TRICK第一回放送を終えて


 10月23日、ドラマ「TRICK」のゴールデンタイムになってから、第一回放映が終わった。本格度が高いことから僕はこのドラマに注目している。例えば、前編での玄奘がトランプの色が変える、というものだが、不可能=奇術という式が成り立っている。おまけにクローズド・サークルという警察の捜査が入らない特殊空間が多い。クローズド・サークルの意義はトリックの穴を埋める効果、そして容疑者を絞り込めるという利点がある。
 「TRICK」のようなドラマが与える影響は多大だと考えている。なぜならば、最近のミステリ・ドラマは西村京太郎氏や内田康夫氏のおかげでかなりミステリ・ドラマの品質が落ちてしまった。つまり「殺人の起こる観光ガイド」でトリックよりも観光ガイド優先になってしまっているのが実情である。極論を言えば、ミステリ・ドラマ=観光ガイドの式が成り立っている。
 トリック優先のミステリ・ドラマは数年前にやった「金田一少年の事件簿」、「古畑任三郎」など非常に限られている。確かにドラマ7自体を存続させるためには量産できないトリックより、一般大衆が好む観光ガイドの方が好いかもしれない。しかしトリック主義、あるいは社会派などの本来の姿に戻るべきではないだろうか?ドラマ「TRICK」はミステリ・ドラマ=観光ガイドと言う式を打ち破るかもしれない。
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