漢の冒険 後編 「・・・・・・・んで、結局オマエらの覗きスポットは こんなとこなのかよ。」 サスケが呆れ顔で呟く。 シーナ専用のお気に入りポジションがあるのかと思ったら なんのことはない、ここは風呂場の窓の外側だった。 「女湯だったらこんなとこにいようものなら女性達はもちろん、 テツさんに鉄拳パンチをくらうところだが、男湯ならガードが 非常に甘い。何も、苦労して変な場所から覗く必要もないだろう。 第一なあ、屋上から覗こうと根性で小さい穴をあけようもの ならば、湿気のせいでやがて天井が腐っていき建物自体の老朽化 が・・・・」 そんな覗き解説なんぞどうでもいい。サスケはうんざり顔だったが シーナの話のオチ「自分は変態ではない、しっかりとマナーを守った 紳士なのだ」に更にガックリきた・・。どこをどうきたらここまで 都合の良い意見が出てくるのだろうか。 ナオはそんな話を無視してこっそり窓の淵に手をかける。 「おいナオ!いい加減に・・・!!!」 「サスケ、静かに!フッチが」 「え」 2人の暴走を止める予定だったサスケもいつのまにか風呂の内部に 目がいってしまう。「フッチ」の一言でサスケは簡単に翻弄されてしまう、 もはや魔性の言葉だった・・ しかし。 目の前には予定外の人物が気持ちよさそうに湯船に使っているではないか。 シ:「・・・・・・・ヤヒロ!!!」 ナ:「あ、ヤヒロさんだ」 サ:「・・・・・・なんでアイツがこんなところに堂々といやがるんだ!!」 ナ:「それは当然、先ほど僕が連れてきたからさ〜」 サ:「そういうことではなく!!」 シ:「そりゃまあ、ここは男湯だし・・・って、 あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 シーナがいきなり素っ頓狂な声をあげる。 その声の大きさにサスケが急いでシーナの口に手をあてる。 サ:「何 大声だしてやがんだオマエは!」 シ:「そうか、そうだよ!男湯だったんだここは! オレたちも普通に入ってなんの問題も ないはずじゃねえか!!」 サ:「・・・・・・・・は?」 サスケはかなり間の抜けた顔をする。 (・・・何を言ってるんだ、今更?) サスケは、てっきりこの2人は覗くことに意義があるとかどうでもいい ポリシーの為にわざわざ男湯さえも覗きにきてるのだと思っていたのだが。 ナ:「あ、そうか!」 更にナオまでズレた返答をする。 サスケの顔に怒りの四つ角が浮かんだ。 「お・・・・・・お ま え ら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 アホか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 サスケがとうとう暴れだした。シーナみたいな馬鹿ならともかく、 仮にも城主たるオマエがそんな大馬鹿ではロクに命も預けられんわ! と日頃の恨みまで叫んでるサスケをシーナが必死にとりおさえる。 「落ち着けサスケ!仮にオレらが真面目に風呂入ったとしても・・・」 「シーナが入ってきたら、ルックは速攻出ちゃうだろうね」 天から声がする。 「そう、その通り!って・・・あれ?」 嫌な予感がして、三人がゆっくりと顔を上げると・・・・・・・ 「どうしたの?こんなとこで三人とも」 ・・・ヤヒロがにっこりと窓から顔を出していた。 三人の顔がサーッと青くなっていく。 (ヤ・・・・・ヤバイ!!) そこへルックもひょいっと顔を覗かせた。 「まさかとは思うけど・・・覗いてたんじゃないよね・・? 女湯は反対方向だけど・・・・」 ルックの顔は笑っているようで笑ってない! これは・・・本当に危険だ。 シ:「ま、間違えたんだ!なあナオ!!」 ナ:「うん、そうだね!」 サ:「お、おい」 三人は必死に言い訳して移動を試みようとしたのだが 更にツワモノが登場する。 「あ、サスケ!!!こんなとこにいたの? ずっと探してたんだぞ!」 フッチまでもが勢いよく顔を出してきたのだ。 ルックとヤヒロが間を空けてやる。 サスケは瞬時に逃げようとしたが、その忍者の恐るべきスピードですらも ルックがそれを超える素早さで捕まえてしまった。 サ:「離せルック!!」 ル:「どこへ行くのさ・・」 フ:「サスケも一緒に入ろうよ。いつもどっかいなくなっちゃってさ〜 今日こそ背中流してあげる!ルックそのままサスケ離さないでよ、 ヤヒロさんサスケ引き上げるの手伝って!シーナそこからサスケ 持ち上げてよ!」 サ:「なっ!!!」 いつにない強気のフッチにがしっと腕を掴まれ一瞬たじろいてしまった 隙に、一気に引っ張られる。サスケは中にいるテンプルトンに救いの 眼差しを向けたが・・・・・・彼は湯船につかりながら、「ご愁傷様」と 言わんばかりに手をあわせた。 フッチと一緒に風呂に入る!?冗談じゃない!!! 純情な男心を胸に秘め、いつも風呂の度にフッチから逃げていたサスケ。 そんなサスケの内心など無視して、先ほどまで逃げ腰だったシーナと ナオまで一緒になってサスケを人身御供に差し出そうとする。 いや、2人もかなり楽しんでいる。 サ:「ふ・ふざけんな!服着たまんまだぞ!」 シ:「かまわないって!フッチが優しく脱がしてくれるから」 サ:「・・・・・・・・・/////////////////!!」 更に追いうち。 フ:「サスケも僕の背中流してね!」 サ:「○☆△■!?」 一同:「・・・・・」 フッチの行動は時々よくわからない、と皆が思った。 サスケが自分に惚れてるって気付いてないはずもないだろうに・・・ 皆が、さすがにちょっとだけ同情した瞬間だった。(でも結局は おもしろがっている) 2人の悪行を止めるつもりでやってきたつもりが、 何故か自分がピンチにおいやられてしまったサスケ。 漢の冒険の行き着くところは・・・・・一応天国だったと思う・・・。 |
くだらなくてスイマセン。
シーナファンの方、特にごめんなさい。
フッチが邪悪ですいません
(;´д`).。o○(小悪魔)
でもこういう待遇のサスケが好きさ