1 白山前(旧県庁前)駅 H13.10.1
平成4年3月20日、白山前駅から東関屋間 2.6kmが廃止されるに伴い姿を消した。
この駅は、電車開通の3年後(昭和11年)に作られた、木造三階建て、耐火タイル張りの当時話題となったモダン建築であった。 そしてこの旧県庁前駅は、戦前から戦中、戦後にかけて、新潟市民は元より、中ノ口川沿いの電鉄沿線の住民にとって、唯一の交通機関であった。 電車の県都乗入れの終着駅として、何時も大勢の乗降で賑わっていた。
戦後、テレビや娯楽施設の無かった頃、新潟の古町通りや、白山公園、映画館は、新潟近郷町村の若者たちにとって、休日に遊びに行きたいあこがれの地であった。 沿線の駅や停留所から電車に乗って県庁前駅に着き、座席で一瞬「やれやれ」と期待と安堵感に浸っていると、駅が優しく迎えてくれるように感じたものであった。
戦前の昭和11年~18年まで県庁前~東関屋間を、チンチン電車、あるいは豆電車と言われた床の低い小型電車が走っていた。 別に設けられた引込線から専用の小型電車が、県庁前駅、監督署小路、白山駅前、商業通り、中学校前、硫酸会社前と止まり、東関屋間を往復していた。