それにしても情報が多いこのごろ。第1部が劇場版アニメになるというのもビックリしましたが、SBRが5月半ば(現在3月半ば)には早くもコミックス化…しかも1・2巻同時発売という度肝を抜かれて慌てて体内に戻すという驚愕さッ!!
‘04 17号 #11
15,000メートル ゴール前 午前10時18分 |
{ジャイロ!大〜〜〜〜〜〜きく体をひねって後方をふり返ったああああ}
{すでにゴールまで残り1000メートルを切っているッ!}
{自分と後続の差はいったいどれくらいだと計るかのように…………心配なのかッ!それとも余裕なのかッ!}
ジャイロの暫定トップで1st.STAGEッ、クライマックス!!
{メキシコから吹く「サンタアナ」の風の中を崩れた『土石流』たちが一直線にゴールめざして襲い掛かるゥゥ!!}
{もの凄い勢いだあああ―――ッ}
{ゴール前に集まった観衆の声は大津波のようだあ―――ッ}
{到着する機関車の音がまったく聞こえませんッ!}
『くそっ……このディエゴ・ブランドーとかいうイギリスの騎手(ジョッキー)!引き離しても引き離してもオレの馬をさっきから風圧のシールドにしてまったく離れないッ!!』
数々の闘いが渦巻くゴール前!ジョジョとディオが火花を散らす!!
『このままこの風の中を…このオレにピッタリとゴールまで引っぱらせておいて直前に全馬を一気に抜き去るつもりだ…』
「だがそうはさせるかッ!ジャイロも限界が近づいているはずだ!あのジャイロ・ツェペリ差すのは……!!」
ジョニーの馬体が深く沈む!そして、
「このジョニー・ジョースターだァ―――ッ!!」
後ろ足で爆発的に地面を蹴り、小石を巻き上げる!!
巻き上げた小石が流星のようにディオを襲う、たまらずよろけて風圧シールド戦法が解除されてしまう。
これぞアメリカ競馬の裏技「ジャコビニ流星走法」である(←超ウソ)。
「こいつ!プロの騎手(ジョッキー)出身かッ!」
「加速する時、ついでに小石を巻き上げてぶつけてよこしたッ!!『風圧シールド』をプロテクトされたッ!」
「伝統のイギリス競馬界の外にこんな技術を持つヤツがいるなんて」
ディオはジョーキッドを知らない。ジョニーが競馬界を去ってから3年は経つし、英国と米国と活躍した場も違う。
しかしこれによりディオの心にジョジョのことが刻まれただろう。
そして選手が次々と脱落していく。
{疲れていますッ!!}
{全馬疲れていますッ!ここまで14,000メートル走って来たのですッ!死闘という集中力の頂点を保ちながら走り続けて来たのですッ!}
{走るのをやめてる馬もいますッ!全馬疲労の限界に来ています!!}
{そこを逃げ切れるかですッ、そこを追いつけるかですッ!!}
荒い息を吐き続ける各馬。暫定1位・ジャイロ、2位・ポコロコ、3位・ジョニー、4位・ディオ、以下は有象無象。
どの馬も弾丸のように、機関車のように、ロケットのように駆けている。
『どうやら、ここから先はもう……『技術(テクニック)』なんて使っても無駄なようだ……』
『…あるのは『脚力』だけだ』
『ここに来るまでどれだけ『脚力』を温存して来たか……!!』
「それだけだッ!!残された『脚』だけがッ!勝者の条件となるッ!」
ディオが言い切る、そうなるとラッシュを仕掛けつづけたジャイロは不利か?
一方、バケットヘッドがポコロコに話し掛ける。
「おいポコロコさんよォ〜〜〜、左へ行ケッ!」
「イイカラ『左』へ行くんだッ!ヤツの『左』へ回り込むんだ」
再び強運からの指示がポコロコへ。
{ここでサンドマンが岩場を下って合流だああああああああ}
{ここで破裂しそうな筋肉でサンドマンが戻って来たッ!ジャイロの前だッ!前に合流だッ!}
{8馬身は離れている!!ゴールを目指して合流成功ォォォォ―――ッ、時速40キロは出てるぞッ!!}
太陽の脚≠ェ炸裂ッ!頬を膨らまして爆走するサンドマンが現1位でコースに戻る!!
{これが人間の走りなのかッ?だがもうショートカットはないぞ!!}
{サンドマン!馬に対してゴールまでもつのかッ!逃げ切れるのかッ!!}
{ここでディオも出たッ!ディオが飛び出したッ!ゴールまでおよそ300ッ!ディオもの凄い脚だッ!}
{それともう1騎ディオと並んでいる者がいるッ!いやディオよりも先に出ているぞッ!!}
{ゼッケンはつけていない無名の騎手だッ!!ジャイロへ7馬身と襲い掛かるッ!!}
{ジャイロへ5馬身ッ!!}
{ジャイロ、サンドマンを追ってまったくペースは落ちていないが後続はさらに鬼気せまるもの凄い追い込みだあ―――}
目まぐるしく変わる展開にいやがおうにも興奮が高まる!
{ポコロコ、左後方からジャイロを差しにかかるッ!!}
{サンドマンを追って4騎が襲いかかるぞッ!ジャイロ!サンドマンに3馬身ッ!}
{並んだ!}{並んだ!}{並んだッ!}{並んだッ!}
{サンドマンを追って4騎が並んだああ―――ッ}
爆走するサンドマンのすぐ背後に並ぶ4頭&4騎手、そして追われるサンドマンが思うことは……
『オレにはもう帰る故郷はない……』
『だがお姉ちゃん…オレは…このレースを勝ってみせる……』
『大地の精霊のために……父さんや祖先の精霊のために…』
「みんなオレに力と勇気を与えてくれッ―――」
ほぼ横一線の均衡を崩す「囁き」がオトズレル。
「よしポコロコ、躊躇するなよ!!」
「コレデイイッ!おまえの勝ちだッ!」
「コノママ乗り上ゲロッ!地面に枯れ木が埋まっているぞ!!」
ポコロコのバケットヘッドが天啓を示す。
{なんだポコロコ、ジャンプしたあ――――ッ}
{枯れ木だッ!枯れ木を『跳び箱』の時のように『ふみ台』としてのり上げたああああ}
理屈はよく解らないが、とにかくジャンプ一番ッ!サンドマンをも抜いたポコロコ…やはりこの世で一番強いのは「運」なのであろう。
「 ! 」 「え?」
ポコロコのみならず全員が驚く…。
{いや違う、ポコロコじゃあないッ!抜けたのはポコロコじゃあない}
「な…なんだこいつッ!バカなッ!脚が残ってるはずがねえッ!」
「『下り坂』はオレの勝ちだった!!なんでこいつが出れるんだ!?」
「出れるはずがねえんだ!」「直線でもこいつは飛ばしすぎていた!!」
ポコロコ愕然ッ!!抜け出たのはジャイロである。ヤツの馬は無限のスタナミでも持っているのか?
「ジョニー・ジョースター、たまげたよ」「よくぞここまで追いついてきたな」
いきなりジョニーに話し掛けるジャイロ…。ここで驚くべきところは、ジャイロが実はジョニーを知っていたことである…ジョニーは一回も名乗っていない。
「ところで突然だがおまえさん」「船に乗ったことあるか?オレは乗ったことがある」
本当に突然だ。ちなみに私はあります…えっ、要りませんか…そうですか。
「知ってるか?帆船てのは海の上で向い風を帆に受けるほど早くなるんだぜ」
「『向い風』だぜ!」
「メキシコからの『向い風』ってのは……」
「愛馬が走るのを助けるためにあるんだ………初めっからな!」
……帆船…帆…ジャイロの背中ではためいている………
「ま、まさか」「背中のマント……」
「あ…あれは鉄球!!鉄球を巻き込んで帆にして……」
ジョニーが気付く、いつの間にかあの「球」が動いていることに!!!
『『帆船』―――』『『風の力』……『メキシコからの向い風』―――』
他の騎手がサンタアナで速度をロスしたのとは相対的に風を味方にしたジャイロ、効果は倍であったのだ。
{抜けるッ!抜けるッ!ゴールが近づくうう!!}
いよいよ決着の時が!!
{ジャイロ・ツェペリ1着ううう〜〜〜〜〜〜〜}
{後続を5馬身以上離して圧勝オオオオ―――ッ}
{スタート時から最終直線まで強いぞッ!!}
{1st.STAGEの王者はジャイロ・ツェペリだッ!走行タイム18分07秒ォォォ〜〜〜ッ!}
{『スティール・ボール・ラン』の『レース・リーダー』誕生だあああ―――ッ}
飛び交う怒号と歓声の中、1st.STAGEの勝者ジャイロがゴールを駆け抜ける、その右腕は誇り高く天を突き上げる。
レースリーダーとなり追われる立場となったジャイロ、彼の2nd.STAGEの動向が大いに気になります…刮目せよッ!
|