第4回世界伝統弓術大会(World Traditional Archery Festival)



2010年10月8日(金)〜13日(水)に韓国,Daejeonで第4回世界伝統弓術大会が行われました。
http://www.wtafoc.or.kr/
参加国は31カ国を数え、来年は50カ国とも聞いています。

日本チームは国際武道大学の松尾牧則先生を団長に8名参加し
牛久保矢場からはボクの師である山本先生と、
三河雪荷派島原矢場からはTamさん(日置流雪荷派師範)
http://www.geocities.jp/morihisata56/HP/index.htm が参加しました。
Tamさんは3回目、山本先生は初参加です。

弓道のルーツを探す意味から
とても興味深い内容です。

試合は次の五カ国の伝統弓術のルールで行われます。

1、米国 実物大の鹿を20メートルの距離から5射
2、ハンガリー 距離40メートル、80センチ的(移動式)、30秒間以内に5射
3、日本 距離60メートル、100センチ的、5射
4、モンゴル 距離80メートル、標的は直径、高さとも8センチほどのソルを積み上げたもの、5射
5、韓国 距離90メートル、265センチ的 5射


以下はTamさんの掲示板へのレポートです
記録保存のために少し手を入れてHPとして再録しました。
このレポートがWTAFの発展と
次に参加される方々のお役に立てればと思います。



伝統弓術世界大会(WTAF)速報

 投稿者:Tam  投稿日:2010年10月15日(金)13時19分50秒
伝統弓術世界大会から、昨夜帰ってきました。

韓国は目上の人を敬う国でして、山本先生はこの大会で最高齢者賞を受賞されました。
全ての行動を若者と共にこなされ、積極的に他民族との交流にも活躍していただきました。
幅の広い教養と人柄で日本選手団の皆を支えて頂きました。
三河雪荷派のファンが増えましたよ。

個人戦男子では信州の青年が優勝、女子は遠州の女性が2位となり、今年度から始まった団体戦も日本チームが制しました。

私はHALさんからもらった牛久保八幡宮(若葉祭り)のタオルで鉢巻きしたので、御加護を受けて行射出来ました。
今回は60m、75m、90mには、昨年作った勘十郎WS弓を使いました。
羽長3寸5分の遠矢とのバランスも良く、得点力が向上しました。
先生と三河の皆様に感謝致します。









国際交流

 投稿者:Tam  投稿日:2010年10月16日(土)17時06分7秒
師匠はどこにいても自然体です。




re2:国際交流

 投稿者:Tam  投稿日:2010年10月20日(水)19時33分37秒
折鶴をプレゼントする時には、この鳥は幸せを運びますと言い添えることにしています。
荷物にならないから良いですね。
今年は暑かったので団扇(うちわ)も大好評で、チョウダイともらいに来る人もいるほどした。
ボランティアの高校生達は師匠達になついてしまい、もらった団扇に各国のサインを集めて廻っていました。
帰国後に、師匠からきいた話がもとになり、「サワシノを作るために、田んぼに竹矢を埋めている」夢をみた選手もいますよ。

写真の女性は日本人に見えるけど中国から来ていました。
中国人に見えるヒゲの老師は内藤先生です。札幌の人ですが中国の大学で日本の弓道を教えておられます。





1:Tam2010/10/21 15:56
太田市にある韓国弓道場で和弓で145mに挑戦し、世界遺産に指定されている水原の城跡では韓国弓を体験してきました。充実した日々でした。
写真は水原城の韓国弓体験コーナーです。

【追記】
伝統的な韓国弓は心材に竹、内側は水牛の角、外側には動物の腱が貼られています。最近はグラスファイバー弓とプラスティック羽根のグラスファイバー矢が普及用として販売されており、賞品はそのタイプでした。
伝統的な角弓は円に近い裏ぞりをしており、私では弦が張れません。ちなみに弦を外した状態で旅行バッグ(ハードケース)の中に収納できます。





2:Tam2010/10/21 15:58

スロバキアの女性射手の射を連続画にしてみました。






3:Tam2010/10/21 15:59

韓国の射手を連続画にしてみました。韓国と中国では、離れで弓の鉾先を的の方に突き伸します。この動作で矢に直進性(角見)を与えているようです。

※ 各国の射手に共通しているのは、「斜め上に構える」→「引き込む」→「放つ」の3段階です。外国人の目には、前三角の弓構えや正面に打ち起こすことは、準備動作として映っているでしょう。





5:Tam2010/10/21 16:06

モンゴルの射手を連続画にしてみました。2008年の撮影ですが、この射手は毎年上位の成績を発揮します。
離れて射開かないのは矢を弓の左側に番えているからです。最近はモンゴルにも右側に矢番えをする人が出始めているそうです。

投稿者:Naka 投稿日:2010年10月20日(水)

団体優勝おめでとうございます。凄いですね。
各国の上位の成績を出す射手の射の印象は、どんな感じですか?

Nakaさんへ

彼等は一射毎に的中精度が向上します。私と一緒にラウンドしたウルガイの射手は、初参加にもかかわらず、どの的も4本目5本目になると的中させていました。モンゴルの選手は附けを拳にマークしており、不中の場合には修正していました。
一定の間合いで同じサイズの的を目当てにしている私たちに比べると、状況の把握と適応能力が高いように感じます。
1〜2本を探り矢にして、その後を詰めていければ好成績につながるようです。





6:Tam2010/10/21 16:08

ryuzoudouさんへ

> 元寇の時も、この弓との戦いだったんですね

モンゴルの弓や射法には大きな興味を持っているのですが、言葉の壁があり突っ込んだ質問はまだしていません。しかし、馬上弓を得意にしている国なので、長短だけでもこの弓だけではないようです。
また、元寇の場合には韓半島をはじめとした支配下の国の兵士も動員しています。したがって弓はそれぞれのものを使ったと推測されます。
写真は松浦歴史資料館(長崎県平戸市)が元寇の時の弓として保存している物です。モンゴル、韓国の弓とは雰囲気が違います。

7:匿名2010/10/22 17:56

かなり短いですね。ちょうど本で元寇のときは、最初苦戦した日本側が弓の射程距離の違いを活かして対応し、敵の指揮官を傷つけ船に追い込んだことが、
その夜の大風で元軍を壊滅させた原因となった。。。みたいな文章を読んだので反応しちゃいました。





8:Tam2010/10/22 19:12

モンゴルの弓自体は性能が高く、驚くほどの飛距離らしいです。
松浦資料館には現代のモンゴル弓と同サイズの籐巻き弓も展示されています。ここの弓は剥離し始めているので(漂着した物でしょうか?)、構造の観察には最適でした。
なお、熊本県の菊池神社には戦利品と思える弓矢や、モンゴルの軍服が展示されています。
歴史の時間に蒙古襲来絵詞を見た時には、鉄砲に驚く馬と武士の場面から、日本側を劣勢と感じたのですが、他の場面には勇敢に攻め込んで姿が描かれています。
上陸させてしまうと馬弓の得意な彼等に翻弄されると思うのですが、水際作戦が功を奏したのでしょう。





9:Tam2010/10/22 19:27

モンゴルの人達はとても強い弓を引いています。この人の弓も40〜50Kgはあるでしょう。

10:ワカクワ2010/10/22 21:49

だいぶ前の事ですが、NHKのドキュメンタリーで今でも遊牧生活をしているモンゴルの草原住民の特集のしていました。弓を引くことが特段特別な事ではなく、普段の何気ない日常生活の一部になっているんですよね。
 驚くのは的までの距離。そのときも200メートルぐらいのところに泥の塊のようなものを置いて、そこに向かって引くんです。これが結構中る。
的はソフトボールより1回り大きいくらいですが、着弾点がかなり集中していました。
 このドキュメンタリーを見ていると、生活ぶりがまるで日本人と違います。
子供の時からかなりの力仕事を任され、20キロの牛乳の入った容器を持って数100メートルを何往復もしたり、ゲル(移動住居)の柱を解体、さらには家畜の世話でカウボーイ的なことをしたり。
体の出来方が変わってくるのがよく分かります。





Tam2010/10/23 09:15

ワカクワさんへ

「200メートルぐらいのところに泥の塊のようなものを置いて」・・・草原の民族らしい遊び方ですね。女の人も腕が大きく力持ちです。
最初は地面に的を置くのには驚きましたが、矢が散逸しないので野遊びには好適です。矢尻が円錐形の神頭になっているので、草むらにもぐり込むこともありません。
三河では手桶一杯の土を盛れば的になると聞いたことがあります。石垣から石を一個外して稽古した人もいたそうです。

WTAFには強弓引きがたくさん集まります。日本にも強い弓はあるという証拠にワカクワさんや勘十郎家に集まる強弓引きの方々に参加して欲しいと思ったことがあります。
弱弓ばかりだとなめられそうです。今年は遠矢の企画があったらしいのですが、安全な広い会場が確保できなかったそうですが、実施されていれば200mを射越せるメンバーがいないので、恥をかくところでした。

次年度は5周年の記念大会なので、日本チームは戦場弓のデモンストレーションをやりたいという話が出始めています。
伝統弓術の大会なのに、日本には古い事を知る人が少ないのが現状です。

※ 写真はモンゴルの的です。




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