<BOOK紹介>
堀越哲朗著『山暮らし始末記』
(太田出版刊・\1700)
1999年6月25日発行・四六版330ページ
帯より
都会を離れて、信州の山村へ。
薪を作り、囲炉裏の火を見つめた
十二年の歩みを綴る、現代版『森の生活』
消費社会の喧騒を脱し、「走らされる前に歩くんだ」と覚悟して始まった夫婦二人の山暮らし。厳しい環境の中で腰をいため、指に豆をつくりながらも、循環する自然の営みの一員となって山の気で心の根を洗い、涌き水で体を潤す。しかし、人は確実に年をとる。
張り詰めた日常にいつまで耐えられるのか。
現代人がどこまで自由に歩けるかを真摯に追及した、労働と思索
の記録文学。
目次から
序章 もうひとつの生き方を探して ―インド・東京・そして信州の山村へ
第一部 清水平(現代の疎開 森の呼吸・ランプの暮らし他)
第二部 巣寒多(土と土地・畑と獣たち 山のベジタリアン談義他)
第三部 山暮らしの周辺(モンペのダンディズム 早すぎるのさ何もかも他)
書評抜粋
「小説のようにドラマチック」
(略)本書は、1998年の8月号から7回にわたって本誌に断続的に
掲載された「山がたりエッセイ」に大幅加筆し、単行本として出版された
ものである。連載当初から、自然のみずみずしい描写と田舎特有の人
間関係や行政に対する手加減なしの物言いに目を見張らされたものだ
が、これまで行間から推察するしかなかった著者の人生が縦糸として
織り込まれて、いちだんと味わい深い作品となった。……まるで小説の
ようにドラマチックだ。(後略)
(月刊望星・1999年11月号・東海教育研究所)
『山暮らし始末記』を読む
趣味的な田舎暮らしの本、あるいは農業で生計をたてる苦労談とノウ
ハウの本、そのどちらにも属さない強い光をこの本は放っている。(略)
作者はゼロから自らの生を掘った。二人という生を掘り、耕し、道筋を
つけたのである。そして山暮らしを通じて生きる上で最も大切なものを
手にいれた。それがこの本を言外で支えている中心思想であり、また
つれあいの素朴な味わいの挿絵がそのことを十分に語っている、と思う。
(萬巻五号・大阪古書研究会)*他にも月刊アウトドア(山と渓谷社)、月刊栄養と料理(女子栄養大学出版部)等各誌で紹介。
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