「いつもポケットにショパン」パロ

雨の歌

〜おまけ未来予想図〜



            
                       演奏者紹介

 三村 映仁(みむら えいじん)

 地球出身。香港で出生。外務省職員である父と家族とで、世界中を住みかとする。

 19XX年、東京白河音楽学園高等部卒、ジュリアード音楽院に留学。

 バイオリンを松井宏史氏,D・ディレー氏,I・スターン氏に師事。

 19YY年、パガニーニ国際コンクールにて1位。同年、ニューヨーク・フィルとの共演でデビュー。

 以降、世界各地の有名オーケストラと共演。

 19ZZ年、NGOで地雷除去活動にあたっていた父,仁俊氏の地雷事故死を機に、父の遺志を継ぎ、

 ピアニストであるユリア夫人と共に世界各地の戦乱の地を訪問、慰問演奏を始める。

 翌年、ユネスコ「平和芸術家」に就任,ユーゴスラビアなどを訪問演奏。

 そのかたわら、
世界中のジャンルを越えた音楽家と連携し、チャリティコンサートを開く。

 先頃、CD「音楽に出来る事」発売。売上金を地雷除去活動に寄付。なお、本日のコンサートもライブCD

 として発売され、同様に寄付されます。




 緒方 季晋(おがた としくに)

 東京都出身。

 19XX年、神奈川堂園音楽学園高等部卒、同大学ピアノ科進学。19XY年、ライプチヒ音楽院に留学。

 ピアノを多田 馨氏,松苗 元基氏,W・クリーン氏に師事。

 19YY年、ショパンコンクール2位(1位なし)。19VV年、エリザベート国際コンクール1位。

 ヨーロッパを中心に音楽活動を展開後、19YV年帰国。ソロ活動のほかに、国内外のオーケストラと共演。 
 
 夫人である須江麻子氏との間に1男1女。夫人の双子出産後に、育児休業を取った事でも話題になった。




 須江 麻子(すえ あさこ)

 東京都出身。

 19XX年、東京白河音楽学園高等部卒、神奈川堂園音楽学園大学ピアノ科進学。19YY年、同大学院卒。

 ピアノを多田 馨氏,松苗 元基氏,伴奏を小林路夫氏に師事。勉学のかたわら、祖母を看取る。  

 19VY年、緒方季晋氏と結婚し、ライプチヒ音楽院留学。同年、ロン=ティボー国際コンクール位。

 アンサンブルを中心に活動を展開。19YV年、出産に伴い帰国。

 ソロ活動のほかに、国内はもとより、著名な来日音楽家の伴奏を多く勤める。

 先ごろ、週刊夕日の「夫婦の階段」コーナーで、なかなか一緒の時間がもてないピアニスト夫妻の絆、
 
 そして夫婦である前にライバルである、というシビアな関係を紹介され、評判を呼んだ。




 
・・・・・





三村はラテン・アンサンブルグループとのセッションを終え、MCに入っていた。

「・・・・・さ、賑やかな音楽の次は、しっとりといきたいと思います。

 後ろのスクリーンになつかしい写真が出ているんですが・・・バイオリン弾いている美少年が僕、ピアノの

 美少女と密かに小さく写っている譜めくり野郎は、さて誰でしょう?って、もう皆さんわかってますよね〜。

 プログラムにありますよう、クラッシック界のおしどり夫婦、須江麻子さんと緒方季晋さんです。

 彼らと僕は、ジュリアード留学直前に出会ったんですがね、あの頃はまだおふたりはラブラブ未満で、

 でも幼なじみなものだから、『麻子』『きしんちゃん』で呼び合っていて、このやろう!って感じで・・・」




「アイツ、何むちゃくちゃ言ってんだ?」

「ふふ、調子いいのよ。バイオリンも口も。昔とちっとも変わんない。」

舞台袖で、麻子と季晋は出番を待っていた。

三村の暴露話に客席はどっとウケているようだ。


チャリティコンサートの会場は満席、本日の収入はすべて地雷除去資金として寄付される。

・・・卒業コンサートから10数年たっていた。

「今日のお迎え、誰だった?」

「稔おじいちゃんよ。そのまま向こうにお泊り。」

「ふたりとも?キツイだろうに・・・。」

「いいの!子供の世話をするのがお父さんの夢だったんだから。」

今日の演奏曲目は、あの時と同じ『雨の歌』。

そして季晋はソロでショパンを。

3人とも、音楽の研鑽より、人生で乗り越えるべきことが多かった。

あの頃の夢は変わらないけど、喜びも悲しみも、音になってキラキラ輝くはず。



「・・・今、あの時の夢をかなえられるんです。準備が出来た・・・ね、じゃ、おふたりをお迎えします!」

ステマネに送り出される。

まぶしいライトの中を、ふたりは舞台中央へと歩き出した。


                        fine




  

1980年の作品なので、もう20年以上たっている・・という事は3人とも40近く・・。
ちょっと苦しいので、ごまかしました(笑)。

麻子と季晋の師である多田先生の名前がわからなかったので、
たぶん多田かおる先生の名前の拝借だろうと思って、勝手に馨にしてしまいました。
松苗先生の名を見落としてしまい、星 一徹みたいな方なので
勝手に徹さんになっていただいたら、ご指摘がありまして、訂正しました。
松苗‘元基’さんです。
しか〜し、私taekoには、セーラームーンに出てくる‘やさしい元基おにいさん’を連想するので、
徹さんにしたかった・・・(勝手に変えるな!おばか)。



三村くんのモデルは、‘平和芸術家’であるバイオリニスト二村英仁さんです。
(ただしプロフィールは、ジュリアードとコンクール以外はうそっぱちですからね!)
彼を知ったのは、同僚がほとんど強制で貸してくれたCD「音楽にできること」から。
残念ながら、彼の‘平和芸術家’としての活動を紹介したTVは、見逃しました。
(同僚はTVを見て、CDを買ったそうです。彼女に感謝!)
冒頭の「バラへの3つの願い」(ファン・ツイ/西村朗)にすっかりやられてしまいました。
ホントにキレイな曲です。皆さん!買って聴きましょう!(ただし、チャリティではありません。 爆)
同僚から借りたCDはテープにコピーしたし、買ったものは人へのプレゼントにしたし、
同じものを買いたかないなあ、と思ってましたら、2ndアルバムを発見しました。


二村映仁2ndアルバム From the Past to the Present
  二村映仁 彼は身長180あるらしい。

「From the Past to the Present」
バイオリン   二村英仁
  ピアノ   フィリッポ・ガンバ
オルガン   小林英之

収録曲のうち「子守歌」は、チェコ出身のユダヤ人作曲家 ギデオン・クラインの作品。
彼は1945年わずか26歳でテレジンシュタット収容所で死去した。
二村がイスラエルの「テレジンの家」で楽譜の一部に出会い、
チェコのテレジン博物館で完全な楽譜を発見、今回収録された。


(2002 02.23)