〜アジア横断編〜

探鳥日記 ミャンマー

(2001年8月7日)


8月7日(火)(晴/孟力海〜不明;車中泊)

 7時半、双眼鏡を持って森林公園内の散歩に出かける。広場の高木には、シマキンパラが巣造り中。外装にイネ科の青い草を使っている。キゴシタイヨウチョウのオスは上半身がハイビスカスの色。植え込みの花をひとつひとつ訪れては、下向きにカーブした嘴を蜜腺へ突っ込む。警戒すると大きな木の高枝に逃げていくが、日陰に入るとそのハデな赤色は目立たなくなった。うまくできてるもんだ。
 遊歩道に沿って奥へ行くと、いきなり国境があった。山の斜面が有刺鉄線で隔てられている。けれど、道のところの門は全開だ。「禁止非法出入境」の看板と監視カメラがあるだけで、誰もいない。門の前でしばらく立ってみた。誰も来ない。門から出たところで、またしばらく立ってみた。ミャンマーに密入国だ。やっぱり誰も来ない。あたりまえだけれど、国境なんか関係ないハイムネハウチワドリは、むこうとこちらを自由に行き来している。そうこうするうちに、野良仕事に出かけるプ―ラウ族の人たちが、門からぞくぞくと入ってきた。ひょっとしたら、ここはミャンマーじゃなくて、中国側の緩衝区域みたいなものかも・・・と思い、通りがかりの人を呼び止めて聞いてみた。けれど、やっぱりミャンマーだと言う。指差すほうを見ると、訳のわからない文字が書かれた石碑もある。だれも咎めないので、道行く人にくっついてしばらくミャンマーを歩いてみた。伐採跡地のような山で、おもしろくなかったので、中国に帰った。国境なんて、あっけないもんだ。
 午後いちばんの乗り合いバスで景洪市へ戻り、すぐに夜行バスに乗り継いで昆明市へ向かう。それにしても自転車というのは便利な乗り物だ。それ自体、数十キロの荷物を積んで1日100キロも走れるうえ、バスや船 にひょいっと載せられる。(写真;国境?、国境!)

探鳥日記 中国(雲南省)