あと一歩だけ  5
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あの事故があった日から、数ヶ月の時が流れた。
坊主にされた頭も元の髪型に戻ったし、部活も学業も一応順調だ。

いや、勉強に関しては・・・・
まあなんとかなってるよ。ケーイチと赤坂に手伝ってもらって。

毎日学校行って、バスケして、友達と遊んで・・

そして、赤坂と一緒にいる。

両思いになったオレ達は、付き合い始めた・・とでも言うんだろうか。
でも実際はあまり前と変わってない状態だ。

一緒にいる時間も増えたし、赤坂も前より笑うようになったけれども
ケーイチも含めて3人で遊ぶ日の方が圧倒的に多いと思う。

ま、付き合ってるっていっても何をしていいかわからない状態なので・・
赤坂もどこか変わったってもんじゃないし。

第一、男女のおつきあいってのもオレにゃあよくわかってないのに、
男同士の恋愛なんてもっと何していいかわかんない。


「そう、何すりゃあいいのかなあ・・」


「え?島ちゃんなんか言った?」
「なにも言ってねえぞー」
「そう?」

机に突っ伏して呟くオレの独り言までちゃんと聞いてんのかよ、
ケーイチ・・・・

あー、眠くなってきたから次の時間は居眠りタイムに・・窓際の席だと
どうも眠くなるんだよなー(言い訳)

「何寝てるんだよ」

「あ、赤坂くん」
「!?」

思わずガバッと起きてしまう。赤坂とはクラスが違うから、そう簡単にヤツが
姿をあらわすことはないはずだ。

「どうしたの?もう休み時間終わっちゃうよー」
「ちょっと伝言・・・今、東野さんに偶然会ったんだけど
今日は珍しく部活休むって」
「え?マジ?」

ホント珍しいな。あの人の生活はバスケ中心に廻ってるのに。

「何か家の用事で、急なんだって・・」
「ふーん」
「しかたねーなー」

東野さん・・か・・・

あの人も、男と付き合ってるんだよな、多分。
本人に確認したわけではないけれども、なんせ現場を押さえてしまったからな。

あの時はすんごいイライラしたものだ。はっきり言ってショックを受けた。
だって憧れの先輩がさー、手えつないて男と歩いてたんだぜ?

ま、オレもその後赤坂と手をつないで帰ったんだけどさ・・


東野さん、城戸ってヤツとどこまでしてんのかな。

東野さんに聞けば、オレの中のこのモヤモヤも晴れるもんだろうか。


「島、どうかしたのか?」
「え。・・・いや、なんでもねえよ」

そんな間近で見つめるなよ、なんだか緊張するじゃねえか。

オマエとこれから何しよっかななんて考えて悩んでるなんて、
言えるはずもない。


当然東野さんにだって聞けるはずもない。


だって、さー・・


正直、エロいことばっか考えてる自分が、赤坂に嫌われそうで・・
いや、そもそも赤坂とできるのか?

でも赤坂と2人っきりになると、そういう妄想ばっかりだ。
ちゅーした後なんか特に赤坂をさわりたいと思ってしまうオレ。

これって正常・・・なんだよ、な?


「じゃあ僕、戻るから。島、寝るなよ?おまえ中間テストの時散々
僕と三上に迷惑かけたんだからな」
「伝言ありがとう赤坂くん。今日の部活は東野さんいないんじゃあ
盛り上がらないねぇ」
「東野さんいないのかよ。つまんねー」
「・・・・じゃ」

赤坂がオレの頬を軽くつねった後、教室から出て行った。
そういう仕草でさえも愛しいと思っちまうじゃねえかちくしょう。

でも頬がジンジンする。

「島ちゃん、やっぱなんか変だよ?」
「そうか?気のせいだ」

ケーイチには絶対相談できねえなあ・・男同士どうやりゃいいのか、なんて。
相談できる相手なんて思いつかない。海老原さん・・はどうだろう。

色々と知ってそうだけど、あの人も・・なんか謎な人だからな。

「島ちゃん、何か知りたいことでもあるの?」
「・・・知りたいこと?うーん、まあそんな感じだな」
「それじゃさあ、インターネットとかで調べてみたら?」

・・・・いんたーねっと?
なんだいきなり。

「うん、聞けそうな人がいないんだったら、それで調べて見るのも
手じゃないかな。情報技術の時間に先生も言ってたじゃん。
個人が趣味で作ったホームページでもよく調べてあるものがあるって。
ネットならどんな分野でも調べられるって話だよ。
僕はあまり詳しくないけど。」


な、なるほど!!その手があったか!!


実は色々考えて辞典までひいてしまったこともかつてあったが、
全然参考になるものなんかなかったのだ。

けど、ネットなら・・!!!

「島ちゃんち、おじさんがパソコン持ってたよね?使わせてもらったら?」

うーん、父ちゃんのパソコンかあ・・・。
万が一のことを考えると、むやみやたらに調べることはできないぜ。

オレもネットのこと全然詳しくないしなー。
前に利用した時は、確かゲームの攻略調べるためだった・・

「よし!ケーイチさんきゅー!!」
「いえいえ。」
「ついでに聞くけどさ、どっかでインターネット使える場所ないかな?」
「インターネットカフェとかのこと?・・・駅の近くのビルにさ、
漫画喫茶とネットカフェが合体してるとこ、島ちゃんも行ったことあるじゃん」
「へ?」
「島ちゃんそこでは漫画しか見てなかったからなー」
「あそこか!ネットもできたのか、知らなかった・・」

ケーイチが呆れ笑いをしている。もう見慣れた顔だ。

とにかく良いことを聞いたぜ。
早速今度の日曜日・・・!!
拳を握り締め、決意するオレ。

「まあ、島ちゃんが元気なったのならそれでいいけれど・・」

オレのおかしな様子に更に苦笑いのケーイチだった。









そしてあっというまに時が過ぎ。
遊びの約束も断って日曜日、やってきましたネットカフェに。

「いらっしゃいませー」

自動ドアが開いた瞬間に、もう店員に声をかけられる。

「えっと、あのー、ネットやりたいんですけど」
「インターネット席ですね。会員証はお持ちですか?」
「これ?」
「はい。ネットのご利用は初めてですか?説明いたしましょうか?」
「あ、お願いします」

愛想のいい兄ちゃんに、簡単に仕切られてる個室もどきに案内され、
おおまかな説明をうける。

「じゃあごゆっくりどうぞー。飲み物はセルフサービスです。」
「はいどうも」

さ、これで1人になった。

思う存分調べまくるぞー!!

とりあえず検索エンジンの画面を開いてみる。
キーワード何をいれようかな・・・

まずはやり方に慣れないとダメだな。



時間っちゅうのは夢中な時ほどあっというまに流れるもので。

悩みも解決して、

すっきり爽快で帰る予定、だったんだけれど・・・・











「しーまーくん、三上くーん!オハヨー!!」
「!?」

月曜日。登校中、東野さんに会ってしまった。

「あ、おはようございますー」

ケーイチがのんびりと挨拶している。
オレもふとその方向を見ると・・東野さんの隣に例の金髪男が!!!!

う、やばい・・!!

「あ、お、おはようござ・・お、オレ急ぐんで!!行くぞケーイチ!!」
「え?島ちゃん?ちょっと待ってよー!!」

いきなり走り去るオレに驚いて、ケーイチがあわてて追いかけてくる。

「・・・なんだアイツ?」
「ねえ、どうしたんだろう島くん。そんなに急な用事があるのかな?」
「・・・違うだろ」

金髪男と東野さんの会話が一瞬聞こえた。

だって仕方ねえじゃねーかよー!!
昨日の今日でさあ。


すんげえ事実を知ってしまってさ!


そしたら、あの2人もこんなことやってんのかよ・・と思うと、
東野さん、あんな純情そうな顔してるのに・・なんて思うと尚更頭に
血が昇ってさ。


お、おとこどうしで、あんなこと・・!!


・・まともに東野さんの顔が見れなくなってしまった。

ネットサーフィンで色々と調べてるいると驚きの事実が続々と
出てきて、オレは愕然としてしまった。


悩みは解決するどころか、更に悶々とした思いが募るばかりで。


寝る前もそのことが頭を離れず、
東野さんや金髪男のことまで考えてしまって・・

ひ、東野さんが足をひらいて・・あんなこと・・・、金髪男と・・


そして、オレも赤坂と・・・したいかも・・とか思ったら。

下半身がどんどんおかしくなってきて・・


うわー!!、また思い出してしまった!!

「島ちゃーんストップー!!なんで急ぐのー?!」
「走りたい気分なんだ!!」

そして校門をかけぬけた瞬間。

誰かに横から腕をつかまれる。

いきなり掴まれたのでバランスを崩して倒れそうになったじゃねえか!!
「馬鹿やろー、危ねえじゃ・・・!?」

「危ないのはおまえだ」


あ、赤坂・・・!!!!!!


「後ろから誰か勢いよくつっこんでくるなあと思ったら島なんだもんな。
そんなに体力ありあまってるのか?」

「し、しまちゃ〜ん・・」

ケーイチが息せき切ってやっと追いついた。
が、すごい驚いた顔をしやがる。

「島ちゃん、どうしたの!?
また赤坂くんにボールでもぶつけられたの!?」


「へ?」

「!?し、島!鼻血!!鼻血が出てる!!」
「へ、うわ、ほ、ほんとだ!!」

気づいたとたんにボタボタと流れまくる血。
あまりにも興奮しすぎて沸騰した熱が、とうとう鼻血まで!?

「大丈夫だから!!ほ、ほっといてくれ!!」

2人を置いてとっとと走り出してしまうオレ。

鼻血を出した状態なのに、またしても走り去ってしまった
オレの後姿を、赤坂もケーイチも呆然と見送った。

「島のやつ、今日は一段と激しいな・・・」
「ねえ、どうしたんだろ・・はあ、疲れた・・」

うるせえぞ赤坂!
全てはおまえのせいなんだおまえの!!

しかし、そう怒鳴ることは到底できず、人気のない水道を
探し求めて走るしかなかった・・(情けない)






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島ちゃん  わ  か  さ  炸裂。
鼻血は島ちゃんのシンボルなので使わせて頂きました。
ネットってのはホント思わぬ情報が手に入りますよねー・・

私も色々と参考にさせてもらってる、それこそ上記の
島が探したような内容のサイトさんがあるんですけど・・
そちらはあえて秘密にしておきます。

内容がショボくてすいませんです。






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