の側芽を立て、4、5の側芽も切ります。
- 側芽を7段目以下で調整すれば開花は遅れません。
- 銀峰は半柳に良い花が咲きます。
切り花用の盆養の処理
シェード
- 開花が菊花展に間に合わない品種については8月23日から2〜3週間程度夕方から翌朝(17:00〜8:00)までシェード袋を掛けて開花を早めます。
- 花芽が出たら外します。(厚物は9/1〜9/7、管物は9/10〜9/15が理想)
電照
- 着雷後、開花を遅らせたいものは、4日間9時まで、100Wの白熱灯を1mの高さで吊るして、電照します。
常緑広葉樹の落ち葉の天日干しと袋詰め
- 7月までに集めて土嚢袋に詰めて野積していた常緑広葉樹の落ち葉を天日干し、3cm角にちぎって袋詰めします。
鉢の置き場所と断熱
- 置き場所は北風や西日が当たらない場所にします。
- ビニールハウスやサンルームに置くのが理想ですが、できればトマトの雨避けに入れます。
- 鉢の台座は、石やコンクリートを避け、木の棚の上に置きます。
- 間・細管は富水を除き半日陰に、一文字は日向に、大掴みと富士系は涼しい所に置きます。
- 鉢の温度が上がらないように、鉢に断熱材を巻きその上にアルミホイルを巻きます。
- 8月下旬から9月上旬は街灯に当てないようにします。
水やり
- 晴れた日には朝方8時までに、定植後10日間は5号鉢の根本に50〜100cc、7号鉢以上の根本に200〜400cc、その後、8月中は5号鉢の根本に300〜500cc、7号鉢以上の根本に800〜1200ccの割合で、柄杓を使って2度掛けしますが、乾き具合を見て鉢毎に調整しています。水は汲み置きとし、(水道水の場合は一晩置きカルキを抜きます。PH6.5より水のアルカリ度が高い場合は木酢液を入れ、酸性度が高い場合は石灰を入れます。)それに、過燐酸石灰、マルトのサチュライドまたは展着剤とサンソを少々入れます。なお、容器の底には木炭と根腐れ防止剤を入れます。
- 移植直後の水やりは、10日目まで、根元部分にだけ掛け、その後、徐々に広げて行きます。
- 熱帯夜には夕方水遣りし、地面に散水します。また、朝30度の時は葉水のみとし、昼にも葉水を掛け、ます。
- 10月まで夕方、葉裏にスプレーで水を掛けます。(昼と夜の温度差で着蕾する。)
- 昼間、葉が萎れたら根本にコップ1杯の水を遣ります。
- 鉢が湿っていたり、曇や雨の日には水遣りはしません。
- 水遣りが多いと葉が赤くなります。
肥料やり
- 大菊液肥KING1000倍液とえひめAI400倍液を週に1回与えています。
- 8月上旬までマルトの菊アミノ緑1000倍液またはコスモ誠和のペンタS、ハイポネックス1000倍または大菊液肥V1000倍液を週に1回葉面散布しています。(但し、葉が黒い場合や黄色い場合は控えます。)
- えひめAI400倍液、カルシューム2000倍液を週に1回葉面散布しています。
- 8月上旬までマルトの菊アミノ青1000倍液または大菊液肥V500倍液やコスモ誠和のペンタキープV5000倍液を週に1回過肥にならない程度に与えます。ただし、細管、間管、越山と聖者と移植後10日間は与えません。(また、葉が黒い場合や黄色い場合は控えます。)
- 8月10日以降は液肥を8月末まで中止します。
- 鉄力アクア1000倍液と硫酸マグネシューム500倍液とえひめAI400倍液を月に1回葉面散布しています。
- 8月末に大菊液肥PK(花弁を増やす)マルトの黒糖酢1000倍液(着蕾を早める)、えひめAI400倍液を週に1回葉面散布しています。
- 低い枝にはマルトの黒糖酢1000倍液を葉面散布します。
- だるま、福助とジャンボ福助は定植後、液肥は1回のみとします。
- 肥料バランスが良いと葉の切れ込みが深くなります。
消毒
- 殺虫剤(スミチオン、オルトラン、ランネート、テルスター)と殺菌剤(ベンレート、ダイセン、ダイファー)を1週間に1回交互に散布します。オルトラン粒状(またはアドマイヤー粒状)と殺ダニ剤(ダニサラバ、ダニ太郎、ピラニカ、バロックまたはコロマイト)は10日に1度散布しています。アブラムシが付いたら、2〜3日置きに4回スミチオンとランネートを全ての鉢に散布します。また、白さび病が出たら、2〜3日置きに4回サプロールとベンレートを全ての鉢に散布します。なお、薬剤はローテーションして使います。ただし、挿し芽前の直前の挿し穂の消毒は控えます。
- 殺虫剤に木酢液50倍液とマルトの黒糖酢1000倍液とえひめAI 400倍液を加えて散布しています。
- 鉢上、移植や定植の時虫除けのため粒状のアドマイヤーかオルトランを少々入れておきます。
- 薬害を防ぐため夕方散布します。
- 1000倍液は、1リットルの水に薬が液体の場合は、1ccを粉末の場合は1gを入れます。
- 水が100ccの場合は、薬が液体の場合は1滴、粉末の場合は耳かき1杯です。
ハウスの管理
- 11月まで、ハウスの腰ビニールを外し、4mmの防風ネットを張り、表と裏の戸を開け放しにします。
- 9月中旬までは屋根のビニールを外し、防虫ネットを張ります。
- 昼間、ハウスの温度が上がったら、地面に水を撒いて温度を下げます。
- 9月上旬まで花芽を出させるため、夕方、葉の裏と地面に水を撒いて温度を下げます。
- ハウスのビニールが切れたらビニールハウス補修用テープで補修します。破れがひどくなったら張り替えます。
- 台風が接近したら、ハウスにヨシズを掛けます。
- 草が目立ってきたら、こまめに取ります。
- 3月〜11月までは、虫が入らないように出入り口とビニールを明けている所に、防虫ネットか4mmの防風ネットを張ります。
- ハウスの地面全体に虫除けのため粒状のナメキールやアドマイヤーかオルトランを撒きます。
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