心配なのに・・




「ねえ!サスケとフッチって付きあってるんでしょ!?」


「・・・はあ?」

 
同盟軍のリーダーであるナオにいきなり聞かれた質問はサスケの予想外すぎた。
リーダーの部屋によばれたのだから、今度の計画の事で用があるのだろうと
思っていたのだが。

「用件ってもしかしてそれ・・・・?」

「うん!!前から気になってたんだよね!でも聞く機会もないしさ〜!!
おもいきって部屋まで呼んじゃってゴメンネ!」

元気良く答えるリーダーのナオ。
そこには年相応のイタズラ好きそうな少年の顔があった。

「・・・失礼しました・・。」

「あっ!ちょっと待ってよ〜!!」
 
一応リーダーの部屋なのだから退室する時の礼儀の一声は忘れなかったようだが、
サスケはすたすたと部屋を出て行ってしまった。ナオがあわててひきとめる。

「も〜!照れないでよ〜!付き合ってるんだったら
それでいいんだよ!!みんな知ってることだし!」

サスケは何!?といった表情でふりむいた。皆に知られてたのか・・・!?

「・・・それでなんなんスか?」

 やっと答えてくれたサスケに、ナオがまじめな顔つきで話しはじめた。

「ちょっとフッチのことでね・・・。」

とっとと帰ろうと思っていたサスケだったが、
思わぬナオの真剣な表情でフッチの事といわれると、
さすがにサスケも興味を示し、まともに話を聞く体勢に落ち着いたのだった。

「元解放軍のリーダー、ヤヒロさんからきいたんだけどね、
フッチって昔は一人称がオレのやんちゃなイタズラ小僧で、
ヤヒロさんが初めて会ったときもフッチとヤヒロさんの親友が
ケンカはじめちゃったんだってさ!
すごい元気で自分が竜騎士であることに誇りを持っていて、
愛竜のブラックと元気に空を駆け回っていたんだって。

・・・でもそんなフッチもブラックが自分を庇って死んでしまってから、
心を閉ざしてしまったみたいなんだ・・。」


ナオは息継ぎもせずペラペラと話す。サスケもその話は真剣に聞いていた。
おおまかには知っていたけど、フッチの過去が気になっていたから。
フッチの過去はフッチ本人から聞きたいと思ってはいたが、
フッチはあまり話そうとはしない。話すのもつらいのだろう。

そんなフッチの気持ちを察して、サスケもあまり聞かないでいた。
でもフッチが1人で苦しんでいるのをみるのがツライ。

自分が少しでも支えてあげれたらいいのに・・、
そんな気持ちから始まった恋心なのだった。

「ブライトと出会ってから結構元気でてきたみたいだけど、でもね、
サスケとつきあいだしてからフッチがすごく嬉しそうなんだよ!!
あの子かわいいのに今までずっと暗い顔しててさ!!
もったいないなあって思ってたんだ。だから僕も嬉しくって。
街道の村で会った時から一目ぼれして同盟に誘ったくらいだから!」


ナオは冗談ぽく話を終えた。でも真剣にフッチの事を考えていたことはよくわかる。
彼もまた、フッチを好きなんだなあ(友達として!←サスケのつっこみ)と
サスケは実感し、また、ナオの素直な意見に嬉しくも感じた。


(フッチがオレといると嬉しそう・・か・・。)

その後は少し歓談し、一礼してナオの部屋を去ったのだった。





サスケはとても緊張していた。そして目の前の少年、
フッチも下をむいてほんのり顔が赤くなっている。


「・・・フッチ・・・」

「なっ・・何!?」

「あ・・・あのさ・・」

ええいっ!もう考えるのやめた!!サスケは首をふって、
勢い良くフッチの腕をつかんだ。フッチは驚いて顔をあげ、
サスケと目を合わせた。赤味のさしたフッチの顔は、
瞳も緊張のせいか潤んでいて、サスケをとてもドキドキさせた。

 2人の視線が重なる。そのまま顔を寄せ合い静かに、優しく口づけた。

「何度キスしても、未だ慣れねえな・・・すげえ緊張する・・」

 サスケは照れ笑いをした。

「僕も・・・」

そして顔をあわせて微笑みあった。

「・・・ナオさんがな、すごいおまえのこと心配してた。
だから最近楽しそうで良かったって。」

「え、僕の事?」

「そう、友達として心配してた。」

「なんか、友達って部分をやたらと強調するね・・・。」

「とにかく心配してたんだよ」

少し不機嫌そうにサスケが答える。
その表情がかわいくてフッチは思わず抱きついた。

「・・・なんか僕、情けないなあ。サスケにもナオさんにも
ハンフリーさんにもみんなに心配してもらって。」

「情けなくなんかねえよ・・・・・だから・・・」

「え?何?」

 サスケは恥ずかしくなってその先の言葉がいえなくなってしまった。
フッチに問い詰められ、なんでもないといいはると、
フッチもそれ以上きいてこなくなった。サスケはまだまだ自分はお子様かも・・と思う。


もっと相談してほしいし、もっと頼ってくれていいのに。
             ・・・・・・おまえがすっごく好きだから。


(・・・やっぱいえねえな・・・)

「明日は早いからもう寝ようよ。」

フッチが眠そうにサスケによっかかってくる。

「そうだな」

そして互いにじゃれあうようにキスをすると、一緒の布団にもぐりこんだ。
サスケはいつもフッチを抱きしめた体勢で眠っている。
フッチは自分は抱き枕じゃないぞと文句をいうが、
その時の少し照れた表情がかわいいと思う。


そして今日もフッチを抱きしめ、深い眠りにおちたのだった。


 








さあ、皆さん。砂をはいてください。
私は先ほど食べた夕飯も一緒に
はこうと思います。そ
れにしても・・・フッチもてすぎ・・・?
っていうか2主ばらしすぎだろ!