10月24日(火)

 「水を買う」。

 バーチャルウォーターという言葉があるらしい。仮想水。米1kgを生産するのに必要な水は約7.7トン。牛肉1kgには、餌の生育や飲み水、解体処理等で約100トン。結局、日本の輸入食品に使われている水の量は、年間に640億トンと言われている。

 以前、アフリカでは「20〜30m」掘れば水が出たそうである。今は100m掘らなければ水は出ない。アフリカの砂漠地帯の地下水は「化石水」といって氷河期の終わりに溜まった水だそうだ。それを使い果たしたと言うことである。

 現在、ガソリンの価格はやや落ち着いて1g約135円。コンビニでは、水500mlペットボトルで150円程度。ガソリンよりもはるかに高い水。その水が良く売れている。
 世界では、10分間に75人の子どもたちが汚れた水で命を落としているという。大部分がアフリカの5歳未満の子どもたちで、下痢やコレラらしい。
 日本では長い間、「水と安全はタダ」などと言われてきた。しかし、日本人の食生活を確保するために、世界中で大量の水が使われている。その水がないために多くの子どもたちが尊い命を落としている。

 ちなみに、地球上のほどんどの水はしょっぱい水である。しょっぱくない水はわずか2.5%。しかも多くは凍った水と言われている。人間が使える真水はなんと0.01%。

 それでも我々日本人は「水を買う」。

10月13日(金)

 11日より、高速道相模川対策特別委員会で、河川改修の事例として豊平川と石狩川の視察に出かけた。

 実は、以前別件で当地を訪れた際、河川がすばらしく整備されているのを見て、ぜひとも取組みを知りたいと思っていた。念願が叶った。

 海老名市は、一級河川である相模川の左岸に位置している。この相模川河川には、絶滅危惧種で日本に数箇所しか生息していないといわれる「カワラノギク」も確認されている。以前、地元の門沢橋小学校の児童たちと一緒に、河川敷に「カワラノギク」を植樹したのが懐かしい。

 海老名市で、観光資源とは何か? 相模国分寺跡や秋葉山古墳等もある。しかし、人々が日頃の疲れを癒し、観光のひとつとして家族や仲間とレジャーやスポーツを楽しむ。その場を提供できるのも観光資源ひとつではないだろうか?
 私が子どもの頃もそうだったし、今でもそうだと思うが、川や川原は無条件に子どもたちにはこの上ない遊び場である。大雨でひとたび牙をむけば、これ以上危険な場所はないが、平時は人々の心を癒すこの上ない場所である。

 さて、豊平川の河川敷。維持管理が大変だとは思うが、それにしても見事に整備されている。市街地を流れる河川としては、日本でも有数の急勾配らしい。確かに流れが速い。鮭が上ってくるため、いたるところに魚道が設けられている。
 豊平川だけではなく、石狩川や支流の茨戸川の河川対策も視察した。海老名市には、3川が合流する地域がある。50年、100年に一度の大雨が降ったとき、万が一堤防でも決壊したら、比較的平地な海老名市はひとたまりもない。「備えあれば憂いなし」。改めて心したい。

10月9日(月)

 衝撃的な報道だった。北朝鮮が核実験を行なったことを発表した。「いずれはやるだろう」と言われながらも、「まさかやらないだろう」と言われていた北の核実験。

 原料となるプルトニウムの抽出は、すでに行なわれていることは知られていた。しかし、その一線を越えたら世界が許さず、今の政権が転覆すると言われていた。にも関わらず、今回の核実験。やはり我々の感覚では推し量れない独裁政権であることを証明した。

 そもそも、今回の核実験を知っている北朝鮮人民はどれほどいるだろう。朝鮮放送で放映をしているとはいえ、その放送を知るためのテレビやラジオを持っている国民はほんの一握りである。ラジオどころか、その日の食事がままならない国である。

 新聞によると、世界には約3万個の核兵器が存在する。この核兵器、1gのウラン核分裂のエネルギーは石炭の3トン分に相当する。ウラン型核兵器は、ウラン数10kgが必要で広島に投下されたタイプである。一方、プルトニウム型は10kg未満で、かなり軽量である。大陸間ミサイルの課題である軽量化に最適である。長崎に投下されたタイプとされている。

 しかし、このプルトニウム型はウラン型に比べ、核分裂させるためには難点があるらしい。そこで、実験を行なう必要があるという。その実験を、今回北朝鮮が行なった。
 「核保有」の理由付けに、武力均等をあげる意見が多い。しかし、冷戦が終わった現在、武力均等というよりも「発言強化」の趣きが強くないだろうか‥‥。


 「われわれ世界の民衆は、生存の権利をもっております。その権利をおびやかすものは、これ魔ものであり、サタンであり、怪物であります」 。1957年(昭和32年)9月8日、創価学会第2代戸田城聖会長は横浜・三ツ沢の陸上競技場で開催された東日本体育大会「若人の祭典」の席上、歴史的な「原水爆禁止宣言」を発表した。

 世界で唯一被爆国である日本。今なお、被爆の後遺症に苦しむ大勢の方々がおられる。その方々に、北朝鮮はどのような説明ができるのだろうか‥‥。

10月4日(水)

先日の9月30日、公明党の党大会が開かれた。「新生公明党」誕生から、8年間代表を勤めた神崎武法氏から太田昭宏新代表にバトンタッチされた。
 本日、前述の党大会を受け、神奈川県本部の党大会が開催された。これには新代表の太田代表も駆けつけてあいさつをされた。

 昨年9月の総選挙。太田代表は東京12区から出馬した。当時テレビでも大々的に報道されたが、郵政民営化で反対し自民党の公認を取れなかった八代英太氏と激戦を行なった。結果的に自公公認の太田代表が激戦を制した。

 予定通り小泉政権が終止符を打ち、いよいよ連立の第2期に入った。成熟した第2期になるよう、太田新代表の手腕に期待したい。

10月1日(日)

 きょうから10月。今年も3/4が過ぎた。あっという間だった。

 高座清掃施設の敷地内で行なわれた、「高座の杜植樹」事業に参加した。さまざまな団体の協賛により、森を作る事業である。
 富士ゼロックスの駐車場に車を止め、そこからバスで清掃施設まで行った。約900人の方々が参加されているようだ。

 焼畑農業や材木確保のため、特にアマゾン周辺では1日でかなりの森林がなくなっているという。森林の減少が地球に及ぼす影響はいまさら言うまでもない。ちいさな植樹作業が、やがて大きな効果となって帰ってくることを信じたい。


 20班に分かれての植樹作業 900人近い参加者が5000本の木を植樹した

9月29日(金)

 秋ナスが元気である。5月の連休に植えたナスが、いま秋ナスとして元気に実をつけている。夏場の元気がなくなった頃、幹の先端をすべて切り落とし休憩時間を与えた。そして今、体力を蓄え元気によみがえってくれた。

 そろそろ冬野菜の準備に入る時期である。キャベツやタマネギ、エンドウ等々。替わって、これまでのモロヘイヤやオクラ、ピーマン等がそろそろ終わりである。野菜作りを始めてから、生意気にも旬の野菜を食べている。旬の野菜とは、言うまでもなく露地野菜である。通年供給されるハウス物と違い、その季節、その気候でしか育たない野菜。
 といっても、冬場にトマトを食べられる恩恵はやはりハウス栽培のおかげである。それはそれでなくてはならないものである。上手に付き合いたい。

9月27日(水)

 定例会最終日。委員長として、委員会に付託された議案の「委員会審査報告」を行なうため登壇した。次いで、平成17年度の決算認定に対する「討論」を行なうため、会派を代表して登壇。
 結果的に、今定例会で審査してきた「平成17年度決算」は賛成多数で可決された。

 終了後、議員全員協議会が開かれた。報告事項の中に、職員の「飲酒運転」に対する処分内容の改訂があった。
 飲酒運転といえば、これほど大きな社会問題になっているにも関わらず、いまだに多発している。警察官だったり、学校の教師だったり。この人たちには危機感というものはないのだろうか。日本の社会が、「飲酒運転は絶対に許さない」とメッセージしている最中に、それでもお酒を飲んで運転し事故を起こす。
 たとえ、今のような状況でなくても飲酒運転は「悪」である。それは加害者も被害者も取り返しのつかない事態になる。特に被害者は、不幸にして命を落とすようなことになったら、それこそ家族は一生そのことを引きずらなければならない。誰がどのような論陣を張ろうとも、その主張は認められない「飲酒運転」。その加害者が厳罰を受けるのは当然として、やはり悲劇は被害者である。

 いまだに無くならない飲酒運転。相手を、そしてその家族を悲劇のどん底に突き落とす飲酒運転。ドライバーの自覚を促したい。

9月24日(日)

 地元の門沢橋小学校の運動会に参加した。参加したといっても、別に何かの競技に参加したわけではないのだが‥‥。

 数日前までの天気予報では、台風の影響で「雨」との確立が高かった。当日は‥。日陰にいればすごしやすいが、日差しの中では「暑いのなんの!」。
 結局、最後までの観戦は厳しく、途中で失礼した。

 そういえば、昨年の運動会は台風の影響で、延期延期で大変だったようだ。特に知り合いのPTA会長は、結局2日間延期になり、やっと3日目に開催になった。私も参加したが、PTA会長は3日間休暇を取ったみたいだ。お疲れ様でした。

 後日、学校長と懇談した際「無事故」であった事をうかがった。よかったよかった。

9月23日(土)

 思えば、今年も自然災害が相次いだ。先日は台風の影響で竜巻が発生し、甚大な被害が出た。電車が横転したが、幸いにも大事故には至らなかった。

 それにしても、自然災害というものは、とりわけ台風は来るとわかっていても犠牲者が出てしまう。「何日の何時ごろ来る」とわかっているのである。これほど事前にわかっている災害であっても、犠牲者が出る。ということは、いつ来るかわからない震災のときはどうなるのか?
 雨による災害は、今年も各地で発生した。鉄砲水に流され、父親と高校生の娘さんが尊い命を落とされた。神奈川でも、酒匂川で増水した水位によって犠牲者が出た。心よりご冥福を祈りたい。

 天気予報で使われる雨量の表現。雨量20〜30ミリは「どしゃ降り」、30〜50ミリは「バケツをひっくり返したよう」、50〜80ミリは「滝のよう」、それ以上は「息苦しくなる」そうである。
 天気予報でこのような表現が使われないことを祈りたい。

9月21日(木)

 先日の18日は敬老の日だった。昨年より、これまでの海老名市文化会館での「敬老の集い」に変わり、「地域ふれあい事業」として各地域での敬老の集いに変更した。
 昨年は切り替えの年とあって、戸惑った地域もあったようだ。何をするにも、そのやり方を変えるときは賛否両論があるものだ。なにせ、これまで通りやっていれば楽なのだから‥。

 文化会館での代表選手型でなく、地域の会場を使い、誰でも気軽に参加してもらいたいという思いからこの制度に移行した。昨年は私も招待いただきあいさつさせていただいた。

 敬老の日は、兵庫県のある村が1947年、「お年寄りの知恵を借りて村おこしをしよう」と、農閑期の9月中旬の15日を「老人の日」と定め、敬老会を開いたのが始まりという。
 先日の総務省の発表によると、全国の高齢化率は20.7%。5人に1人が高齢者である。2015年には4人に1人、つまり高齢化率が25%に達するとの見方もあるようだ。高齢化社会をすでに通り越し、日本はすでに高齢社会になって幾久しい。
 人が長生きすることはすばらしいことである。では「高齢化問題とは‥」。高齢者が増えるのが問題なのではない。高齢者と同様に、次代を担う子どもが増えれば何の問題もないと私は思うのだが‥‥。
 これまで、少子高齢化対策の予算のほとんどを高齢化対策に費やしてきた政策を、少しは少子化対策に向けるときだと考える次第である。

9月20日(水)

 所属する文教社会常任委員会に出席した。きょうの委員会は、平成17年度の決算審議である。
 平成17年度の予算案に対し、実際にはどのような使われ方をしたのか? そのことを審議する委員会である。

 込み入った内容になるが、文教社会常任委員会は一般会計のほかに、「国民健康保険」や「介護保険」などの特別会計を3つ持っている。守備範囲の広いことから、いつも長時間にわたる。
 きょうも9時に開会し、採決に入ったのは5時近くであった。委員長を務めている関係上、どの委員がどのような質疑を行い、その質疑の答弁を誰に振るかということをコントロールしなければならない。もちろん議会事務局の助けがなければ立ち行かない。
 しかし、事務局に「おんぶに抱っこ」というのは好きではない。できることならば、すべてをコントロールしたと思っている。残念ながらそれには無理があるということは充分わかっているのだが‥‥。

 審議の結果は、後日「議会便り」を参照していただきたいが、すべての議案は「全員賛成」か「賛成多数」で可決となった。あとは、最終日の本会議で委員長報告に続いて賛否を問うことになっている。

 何とも疲れた‥ とは言っておられない。夜は座間市内で行なわれた支持者の方々の会合に参加した。なんだかんだで、庁舎を出たのは6時半ごろ。いったん自宅に帰っているとあわただしいため、直接会場に向かう。開会まで時間があるため、会場近くのラーメン屋に入った。知名度のある味噌ラーメンの店である。どちらかといえば嫌いではない味噌ラーメンだが、やはり好物の「とんこつスープ」までには至らない。

 月に2〜3回、ビナウォークラーメン店街のとんこつ専門店に通っている。

9月15日(金)

 8月19、20日で、第3回の「有馬地区青健連避難体験キャンプ」が行なわれた。残念ながら私は、両日とも予定が入っており参加できなかった。

 夜、避難体験キャンプの反省会が行なわれた。参加していないので、皆さんが言っていることが全くわからない。ただわかったことは、今年は有馬中の生徒男女5人が協力してくれたということ。そしてきょうはその5人が参加してくれた。5人に、参加してもらった感想を話してもらったが、何とも頼もしい話しの内容であった。
 
 日本もまだまだ捨てたものではない。1昼夜、子どもたちの相手をしてもらい、おそらく大人たちの負担は相当軽くなったはずである。
 にもかかわらず、生徒たちの感想はそろって「貴重な体験をさせていただきありがとうございました」。そして「実際には、避難所はこのようなものではないと思います。でも、もしそうなったら今回のように明るい子どもたちがあふれる避難所に私たちがしたいです。」とも‥‥。大人たちよ、よく聞けこの中学生たちの言葉を‥‥。

9月14日(木)

 一般質問2日間目。朝一番で質問に立った。議員7年間で、朝一番で質問に立つのは始めてである。

 今回の一般質問は、「海老名市高齢者生きがい会館について」と、「第4次総合計画1万人市民参加について」の2点を質問した。
 詳しくは、後日の海老名市ホームページの「議会議事録」で参照していただきたい。

 2000年問題。覚えておられる方はおられろだろうか。 コンピューターが、1999年から2000年に移行する際、「2000年」ではなく「1900年」と認識してしまう問題。結果的には、これといった問題もなく乗り越えた。
 今度は「20007年問題」である。特にIT分野において、日本の情報化社会のさきがけを担ったのはいわゆる「団塊の世代」の方々でる。今日の情報化社会、「何も団塊の世代の力は必要ないのでは?」と思われる方もいらっしゃることだろう。
 しかし、今でも現に「フォートラン」という言語は使用されているし、そのメンテナンスのノウハウは団塊の世代の方々が豊富に持っておられる。

 企業は、技術の空洞化を防ぐため「技術の伝承」を行なう。当たり前の話しである。ここ10数年、バブルが弾けてから「終身雇用制度」が崩れリストラが始まった。
 我が首を思うあまり、自分のノウハウを容易に公開できないと思う気持ちは、わかりすぎて余りある。現在の日本の情報化社会を支える、根本のソフトウェアのメンテは大丈夫だろうか?

9月10日(日)

 杉久保の、サンパルク地区の支持者が主催する総会に参加させてもらった。14時から集会場で開催されたが、近くの駐車場から会場まで歩く間、わずか100mほどだったが身体が燃えてしまうのではないかと思うほど強い日差しだった。

 総会のテーマは「メタボリック・シンドローム」。最近よく目にするテーマである。やがて「成人病」に発展する可能性のあるこの症状。講義を聴いていて「自分はまさしくメタボリック症候群」であることを自覚した。
 今や、小学生が成人病にかかる時代。肥満や糖尿病など、およそ自分が子どもの頃は考えられなかった病気である。今やすっかり定着してきた生活習慣病という言葉、中でも肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病は「死の四重奏」とも呼ばれている。しかも、これらの病気はサイレントキラーとも呼ばれ、自覚症状がないまま静かに症状が進行し、気がつけば脳卒中や心筋梗塞、肝不全といった重篤な状態に陥ってしまうと言われている。
 この生活習慣病、もともとは成人病と呼ばれていた。以前は成人に多い病気だったのだが、食生活の変化により病気の低年齢化が進み、現在では生活習慣病にかかった子どもたちは珍しくない。ある統計によりと、この30年間でいわゆる肥満と言われる子どもたちが3倍から4倍にふえている。しかもそのうちの1割は太り過ぎと言われている。高カロリー、高脂肪の食事に加え、テレビゲーム等で運動不足になり、肥満率はますます上がっていくだろうと推察される。

 自分をどのようにコントロールし、病気に負けない身体を維持することは、自分のことだけに限らず、かけがえのない家族のためにも必要なことだろう。

9月8日(金)

 所属する文教社会常任委員会に出席した。委員長を務めている関係で、もっぱら議事進行に専念する。条例の一部改正や補正予算など、議案が12ほどあったため、おそらく3時半ごろまでかかるのではと思っていたが、意外に早く、2時過ぎには散会となった。

 その後、委員全員で「東柏ヶ谷小学校」の現状視察に出かけた。現在同校は、校舎の建て替え工事が行なわれている。工事期間中、児童たちはプレハブの仮設校舎で授業を受けている。主にこのプレハブ校舎を見学した。
 想像していたものより、格段に良い造りである。一般的なプレハブを想像していたが、廊下が広く天井も高い、3階建てのしっかりしたプレハブである。空調も完備されており、さぞかし快適と思いきや、さすがに防音に弱点があるようだ。
 児童や教職員には不便をかけるが、新校舎が完成するまで我慢してもらうしかない。また、長期の工事になることから、ぜひとも安全には充分配慮をお願いしたい。


 プレハブの教室 旧校舎は取り壊されていた

9月3日(日)

 午前10時より、神奈川県と海老名市共催の総合防災訓練が、市役所横の祭事広場をメイン会場に行なわれた。これには、自衛隊や警察、周辺自治体やボランティア団体など、100を越す機関が参加した。海老名市では初めての開催である。我々も防災服を着て参加した。

 話しは変わるが、以前「大規模災害時における救急医療のあり方」を題材にしたテレビドラマが放映された。確か10話程度の物語だったと記憶する。テレビドラマとはいえ、さまざまな関係機関の監修を受け、医療現場のあり方や政治の役割等を描いていた。
 中でも記憶に残るのは、消防ポンプ隊が、怪我等で助けを求める被災者を振り切って消火活動に専念するシーン。その後、その消防隊員は心に大きな傷を負う。被災者を見捨てたということに対して‥。
 阪神・淡路地震では、ポンプ隊が救出活動に手を出したため、消火活動が手薄になり延焼を食い止められなかったという教訓があるそうだ。その教訓を元に、ポンプ隊は消火活動に専念するということになっているらしい。ドラマでは、任務を忠実に遂行したポンプ隊が、救命活動を放棄したとマスコミに追及されるという設定である。

 実際に、大災害が発生した場合、どれだけ粛々と物事が進むのか‥。自分の家族が「がれき」の下敷きになっているそばを、消防自動車が通ったら自分はどうするか、自分の子どもが炎に飲み込まれそうなのに、向こうでけが人の救出活動をおこなっているポンプ隊を見たらどう思うだろう。
 フィクションとはいえ、大混乱の時には起こりうる内容であり大変考えさせられた。

 きょうの防災訓練が、来るべきときに充分成果を発揮されることを願う。「震災は忘れた頃にやってくる」ではなく、「震災は必ずやってくる」との認識で日頃を考えたい。


  自衛隊が渡河橋を設置 救助犬による救出訓練




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