秋分の日
秋分の日は昔の「秋季皇霊祭」で秋のお彼岸でありますが(「春分の日」の項を参照)、秋というのは「天(あき)」「開(あき)」であり、「天」の強くなる時期です。気象学的にもやっぱり陽気であり、収穫物が完成する時でもあります。紫外線は秋がいちばん強いので、夏の日焼けよりは秋の日焼けの方が残るものです。天のに近い紫外線の方が強くなってくるのが秋です。澄み切ったになってきますと空気も違ってきまして、肺と心臓と胃を盛んに刺激しますので食欲が出てきます。秋が来たからこの際うまく肥えようと思って腹いっぱい食べると、それはせっかくの栄養回復期に逆の結果が出ます。食欲の秋という一方、また「頭のために食べる秋」でもあります。いわゆる「燈下親しむべし」などといわれますが、歴史を通しましても光余、時余、陰余など三余というものをいかに人類人生上で使っていくかが人生に影響してまいります。光余とは夏は日が長く日中の光の時間が長いから光が余ります。だから春、夏、秋の日が短くならないうちにがっちり働いてしまう、努力してしまうという考え方です。また、陰世は秋冬になりますと陰の方が長くなり、日が短くなって夜長になります。その夜長の使い方によって人生が違ってくるという訳です。
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