親株用(秋苗)の7号鉢への移植
- 移植前日に大菊液肥KINGとマルトの緑500培液でドブ浸けし、10日後にマルトの緑1000倍液を葉面散布します。
- 4号鉢に鉢上げして根が鉢底から出てきたら7号鉢に2〜3本移植します。(冬には保温します。)
- 移植直前にえひめAI 400倍液を根に霧吹きで散布します。
- 培養土は定植用土を使います。(醗酵燐酸は入れません)
- 元肥は鉢の周囲3ヶ所に大さじ(太管は軽く、間細管は小さじ)一杯づつ、乾燥肥料を入れます。
- 移植後、えひめAI 400倍液を散布します。
- 蕾は付けないようにします。
輪台付け
- 花弁が出てきたら花首をラフィアで固定します。
- 厚物や太管は花弁が3から5枚垂れてきたら輪台を付けます。間・細管や掴みは3分咲の頃、花首にクッキングペーパーを巻き、7部咲の頃クッキングペーパーの下から輪台を付けます。
- 私は、厚物には4から5寸、厚走りには4寸半から5寸、管物には5寸から6寸、一文字には大きさを見て付けています。
- 輪台は花首の下1.5〜5cm下に付けます。ただし、一文字は下げません。
花の手入れ
- 痛んだ花弁、そっくり返った花弁や食い込み弁(駄弁)を取り除き、乱れた花弁を花直し用具で整えます。
- 一文字の花芯にティシュを湿して乗せキャップで押さえます。
- 一文字の花芯は必ず引いて、花弁が綺麗に見えるようにします。
- 管物の花芯のくぼみは深い方がいいので、ティシュを丸めて入れて開きます。
- 管物の花芯に緑があってはいけません。
- 走り弁は等間隔になるように抜きます。(太管の一段目は巻かなくても良い。)
- 花首が曲がっていてはいけません。
- 花芯の黄色い部分を取って電照すると白くなります。
- 懸崖の花が重なっていたら、下の小さい花は取ります。裏に花があってはいけません。
- 輪台は花弁に付いていないといけません。
切花の作成
- 出品する2〜3日前に、えひめAI 400倍液を花器に入れて用意します。花器は菊の会の規定に従ってください。
- 花首から60cm位下から茎を切り、下半分の葉を落とします。
- 日陰の場所で、上から紐や針金で、逆さに吊るし、少し萎れるまで2〜3時間そのままにします。
- 食い込んだがくや硬い額を緩め、傷んでいる外側の花弁を指で根元から抜きます。
- 50cmの支柱を花首から上にあてがい、中央をビニタイで縛り、花首から上に20cm間隔で、インシュロックかラフィアで縛って行きます。
- 厚物は直接輪台を付け、管物はクッキングペーパーを花首に巻いてから付けます。
- 紐や針金から外して、茎の長さ50cmの所(支柱の眞下)で、水切りします。
- 茎の根元をハサミで縦に十字に切り、えひめAIの原液に根元を漬けます。
- 花首を垂直に垂らして、上下に少し揺らし、花弁を緩め、手前からすくい上げる様に花を上に戻します。
- 用意した花器に根元まで確実に挿し、支柱が傾かないように切り落とした茎を2〜3本に切って花器の首で固定します。
- 傷んだ内側の花弁をピンセットで根元から抜いて、出品するまで日陰に置きます。
菊花展への出品
- できれば、地元の菊の会に入り、菊花展に出品します。入賞できなくても、他の人の菊を参考にしたり、会の仲間に教えてもらえますので、自分だけで菊作りするより、楽しく、上達も早いようです。
花の整理とお礼肥
- 花が少し痛んできたら早めに切り取り、輪台、インバイドや支柱を外して、来年の親株としないものは整理し、親株は立ち上がリ20〜30cmの所で枝を切り(ドーム菊はリングの位置、一本立ちは根元から20〜30cmの所で切ります。)、お礼肥(乾燥肥料 8,9号鉢当たり大さじ山3杯、7号鉢当たり大さじ山2杯)を与えます。ただし、冬至芽の出ている親株は根本で切ります。
親株の寒気当て
- 菊の親株を寒さに当てて丈夫な挿し穂を採るため、初霜が降りるまで、ハウスの外に出して寒気に当てます。
- 寒気に当てた後はビニールハウスやサンルームか裾を開けたビニールトンネルの中に入れます。
盆養用冬至芽の株分け
- 親株は大鉢のまま越冬させた方が管理が楽ですが、場所が無い場合は、鉢縁近くの芽を発砲スチロール箱または素焼き鉢に鉢上げします。(7号鉢に3本 乾燥肥料 大さじ3杯または6号鉢に1本 乾燥肥料 大さじ1杯)
- 鉢底に赤玉の大粒(微塵はふるいで除きます。)を少し入れ、その上に培養土を入れて、根にえひめAI400倍液を散布してから、培養土の上に根を広げ苗を培養土で包むように植え、土をよく押さえておきます。
- 鉢上げ後は数日、半日陰に置くか、寒冷紗を掛けておきます。
懸崖用の冬至芽の鉢上げ
- 11月中旬に、懸崖の鉢際に出てきた葉の開いていない冬至芽(ウド芽)の根を2〜3cm付けて発泡スチロール箱に鉢上げしラベルを付けます。
- 鉢底に赤玉の大粒(微塵はふるいで除きます。)を少し入れ、その上に培養土を少し入れて、根にひめAI400倍液を散布してから培養土の上に根を広げ苗を培養土で包むように植え、土をよく押さえておきます。肥料は入れません。
- 鉢上げ後は数日、半日陰に置くか、寒冷紗を掛けておきます。
親株の植え替え
- 5号鉢の親株は根詰まりしていますので、7号鉢に植え替えます。
- 冬至芽が出ていない親株は、冬至芽が出易いように根を5号鉢程度に切り詰め、7号鉢か同じ鉢に深植えします。
- 冬至芽が出ている親株は、冬至芽が無い場所の土を鉢底まで取り去り、新しい用土を入れるか、一回り大きな鉢に移植します。
- 鉢には防寒材または新聞紙を巻きます。
苗の購入
- 弱った苗の更新や欲しい苗の入手のため、実生園に苗を発注します。園芸店や展示会場ではいい苗の入手は難しい事があります。
落ち葉集め
- シイ、カシ、ナラやクヌギの落ち葉を腐葉土とするため、公園や山で集め土嚢袋やガザ袋で保管します。
水やり
- 鉢の表面が乾いてきたら、晴れた日に朝方9時までに、8、9号鉢に700cc、7号鉢に500ccの割合で、柄杓を使って水掛けしますが、乾き具合を見て鉢毎に調整しています。水は汲み置きとし、(水道水の場合は一晩置きカルキを抜きます。PH6.5より水のアルカリ度が高い場合は木酢液を入れ、酸性度が高い場合は石灰を入れます。)それにマルトのサチュライドまたは展着剤(ダイン)とマルトのサンソを少々入れます。花が8分咲きになったら、水遣りを少なめにします。なお、容器の底には木炭と根腐れ防止剤(ゼオライト)を入れます。この時期、過リン酸石灰は中止します。
- 鉢が湿っていたり、曇や雨の日には水遣りはしません。
肥料やり
- 大菊液肥KING1000倍液とえひめAI 400倍液を週に1回与えています。
- 懸崖用や大菊のウド芽や秋苗を鉢に移植して10日経ったら、週に一度、大菊液肥V,マルトの菊アミノ緑やベンタS5000倍液を葉面散布しています。
- 肥料が多いと花弁が太くなります。
消毒
- 殺虫剤(スミチオン、ランネート、オルトラン、テルスター)と殺菌剤(ベンレート、ダイセン、ダイファー)を月に2回交互に散布します。オルトラン粒状(またはアドマイヤー粒状)と殺ダニ剤(ダニ太郎、ピラニカ、ダニサラバ、バロック)は10日に1度散布しています。アブラムシが付いたら、2〜3日置きにスミチオンとランネートを全ての鉢に散布します。なお、薬剤はローテーションして使います。
- 菊をハウスから出したら、マシーン油100倍液をハウスの中と鉢やポットに散布します。
- 薬害を防ぐため夕方散布します。
- 1000倍液は、1リットルの水に薬が液体の場合は、1ccを粉末の場合は1gを入れます。
- 水が100ccの場合は、薬が液体の場合は1滴、粉末の場合は耳かき1杯です。
ハウスの管理
- 1月上旬まで、腰のビニールを外し、出入り口も一日中開けます。
- ハウスのビニールが切れたらビニールハウス補修用テープで補修します。破れがひどくなったら張り替えます。
- 草が目立ってきたら、こまめに取ります。
- 3月〜11月までは、虫が入らないように出入り口とビニールを明けている所に、防虫ネットか4mmの防風ネットを張ります。
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