十二月の旅人・・じゃなくて日記

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12月24日 日曜日


じゃーん! 11月12月・合併号でーす!
(そんだったら11月に出んとおかしい)




こないだの日曜、12月17日 横浜の氷川丸けんぶつへ行ってまいりました。

氷川丸は2006年12月25日(あしたですなぁ)をもって見物終了してしまうので、見納めに。

ここんとこ虎ブル連発で人体も精神も休まる暇が無くて ちゅーか日曜の早朝とか深夜とか両方(ダブルヘッダー)
とかも労働してたり・・  だもんで、やっと終日の休みにありつけました。それが こないだ。17日。
いや、日曜の昼間は一応いつでも自由時間なのですが、体力チャージの為 寝てます。
ちゅーか精神が解放されないんですよ。そんなんじゃ。 とてもじゃ無いけど 描いたり書いたり見物したり
できませんでした。

11月にASAさんのブログで 二度も取り上げていた「小松崎 茂」氏
(戦艦画・ボックスアートのえらい人)の展覧もまぁ行きたかったのですが・・ それよりわたしゃ氷川丸。
それすら やっと精神解放されて(多数の頭痛のタネのうち1ヶ片付いたから)ほうほうのていで やっと行けた。



さて、12月17日の朝です。お疲れさんなので、早く出発することは出来ませんでした。10時出発。
氷川丸の入場者 連日先着100名には さよなら記念品をなんかくれるそうですが、この遅出ではむりむり。

近所のJR鶴見線は散発(昼は壱時間2本)なので 直接 鶴見駅まで歩きます。たいした距離じゃ無いです。1km。


いやぁ なんとも 久し振り。 徒歩で しかも電車乗りに鶴見駅へ来るなんて。
駅前はほぼ毎日じどうしゃで大急ぎで通過しているのですが。

きっぷ買ったよー。京浜東北線で 関内もしくは石川町まで ¥210。 市バスとおなじか。これで関内行けるちゅーと
割安感があるざんす。JR東日本の券売機のモニタに描かれてる「おねーちゃん」は、わての好きなイラストのひとつ。
タイプです(w  ただこれ、待機中のアンニュイな顔がなかなか見れんのが残念。
(登場当時は 金を入れるまで ちょい眠そうな眼で待っていた。 のだが、改良されて デフォ画面が
「料金ボタンタッチパネル」になっちゃった。その為、通常券買い動作に於いては 顔が見える機会が無い!
 買うと即おじぎしちゃうんだもん・・)
ちゅーか そんな話に6行も費やすわてが困りもの。

でんしゃ乗った。走った。見なれた町並みを電車から見る 見なれない風景。
いやー・・そもそも滅多に 鉄道乗らんうえに 純お遊びで乗るのは どんだけ久し振りであろうか。

でもまー・・ この時点では、 なんとも落ち着かない不安な気持ちで でんしゃ乗ってました。
わて 遊んでて いーのだろうか・・ みたいな。
あああっ!いかんなー! わて「遊ぶ為に生きてる」はずなのに。
どうせ現地行ったって 予算無いから氷川丸しか寄らんし。 体力チャージの為に 小屋で寝てたほうが良かった?
  いかんいかん。もう電車に乗っています。

「かんないーー」
では降りないで もうひと駅 いしかわちょうまで行きました。
いやー、来るの降りるの久し振り。
まこと私的な事柄で つまんない事ですが、実は昔は毎日通ってました。
昭和の末期つまり18年くらい前は 勤務先がこの辺でして 半年くらい通勤してました。

んあ・・なのに一瞬迷った・・ こっちだよな海は。山下公園は。
あーるいて 行くよー。 きょうは曇り空。
降水の可能性もあるので 傘(通常サイズ)だけ持って来ました。かばんの類はナシ。
わて きったねーゴミみたいなかばんしか持って無いから、てぶらな方がいいや。 持ってると浮浪者っぽいから。

法務局だ。ここにもしょっちゅー来たなぁ会社のパシリで。法人印鑑証明とりに。あの頃はわても皆も
むっちゃくちゃな迷惑駐車してたっけ。 ちなみに現在は「みなとみらい」な方に高層新庁舎が出来たから
登記関係は こっちに来なくていーの。

横浜人形の家だ。改善工事は明けて もう入館できるけど わしゃ行かん。
そりゃそうと此処の二頭身キャラの「ドルフィー」とかゆーの、うーん・・あわれなり・・
なんか、YOKOHAMAなワイの字をとったと思われるY字帯線が腹部に有るのじゃが・・
それって どうしても 股間から肩に架けるエロ水着に見えちゃう ちゅーか、
アイアンキングの敵の不知火族(わかる人だけわかって(笑))そっくりです。
  まぁこのキャラは 公募してた筈だから 応募しとらんと文句は言えません・か。


なんとリアル日付が変わってクリスマス当日になってまいました。25日げつようび。

仕方ない?ので、クリスマスっぽいラクガキでもアップしましょうか。













なんか・・見ていただけるのは まだだいぶ先になるのが決定的ですが
まぁクリスマスカードが誤配で遅れた!!とでも思ってあきらめて?下さい。
日本に於けるクリスマスってすごいねぇ。壱日過ぎればきれいに吹き飛んじゃうからねぇ。




やー、山下公園だねぇ。
ひと多いねぇ。 かもめ(ユリカモメ)も多いねぇ。鳩より多勢。 にんげんがエサやるからねぇ。
このウッドデッキは 露天おんがく やるみたい。 今は準備中。
あっちの人だかりは 大道芸 やるみたい。

120えんの缶珈琲をすすって まずは陸から 氷川丸のおけつを眺める。 すぐには入らない。
閉店を印象付けるような飾り付けは 控えめなメッセージ看板が2つほど掲げてあるだけ。 シンプル。
昭和5年製の この船は リベットびしばしの懐かしいエクステリア。
ちゅーても「宗谷」みたいに大正時代ではないから それなりにモダンです。いろんな所が。
わても歳くって 少しはそーいうの分かるようになったかな。 前回は着目しなかった。いろんな所を。

前回ってのは・・けっこう久々ですよ。平成元年頃ですかねぇ。その頃は かばん持ち営業やってて
イヤなのでサボって来たのですよ氷川丸。 ひまつぶし。 空いてた(笑)。


そんだば 満を持して?落ち着いたので 内部に入りましょう。 11時半。
きょうは空いて無い。 日曜だし閉店だし。

ボーディング坂道を昇って搭乗。そこが切符売り場グッズ売り場。 おとな¥800が
閉店セールで¥400。

標準見学順路に沿って廻りまっせ。

いきなり導かれるのが、機関室。
あーこりゃ、興味の無い人には 辛い所ですな。 薄暗いし、本来は機関士専用である階段は狭くて急だし。

巨大なジーゼル機関が左右にふたつ。これで プロペラシャフト二軸を回します。
それの狭間を見物します。
この デンマークから輸入したジーゼル機関・てのが そもそも新機軸でして、
それまではスチーム&タービンな外燃機関が大型船の標準でした。 まぁ原子力になるとまたタービン機関に
逆戻りしちゃうのですが。 ともあれ、軽量(軽くはないけど比較的に)で燃費よくレスポンスに優れた
レシプロ機関はナウでモダンなチョイスでした。

エンジン部屋のてっぺんはシリンダヘッドです。1ヶが人の脚一本よりでかいロッカアームがずらりと並んでます。
そしてむき出しのバルブスプリング。街灯みたいな太いプッシュロッド。
ただ・・何気筒あるのか忘れた・・ 直列8気筒か10気筒? が二機。

あーそうそう、かつては気にも留めなかったけど、特筆すべき点・・
このジーゼルが、複動エンジンなのです。大昔にちっと流行った形式で、
ピストンの下側でも燃焼を行なうのです。 下にもヘッドが有ります。
8気筒なら 実は16気筒の働きをするわけです。 欲張りですね!

ちゅーてもまぁ、下の気筒は排気量が少なくなります(ぶっといピストン軸が通ってますので)ゆえ
単純に「倍」とは行きません。 複雑でサービスが困難だしピストンの冷却も困難ですし・・
淘汰されて無くなっちゃいました。 巨大複動エンジンが船舶に搭載されたかたちで現存&見学できるのは
世界中でここだけだそうです。

あ、ちなみに コンロッドはシリンダからだいぶ下がった所にあります。複動なのでピストンの軸は
直線運動しかでけんからね。(自転車空気入れ みたいなシリンダ形状です)直線運動軸の下にクロスヘッド(関節)
があって そこからコンロッド&クランクシャフトです。 クロスヘッドを介する事自体は 巨大レシプロ機関
の場合よくある事です。

見物に戻りますが
なんといっても雰囲気が良いのが、天井にレールが走るホイスト(チェーンブロック)です。
手動のちっこいのが片側2機 電動のデカいのが片側1機 それぞれの機関の上に垂れています。
巨大な機関は いちど搭載したら最期(?)、メンテはすべて船内でせなあきません。
ちっこいチェーンは雑用、バルブ系用  でかいのはおそらくピストンあつかい用でしょう。
船舶巨大エンジンはスパルタンだからねぇ。ヘッド1気筒開ける位の整備なら、航行中に回しながらやっちゃうかも。
よっぽどの事がなければ 船のエンジンは止めません。(でも逆転する時にゃ一旦止めますがネ。こういった大型船
ジーゼルの場合、後退時は機関を逆回転させます。ミッションや後退ギヤは有りません。ペラ直結です。)
 ちなみに 始動はセルモーターな訳・・は無く、外部から圧搾空気(以降、単に「エア」)を入れて
ピストンを動かします。

関係ナシですが・・宇宙戦艦ヤマトで「フライホイール接続・・点火・・」てのは、どっちかってえと
零戦(栄エンジン)の始動方法っぽいですよね。エナーシャ式。外から人力ではずみ車を回して えい!と
クラッチを接続して掛ける。 なんのかんのゆーても松本零士のそーいうセンスは分かるなぁ。好き。泣ける。

一階降ります。
ここはカムの部屋。そして 特徴たる「下のヘッド」の部屋。上のバルブは先述のプッシュロッドで動かしますが
下のバルブは カムのすぐ近くなので カムからすぐロッカアームです。
わあ、このロッカアームには 蒸気機関車でもよくある「油壺」が付いてる。それっぽーい。
さわっちゃえ。フタ開けちゃった。なんか、まだ 油っぽい。実動してた時の油なんだろか・・
下ヘッドって なんか 排気の出し方も せまっくるしいねぇ・・ やっぱ苦しい機械だ複動機関は。

さらに一階降ります。
ここは オペレートの部屋。機関の部位で言うとコンロッドのあたりです。
吃水で言うと もう海に潜ってる深度です。普通に降りる深さは ここまで。 この下はクランクシャフト。
昔の冷蔵庫の正面みたいなフタがずらりと並んでます。ネジ式ペグで キリキリ締めて閉鎖してあります。
これはコンロッド関係のサービスリッドみたいです。見物客サービス?の為、一部は透明フタに換えてあります。

各機関の中央あたりに 船機関の醍醐味(?)運転装置があります。スロットル・・メーター・・
天井から「エンジンテレグラフ」表示が下がっています。船って言やあ、コレですね。
ブリッジから「全速!」「微速!」「後退!」てな指令が出されます。
それが伝わって こちらの機関室のテレグラフ表示(文字盤と針)が動きます。なにがしかアクションが
有った時には「じりんじりん!」とベルが鳴ります。それを見て機関士がスロットル操作をします。
右舷左舷の機関にそれぞれスロットルがあるので両方操作します。たいへんそう・・
船はひとりじゃ動かないんですねー。 今は基本的にブリッジの人だけでリモート操作できますが。
でも軍艦や自衛艦は今でもテレグラフ&にんげん操作・みたいです。と聞きました。

でかい計器は・・空気圧、冷却水温、etc・・
これは・・タコメータですね。フルスケールが、160rpm。
  ええ。16000でも 1600でもありません。さすが巨大レシプロ機関。
120rpmだとすると壱秒ピストン2往復。カムは壱秒1回転。
実際にはそこまでも回さないんでしょうねぇ。航行中はマージンを残して85%位の推力しか使わない筈。

この階は いま居る「ツインエンジンのはざま」から裏手にまわる事ができます。
ここは補機のスペース。むこうの壁は船の外廓みたいです。外は海中。
でかいエンジン発電機があります。えんじん、でけっ!!大型トラックの倍はある!たて・よこ・高さが!
これだけでそうとう大きな遊漁船が走りそうです。こいつで起こした電気で あらゆる電灯や空気コンプレッサ等を
まかなっているんですねー。 このエンジンはどうやって掛けるんだろ?

まだまだいろんな興味深い区域がありますが(そういうとこにこそ働く海員の苦労が落ちてる)進入禁止。
いーかげん高い所に戻りましょ。 かなり長居しました。

エンジン区域から出ると准室外(ふきっさらし とも言う)の喫煙所が。いい心掛けだ。

次の展示部屋は ギャラリーの部屋
船模型が沢山 & イーゼルに架かったカラー図案画 が有ります。

模型は・・ようわからんけど1/200〜300くらいかなぁ(けっこう大きい)。客船貨客船(つまり民間船)がほとんど。
畳八畳くらいの台にどっさり居ます。すべてがウォーターライン模型です。そんで・・ぜんぶ紙クラフト??
なんか、紙クラフトで有名な方 の紹介が架けてありますが。よくわかりません。すんません。
図案は
なんか、氷川丸の内装はコンペで決めたんですって。その時に 採用されたデザイナーの図 ちゅーか作品。
三面 四面図とか予想画とか。
これが 「アール・デコ」調の やっぱり新機軸だそうです。 それまでの豪華客船はたいてい英国調の重厚なセンスで
出来ておったのを 当時(1930年頃)の先端のアールデコでやった・と。これも氷川丸のウリだそうです。
うーん・・
「アールヌーボー」は・・アートのニュー。新芸術。 デコって、でこ?な訳は無いか。デコレーションとか?
流線形や弧を使いつつ直線も有って幾何学模様っぽい。ナウいんです。 といってもわしにゃ英国調とどのくらい
違うのかわかりませぬー・・ 並べりゃ判るんでしょうけど。縁遠いなぁ。
ま、豪華客船は 豪華なんだな・て事で。

次の展示部屋は これまた貨客船の模型&小物実物 の展示。
これは特別展だそうです。(まぁ閉店まぎわなのですべての展示が期間限定ですが)
階段を降りてやって来ました。ここは 階段も広いし 部屋の造作も船っぽくありません。つまり もともと空間
だった所に「建築」したのでしょう。降りた・て事はエンジンと同じ「低いところ」なので
たぶん貨物室なんでしょう。 氷川丸は貨客船であります。
なんか、昔の水族館っぽい展示。
薄暗い室内で 水槽を覗く感じで 展示の模型を見るかたち。 貨客船の推移を追ってゆく・ちゅー展示らしいけど
あーんーまーしー興味ないにゃー。 ああ、作りかけの空母インディペンデンス(1/800)再開したい。
ガキな頃 フェリー「さんふらわあ」プラモ組んだねぇ。あれ太陽の塔とか、70年ぽくて素敵。いまは無き
長崎屋鶴見店に飾ってもらったよ。 長崎屋で まだ少女でおかっぱの岩崎宏美さんのミカン箱ライブ(いや、既に
デビューしてたからもうちょっと立派なステージでしたが)観たなぁ。おもいで。
展示はそそくさとしつれいして、出ると、

油絵が6点ほど架けてある。
おお、こっちは興味あるぞ!
これは トリスおじさん(アンクルトリス)で船画伯な柳原良平の 船の油絵ですわ。 よこ三尺くらいのキャンバス
(油絵しらんのでよくわからんけど30号サイズ?)が4つ&小さめが2つ・・

やぁ、これはいい。 写実的にしない。背景の富士山なんか略イラストみたいに頭がフラット。でも抽象画にしない。
船が重い。さざ波はいまにも動きそう。 なによりかにより、この絵には「さぁ船だぞ」ちゅーわくわく感が有って
それが私にもわかる。 天才かつ心底好きじゃないと描けないんだろなぁ。 ひさびさ絵画に感動した。

  ぜんぜん人あつまってないけど、みものはこっちですよぉ。なんだ、これ知ってたら普段の入場料¥800は
そう高いとおもわなんだに・・

隣の間にはミニシアターが有る。氷川丸活躍中の白黒記録映像が上映中。

また壱階層 昇って戻ります。

  全然関係ナシですが、最近ちょっとだけ酒「なめて」ます。
  おぼえてて下さらなくてええですが、酒呑まないよ・て時々日記に書いてありまして。それに反しますが。
  トリスの ポケットウイスキー。 これを キャップをちょこにしてちびちびと。 養命酒っぽい?
  ウイスキーは嫌いじゃ無いんです。蒸留酒は好き。ビールが苦手・・気持ち悪くなって量を飲めない・・
  「トリスを飲んで ハワイへ行こう」
  わーい!奇遇ですね。まぁ自他共に認めるじじいのわてですが流石にそのCMはリアルタイムじゃ知りません。
  ちゅーかポケットウイスキーとかスキットルとかのアイテムって、やっぱ好きやなぁ。

次の展示へ移動するあいだに 厨房がありました。でかいです。ガラス越しに見物するかたちになってます。
簡単な説明ついたてと 野菜や肉のおもちゃ(サンプルとは言えない、チャチな物)がわざとらしく置いてあります。
そんなの無いほうがいいのに。苦笑。
ガス台に実際にやかんが掛かって、沸いてた。 なんだろなー・と思ってたら、用務員みたいなおやっさんが
来てガス止めて持ってった。茶でも煎れるんでしょう。なんかヌケヌケしてて可笑しい。展示なのに。

次の展示部屋は またまた史料。
デビューから 戦中病院船時代 引き揚げ船時代 客船復活時代 引退 を追った 写真や紙資料など。
娘看護婦の日記とか勤務表とか・・この人、最後の日は戦死てあっさり書いてある・・
柔道の嘉納治五郎も 氷川丸上で病死したんだなぁ・・ けっきょく大戦でフイになったオリンピック誘致のため
老体でIOC会議へ行った帰りに 日本到着二日前に。 地球か・・なにもかもみな(またかい)
わりと感動しぃなので 泣けた。

さてさて、
順路に導かれて次へ向かうと
昇って 甲板に出ました。外です。ブリッジの前方。貨物用のハッチがあります。この前方は船首です。
船首は甲板から一段上がったデッキになっていて操錨機(いかりウインチ)とかがあります。
うおー・・アベックがへさきで「タイタニック姿勢」やってるー・・
それってほとんどビョーキですよね。 ちょっと懐かしい言い方。

マストに とんびがやって来てとまった。さっきから数羽飛んでたうちの壱羽。
ぴーひょ ぴーひょ ぴーひょ・・ 小声で なんかゆーてます。 猛禽は勇ましいのに声はみなカワイイ。
っても小動物にとっては悪魔の声なので本能で即逃げますが。

次は 一段昇って「Aデッキ」の階に来ました。
ここが 船のうわもののベースとなる階ですね。客船の場合、機械的強度的な天板(甲板)の上にかさ上げした
広いデッキがあって、プールがあったり広場があったりします。それがAデッキ。 氷川丸、プール無いけど。

そんなAデッキの ブリッジの下あたりに居ます。 ここはガラス窓(当時の設備。嵐に耐える頑強な仕様)に護られた
明るい廊下ですが廊下の端部は密閉されておらず風通しがいいです。喫煙可。
この廊下の木の床が(手入れが良かった為)当時のまま・てのが やっぱりウリだそうです。
毎朝磨き上げたそうです。そうよねー、スパルタンな海員の帆船実習みたい。
この木の床は 水平で無くわずかに弧になってます。しかもモノをころがすと船中心に転がるような傾斜も付いてます。
酔った客が海に落ちないように・でしょうか?(いや、それより建造強度的に「はり」を持たせる為だと思います(笑))

  余談ですが 氷川丸は とても寒くて海も荒れる「シアトル航路」で使うのを前提に造ったので外板は5割増に厚く
  その他もいろいろ強く出来ています。病院船時代には機雷くらったりしましたが生き残りました。

このAデッキの前方・ブリッジ下の設備としては ゴージャスなサロンとか談話室みたいのとか図書室とかがあります。
残念ながら入れません。窓ガラス越しに見るだけ。 このゴージャス区域の左・右・前方を「コ」の字にかこう形で
先述の 自慢の廊下があるわけです。

順路で 一階層昇ります。ここは ボートデッキ。説明はのち程。

順路で さらに一階層昇ります。ここはブリッジの船長室。のち程。
    この辺は乗客の来る所じゃ無いので狭い急階段。

さらに一階層昇ると ブリッジのてっぺん 操舵室です。
うーむ 高い所だわい。 わしゃ高い所 苦手でも好きでも無い。ふつう。
左右には吹きっ晒しの張り出しがあるので(大型船の艦橋にはよく有りますね)真下の海が見えます。これはこわい。
そんで、この張り出しの左舷側には テレグラフをミニにした様な操作レバーが有るざんす。
文字盤には、「ポート(左)」「スターボ(右)」・・なにこれ?バウスラスター?なの?昭和ひとケタの氷川丸に
そんないいモノ付いてたんか?(これは後日調べたけど 不明)
右舷の張り出しにも操作レバーが。これはわかる。いかりの操作レバーが二本。

操舵室の 戸締まりできる「室内」部分を見物。中央には舵輪やジャイロコンパス。その前にはエンジンテレグラフ等。
左にはすごい旧いレーダー。宇宙戦艦なんとかの4次元レーダーみたいにデカい。ただし凸ドーム状では無くフラットです。
ごみバケツ式のフタがしてある。 左の前には もうちっと新しいレーダー。これは戦後に追加した装備かな?
そして、船っぽい装備の伝声管。ラッパに向かって怒鳴るやつ。でも船長室と船長寝室へ行くヤツしか見当たらない・・
背後には 神棚 各灯火のモニタ盤 それから 火災報知箱。これすごいプリミティブな装置だなぁ!

14インチTVを ちょい小さくしたサイズの箱。ただし木わくで古風な造作&色合い。それの正面・左右がガラス張り。
あたかも すきま家具のように壁面に合体しています。で、
中に、アイスクリームのコーンちゅーか手巻寿司のミニみたいな金属すいが20ヶほど並んでて・・各寿司?に
セクション名が書いてある。 なんとまぁ、各セクションに神経みたいに細管が通じていて 火事になりゃこの箱から
実際に煙があがる!と。 リアルすぎる。 あのぉガラスがけっこう煤けてるんですけど・・萌えた?(汗)

舵輪はやっぱり子供に人気があって、(ちゅーかパパが撮影したくて立たせる?)混んでます。もちろんパワステに
なってます。  操舵室の全体的な雰囲気は、まぁ床とかリフォームしてるせいもあるのでしょうが思ったより
機器がゴチャゴチャして無くてシンプルです。客船だから かな?  船の科学館の 南極観測船「宗谷」はもっと
雑然としてた感じ。ちゅーか宗谷は大正生まれだからなぁ。
操舵室の背後には別室があって、でっけえ通信設備が有ります。でもこれは展示の都合で 引越しして来たモノで
本来は この部屋は海図室でした。昔の航海は六分儀と時計と磁針と紙の海図が主役ですので 大スペース必要です。

ブリッジを一階降りると この階は船長室です。六畳くらいの応接間と六畳くらいの寝室 それと広いバスルーム。
洋風なので便所一体。 独立した洗面台。 各部のあつらえもゴージャスです。
とはいっても場所は「高い所」なのでシケた海では揺れまくるでしょうね。有事の際にブリッジへ急行するためには
仕方ないです。 宇宙戦艦なんとか(また・・)だと艦長室が上でしたね。被弾しないかい!?

かつて某さんと「宗谷」観た時に、「なんで船長室ってこんな豪華なのかなぁ?」てな疑問を問うて来ましたよね。
ニュアンスとして(船長ばっかり優遇し過ぎじゃないか?)て感じで。

海外へ赴く船の上は プチ日本国。ここでは総ての最高責任者が船長です。犯罪や紛争が起きる事もありますし
選挙で海外投票が有るかもしれません。船員は厚生年金とは違う船員保険の加入者だったりしますし、立法はともかく
プチ社会に於いて司法と行政の長をせなあきません。 会社として見ても 労働者全員をとりしきる役員役ですし
海外に於いては 日本国を代表する「大使」です。他国で そこの役人とかを迎え入れるのは この船長室です。
そして特に 氷川丸、ここは、安いクラスはあるけれど豪華客船です。べらぼうな料金を払ったお客を乗せています。
それに対応するサービス責任者も船長。そしてそして・・やはり一番重いと言われるのが、客や船員の生命を預かる役割。
難破、遭難、沈没したとしましょうか。そんな時「この客その客あの客をボートへ!お前はまだ!」とかの決定、命令を
行なうのは辛いけど船長の責任というより最大の任務です。

船長室くらい豪華でもバチは当たらないよね。

さて、堪能したので また一階降ります。ここはボートデッキレベル。ブリッジの一番下・な感じです。
えーと・・この部分のブリッジは、今は船絵のギャラリーになってます。本来はここが通信士室だった感じです。
有名な画家さんと思われる紹介文が架かってます。が、すんませんがわかりません。
写真よりもクリヤで綺麗な精密写実画(サイズはA3くらい)が沢山架かってます。さらっと観ましたが、わしにゃ
柳原良平の油絵のような感動が感じられませんでした。

さらに降ります。Aデッキです。
さき程の「木の廊下」は左舷でしたが、こんどは右舷。順路から ちと外れますが、椅子と灰皿があるので
勝手に休憩します。 ふー、灰皿うれしい。家を出てから初めて着席した。氷川丸に2時間も居るぞ・・
おかしいなぁ。前回来た時は、こんなに充実した船とは思わなかったのになぁ。おまけに、後ろの方にゃビアホール
なんか設けちゃってさ・・商売の方向 間違ってないか?とか 客が減るのも仕方ないや・・とか 氷川丸にゃ
なげやりな気持ちしか感じてなかったのになぁ。

Aデッキの中央部、下へ降りるゴージャスな階段があります。こんなのも、アール・デコ。だと思う。
降りた所は 一等ダイニングサロン。 船幅いっぱいに使った広い部屋。 四人テーブルが十くらい ゆったり配置
してあります。 そういや立体的に見ると さきの「厨房」に近いんですね。 なるほど。
ステージが有ります。ヤマハのグランドピアノが有ります。 食事じゃ無い時は 舞踏会 な感じでしょうか。
かつて一時期 ここ横浜での氷川丸は結婚式場にも使ってましたが、こりゃバッチリこのまま使えて良かったですね。
なのですが、今回は ここにも臨時展示があります。

氷川丸おいたち〜こんにち迄の 白黒写真パネル展。 昭和36年に此処へ落ち着いた頃の 山下公園の昔の写真
(航空写真)はホントさっぱりしてる。目立つ建物といえば マリンタワーとホテルニューグランドくらい・・
昔は船室を利用したユースホステルとしても使ってたんだよね。氷川丸に泊まれるよ・てのは小学生な頃 聞いた事ある。
百人はいれる百人風呂かぁ。船内大改造してこんなの設置した時期もあったんだぁ。
まぁほんと、採算ってのも有るから仕方ないけど、氷川丸の内部って いじりすぎたよね。
それから 30年くらい前までは 此処での氷川丸って黄緑色に塗られていた。あれも変だった・・
ああ、氷川丸って、ここへ置く時に ペラ&ペラシャフト とっぱらっちゃったのか。 そういう写真有り。
舵もさぁ、水面下の部分は切り詰めちゃったらしいですね。
浅い山下公園に置かれた氷川丸は、最小限の浚渫(しゅんせつ)で ぎりぎり海に浮かんでる。
ここから移動させるのは 現実的にはもうムリらしいですね。浚渫費用がかかりすぎて。

大宴会場もといダイニングサロンを出ましょう。出たらわきに小部屋「ナーサリー」がある。ってもナースが詰めてる
医院では無くて託児所です(英語でけんゎ)。航海時に乗ってた子供って、どんな子なんだ!?なん人くらい??

ゴージャス階段を昇って もとのAデッキへ戻ります。 自慢の廊下があったり図書室や談話室があったり
なにかと豪華なAデッキですが 特別室や一等客室も この階にあります。
特別室は 部屋が二つと専用バスとデカいクローゼット といった構成。 ステンドグラス窓&豪華けんらんな内装。
王室気分なのですが そこはさすがに船内、ひと部屋の広さはせいぜい六畳程度。 チャップリンが乗った ちゅー
話は有名ですな。あまり部屋から出ず こもりがちだったそうです。

その隣は一等室がいくつか。 こちらもじゅうぶん高級ホテルです。特別室よりサッパリしてて いいかも。

高級セクションをさらに進むと 一等スモーキングルーム てのが有ります。 天井が吹抜けて高く、天窓があって
昼は明るいです。まぁここも社交サロンですね。 実際に休憩していい事になってるので、ダレた大人がくつろいで
椅子は満員です。家電店のあんま椅子コーナーみたい。いっかくに「ミニバー」が有りますが、ホームバーみたいな
感じでは無く ミニミニキヨスクみたいな、窓口みたいな感じ。

さて、いま一等室が並んでたのは左舷側ですが、スモー部屋(・・)から右舷側へ進むと 帆船模型展示部屋に
なってます。こっちは船室 とっぱらっちゃったのでしょうね。 それほど興味ないので そこそこ観る。
関係にゃーけど、ボトルシップには興味ないけど、ボトルねーちゃんは作りかけたなぁ。とんざしたけど。
いったん人形をスクラッチしてねぇ。分割可能にして。瓶内で再構築。もちろん、「ここから出せー!」ポーズで
ひざ立ちしてるの。

三等客室とかは・・ここ来るまでのあいだに見たのだけど・・どこで見たんだったけなぁ・・いま、氷川丸入場パンフ
(ペラ紙)見ながら文書いてるのだけど・・パンフじゃ無視されてるし。 そういう所がいいのに。
もっと低い階で 騒音もするだろうし、丸小窓があるだけです。8人部屋で、二段ベッドが4つある そんな所だったと
記憶してます。防水閉鎖区域を設ける関係で 廊下にはちいさな穴をくぐる部分がいくつかあります。

Aデッキの上は まだよく観てないので 上へ参ります。
この階は ボートデッキと呼ばれてます。救命ボートが 片側4そうあります。あと、艦尾に片側1。合計10艘。
これって数 足りてんのかなぁ? いまはみんなカプセル式だから場所をとらず大人数分用意できますが。いやね、
今の基準では、片側だけで全員分無きゃいけない筈です。傾いたら、反対側は落とせないとか船ごと沈んじゃう
かもしれませんし。
このボート自体も よろい板(西洋の木造家とかでよく有る、瓦っぽく段々に重ねてある壁板)で構成されてて
貴重品なんだよ!と書いてあります。

この階、ボートデッキの建物部分はひとまわり小さくなってます。本来の用途はなんだったのでしょうか。
わりとガラス窓や扉が多くて、一部は倉庫や機械室っぽい風情です。近年までテナントだった・と思われる
「物置き」部屋もあります。 うしろ半分は いまもやってるカフェテリアになってまして、千客万来、賑わってます。
わしゃ貧乏人だし、混んだ食事処きらいだから、寄らんもんね。

この ボートデッキの建物の屋根上は「ファンネルデッキ」です。煙突のふもとです。
昇れるので いってきます。

うーん、煙突と機能部品しか無いな。巨大エアインテークとか小さなキノコ煙突とか多数。
船の煙突って、こんなにでっかい必要は無いんですよね。主な役目は、カウリングと 飾り。
飾りちゅーても船舶の個性の発揮しどころですし、大切なレターやシンボルを描く部分なので重要です。

降りて ボートデッキ
さらに降りて Aデッキです。 Aデッキのうしろ方面は 広大なオープンデッキになってます。
夏はココがビアホールになっちゃったりします。 ビールが好きく無い私にとっては うらめしい限りです。
(閉店を知るまで氷川丸来ようとせんかったクセに。うらめしいも無いもんだ。)

オープンデッキの後端つまり船尾には一段高い(つまりボートデッキの高さ)ミニデッキ(正式名称不明)があります。
高いので接岸部分や海面がよく見えます。ここは屋根無しですが、舵輪と 後部のくさり操作レバーと ブリッジにも
有った謎レバー盤(スターンスラスター?)が有ります。 舵輪は 後退時とかに使うんでしょうか。もしくは
ブリッジのパワステ舵輪が故障した時の予備?
関係ないでしょうが、帆船 日本丸とかは ブリッジで舵輪を回すと最後尾の「見せ舵輪」が回って、それを操舵手が
トレースして「ほんもの」の舵輪を回して直下の舵を動かす(つまりエンジンテレグラフっぽい)ちゅー人力リモコン
だった・・気がします。 というよりブリッジは「出先機関」で本部はこっち:な考え方なのでしょうか。



・・・・・・なんとまたもやエディタ(シンプルテキスト)に 文字が多すぎ! と怒られたので
2まい目へ移ります。 わーお!なんてこったい・・ ポパ胃




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