錦石とは青森県特産の天然石で、鉱物的な分類というよりは
その色の美しさや模様の特性によって主に分類されるものです。
県下いたるところで産出し、種類も多岐に渡ります。
鑑賞用はもちろんのこと、アクセサリー・小物等にも広く利用され、
郷土の特産品として親しまれ愛用されています。
平成8年には、青森県の伝統工芸品として正式に認定され、単に物産というだけでなく、
その文化的・歴史的価値が認められました。
錦石の名前の由来は、浜に打ち上げられた色とりどりの石の様子が
あたかも錦織りのようであることからきているのではと言われていますが、
文献に見られる初出については、弘化元年の松浦武四郎「東奥沿海日誌」の記述によるものという説
(詳細は「にしき石の歴史」の項を参照)、
あるいは、京都出身の尼僧が深浦に住み着き、吾妻の浜の石の色を見て
京の錦織を連想して詠んだ一句、
みちのくの 吾妻の浜の錦石 父恋しと鳴く 浜千鳥
の中の「錦石」が最初という説などがあります。
成分・成因など
錦石を分析すると、その多くが、碧玉(Jasper)や玉髄(chalcedony)、めのう(agate)に代表される、ケイ酸質(SiO2)が主体の岩石・鉱物であることがわかります。
新第三紀中新世の地層に属する火成岩中、あるいは堆積岩中より産するもの、または溶岩流や岩脈として表出するもの等があり、それらが川に礫(れき)として流れ、海岸に打ち上げられたりします。
錦石の多くは、モース硬度7〜7.5、水晶よりも硬く、研磨により美しい艶と輝きを現します。含有する元素や鉱物により、色や濃淡、幾何学的な模様や絵画的な味わいが生じます。
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