「このトラックの下に落ちているヤツは……!!助けるべきか?」
「なんで落ちてるんだ!?」
「あいつの顔……あの「顔」はッ?

‘02 14号  Act.106 食べるため

『ダイバー・ダウン』
 トラックにダイヴァー・ダウンを潜行させて貫通させ、直接に下のアナスイを持ち上げようとする。
「な…!なにかにひっかかってる、持ち上げられないッ!」
「ま…まずいッ!このままだとタイヤに巻き込まれるッ!」

「う…これは……」
 下のアナスイが言葉を発する…、下のアナスイにも意識があるのか?

「ウェザー、止めさせろォー――ッ!車を止めさせ……」
 振り返るアナスイの目には…。誰も握っていないステアリング、なんとじいさんは荷台の方にいる……じいさん?…をよそ見している。これは…「分離」がアナスイのみならずじいさんにも及んでいる!!
 車は一直線に道路わきの障害物へ。

ドクシャ

 吹っ飛ばされる3人!だがクッションのような物に包まれている。

『ウェザー・リポート』」「エアバッグを作った」
「大丈夫か?」
「いったい、おまえなぜ急に車から落ちたのだ?」
 落ちたアナスイを助け起こすウェザー、その後ろでは…

「ぐがっ」「がっ」
 ピノキオの首を再び締める心の(?)アナスイ

「ウェザー、おまえオレのことが見えてねーのか?」
「そこに倒れてんのはオレなのかッ!」
「オレが勝手に動いてトラックの下に落ちたってことなのか?」
「運転してたじいさんも含め、体と心が分離しているって考えていい事なのか!?」
 今までの疑問を全てぶつけるアナスイ。我々の代弁者。

「みんな無事かァ」
「オー」
「姫はどうした?」
「姫は無事か?」
「向こうのバーガーキングの方へ飛ばされていった」
「助けろ」
「オー」

 おっ、ちゃんとセリフが7つ。7人の小人。
「見ろ!飛んでるっていゃあ、あいつら知ってるか?」
「行っちまうぜ。あそこだ!」
 あそこ?……ぎゃーーー!!28アストロボーイが!!!「C」って書いてある。なら安心。

「体を分離させる事がてめーらの能力なんだなッ!」

「し……知らないよ」「ほんとにぼくは何も知らないんだ」
「ぼくたただのピノキオ」

「でも別にいいじゃあないか……」
「君もファンタジー・ヒーローの仲間になれるんだよ。すばらしい世界だ……」
「ぼくのこと好きだったんでしょ?」
「君の魂がこれを望んでいるから分離しているんだ…誰もが行きたいと思う世界……」
『ボヘミアン・ラプソディ』自由人の狂想曲なんだよ」

 うるせー!!と言わんばかりにピノキオを叩くダイヴァー&アナスイ。
「やかましいぞ……答えになってねえんならこうするまでだ」
 うおっ、このコマのダイヴァーは少し怖いな。

 ビギビギに壊れていくピノキオ。心と体が一つに戻るアナスイ。
「こびとどもを探してたたくぜ」

 息巻くアナスイに静かに応えるウェザー。
「いや……そうじゃないアナスイ。たたくのは本体だ

「今のが攻撃というのなら……オレはこびとどもやピノキオとかいうヤツのことは良く知らないが」
「そのピノキオはスタンドではないような気がする」
「『本体と能力』が別にいてそいつが今のピノキオどもを産み出したのだ」

「それほど遠くないところに敵とその能力の存在を感じる」
「なぜかはわからないが徐倫の移動を感じるように敵だってことがわかる」
「ピノキオはただのきっかけだ…敵はダメージさえ負っていない!」

 星の共鳴(レゾナンス)とでも言うべきか、どうやら5人が5人ともお互いの存在を漠然と感じあっている…と考えていいのだろうか。。

 いまいち解からない、という顔をするアナスイ。
「なんなんだ?おまえらは?」

「知らん」
「とにかく徐倫は『北』だ…『北』へ進むしかない。バスに乗ろう」

「うう…待って」
 口を抑えてうずくまっているじいさん。

「おい、じいさん…口がまっ赤だぞケガしたのか?」

「よく聞こえないよォ〜〜〜わし…耳にいっぱい毛がはえてるから」

「指もケガしたのか?爪がわれてるぞ」

「ちがうよーーっ、助けてくれたあんたをしっかりだきしめて感謝するためだよォーー」

「ズボンのシリがやぶけてなにか出てるぞ…」

「助けてくれたあんたのズボンについたホコリをはらってあげるよー――っ」

「おい大丈夫か?口が耳まで裂けてるぞッ」

「そうさッ!おまえを食べるためにさあぁー――ッ」
「赤ずきん」

 じいさんが狼と化してアナスイに襲い掛かる!!
『ダイバー・ダウン』!!

 アナスイの肩口にかみつく狼じいさん。
「なにィーーー、ダ…「ダイバーダウン」が出ないッ!」
「こ…これはオレはッ!」『まさか「分離」が………!?』
「ウ…ウェザー!?」『どこだ!?ウェザー』「ウェザーがいないッ!」
『オレは…分離してるんだ…おれはどっちだ
「ダイバーDがいない」!…肉体の方だ…」

 混乱に陥るアナスイ。そんなアナスイを救ったのはダイヴァーダウン…アナスイ自身。横を走り過ぎるバスの中からじいさん狼の首をチョンパッする。

「お…おい見ろウェザー!!」
「聞こえねーのかッ!あれはおれだッ!おれがあそこにいるッ!」
「置いてきちまってる!!」
「ウェザー!!聞こえねーのか!?」

 バスの中。目をつぶっているウェザー。やはり「心」の方は他人とのコンタクトができないらしい。ところでウェザーの向こうにいる女の子は……クリムゾンずきんちゃんかな?

『知らねー間にオレはバスに乗っていた……!!』
『分離したことに気づかず勝手に動いている!』
『このスタンドの目的は!?いったいどうしようというのだ?』

スタンド名−ボヘミアン・ラプソディ





 ボヘミアン・ラプソディ、もはや私が言う事もないかもしれませんが元ねたはクイーン『オペラ座の夜』収録曲からですね。『オペラ座の夜』はクイーンの中でも最高傑作と名高い1枚であります。

 ここで能力がハッキリと判明。かつて自分が好きだったメルヘンに出会うと『心と体』分離してしまい、その中の登場人物と化してしまう。この状況を打破するためには、自分が分離したキッカケとなったキャラクターを破壊すること。じいさんは赤頭巾の狼となってしまったが、アナスイは何になったのでしょうか?クジラかな(デケェ)

 自分の意識が2つに分かれるのはどういう気分なのでしょうか?今回のアナスイの場合は心と体の両方にちゃんと元のままの意識が残っているので「分かれる」のではなく「2つ存在する」ということになるのでしょうね。どちらかが…というか肉体の方が死んだ場合は精神はどうなるか…?幽霊化。ホロウになっちゃうのかな(ボハハハーー)

 さて…このボヘミアン・ラプソディですがパニック系能力ゆえに本体を探すのがかなり困難だと思われるのですが、ウェザーが星の共鳴…私が名付けたところのウルトラ・フィールにより意外とアッサリと本体は見つけられるかもしれません。来週は体のアナスイを回収するところから始まるので本体探しはその後かな。でもウェザーもアナスイがいるのを確認してから(心のアナスイはウェザーには見えない)バスに乗れよぉ……。

○分離した結果、どういう現象が起きるのかまとめてみましょう。肉体と精神に分離してしまうが両方に「意識」は残っている。恐ろしいことに分離した事に気付かずにそれぞれがそれぞれの行動をとる。肉体の方はスタンドがでないことに気付かない、精神の方は人とコンタクトがとれていないことに気付かない。

○狼になったじいさんは精神?肉体?私が思うに精神の方は他人の精神も見える、ただし肉体の方は自分の精神は見えるが他人の精神は見えない。ウェザーがアナスイの精神が見れないこと、じいさんが自分の精神を見ていたことからの推察です。よって肉体のアナスイがコンタクトをとれたということは狼になったじいさんは肉体の方。

 『次号、アナスイに更なる恐怖!敵の真なる狙いが明らかに…!!』
 敵の真の狙いは……『精神の収集』では。まず肉体と精神に分離させる、そして恐らく両方ともキャラクター化すると思います。肉体のほうはそのまま放っておき、精神の方は敵本体が持つ特別な本(これがスタンド)に回収されてしまう。回収された精神は敵のエネルギーになってしまう。「『ボヘミアン・ラプソディにより引き出された精神は子どもの心に近い純粋なエネルギーであり、吸収するのに最も適している」とか何とか言って。

 う〜む、来週が待ちどおしいですね。ではでは!