〜自転車でペンギンを見に行こう!編〜

探鳥日記 シンガポール

(2002年4月4日)


4月4日(木) (デリー〜シンガポール:飛行機+自転車25km)

 午前10時半。30分遅れでデリーを離陸したエア・インディアの機体は、地球の自転を追いかける方角へ飛んだ。中央列のシートに腰かけた僕は窓の外のヒマラヤ山脈を見ることもなく、とんでもないハイスピードで 時間と空間が過ぎていくのを感じていた。そしてシンガポール。チャンギ空港にはもう夕日が差していた。機内アナウンスが、気温31度、と言った。
 入国手続きを済ませたあと、あくまでも礼儀正しいタクシーの客引きの間を擦りぬけて、小ぎれいな到着ロビーの片隅へ行く。空調の良く効いたところで自転車を組み立てるのは、汗ひとつかかなかった。自動ドアを出ると、蒸した空気が肌にまとわりつく。熱く乾いた風の吹くインド亜大陸から戻って来た僕は湿度に懐かしさを覚えた。薄暗くなり始めたハイウェイを自転車で街へと向かう。規則正しい配置の街灯のおかげで、夜間走行も全く苦にならない。2時間たらずで“City”に到着。以前に泊まっ たことのあるゲストハウスの、ドミトリーにチェックインした。ぴったり4ヶ月ぶりだ。僕は南へ向かう新しい旅を、ここから始める。(写真:夜のシンガポールから、はじまる。)

探鳥日記 マレーシア