‘02 11号  Act.103 3つ流れた


「あれぇぇっ!!?」「止まっちまったあああっ!!」
「どうなっちまったてんだ?」
 どうやらタクシーに乗っているらしい神父。額に汗を浮かべ、体調はあいかわらず悪いらしい。
「ガソリンはまだあるしよ……おっかしいなぁ〜〜〜〜」

 その時、神父の目に飛びこんできたものは……。

Orlando
 
mile

 タクシーメーターは33$33¢を指し示す。助手席には運転手の読みかけの本が置いてある。
題名は銃士』ダルタニャンと人の剣士。

「神父様ここまでっス。別のタクシーを無線で呼びましょう」

「いや別にいいんだ…急いでいるわけではない…時間はあるんだ」
『時間はまだ一週間ある』『『新しいわたし』…』
『相変わらずの最悪の体調だが次の『新月』までこの街で待とう』

 その刹那、夜空を横切るつの流星……。

 シンクロニシティー(共時性)。「意味ある偶然の一致」と訳されるこの現象。私も詳しくは無いのですが、ただの「偶然」との違う点は、その偶然を観察する者に関わりのある事、特に観察者の心に対応した出来事であるという事。主に予知、遠隔視、夢見の3つに分類されるらしい。

 その時、警察のバイクに先導された救急車がサイレンをケタタマシク鳴らし来る。神父がタクシーを下りた場所は州立病院の前であった。
「急いでッ!心拍が停止しているッ!」「こいつは強盗で警官に脚を狙撃されビルの6階から飛びおりた」

 次に…
「こいつは暴走族だ」「何を思ったのか高速道路を逆走して分離帯につっこんだ!全身を打ってる!」

 続いて…
「こっちは麻薬中毒だ」「なにを注入したのか知らんがショック状態だ!呼吸をしていない」
「血圧は45を下回った」
「緊急が同時に人かッ!」
「少なくともドクターが人以上は必要だ!!」「急いで中へ運べ!」

 暴走族の右手の人差し指から髑髏(どくろ)の指輪が抜け落ちる。 コトーン
 麻薬中毒者のポケットから貨幣が落ちる。 チャリーン
 強盗の脚から撃ちこまれた銃弾が落ちる。 コロローン
そしてつのアイテムが神父の足元に集う。
拾おうと屈みこむ神父。その後から何者かが神父を羽交い絞めに!

「麻薬中毒が目を覚ましているぞォ――ッ」
 医療用のハサミを奪い、神父の首に突き立てるヒラメゴジラ(仮名)。だがそんなことはどこ吹く風という感じで、自分の掌(てのひら)の中のアイテムを見る神父……弾丸、貨幣、指輪。

「こいつの首に突き刺すことに決めたァァァァァーーーー!!」
 激昂するヒラメゴジラ。だが神父は静かに語りだす。

「この夜空にさっき流れ星を見た……「3つ」だった」
「君はどこから来た?」「自分が「何者」なのか知っているのか?」
 
自らハサミを自分の首に突き立てる神父。貫通するほどに。

「うおおおおおお」「あ…あいつ…さ…刺しやがったぞ-――ッ」

「違う…」
 逆に狼狽するヒラメゴジラ。

「そう…違う」
「だが…このハサミはあとほんの1ミリでわたしの神経を一本切断できる位置を貫通している」
「これは偶然だ」

「どうする?君の意志だがちょこっとハサミを動かしてみるか?」
だがその前に君は「引力」を信じるか?人と人の間には「引力」があるという事を………」
 
神父の独演が始まった。
「私は今それを信じた。君にはわたしは殺せないんだ」
「君はわたしの引力にひっぱられてここに来たのだ」
「クスリなんかでエネルギーを消耗しているんじゃあない」
「気がついてないのか?君のエネルギーは正しい方向へ使うのだ」

 何かに怖れを抱いたかのように、神父から離れ逃げるヒラメゴジラ。その刹那、警官と自分の間にあった標識(何の標識?歩行禁止かな)ごと撃ち倒される。

「そしておまえたちは……」
「自分の父親が誰なのか……?たぶん知らなかったようだが………」
「これから知ることになる」

 倒れ伏している中毒者。しかし目は開かれている…あれっ!?この睫毛は……。
そして次のページでは……左首筋に星のアザ!
さらに追い討ちをかける不可思議現象!!何かがオカシイ標識が徐々にアップなる…その向こうで……

ドッカアアアァアーーーン (注:自己内音)

 なんだこりゃ!?標識の…中の人(?)が中毒者を引きずって…ガオォンみたいな…!!!!?


 場所は替わり…鉄格子の向こうに空が見える。アナスイ&ウェザー・リポート…。おっ、この2ショットは初めてなのでは?

「今なんて言った?ウェザーリポート」

「徐倫は…もうこの刑務所にも独房にも」
「いない」
「なんとなくわかるんだ…空気の感じで…ここを「脱獄」したという事らしい」
「今の話だ…」

「…………」
「おい待て………!!何でおまえにそんな事がわかる?」
「彼女がいないだと?」「誰の情報だ?」
「そんな騒ぎはどこにも起こってねーぞ」
 !!
思わずウェザーの後襟を掴むアナスイ…その目に飛び込む驚愕の現実。
ウェザーの左首筋に浮かぶ

「おまえはどうする?オレもあの神父を追って…ここを脱獄するが」

「………………」
『何者だウェザー・リポート、おまえは?』

 

○人と人との間には「引力」がある。『銃夢』というマンガで、人は各々に「重力」を持ち、強い重力を持つ者は当然に周りの者達を引き寄せる。しかしあまりにも強い重力を持つ者は己の重力により潰れてしまう……本が手元にないのでウロオボエですが。

○さて、今週のストーンオーシャンの最大の謎は「★を持つあいつらは?」ということでしょう。神父の「おまえたちは父親がだれなのか……」みたいなことを言っている事から、DIOの息子たちなのだろうか?実は前にDIOの子どもについて書いたことがあったのですが(予想自体は外れまくり)、それによるとDIOに子どもが何人かいても不思議ではないんですよね。その線からいくと、奴らはストレートにDIOの息子と考えても良いでしょうね。神父との出会いによりスタンド能力が引き出される。

○(仮説2)実は彼らはDIOとは全く関係がないが、スタンド能力の素質を持っていた。そして運命か、偶然か、はたまた引力によってか神父の元に集まった。そして神父(とその中にあるパワー)により能力を引き出される。★は烙印であり、神父の僕(しもべ)となった証である。「父親はだれか」という言葉は、「おまえらに能力を与えた者(=父)は誰か」と言っている。つまり彼らは運命で選ばれた兵士であり、父親を護るための存在であると言っているのである。

○ウェザー・リポートが徐倫と血が繋がっているのは確実みたいですね。「徐倫はもうこの刑務所にいない…なんとなくわかる」。奇妙な確信が感覚としてある!

○ウェザーと徐倫の関係は?
 @DIOの子ども:なんか鉄板って感じですね。
 Aジョセフの子ども:またかよ!そんなのやだぁ〜…これ以上ジョセフを汚さないでぇ〜
 B承太郎の隠し子:もっとやだぁ〜〜
 C仗助の子ども:年令があわなぁ〜い
 D徐倫の異父兄弟:ジョースター家の血が入ってないしね。

○個人的にはもう1つの脱獄ストーリーとしてウェザー&アナスイに活躍して欲しいのですが、そんな事も無いかな。新しい敵が出現したし。貨幣VS.エルメェス、弾丸VS.アナスイ、指輪VS.ウェザーで最終決戦、神父VS.徐倫という感じがします。

 ではまた来週!!