デザインシステム・短信-3   バックナンバー(抜粋)

  2012年1月

あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い申し上げます。

 昨年はウサギのように耳を立てて情報を収集しそれを行動に反映する年でした。 今年は竜盛をもって天高く伸びる年。 が昨年は突如として襲った大災害で耳を立てるどころではなかった。 今年は竜頭蛇尾とならぬよう・・・・。

 小学生の仕事調べという授業項目があります。また卒業式では大きな声で『私は(僕は)おおきくなったら○○になりたい』と発表します。男子ではプロ野球の選手、サッカーも同数。少し前ではパイロットなども多かったと思うのですが、今はほとんど聞かなくなりました。総理大臣なんていうものはまったくありません。宇宙飛行士というのが時々あるかなという程度。非常に良い恩師にあたったのか、学校の先生という子も稀にはいます。家業なのでしょう、医者という子もいて当然でしょう。さすがに銀行員とか言う子は子供の目からは冷静現実的過ぎて夢がありませんね(銀行の方、失礼!)。

 女子ですとパテシエというのが目立つところでしょうか。菓子職人とは言わない。お花屋さんというものも。看護師(なぜに看護婦さんと言ってはいけないのかいまだに理解不能)さんという子もかつてはいたような気もしますがいまでは聞きません。スチュワーデス(と言ってもいけない?)というのも聞きません。

 キツイとか日航の破綻とか、子供たちも現実の世の中を生きているからなのでしょうか。

   大きな判断基準のひとつとして「人の役にたっている」という視点があります。男女問わず「建築家」などという子がいるのを聞いたことがない。 夢多き仕事なのですが・・・。

   世界的なムードがあまりよろしくないことは今更ではあります。どう上向けるかを考えなくてはいけない訳ですが、例えば新規の上場を見ても浮ついているという表現はよろしくありませんが、NET上に仕事を作りそれにより稼ぐビジネスモデルが盛んなよう。 バーチャルといえば良いのかもしれませんが、一昔、二昔前でいえば"虚業"? ? ・・・。何かをサイト上で公開する。閲覧数が多いので広告が出る。その掲載料を得る。手数料を得る。そんな商売(その筋の方、失礼!)。

 もしくはゲーム。電車の中でもゲームに興じている方のなんと多いことか。ことゲームに関してはモラルとか基本的向上心などに関して疑問が多い。(何とも的を得ない表現ですが、書けばあまりにもダイレクトな批判になりそうで・・)。そういえば新たに球団を所有することになった会社もゲームの会社。 世の中のすべての会社がゲーム会社になるはずはないのですが、小中学生でゲームクリエーターになりたい、とういう将来志望が出てくることは社会的認知をすでに得ていることになるのでしょうか。マネーがマネーを生む商売も大昔からあるわけですが銀行も必要悪に見えてしまうことはいけないことなのかもしれない。

 「人の役にたっている」とは、ゲームによって人の時間を大いに奪うことは、それを楽しんでいるのだから何を邪魔もの扱いにするのかという意見もあろうが、特に子供においては始めると制止しなければ際限なく行い続ける、そうしたものが「役に立っている」と言えるのであろうか。

 耐震診断も、耐震改修も、傾斜してしまった建物の建て起こしも、地味な仕事ではあるが、そして儲からない仕事ではあるが、まさしく『人の役にたつ』のである。

    2012年2月
 
  ユーロがガタついている。一時はドルにとって代わる勢いであったはずが、信頼感がガクンと落ちている。 相対として円が上げているが、あくまで相対としてほかに行き場がないから、という理由らしい。
   そうだろう、日本の借金はGDB対で200%超である。 非常に脆いわけで、それでも日本国債の保有はその90%が国内勢であるから『売り』優勢とはならない、と言う専門家もいる。 先進国中最悪である。 
 仮に10%が一気に売りを掛けられたら国内の銀行にせよ生保にせよ持っていられるわけはない??
 非常に景気が悪い。名だたる大企業もリストラ。
この欄でこのようなことを書くことは無いのですが、この閉塞感、ものすごくありませんか??

 テレビをつける。 作り込んだ番組が少なく、いわゆるバラエティと呼ぶ芸人が楽屋ネタ話をして終わる簡便な、手っ取り早い軽いものが非常に多い。
 有料放送であっても、古い映画を流しているだけのようで、自局でで企画・製作するしっかりとした番組にはお目にかからない。
 スポンサーからの企画制作に十分な費用が出てこないこともあろう。そもそも視聴者の嗜好はどんどんと変わってくるので『重たい』しっかりとした番組より軽く流せて適当に笑っていられるだけのものが時流というものなのかもしれない。
 時代劇は確かに見なかった。主購買層でない老人達が中心の視聴者層の好みでしかない放送のスポンサーであっても効率的でないと判断することも間違いではない。企業側からすれば正解でしかない。

 さて、
 4年以内に70%以上の確率でマグニチュード7以上の地震が南関東を襲うとのこと。
さてさて、困ったな、と多くの人が思うのみ。

 緊急輸送道路沿いの背の高い建物の耐震診断はほぼ100%行政からの助成によって行われる事業が進んでいる。
 診断の結果はまず『NG』となる。
 そうですか、と死亡宣告を受けるのだが、入院して加療する費用が無いのだ。
 耐震設計、補強工事と進まなければ意味がないのだが、個人や一企業の持ち物である建物にどこまで助成をするのかは大問題だ。でもやらなければ道路は塞がれ、診断に助成をしたことが無駄になる。
 行政は再び"条例"により『NG』建物は補強工事をしなければならない、と罰則のある義務付けを行わなければならない。
 私ビルであるわけだが、たとえば総費用の30%を助成、残についての100%利子補給などという線が妥当なところのような気がする。まず、『義務付け』でなければ進まない。
 30か50かは議会でサッともみ、長い時間を要してはいけない、診断は始まっているのだから、30とするべきところ、知事の一声で50としました、と発表すればよいではありませんか。とにかく急いで!!!

  2012年4月
 
 巨大地震、巨大津波 世の中かなりの程度大騒ぎ。
それを聞いたところですぐに行動に移せるものではない。
日本国中どこへ逃げようにも同じような危険度である。
津波に関しては奥地へ、高台へ、ではあるが、30m超えの津波では全く手の出しようがない。
それも第一波がやってくるのは2分後。
これまでの想定に基づいてやっと造った避難タワーではあるが、そこに逃げ込みアダとなることもある。
小さな集落であれば集落ごと移転する可能性はあるだろう。しかしその費用は誰が出す?
小さな木造住宅の耐震化でさえも手着かずだ。
補助金がそのうち出るようになるだろう??
出ませんよ、全額なんて。

かつて豪雪山村の集落ごと移転する計画、および実施についてその後の追跡調査に携わったことがある。
東北地方の山の奥地の集落が毎冬に豪雪のため長期間にわたって孤立する。
急病人がでると自衛隊ヘリしか手段が無い。
時は高度成長期後半。
国、県、学者先生方が協議、結論までの過程の詳細はともかく、集団移転が実行された。
元の奥地から人口がそこそこにある町まで数十キロの移転。
地方のことで金さえあれば土地は手当てが付く。整地し道路を通しインフラを引き込む。
そして家を建てる。家は自由な大きさではない。標準型の何パターンから選ぶ。
移転住民には自己負担はない。
20戸や30戸の集落だ。よって『移転実行』。
今なら県営住宅1棟だ。
この時の調査は夏。
移転後の住民のアンケート。
効果検証はしなければならないので行われた。
元の集落へも村のジープで入った。
夏なので住民が何らかの農作業をしている。
元の家は取り壊されているわけではないので、使おうと思えばできるようだ。
しかし、寝泊りをしてはいけない決まりだ。

さて、津波。
便利で浜にも近く平地で経済活動もしやすく、ゆえに人口は増え、数万。
移転??
でも、最悪の想定のままであるならば全滅!
原発? 全滅!
でもどかか絵空事
首都東京壊滅。
100兆円損失。
これは日本に一国に留まることなく世界恐慌を引き起こす。
首都移転は No?
などと利己的なことは言っていられないだろう。
東京湾岸のこれだけの超高層ビル群。
今の時点の工学は『大丈夫』と言っている。
そのお先棒を担ぐ者としては信じたい。

  2012年5月

 再生可能エネルギーによる発電。
発電と言えば油・石炭を燃やす火力、水の勢いを使う水力、そして原子力が中心だ。
事故以来天然ガスに頼る割合が増えている。

太陽光、風、地熱、波、燃やすものとしてはバイオ燃料、シェールガス、メタンハイドレート、石炭をガス化することも行われている。
原子力をこれからどんどんと設置していこうとする国もある。
再生可能(限りがなく繰り返せる)とコストは重要だ。
風が一番コストが低く、発電産業として成立しやすいそうだ。
メガソーラーといって広大な敷地に発電パネルを敷き並べることも行われているが、何と言ってもパネルの製造コストが高い(ここにきてかなり値崩れしているともいわれるが)。ばかな話で休耕田そのものは『農地』で、ソーラーパネルを敷き詰めると『宅地』となり固定資産税の基準が変更になり採算性がまた損なわれる! いいかげんしろよ財務省!! いちいち特区しかなさそう。
 一時期、シャープや三洋といったメーカーが太陽光で世界のトップランナーであったわけで、何となく太陽光がもてはやされている感があるが、製造コストは圧倒的に風力が優れている。ただこれは地産地消ではないが、各家庭で行う小型発電には屋根上設置が場所的には一番良いのだ。庭先に大型風車と言うのは見栄えも風切り音からもいただけない。
売電の原価は風が20〜25円、光が40〜45円とか。政府よりの補助金がないと現段階ではその他の方式も含めいずれも設置がおぼつかない。
水はあの黒部第四のように大がかり。もっとも適地が無くなっている。これからの設置は小型高効率であるがたかが知れている?
地熱は火山国では一番適するように思えるがこれまた山の中に大きなプラントの建設が必要だ。既存の温泉業者からは湯の変化があったらどうする?というクレームもある。
 バイオ燃料は燃やせばCO2が排出されるが再び樹木や作物になるときに固定化され、これそのものはプラスマイナスゼロという。
この食料難に食べられるものを燃料にするのは止めたい。各種の食べ物ではない植物、藻などの研究に期待したい。
 今後問題化するであろう点が専門家の間で話題があるという。例えばシェールガス。これは化石燃料だが、技術開発によりかなりローコストでの生産が可能になってきているとのこと。採掘時にかなりの環境汚染が発生するらしい。しかし安価であることから採掘される。何らかの新たな汚染が発生するが、安価ゆえに再生可能エネルギーの新技術開発等が後回しにされる、といったトータルして負のサイクルにならないか?の懸念です。
 というようなことを書いていたら、4月24日に『買い取り価格の決定』が報道された。
光=42円。 ネット上ではさっそく「高い、安い」の議論が始まった。 外野の話ではあるが。
一説によると30円でも採算に乗る、ともいう。 これなら、と中国をはじめとする外国メーカーも参入!!
42円は買い取り価格で、それが一般消費者に来るときには電気料金としてあれこれに混ざってしまい、果たしておいくら?

  2012年6月

 雨季が近づく
ゴールデンウィークを過ぎるころ、初夏の気温がやってくる。
しかし、たいした湿度は伴わず、からっとして夏らしさは感じることなく、
それまで冬から春を過ぎてきた過程として暑くなりましたね、
でエアコンを入れるでもなくこの時期は通り過ぎる。
 さて
 梅雨

 いったん暑い時期を過ぎたものだから、20°C程度の日が続くと肌寒く感じ、
もっとも寒いけれど、セーターなど着込んだりもすることもある。
と思うと、けっこうムシムシと気温と湿度との両方を感じ、窓を開けるか、エアコンかを考えることもある。
 しとしと降る雨でも窓を開けたい。
かつての日本家屋は軒の出が深いのが当たり前だった。
 都市化のために、敷地の狭小のために
壁は隣地境界線から50cmの離れだけとなり軒の出は芯で30cmなどとなった。
垂直にだけ降ればよいが多少の風を伴うのが普通。
すると窓は開けてはおけない。 最近のはやりか、竪細長で竪軸で開く窓が多用されているようだ。
多少の雨なら開けたいのだが不可能だ。
 軒の出どころではなく垂直フラットな壁で軒の出どころではなく霧除け(窓庇)もカッコウ悪いので付けない家もあり、ビルのようなキューブな形を良し!としているらしい。
 カッコウ優先で機能無視である。
こうなると多少ともムシムシするときはいやでもエアコンのスイッチONとならざるを得ない。
軒の出。昔のように4尺(1.2m程度)は当たり前にとってみたいもの。
それが無理でも窓上に霧除けは付けたいもの。
シトシト雨なら窓を開けておきたいですね

  2012年7月

 5月の竜巻で築2年程度の木造住宅が基礎ごとひっくり返った例があった。
コンクリート基礎が裏表が逆になり、上物はその横でバラバラに。
(以下、日経BPからの抜粋を元に言葉を変更しています)
一説に、強風で建物全体が浮き上がり、そして横転したとするものがあります。
 ある大学教授は、
「竜巻で2階建ての木造住宅が浮上するには相当の風速が必要。
周辺の被害状況やこれまでの常識から、浮上するほどの風速があったとは考えられないため、家は完全に浮き上がったのではなく、風に押されて転倒したのではないか」と推測。
風洞実験では、風速約100m/秒で模型が横に回転し、あっという間に滑っていく。
しかし、「家は滑ったのではなく転倒した」という意見もあり、風速や、接合部の強度など、専門家の間でも意見は一致しないようだ。
どのような小屋組みの接合部や軒の出寸法で、どのくらいの風に耐えられるか許容応力度計算でチェックした実験では破損を少なくするために以下のことがわかりました。
(1)かすがいでは不十分
(2)軒の出を小さくする
(3)くら金物を使う
 また、これまで地震対策のために屋根を軽くすることが重要と言われてきましたが、軽くするなら接合部を強化することが大切です。そうでないと風で屋根が飛びやすくなります。
同じく竜巻に襲われたつくば市北条には、江戸や明治にかけて建てられた土蔵造りが今でも多数建ち並んでいます。ここでは構造体が変形するような被害は多くありませんでした。
 別の大学教授は、
店蔵の部材断面は大きく、屋根や壁が土葺きで重い土蔵造りに、
「荷重の重い蔵は地震に弱いが強風には強い。軽い今どきの住宅はその逆だ」
(引用等ここまで)
 建築基準法での風速は30〜46m/秒。
これで従前の台風には耐えてきたわけだが、竜巻の突風は100m/秒超え。
木造ではそもそも基礎ごと持ち上げられてしまうのでは、軒の出とか金物とか言っている状況ではなく、鉄筋コンクリート造しかあり得ない状態なのかもしれない。
もしくは、木造とするならばすごく重たく造る、もしくは地盤が良くても杭を打ち基礎と一体化するなどの方策を講じなければならないのかもしれない。
 6月短信で梅雨対策とし軒の出は大きくしたいと書いたが、突風には困ったものです。

  2012年8月

ロンドンが熱いようですが、東京も暑い。
ロンドンのその熱気は半日から新聞ではまる1日ずれて伝わってくるので、どうもピンとこない。
テレビ放送はリアルタイムと思いきや編集がしてある。マッ結果がわかればいいか!!を決め込んでいる。
地元にスーパーアスリートがいて、決勝に臨んでいるというならば本当にリアルタイムで見たい、という強いう希望も湧いてくるのだろうけれどそこまでは、という状態ですので・・・。
それにしても『女王陛下と007』のような映像はいろいろ編集はされていて当然ではあっても見る者を楽しませてくれた。
画像の背景となる競技場を目を凝らして見るのですが、競技の放映であって建物リポートではないので、日本国内の競技場で行われている試合なのかどうかほとんどわからない。 開会式会場の動きまわるカメラはどこにあるカメラなのか、もしかしてリモコンヘリコプターに搭載したカメラなのか、そのようなことを思いながらハイライトシーンを見ました。
建築士免許証の偽造事件がまた起こっています。よその人のものを書き変えたというお粗末なもの。建築確認申請では本物の免許証を提示するのではなくコピーの添付で良いので、まあ、簡単な話です。 そこまでして業務をするのですね。 ある分野においては免許を受けた者よりも詳しい専門家である場合も多いわけで、その延長で深くは考えていないのでしょう。 でも法律違反です。 事件が起きると国土交通省は『建築士事務所の開設者は所属建築士の免許証を確認して報告せよ』というお達しを出す。 全国から膨大な紙が集まってくるわけです。 その紙を点検するのかしら???
最大手のハウスメーカーが検査済証を偽造したとか、また、中堅どころのハウスメーカーでは防火認定の取れていない材料を使用していたとか、スーパーゼネコンが鉄筋の本数を間違えて工事をしたとか、古くは壊れた柱の中からジュースの缶が出てきたとか、大きくても小さくても、免許を持っていようが持っていまいが、建築物は建ちあがり日々社会の中に存在する。

  2012年11月

業界のメルマガからの抜粋です。以下、
 大工の不足が叫ばれて久しいですが、皆さん2010年度の国勢調査で大工人口が何人だったかご存知ですか?39万人です。
そして2010年度新たに大工になった人が何人いたかは分かりますか?
たったの1,000人です。
そしてその大工は、2015年度には30万人。
2020年度には20万人になると予想されています。
 急激に大工の数が減少しているのに、あたらに大工になろうとするものの数が年間1,000人しかいないのです。
ざっくり言って新築に携わる大工がこのうち6割だとしても、約33万戸程度しか供給できないことになります。
 ここまで。

 ほんの一時だったような気がしますが、小学生アンケート『将来、なりたい職業は』で男子の非常に多くが『大工さん』という回答があった。
これは小学生が何かを創り出す魔法の手を持った人を『大工』と思う結果だったと記憶しています。
 木を切って、削って、穴を開け、クギを打ち、組み立てて行くと家が出来る。 これはもう、驚き以外の何物でもない!!!
ところが減っている。 まだ当時の小学生が大人にならないから? ではないでしょう。
 現実を考えると、3Kの職種であり、親たちがホワイトカラー(今どきこんな言葉は使わない)を望み、子供たちもだんだんと熱さを忘れ冷めた目で現実を見るようになる。 一説によると、ハウスメーカーの下に組み込まれた大工職人は指示された量を非常にキツイ状態でもなくこなしてゆくと、年収1,000万になるとか。 本当ですか?? 職人さんである以上、言われたことをコツコツとしさえすれば良い? 黙って付いてくれば1,000万になりますヨ!! 本当なら成り手はいるでしょう!?
 大工職は家づくりの中心となる職種。 誇り高い職種です。 棟梁です。 ハウスメーカーでは組み立て職人として、工場から送られてくる出来上がっている部品を切るも、穴あけも、カンナを掛けることも無く、ただ組み立てる。 そこにも技量は必要ですが、ベテランの職人芸は一切不要。 それが必要であるとするとハウスメーカーは成り立たない。 
 もっとも職人芸を駆使した家らしい家が欲しい方は伝統ある工務店に依頼するもの。 神社仏閣に代表される手づくりの木造建築はまだまだ健在。 しかし金額のことは言わない。 ・・・。 
 大工さん、組み立て職人では小学生も夢はみない。 産業構造が変わっている。 家を建てる人は展示場へ行く、そんな時代。
『設計通りの強度を出すため、家は工場で造る』、
・・・・・・ウーン!なるほど?????

  2012年12月

 世の中を支えるインフラは普段目に見えず空気のようなもの。 無くなると、もしくは使えなくなると非常に困るを通り越し、危機的でさえある。
中央高速の笹子トンネルが崩落した。全国的な原発は停止してから久しい。
"通常通り"であるときはのんびりしたものでまさしく"空気"同然である。
この他にも数えきれないだけのこの国を下支えしているインフラが今使われている。
 戦後といわれている時期そのものの記憶は無い。その後の高度成長期、一時の停滞を経、バブル期はそのただ中にいた。巨大な構造物・建物が次つぎと立ち上がる。そして現在進行形で使われている。
 直接かかわるところのビルは大型化し、超高層時代の幕開けに建設された建物が解体撤去され、元よりも大きなものが造られている。

 ピラミッドの時代から財力は巨大な構造物を生んできた。王朝、権力者、政治体制が劇的に変化することで巨大構造物は時の権力者のために更新されてきた。現在の社会では一部地域でやっと民主化の動きがあるが、これが全世界的に落ち着きをみせるころにはどうなるのであろうか。
紛争地域など無い。革命的政治体制の変化はもう起こらない。民主的選挙により庶民のなかよりリーダーが選ばれ、庶民のために政治経済がのんびりと動く。世界の民は何となく平準化された平和のなか何の争い事もなくそれなりに平和の中一生を終る。ユートピア??

 公共インフラをはじめとした巨大構造物はどう維持管理をしていくのか。
税金のほとんどは「小さな幸せ」のために使われる。そもそも税収は激減する。企業は維持に必要な利益しかだすことなく、競争原理などなく、みんな小さな幸せのために生きる。
巨大インフラは老朽化の一途をたどり、危険がわかれば閉鎖される。トンネルは通行止め、橋も通行止め。撤去する費用も無く朽ちるに任せるしかない。巨大民間ビルもメンテナンスにまわる金は無い。行政が撤去命令など出そうものならその企業は倒産するしかない。そもそも人口は激減するのだから、豪華を始めとして、便利も時間短縮も価値観の変化の中でそう考慮されなくなる。

・・・・・・後ろ向きのことを書き連ねた・・・・・・
 しかし今回の事故を見て思う。今はまだ慢心はあるにせよどうにかメンテナンスの金はあるだろう。えいやーで巨大なものを造り続ける時代ではなくなっていくのだろう。土建国家はとうに終わっていると考える。
 地方公共団体の行った箱モノ行政の産物である立派なコンサートホールはドンドン劣化の一途で小学生の合唱の発表会にしか使われいないとか。身の回りにはそうした例が多い。
政治家の諸氏は明るい未来を描くのが仕事であろうが、どうもそのリップサービスは?????である。

  2013年2月

 急激な円安、急激な株価高騰。 安すぎる株価が少々高くなっても良いでしょう。
昔から何となく¥12,000._などと言われる。このぐらいあれば・・・・・、とか。
円安?輸出企業は良いのでしょうか?海外で1ドルで売った物を日本に持ってきて80円になるか、90円になるかは、何もしないで10円も違ってくるのだから
 今や日本は輸入大国。今まで80円で買えていたものが90円出さないと買えなくなる。エネルギーのほとんど、小麦や大豆などもほとんど輸入。
 この欄であれこれ言う以前に新聞でもテレビでも誠に喧しい。 消費税もUPが決まって、低減税率は当面は無し。

 前政権がメチャクチャだった、というのは確かにそうだったのかもしれない。 では今は?というとまだ何もしていないのに期待相場だ。 物価だけ上がって給料は上がらないということが盛んに心配されている。 「金融経済専門家」ほど信じられないものは無い!?やってみなければわからない、評論家と称する方々には全く逆のことを言う人がいる。

 建築専門家をはじめ技術の専門家は一応信じるに足りるのではないか? ロケットが思い通りに上がらなかったり、IPS細胞を目指していたわけでもないのに、出来てしまったり。 が、確実に一歩一歩前に進んでいる。評価にレベル差はあるにせよ、全く逆を言ったりはしない。

 3年に一度の「指定講習」を受講し、建築士としての法定上の決まりごとをこなした。丸一日講習会場に缶詰。 最後に考査なるものがある。 65%以上の正答で合格だそうだ。 アネハさんのおかげです。 日常的に業務をこなし、雑誌などにも一通り目を通している者にとっては、この講習は時間の無駄でしかない。 
  2013年3月

 特殊解  43条ただし書き
『道路』が無い

建物は建築基準法で認める「道路」に接していなければ造ることができません。
この「道路」が難物です。
「道路状」であっても『基準法で認める道路』ではないことがけっこうあるのです。
 どう見ても「道路」です。幅が多少足りない(基準法では4m)場合は、自ら敷地を削って(後退して)4mの幅員となるようにすれば、基準法ではOKです。設計依頼を受け初回のお打ち合わせで現地の旧家屋に伺った際には、幅員が気持ち不足かな、と感じ、帰りがけにメジャーで当たると4mに10cmほど足りない模様。その場で施主にお話しして5cm程度後退かもしれません、と伝えました。
アスファルト舗装してあり、側溝も入って、下水も整備されている。どう見ても道路でしかない。
 まずいこともいろいろあることは承知しているので早めの後日に役所調査。
用途地域を始めとする規制を調べ、道路の確認もします。
すると、道路が無い!! 嗚呼
「道路」でなく、単なる通路、近隣が便利で使っている『通路』でしかない!!
出来ることならば、近隣総員の同意を得、「道路」にしてしまえば何のことは無いのです。
いずれ、この「通路」にしか面していない建物の建て替え計画が発生すればまた「道路」が無い騒ぎをその都度することになることは目に見えています。しかし、現実に我が身にふりかかってこないと『同意書』に印を付くことすらことすら面倒なのですね。
 建築基準法には一応救済の規定があります。
「43条ただし書き」の規定です。
「通路」などの「広い空地」があり、将来にわたって交通上など支障が無く(などを証明する必要あり)、建築審査会の同意を得られれば、その「通路」は「道路」と同等の扱いとする、というもの。
今回はまず、役所の担当窓口に道路状の部分と建築予定地の測量図、写真などを持ち相談に行きます。
「道路」としての認定の申請をすればいいのに」などとまずは言われ、
「それがすぐに出来そうもないのでこうして相談に来ているのです」「どうにかなりませんか?」
「まずはお預かりして係員が現地を見に行きます」「そのうえで、担当内で協議し審査会にかけるかどうか判断します」
「審査会にかけたとしても通るかどうかは不明です」
「こちらから連絡するまでお待ちください」
「どのくらいの期間がかかるのですか」
「最初の連絡は1週間程度です」
 そして1週間後
「部内で審査をしますので登記簿謄本や近隣名簿など、必要書類一覧にあるものを揃えて提出してください」
「これは事前審査で審査会ではありません」
3日後、必要書類をそろえコピーし10部を提出。
「この事前審査はどのくらいの期間を要するのでしょうか?」
「おおよそ10日から2週間です」
 そして2週間後
「部内での審査結果をお伝えしますのでご来庁ください」
そして窓口・・、ではなく、奥のパーティションで仕切られたブースへ。
担当者(道路、法規、都市計画)、係長、課長、この時は5人いるところでお話しを聞く。
そしてわかりきっている一般論から順に当該土地の歴史的経緯までを聞かされる。
「この通路に8軒が面している。どうにかして道路としてしまえませんか?」
「建て替えのたびにこの審査を行わなければならない・・・」
「既に7軒に伺いましたが、所有者も代わっていて登記簿の記載住所に住んでいない方もいる。捜査だけでも大変な時間がかかる。個人では無理で弁護士さんにでも依頼しないと何もできそうにない」
 延々お話しをして、では、
「あとは担当から図面の書き方の訂正と書き加えなど、書類の揃え方などを説明します」
となり、審査員の印象が少しでも良いようにとのありがたいご指示をいただきます。
事前はA3で10枚程度でしたが、陳述書・お願い書、通路や現場、近隣の様子のわかる遠景、近景の写真そもそもの申請書類、それに事前申請で使った図面を加筆訂正したものでA3+A4計30枚になり、これを30部、申請費用を添えて提出、となりました。
 審査会は毎月1回第二木曜日という。今月は3日後か!!揃えられない!!
しかし、まる1カ月無駄になってしまう。 こうした時のお決まりのコース=連続徹夜。
翌日、担当に電話をし、当日朝一番でもOKかどうかを聞く。
不備が無ければ大丈夫です、とのこと。
 提出。審査開始。待つこと2週間。『審査会同意書』取得。
同意条件。
1.木造2階建て住宅ではあるが「準耐火造」とすること。
2.通路部分の自敷地は分筆し「公衆道路」として登記すること。
3.検査済証を取得すること。
でした。
 その後、建築確認申請を行い、着工、竣工、役所による完了検査を経、検査済証を取得。司法書士に依頼し敷地を分割登記、ですべて完了となりました。
ちなみに「準耐火造」は木造建物を燃えにくくする工法で、単純に言えば『木』を現しにしない、ということです。
昔ながらの日本家屋のように、柱の見える和室は造れないのです。 もっとも燃えることを見越し、かなり太い材料を使えば木が見える方法も良いのですが、非常に太くなりスケール感が合わないことと、コストアップがかなりですから、今回は強化石膏ボードで木をことごとく覆う、ことで達成することとしました。

  2013年4月

人口が減少してくる。
何を意味するか?
1憶2千万人のためにあれこれ作って来たものが不要になってくること。
「作って」は制度であればそのまま、「造って」は端的にはインフラだ。
 教育の制度、老人の制度はどんどん更新していかないと子供は減り老人は増える。
学校はどんどん不要となり介護施設が大需要となる。教育費用、医療費用、介護費用・・・・。
どこで定常状態になり安定となるのか。
 街・町が不要になる。
大都市圏に限らずサテライトタウンが高度成長期からその後にどんどん造られた。
そこへ鉄道が引かれ高速道路・高規格道路が整備され、上水道・下水道、電気・ガスも引かれた。
 年月は流れ、人口は減少に転じ、郊外へマイホームを求め移り住んだ人々は、子供の独立、自身の老齢化により夢のマイホームに住み続けるかどうかの選択岐路に立たされている。老人だけが住む郊外"ニュータウン"、車の運転も危険を伴うようになってくる。もはや郊外ではなく都心回帰か。
 少数が郊外ニュータウンに残る。その人達はもはやほとんど税金は支払わなくなっている。インフラの維持は税金だ。
切り捨てるわけにもいかず、地方市は財政破綻する。
 もう上水は供給しません。 下水も利用できません。 道路・橋は危険です。
 かつて豪雪山村が集団移転で町に降りてきたように、郊外の『光風明媚が丘ニュータウン』は閉鎖し街中の市営団地に移っていただく。市に体力が残っているうちに動き始めないと、10km先の"かつて"のニュータウンに〇〇爺やが一人住まいしている・・、と大きな問題となる。
 それにも増して不思議なのは、いまだに「郊外」とおぼしき中心市街地から30kmなる土地にマンションという名の集合住宅が建てられること。 「廃墟予備軍」。おなじく高度成長期のようなそれまで雑木林、畑だったところに『5haの新コミュニティ』とかのうたい文句のチラシが入ることがある。行っている企業は売り抜けて利益を狙っている、その開発を認可する市なりは法律にのっとり手続きを粛々と行っているだけなのだろうが、「廃墟予備軍」であるだけだ。

  2013年5月

 木造住宅の新築時にも耐震改修の時にも耐震要素、筋違いや構造用合板を柱・梁に取り付ける。
通常はこれで良い。耐震要素はバランス良く多い程良い。でも窓をつぶしてまで壁とするのはナンセンス。
普通に壁量を計算していくと法規での規定量の1.5倍程度にはなる。
 でも大地震にガツン!とやられた時には、1回目のガツンには十分に耐える。しかし、複数回の大きな余震に耐え続けるか? という疑問がある。 ガツンとやられるたびに、クギが少しずつ抜け、金物が少しずつ伸びる。
 震度5程度までならば何ら問題は無い、とされている。しかし震度7となると5の何十倍のエネルギーであると言われる。要は100年、200年に一回のその建物がある間に一度も遭遇しないかもしれない大地震だ。
 ここで懸念されるのは、震度7が来てしまって、初回はどうにか倒壊せずに耐えました。このとき、壁を開けて見たとすると、クギ抜け、金物が伸びている。すぐに直せば次の震度7にもまた耐える。しかし出来ない。手が無い。この時、余震震度6が来る。余震は本震より必ず小さいのだが複数回、本震に近い大きさのものが来る。抜けクギ、伸び金物は所定の強度を持たない。
 このとき、本震に耐えるのはもちろん壁+筋違いだが、揺れの変形を受けつつ流す、そんな要素を付加しておこうとする考え方がある。制震装置と呼ばれるものだ。
 大きな揺れを素早く熱エネルギーに変えてしまい、クギや金物を痛めるところまで変形させないとする装置だ。
×型の筋違いと同じような形をした工場生産品だ。ダンパーとも呼ばれる。法規で決められてる壁量は維持しつつ、このダンパーをさらに入れて行こうとするものだ。
 木造2階建ての建物の1階に4か所から6か所入れて行く。30万円から60万円の追加工事で入れることが出来る。
さて、どう考えるか? 約1%の工費UP。これで複数回の余震にまで耐えましょうとするものだ。
 制震装置がここにきて、複数社から目に留まるもので4種出ている。やや取り付けの面倒そうなものから、大工さんだけで取り付けられそうなもの、木造住宅を何年もたせるか、使うかという施主の考え方に依る。

  2013年6月

 法律の適応ですからNoはありません。  がしかし、姉歯はともかく、普通に設計し監理をしている物件で中間検査、完了検査があるわけです。地方自治体によっては四号建物でも『中間検査』を実施しているところがあります。これも地方条例で決まっていることですからNoはありません。
 ここのところ、検査とか申請とかにだいぶ時間がとられました。 かつての「確認申請がおりない」「時間が膨大にかかる」事件ではありません。が、端は同じところです。
 検査を受けました。設計監理をしている以上何の指摘も無く終わるのは当然なのですが・・・。
 申請書はほとんどの機関、行政でダウンロードできます。それなら確認申請ではないのだから郵送受け付けもあり、でしょ? でも無いから持参する。こちらも意地悪でもないですが「郵送受付でもいいですか?」などと一言聞いてみる。返事は分かっている。持参受付の理由はなんだろう?
 その時に検査日を決めるわけではない。希望日は10日程前に電話で伝えてあり、前日に時刻の確認電話をすることになっている。

 開発申請も面倒なことは分かっているが、「開発許可」が出た後(それまで10回では済まないそれ以上通っている。その時は『許可』を得るまではとガマンして通っている)、「適合申請」「公告前建築工事着工申請」と続く。これなどは開発申請書類と中身は全く同じ、もしくは多少少ないわけだ。表紙の申請書1枚が異なる。それなら郵送受付などでいいではありませんか? 何故だめなんだ??
 そして検査に担当者が2人で車で乗り付けてくる。そう、都内の区役所のお役人さんは自転車で来ますね、ウーン!いいことだ。大体において検査に来るのは若めの人。30そこそこの人が25くらいの新人を伴ってくる。そうした教育もしなければいつまでも座学だけでは現場は分からない。23歳で採用になって、5年内勤をしたら建設会社に5年出向したらいい。中間検査ではだいぶ組み上がっているわけだからそれだけ見てもそこまでの過程は不明のままでしょう? 見ないより見た方がいいけれど。
 お金を払って見ていただいている検査していただいていると思いきや、現場訓練の場を提供しているわけだ。 研修費を払って見にきてくださいな(笑)。

  2013年7月

 家は何におもきを措き構想を練りそして決断し建設したらよいのだろうか?
永遠の課題かもしれないし、軽く"誰でも住める"でOKであるのが一番とも考えることが出来る。
 家を持とうと考える大きなきっかけに『子ども』がある。
それはそれは心血そそぎ子どもの為、少しでも成長にプラスなように、目が行き届き、いつでもコミュニケーションがとれ、危険は無く、学習環境はどうであろうか、家族の団欒は、などなど小さな子、あるいは乳飲み子を持つ若い親たちは考える。
 が、あっという間に高校生以上になり、なぜこんな部屋なんだ!!などと言われる。あれから15年も経ったんだ、時代も世の中の風潮も違うのだ、当時は浅はかながらも一生懸命に考えた、というか、あちらこちら検索し、雑誌を読み浅はかの上に少しばかり塗り上げた。
子どもの為の家造りなんてこんなもの。
 では、長ーい人生、夫婦の為の家造りは?
 これも大義名分ではあるが、行きつくところは、趣味の部屋(コーナー)だったり、別々の寝室、動き易いキッチン、家事労働の軽減に尽きてしまったり、やたらと収納部が多く物を死蔵する場所にお金を掛けることも。中には夢物語的にホームパーティーをたくさん開いて友人をたくさん呼んで楽しく過ごしたい! もあるが、日常のガランとした部屋をどう掃除をするのか、庭でのバーベキューを語る方もいるがパーティーは誰が準備して誰が片付けるのかが思考から落ちているのでは?
 インナーガレージにピカピカのクルマを置いて、居間との仕切りはガラスにしていつも眺めて暮らしたい! ディーラーさんですか?
 さてさて、住宅販売会社では『子育て応援』『ホームシアター』『大きな屋上』『回遊できる』『ビッグガレージ』だったり、技術に偏った『自給エネルギーの家』『耐震』だったりする。
 逆説的に書いた。どれもキッカケだ。よくお話しをお聞きしたい。こちらからも知っているだけの情報をお伝えしましょう。足りなければ調べ研究しましょう。きっと楽しい家造りになると思います。
 販売会社ではないので、型に嵌めたり、設計期間は標準で3ヶ月です、などと言うことは無く1年がかりもざらで何とも思っていません。着工前にクロスまですべて選び終わっているなどという空間の雰囲気も体験しない仕上げ材選びなんてしません。出来上がりに合わせて順次決めて行きましょう。
 ただ、ローコスト要求一本では隅々まで配慮行き届いた、は無理ですし、耐久性もそこそこまでです。さわればさわるほど、手が込めば込むほど費用が掛るのは当然です。「ローコストが得意です」とおっしゃる設計屋もいるようです。マジシャンですか?それともペラペラですか?
 家造りは楽しいことです。案をコンペで選ぶのも一つの方法でしょう。何例もそうしてきました。でも、一度決まった後はいつものようにじっくり腰を据えてのお話しの繰り返しです。コンペ案が大きく変わらずそのまま実施ということもありますが、話していくうちに「あの時の『コンペ要領』はまだ考えが足りなかったのですね、雑誌などの受け売りをそのまま『要綱』としてしまったようです」と全面的に考え直される建て主さんもいらっしゃる。家造りは奥が深い。

  2013年8月

 建築主・設計のご依頼の方々にお願いがあります。
工程・工期を非常に短くお考えです、と申し上げたいのです。
これは住宅に限ることではありません。
住宅会社は設計3ヶ月工事4ヵ月。消費税に間に会います。と宣伝します。 消費税のことだけでなく『本当の意味での注文住宅』をお造りになるのですからそれでは短すぎます。 モデルハウスを見て手直しするだけだからこそ3カ月なのです。モデルがあるのに3カ月です。
  何もないところから始めるのですから最低でも6カ月です。通り一遍のご指示だけであとは設計者にお任せで文句は言わないとの『契約書』をいただけるの なら3カ月で設計します(笑)、でもそうはしたくありません。『思い』を存分に語っていただきたいのです。
 『思い』を語っていただき、形に直し、またそれを下敷きに「そうそう、こうもしたいのですが」とまた語っていただきたいのです。
設計期間1年という例も多くあります。最低でも6カ月でしょう。
 オファーをいただいた段階で『コンペ』をしたい、複数社さんに案をだしていただき比較検討したのですが、とおっしゃる方もいらっしゃいます。
「ご要望、ご希望、ご予算などは紙に書いてまとまっていらっしゃいますか?同じ条件で複数社に設計案を作らせなければなりません」
「そうなんですか?まだです」
『条件書』の整理は厄介なものです。「これだけの部屋が必要で、バーベキューがしたい、ガレージが欲しい、単純に合計すると50坪になりそうなのだが 、どうにか40坪までとしてください、予算は外構、設計費も含めて2000万円です」。
 極論では「家族は4人です。予算は2000万円です。何か提案してください」しかない『条件書』もあります。
これでも"案"は出てきますが、先の長いお話しとなるでしょう。
 上記の『思い』の例のいずれでも弊社デザインシステムは辞退させていただきます。
住むということの熱い思いが感じられず人任せなのです。では建売住宅をお探しになったほうが、メーカーから手っ取り早く"購入"したほうがよいのでは ? となります。設計者が住まい方を提案しそれを選ぶ? もう間違いです。「こう住みたい」が先のはずです。
 一生の住宅を創るのです。『条件書』がまとめられないのであれば設計者を先に選んで、WEBで複数選び、面接して決めるのです。その選んだ人とヒザ詰 めでお話しをするのです。きっと光が見えてきます。 その時でも予算はまずはじめにお話しください。 
 住宅会社で打ち出している坪40万円!!が出来るとはお考えにならないでください。デザインシステムですと、木造で65万、鉄骨で85万、鉄筋コンクリ ートで100万からといった過去の実績です。ただ木造では多少ともやり繰りがあり50万を下回る例もあります。しかし10年前です。現在の最新の断熱性では ありません。当ホームページの他のページをご覧ください、グラスウールではおいやですよね? 
 条件書をヒザ詰めで創り上げること、何回もやってきました。 早くからご相談ください。

    2013年9月

 暑い8月が終わりましたが残暑も厳しいようです。日本は亜熱帯地方に変わって来ました。
 この暑さの原因は各所で語られていますが、現実はそれしかないので、建物の中をどうするか、が現実的な問いとなります。無冷房のとき窓を開け外気温と同じであればOKなのですが、多くの場合太陽に照らされて受熱し、外壁・屋根の温度は上がります。そして蓄熱される。
 打ち放しコンクリートや塗装しただけのコンクリートの住宅は最悪ではありませんか? 夜になっても蓄熱したコンクリートから室内へ放熱され外気よりはるかに高い室温・体感温度となります。
   ひところ『コンクリートの肌合いが好きだ』と内外共コンクリートむき出しの住宅や小建築がありましたから今現在も建っていることでしょう。
 一方、木造では外壁は躯体の外に通気層をとり外側に見える外装材をもう一枚張る。屋根は小屋裏通気ではなく野地板の上に通気層をとりその外に雨を流す表面材を葺く。そのような「中に熱を貯めない」工法をここ数年行っています。 お住まいの方々には好評です。
 断熱は持論のいつものモノでランクは高いですから冷房も暖房も良く効きます。このことのコストなどほんとうに高が知れています。

  2013年10月

エコと地震、高波、強風・・・火山噴火・・。

 『今まで経験したことのないような』激しい雨や雷、竜巻。そして、被害の映像が連日のように報じられている。深刻さが伝わってくる。被災した人々の恐怖や混乱はいかばかりかと想像する。そして建築に出来ることは、と考える。
 F2で瞬間風速50〜69m/s、F5では117〜142であり考えられない。国内ではF3が最高で70〜92。
木造の屋根、折版屋根は飛ぶことを前提に設計する。ただ、すぐに飛んでしまっては使い物にならないので基準法により通常の最大60(46)m/s程度までは耐えるように義務付けられている。鉄筋コンクリート造ではクギやボルトで止め付ける屋根ではなく一体のコンクリートで造るので飛ぶことは通常は問題にならない。台風観測を行う離れ島の測候所などは通常の構造設計ではない。
 木造でクギの引き抜き強度は計算できる(ことになっている)。計算し念のためもう1本追加で打っておこうか、もできる、がしかし、どう考えても板を母屋にクギで打ちつけることに変わりは無い。 折版を下地に止めるボルトをもう1本増やそう、がしかし、ボルトで止めることに変わりは無い。
 よってこれからの建物は鉄筋コンクリートに限る(笑)。それもトーチカ型。砲弾も貫通しない分厚い屋根壁、小さな必要最低限の多重窓。
 ちなみに行政のコメントは『竜巻に対応する建物を考えることは現実的でない』

 水害。都市ゲリラ豪雨。100mm/h。あっという間に床上浸水。これからの建物は1階は全てピロティ(笑)。居住床は地上4Mからとする。地上レベルには柱しかない。大切な車はリフトで4Mレベルへ。ただし津波対策にはならない。これには中間階を捨てるつもりで5階以上に本居住空間を設定する(地域による)。  大地震。これは従来から対策はあるわけで、「絶対に壊れない強度」は経済性を無視すればどうにでもなる(笑)。大都市災害の火災では建物は壊れなくとも避難する。火災で酸素が不足する。

 さてさて『(笑)』ごとではない。50年100年に1回起きるかどうか、などと言っていたのは数年前まで。都市ゲリラ豪雨に至っては明日でも起きる。東南海地震、首都直下型も明日にも、となってきた。それでも経済性を優先し建築基準法で決まってるからと、プラスαしても制度のある一応Maxの耐震等級までは考える、ということである。
 耐震診断制度も補助金行政であり、出なければ行わない。都のように診断にはほぼ全額出ても、その結果はNGの続出。さて補強工事はと言うと補助金は1割とか。どちらかといって取り壊してもらいたい、というところが本音。
 鉄筋コンクリート造5階建トーチカ型超堅牢建物。全天候全地殻変動対応。これを文字通りコンクリートの塊として造ったら不細工極まりないわけで、そこに美意識を持ち込んだ設計者が必要となる。 サッ!出番だ!!(笑)
 しかし、時間が経つにつれ半分冗談では無くなって来た。 坪単価200万円でコミコミ超堅牢建物を完成まで請け負います。品確法による3等級、だとかではなく(それで安心ではない)それ以上に圧倒的に強いものを!!

  2013年11月

 およそすべての自然災害(台風、竜巻、地震、豪雨、津波)に負けない『超堅牢建物』。
デザインシステムにてお引き受けします。先月の短信に書いた。(30mの津波は単独建物では無理)

 そこまで行かない耐震等級などの最上級に留まっている建物をお造りになられる方は、当該建設地に起き易い災害の確認、ハザードマップの確認、保険の見直し、河川が近いなら土嚢の準備をした方が良い。
 昔は台風だと言うと雨戸をクギで固定したりしたが飛来物にはほとんど無意味、シャッターがあっても雨戸があってもほとんど気休め。12mmベニヤ板が1Km先から飛んでくる、自転車が飛んでくる、大型看板が飛んでくるのだから。 軽量物の衝突でのガラスの飛散は飛散防止フィルムである程度防げる。貼らないより貼ったほうが防犯にも効く。

 一般的には警報に注意を払い出たなら避難所へ、が基本中の基本。 ただ、近隣の小学校などへ避難しても、水害には有効でも竜巻ではガラスがことごとく割れ飛び散るので普通教室では凌げない。最近では木材の使用が奨励され小学校なども木造がどんどん出てきている。 金物には目一杯気を使う設計をするわけだが、木と木を金物で止め付けるわけで「想定外でした」とは言わないでほしいもの。 これからの小学校を竜巻にも耐え得る、児童を竜巻発生時に校舎内に避難させれば絶対大丈夫、の建物を造っていきたい。

 竜巻頻発国アメリカのドラマにときどき登場する地下室。 上物はすっかり無くなってしまっても、地下にさえ逃げ込めば命は保証される式もOkだが、建物すべて家財すべてが無くなるわけでかなり厳しい事態となる。
 同様のことはパニックルームでも可能。少し意味合いが異なるが「ここにさえ逃げ込めば命だけは助かる部屋」。家全体は費用的に無理でも一部屋だけなら何とかなる、そうした方向け。地下室もパニックルームも大洪水や津波には対応不可。

 先日の新聞で鉄筋コンクリート系住宅メーカーに問い合わせが増えている、という広告・記事?があった。私の提唱している超堅牢とは程遠い。
 工場でコンクリートパネルを造り現場で金物接合しその周りを埋めるもの。一回り厚く重くしたものも販売できる、としているらしい。
 何と言っても鉄筋コンクリート造の真髄は現場でコンクリートを流し込み良く締め固めどこまでも一体であること。 継ぎはぎではないこと。そして超堅牢においてはコンクリート強度を上げ、5cm以上厚く打つこと。監理も重要となる。
 こまかなノウハウも積み上げてある。 ご相談ください。
 ただ、土石流の、火山流の起きるただ中に建てたい(笑い)は超堅牢以前のお話しとなりそうです。まずはハザードマップからの検討となります。

  2013年12月

 寒さが本格化してくると例年本短信は断熱などのお話しになる。
 原発の稼働0・ゼロは安全と引き換えにとは言えきついものがある。大幅な電気代の増こそ避けられてはいるもののガンガンとエアコンを使うのは憚られる。でも、体は順応性のものであり22度にいるとそれに慣れ、20度にいてもそれに慣れる。奨励される18度はやや低温だ。なんとなく寒さを感じてエアコンをオン。それまで点けていなかったのだから20度の設定のまま運転を始めれば暫くすれば室温は上がって来るものの、早く温めたい心理が働き22などとする。では30分後に気が付いて20にするかというと、よほど省エネ的感覚の持ち主がいないとOFFまで22のままとなる。まあ、好き好きだが、余程古いエアコンでなければ20度で十分でしょう!!

 お隣、韓国でも電力事情がひっ迫しているという。そしてバカ売れしているのがエアーパッキンという。? ようするにプチプチ緩衝材だ。商品の運送中に振動が伝わらないように保護するあれ。 商品を取り出した後、指でプチプチどうしてもつぶしてみたくなる。 これを窓ガラスに貼る。 なるほど!!

 弊社の設計でもここ10年程度のすべての建物はほぼ注文指定が無くともペアガラスサッシとなっているが、それ以前は、いかがしますか、とお伺いを立て、その予算を追加で見積もっていた。 よって、ペアガラスでない建物も多く竣工している。 ほとんどが関東から南であり大きく問題となることは無い。 がしかしである。 やはり窓そばは冷気を感じることであろうし、建物全体として省エネ性に欠ける。

 以前よりDIYのお店では "断熱シート" なるビニルやポリエチレン系のシート売られているのは知っていた。 貼れば貼っただけの効果は絶対にある。 計算式として何Kcal/uの効果かは計算できない。データが無いし、貼り方が人によりバラバラだろうから。
 断熱シートとして売られているものは大きな面積が1枚で貼れない。売られているものはせいぜい0.9m×1.6m程度のようだ。大きなものはそれなりの職人の手が必要なのだろう。結構、よじれてしまったりする。
 いつか飛散防止シートを貼ったことがあるが空気抜きはやっかいだった記憶。 掃き出しサッシのガラスに1枚で行こうとすると、プチプチは良いかも?  調べた。幅1.2m・長さ20mで売られている。あくまで梱包用緩衝材だ。衝激には弱くプチッとつぶれる。つぶしてしまっては元も子もない。両面シート付があるのでこちらの方がまだ良い。あとはサイズにピッチリと切断。 何で貼る?スプレー糊?両面テープ?いずれにせよ試してみないと良く付くかどうか不明。湿気があれば不可、ガラスに付くものを選ぶことになる。20mで購入するのですから二重に張りましょう (笑)。

  2014年1月

 新しい年となった。すがすがしい。
 弊社の多くのお客様をはじめとして、知り合い、友人たちにも年賀状なる儀礼を省いてしまった。
 本日以降、多数舞い込むハガキにどう返事を出すか、年末より悩んでいる。
 『あけましていめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。   どうにか諸難問をのりこえて生きております』
 これを年末の内に200枚出すのだろうか? 
 いただく側としては、中に手の込んだ、1カ月以上も前から準備をしたことが窺える『多色刷り版画』などもあるので、頭が下がるばかりです。
 こうしてホームページに書くこの文字数はハガキに記載するものよりもはるかに多い。
多ければ良いというものでもないが、
『あいつはまた、いろんなことをいっているな』はお伝えすることができると思う。
多くの情報を、掲載してあり、これからも増やしていきますので、読み切れないだけの量になっていくのかもしれません。
日常はFaceBookに書いています。そちらも是非ご覧ください。

   国立代々木体育館は既に国宝級だ。維持管理を法隆寺なみにしていかなければ。老朽化しましたので取り壊します、では寂しい。 
現都庁舎は建設当時あまりの巨費から非難が多かったが今や観光名所の一つとして立派に集客している。その一方で、機能一辺倒の各所の庁舎は単なる箱であり何の価値も無く機能に支障がでれば解体撤去される。
 見て、感じて受け入れ、そして定着し都市空間、街並みが形成され市民に愛され、海外からの客人にもなる程『日本』と評価される。(論旨の一部は日経アーキテクチュアから。文は変更)
 建築は文化なのだ。当ホームページ内の記載の転記になるが、「旅行に行ったときに写真を撮る。何を撮りますか? 主体は人物でもその背景は法隆寺であり東照宮であり、ノートルダム大聖堂、凱旋門であるわけです」 「国、土地に根差し風景の一部となる建物が存在し、そこらしさ、となる」 「小さくとも、そのようなキラリとひかる存在を創っていきたい」
 工業化大量生産の時代は既に終わっている。
部品・部材として工業化製品を使わないということはない。 工場で大きなパーツとして、例えばひと部屋まるごとを完成させ現場に搬入し積み上げると完成、というような自動車の造り方と同じ手法で「建設」することが『日本』らしさを構成していく要素となるとは思えない。  極論してデザイナーなる専門職種が介在すること無く(その時々の棟梁がその専門職であるのだが・・)地域の材料を使いコツコツと組み上げた地場産業としての建物が "群れ" を成すと白川郷の合掌造りの里のようになる。

  2014年2月

相変わらずドタバタしている感じの消費税駆け込み住宅需要。
 家電は税前が絶対に得とか、車は後が良いとか、果たして住宅は?
“消費税前に建てた方が得!”と盛んにキャンペーンを打った会社が多かったわけですが、 税アップ後に建てた方が、メリットがあると感じていた。現実のものとなってきた。
 職人不足、資材不足の時に建てる? 今建てている人、工期はズルズルと伸びぎみではありませんか。 もっとも、契約は終わっているので、5月に完成しようが6月になろうが、追加税金3%はかからない。 が、仮住まいは長くなりますね。
 職人さんも複数の現場を担当するし、監督はもともと複数の担当が当然の状況にプラス数棟もっている。 1現場10分? 車から降りずに職人に『大丈夫?』とだけ声を掛け行ってしまったり・・・。 何より手抜きが心配です。精度が悪いと言いましょうか。
あわてた打ち合わせで契約しましたよね?追加工事には掛りますよ8%。

逆に落ち着いたその時に、
一段上のクラスの住宅資材をベストな職人さんに丁寧に時間を掛けてしかも、建材・機器もやや余り気味? お安く建ててもらうことを目指すべきだと思うのです。 3%高くなった分くらいはすぐに取り戻せます。
 多くが「建てているとき」にジッとしている。多くが「建てていない」時に建てる。 これは定石。
 小さな例では、結婚式。 大安には何組も結婚式を挙げる。式場の従業員さんは大忙し。 サービスもどうしても手が回りきらない。それなのに割高。 仏滅に挙げろとは言いませんが、大安・土・日曜日などをはずせば、 たっぷりの行き届いたサービスの中、割安?に挙げられる。

  2014年3月

 花粉+pm2.5、公害物質はすべて微粒子だ。
 日本においても高度成長期の『公害』が騒がれたときに各種の公害病が認定され今現在も法廷において争われたりしている。
 わかっていても呼吸しないわけにはいかず、肺までとどく。土ほこりや綿ほこりであれば人体の自然作用で排出される。 が、その他は長年かかって各種病的症状を引き起こすことが分かっている。
 さて、花粉だけでもつらいのに、遠くが霞んで見えるようなpm2.5なる彼の地から偏西風に乗ってやってくる厄介物質が加わった。
 彼の地の映像がテレビ画面に流れるが視界は50m??ゴーグル+マスクはあたりまえである。 それでも経済成長を優先するあまり、公害対策は打っているとは言うものの実行が伴っていないようだ。 度を越して海を越え我が国にまで飛来しトラブルを招いている。
 公害防止先進国である我が国は援助を申し出ているが、それには多額の経費がかかり、商品のコストUP、製品の値上がりで競争力が落ちるので分かってはいても導入できないらしい。
 彼の地には住めないが海を隔て多少は拡散し薄まっているから、外出にはマスク+花粉用メガネ、髪は長く美しく風になびかせているのでは集塵機だ。まるめて帽子を着用したい。それでどうにか凌ぎたい。

 建築はそう難しいことではない。
 窓を開けてガンガン運転する換気扇は止め、高性能フィルターを取り付けた給気口に計画換気である。
 弊社のお客様にもお勧めしたい。 既設の給気口にはフィルターが組み込まれている。 それを高性能フィルターに交換してください。 もっとも関東地方ではまだ甚大な被害はないのであわてないでよいのですが。
 高気密になっていますから、換気なして締め切り家の中に閉じこもっているのでは理論的には酸欠になり倒れます(大げさです)。 従来通り24時間換気扇は運転してください。 給気口に高性能フィルターです。
 短時間のことであれば24時間換気扇もOFF。 給気口も閉じます。 でも数時間で開けて換気扇も運転してください。 酸欠は極論としてCO2をはじめ人がいることによる汚染物質が蓄積します。

 購入したばかりのフィルターは白色です。灰色になったら交換です。 これはこまめに点検をお願いします。 灰色が濃くなったのに放置では詰ってしまいます。汚れているいないにかかわらず半年に一度交換してしまうのもよいでしょう。
 やや古くに竣工したお家ですと給気口は台所くらいにしか無く、トイレの換気扇のための給気はどこかから入って来ることを前提としています。
 これはその当時としては上級のサッシやドアを使っているのですが、気密性と言うものが建築界全体として意識が低かったこととそうした製品がなかったことによります。
 外に居るよりはお家の中に居た方が良いわけで、窓などの気密には目をつむっていただき、少数の給気口にはフィルターを取り付けていただくことをお勧めいたします。

 これからの家は玄関を入ってそこがホールではなく、エアフィルター室(前室)として、そこで多くの微粒子を弾き飛ばし換気してそれからホールに入る、そんな家が標準となることも近いかもしれません(研究施設や手術室の前室と同様)。
 デザインシステムでは医療施設を手掛けておりますのでクリーンルームなどフィルター+換気はお手の物です。
 室内設置の空気清浄機、置かないよりは置いた方が良いです。フィルターを通過する空気量と室内でかき回されてしまう空気量は圧倒的に違います。 全室に設置することはおよそ無いでしょう。 給気口が設置されているお家は給気口の高性能フィルターです。入って来る前に遮断するのですから。

  2014年4月

なぜ「欠陥」は生まれるか!?
********以下、NIKKEI 系の3月のニュースから抜粋**********    3月15日、16日に三菱地所は、600カ所以上のスリーブに不具合が見つかり、建設工事を中断していた「ザ・パークハウス 高樹町」を解体、建て替えることを発表。解体と建て替えの費用は、施工者である鹿島が全額負担する。
 パークハウス高樹町は住戸の専有面積が平均100m2、最大164m2。最多価格帯は約1億4000万円、最高価格が約3億5000万円という、いわゆる「億ション」だ。
設計・監理は三菱地所設計、施工は鹿島、配管設備は下請けの関電工が担当した。すべて一流企業連合の工事・分譲体制だ。 (工事の終わってしまった部分のミスで補修工事では間に合わない程度であり建て替えのようだ。)

 別件で、発注は積水ハウスで、設計・施工を大成建設が担当している、建設中の超高層マンション「グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー」で、鉄筋が足りないまま鉄筋コンクリート柱が構築されていたことが分かった。2013年1月に着工し、現在は地下躯体工事の最中。不具合は地下に設置した柱で見つかった。発注者広報部によれば、主筋を固定する補強筋(拘束筋)の一部が設置されないままコンクリートが打設されていた。
 2月に大成建設が不具合に気付き、大成建設は2月下旬から柱のコンクリートをはつって補強筋を設置する補強を行う。

こうしたことは芋蔓式にでてくるものらしい。 「あそこが発表したから、ウチも。マッ3件目だから大事にはならない」?
以下********NIKKEI系のソース;4月2日記事***********
 川崎市は3月31日、同市内で建設中の超高層マンション「パークタワー新川崎」で、4階部分の柱と梁の一部にひびや剥離が見つかったことから、不具合のある部分などを解体・撤去し、再施工すると発表した。
 販売主は三井不動産レジデンシャル。同マンションは鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造で地下2階、地上47階建て。延べ面積は7万5861.66m2で全670戸。設計・監理者は松田平田設計、施工者は清水建設だ。
 三井不動産レジデンシャルは4月1日時点では、公式ウェブサイトやモデルルームは閉鎖。販売の受け付けはしていない。  広報部の担当者は「現在、詳細は調査中だ」と回答。清水建設の担当者は、「事業主とマンションの契約者には深くおわびする。今後、責任をもって対応していきたい」とコメント。
*************ここまで********************************

 なぜ気が付かずにそのまま工事が進んでしまうのか? 最大手であることの慢心でもなかろう。 船頭多くして見過ごしてしまう? そっくり解体撤去して新規にやり直すのも剛気な、最大手のプライドか。 だから良いのか? 打ったコンクリートを部分的にはつって鉄筋を入れ直しても設計通りの強度になるのですか? 補強ですから以前よりも強くするということでしょう。 いちいち発表せずにそこそこに手直ししても見かけは素人にはわからない!!
 小さな建物での設計施工一貫一社体制。信じられますか? 見つけて直せばそれで良いのでしょうか? ご判断は建て主。

  2014年5月

さっ、ゴールデンウィークだ。お出掛けになる方も多いことでしょう。
そして必ずどこへ行っても入用なのがトイレ。
 公共施設および病院・学校などの施設における男子小用のトイレは考えられているとは言えない。
通り一遍に便器が並んでるだけだ。
 高速道路のサービスエリアのそれはただ広く、明るいことは良いことだが、20も30も並んで設置されているのみ。
無防備に壁に向かい手を添えて30秒も立っている。男性だけとはいえ何人もの人が後ろを通り過ぎる。
犯罪とは言わないが、いたずらやからかいが起きない事はすべて利用者のモラルだけで成立している。
 某大手便器メーカーから『新築事例』や『改装事例』が写真付きで送付されてくるが、設計者は効率を考えるのみで 客観的に無防備な姿で立ちつくす姿は考察の過程からは消えているようだ。
 まず、背にはほぼ身長の固定板が必要だ。 背を他人が通り過ぎなければ良い。個室にして扉を付ければ完璧だろうがそこまではしなくとも良い。
隠すべきところを隠し、通り過ぎる人と目線も合わさない。ちょっとしたブースだ。簡単な話だ。
 体の不自由な方への配慮、女性用のあれこれの美しいまでの各種コーナーの設置を考えれば、男性小用に配慮してもたいしたコストではない。
 一斉に水を掛けて終わるだけの清掃の手間が少しばかり増すだろうが防菌・防汚の技術も進んでいる。
あとはオーナー・管理者の意識だけだ。

  2014年6月

 自然エネルギーの利用。小さなタ建物での主流は『太陽光発電』。しかし、効率は良くない。太陽を利用するのであれば『太陽熱温水』のほうが高効率。 エネルギーを取り出す装置はヒートポンプ。空気から熱を拾い上げるのは空冷ヒートポンプ。井戸水などからは水冷ヒートポンプ。これには熱移動の為に電力を使用。
 建物の中で自然に生まれる熱環境の差をかき混ぜて補助熱源を加えるのがパッシブソーラーハウス。空気の移動に電力を使う。 地中の温度は年間通じて約15度。これをどうにか使うことも行われる。移動するのは空気か水。それなりのパイプを地中に埋め、そこにポンプで空気や水を送り熱を得てそれを部屋に出す。

 太陽光発電は補助金無しでは現在のところ成り立たない。高価。メーカーの宣伝は『売り電もできて・・』であるが設置から運用までは屋根の位置や周辺環境までいろいろで一概にはいかない。蓄電設備がこれまた高い。蓄電すれば売らずに夜や雨の日でも使える。
 温水器の方は曇りや雨の日は成り立たないのでガスで沸かす。晴れていれば70度〜それ以上になる。魔法瓶タンクを設置し使用する。余っても売ることはできない。やや欠点は屋根に載せるのは重たい。業者は何でも設置してしまうが、設置予定のなかった建物では避けたい。

 通常のエアコンは空冷ヒートポンプだ。外気は0°から40°までいろいろと変化する。0°の時に暖房の熱は汲み上げることはできるのだが効率はガクンと落ちる。
 屋外機を井戸水に浸けてしまうことが水冷ヒートポンプ。あまり一般的でないのでそれなりの設備になり一度設置すれば高効率だが小建築では実験的に行われるのみ。
 空冷ヒートポンプでお湯を沸かすこともおこなわれエコキュートなどと呼ばれる。敷地が大きくなく隣家に近いような時は騒音がそれなりなので物議をかもしている。外気温0°などのときはガスにはかなわない。

 ここでおもしろいなと思うのが、地中熱の利用。地下5mにもなると地上の気温に左右されず15度以上18°もあるのが常識。土のたたきの面が広い昔ながらの農家造りの土間は周囲をしっかり閉ざしてしまえば冬なんとなく暖かく夏は明らかにひんやりしている。よくアイヌの家『チセ』が参考に引かれる。あれこれの方法は既にいろいろの会社で実施されている。地中に管を埋め込みそこに熱媒体となるものを循環させそれを取り出す。そうした会社のノウハウは使えばその会社の工事となるので、データが提供され確実性は高いのですが、何を選択するかも大問題。費用もかなり。

 そこで試してみたいのが、やや深めのベタ基礎の熱を1階の直床下の断熱をせずに床上に循環させる。それを工夫して行ってみたい。しかし一発勝負であるので思ったほどに結果が伴わないこともあり得ます。実験データが無い。恐らくこうであろう、今までの経験上の延長。従来でも床下をチャンバー(空気の通り道)として利用している建物は存在する。しかし通年使用する訳でもなく、その床下のゴミ・ホコリはどう掃除するのか分からない。一応はがせる床としておいても家具がたくさん載っていしまった床をどうやってはがすのか? 体育館のような、お教室のような室であればよいのだが・・・。

 もう一歩進めて、地下室を造る。床に加えて"壁"が期待できるようになる。地面付近の深さ1mまでは外断熱。これで外気温に左右されず地下の床・壁はいつも18°。??。 オープンな空間として使いたい。 壁に家具を付けて設置してはいけない、造り付収納を設置しない。水がしみ出てこないように細心の注意をはらいコンクリートの打設をしましょう!! 楽しみな地中熱利用省エネだ。

  2014年7月

梅雨ですから雨は当然ですが、降り方がいつもと違う感じ。 なんでも地球温暖化と言うつもりもないが、・・・。
さて、引用元を記録しておくのを忘れた。以下は引用を8割以上含んでいる。

 高層マンションでは秀才が育ちにくい。よく言われることだ。
タワーマンションに住んでいるその子も家族旅行はよく行き、色色な風景は見ている。がそれが意識されていない。 上の方から 見る1つの景色として見ているようだ。
 普段の生活環境が、すぐ外に出て何かに触るということができないことに加え、風のそよぎも感じられない、音も聞こえない。五感への刺 激が圧倒的に少ないために、身体感覚が自然に鍛えられるべき時期に十分鍛えられないというのが大きいと思う。
 例えは異なるが「断捨離」は、子供の発達にとっては良くない。断捨離された空間というのは子供にとって刺激がなさ過ぎる。 子供というのは過剰なものに反応する。本棚からあふれてしまってる本、道具箱からあふれてしまってるものに子供は興味を持つ。 (以上、引用はここまで)

というわけだ。
 1日に一度も地上に降りずに高層階で過ごす。それもママと2人で。地上に降りることは大人にとっても面倒なことは十分に想像 できる。では子供を屋上庭園で遊ばせれば良いのか? 土も敷いてあり樹木も多数植えられている。 しかし Tidy 過ぎる。これでは刺激がない。 野良猫もいる、ガラクタも落ちている、木の葉も掃除しきれていない、「触ってはダメ」とママが叱るようなそんなものが子供には刺激となる。 幼稚園や小学校で裸足の生活のあるところがある。せめてもの救いだ。
 好奇心を持ち、意欲を持って行動し、到達するというプロセスの連続が、社会を生き抜く力そのものにつながる。

 ではやはり、郊外にスプロールした一戸建てが良い・・・。かと言うと、そこに住むことに固執すれば将来の過疎化、税金の無駄遣いは 目に見えている。どうにか制度としてローテーションは考えられないものだろうか。
 都心を特区とし活性化と称し容積率を増しマンションなどの建設を促す。建設業、不動産業には直接的に良いのだろう。
 共用部分が容積率不算入となって久しいが、今度はエレベーターの穴の不算入。ワンフロア5〜6uの面積だから10階建てなら1専有区画ができる。
緩和も良いが都心に物を造らせる誘導だけだ。
 何かもうひと味ふた味足りない。 郊外には新婚から中学生くらいまでの(高校生でも良いが)家族が、都心部マンションには子育て終了時くらいから高齢者夫婦が、という具合に

  2014年8月

 地球温暖化の原因は二酸化炭素(CO2)の排出との見方が強く、こうしている間にも、日本国内だけで、国民一人当たり毎日6リットル分の石油が消費されているそうである。化石燃料を消費し、二酸化炭素を排出する。

 注目のバイオ燃料はどうか。さとうきびにせよトウモロコシにせよ栽培する必要がある。そのためには農業機械を動かし、肥料や農薬を投入するにはエネルギーが必要である。バイオ燃料自体はカーボンニュートラルであっても、生産から消費までのすべての過程を通じてみれば、追加的な二酸化炭素が放出されている可能性は否定できない。
 加えて、地球上の全耕地面積でバイオエタノールの原料を栽培しても、現在消費されているガソリンを置き換えることができないことや、副次的に生じる食糧問題などの大きさを考えると、バイオ燃料を中心的な代替燃料として想定することは適当ではないという意見も根強い。

 究極の「燃料電池」は?といえば水素を熱源とする。水を電気分解すれば水素と酸素になり、水素を燃やせは水以外には排出されるものはない!100%エコである??水素を造るときの電気は原発あって始めて成立する。天然ガスを分解して造る?いろいろの副産物が結局は出てくる。水素が簡単にできたとして街中に水素がウヨウヨと!水素ステーション?ガソリンスタンドより怖い!自動車に積んでいる!いつ爆発するかもしれないのに? 究極に強いタンクを造る?想定外はどこにでも。

 では「空気から燃料を作ってしまおう」「人工光合成」
 植物は、光合成によって太陽光と二酸化炭素、水からブドウ糖を生成する。人工光合成は、このプロセスを人工的に行うことを目指した技術。
 日本でも巨額の研究費が投入され官民あげて海外の各地の研究所でも盛んに研究かなり本腰を入れて取り組んでいるという。
 資源を持たない国が資源を輸出も夢ではない。知らなかった!!研究が進んでくるとまた別の視点から問題の指摘がでるかも・・。
 暑い夏に大量のエネルギーを消費しながらこんな文章を作っている。キーを押す指を休めるたびに空想の世界に入っている・・・

  2014年9月

 巨大災害 MEGA DISASTER 地球大変動の衝撃
 NHKスペシャルの放映タイトルだ。
既に2回放送された。あと2回あるシリーズだ。
異常気象、巨大台風、地震、火山爆発。

 50年に1度の、などと表現されるものだ。それ以上なのかもしれない。
絶対の結論はないのだが、まず世界的な異常を報告。それはなぜ起きるかの解明。まだ研究中なのだからそこまででしかたがない。
この地球もいつかは無くなるのが自然の天体の結末。アニメのように別の星に移住するしかない。でもここ一万年で無くなるわけではないので、どうにかしたいですね、となる。
 地球・太陽系が生きているわけで動いているのをどうにかするなどできる訳はないのだが、温暖化は止めることが出来るとか、気象現象のほんの一部はどうにかできるのかもしれない。あとは対症療法だ。
 低地、山裾はすぐに住むことは止めよう。
 過疎というより人口は減少している。なにも山裾に住む必要はない。街中に空き家はたくさんある。で、済めばよいのだが「先祖代々の土地だから」など移転しない理由に乏しかったりする。
 そこでまた登場するのがデザインシステム推奨の超堅牢建物だ。いろいろを見るたびに思いを強くしている。
 がしかし、土石流の発生するど真ん中に建てて欲しいとの要求があっても、「それはかなりの無駄」ということになる。
 超巨大台風に有効です。もちろん竜巻にも。巨大地震に有効です。普通の火災にはビクともしません。高潮洪水には想定最大値よりさらに50cm高い居住域を構築しておきましょう。ご注文受け付け中。

  2014年10月

 これほどに開いたのは初めて。
何が?
相見積もりの結果!!
 戸建住宅やビルは工事費に狙い(予定額)があり、そこへ向かった設計を行う。そして設計が上がったときに建設会社数社に対し て相見積もりをお願いする。お願いする建設会社はどこでも良いわけではない。地場産業との考えから、まず建設地を中心に移動時間で1時間以内に本社や支 社のあること。指名の段階で受注に至っても無理の無い範囲(受注しすぎでオーバーワークにない)の状態であること。それなり の実績があること。実績には普段から自社設計施工などではなく、設計事務所の物件を年に1〜2件以上は工事していること。な どが挙げられる。
 東北の復興やオリンピック関連で軒並み落札不調などがマスコミを賑わせている。
3社にお願いした。

 最低提示額が約予定額の1割り増し。2社目が同じく2割5分増し。3社目が3割5分増しであった。
デザインシステムへの到着の順がこの高い方からの順であったので、一時肝を冷やした。
その後多少のVE(同等の設計品質を保ちつつ、コストダウンを図ること)をおこない無事工事請負契約を締結し着工したばかりだ。
 デザインシステムの多くの例では予定価格3割5分増しまで大きな範囲でバラツクことは少なく、ほとんどの場合1割5分増し程度の範囲で3社とも入ってしまう。そうした時に1社に絞ることは相当な慎重さが必要となる。
 3社とも実績のあるところを選んでいるので、どこに決まってもきちんとした工事は行ってくれる。
しかし、見積もりの落ち、考え方の違いなど、また同等品の選び方の検証などしっかり行わなければならない。
なぜに、2割5分増しや、3割5分増しとなったかの検証も必要だ。
 全般に少しずつ高い、数量的にも少しずつ多いなどと言ってしまえばそうなのだが、3割5分増しの会社にヒアリングしても「受 注したかった」と言い、いいかげんに見積もりを社交辞令としてこなしたわけではなさそうだ。
 建設会社はそれぞれの業種の下職に見積もりをさせ、それを調整しまとめ、自社の経費を上乗せして「提出見積書」とする。下職 から上がって来る個別の見積もりは事実上あまりチェックは働かない。1項目ごとに見ればそう高くなっているものでもない。が 、総合計し自社経費はその1割、などといつものように処理すると提出額は相当のものとなる。
 相見積もり、きちんとしてみるべし、恐るべし!!!

  2014年11月

※※引用−以下
私たち中小工務店は建売住宅分野ですと、飯田グループと競業したりすると価格で圧倒的に不利になります。
彼らは建物を700万円台で建ててきます。
 注文住宅分野ではブランド力のある大手ハウスメーカーが待ち受けています。
大手町の職場でパパが「お前どこで家を建てているの?」と同僚から尋ねられた時、「セキスイだよ!」と応える時の優越感は相当なものだそうです。(友人A談) 公園デビューを果たしたばかりのママたちにしても状況は同じとのこと
※※引用−ここまで(株式会社S商店のホームページより)

 S商店は中小工務店を取引先とする建材屋さん。二極化はどの分野でも起きていることだが、"優越感"とまで表現するとは、そして大量生産の圧倒的安さ、は良質な建物をコツコツと建てている地場の工務店にとっては今更ではあるがため息もの。
 一方で超大手の分譲、大手ゼネコンの工事で立地も良く人気物件としてけっこうな値段で売られたマンションが初歩的ミスで傾き、買い戻し・転居を余儀なくされている。

 社長の意地とでもいうべきか自ら職人でもあり良く勉強する方でもあり自らの目で必ず確認し直接職人さんがたに指示を出しながらの本当に良い工事を行ってきた工務店が閉鎖では無いのだが、法人の看板を下ろし今後は今までお世話になったお施主さん達の大切な建物の面倒を自分の目が黒いうちだけになってしまうが見ていくことだけを業務の内容とするとして個人商店に衣替えした。 仕事はご多分にもれず減少、後継者がいたとしてもいつ倒産かもしれない業態を無理して続けさせても責任は負えない、そんな状況だったのは容易に想像が付く。
 不具合でもあろうものなら、明日必ず職人を差し向けます、ではなく、自ら遅くとも2〜3時間で駆けつける。もちろん少々のことは無料だ。(弊社設計物件の数件の特命でも構わなかった工事を請け負ってもらったが、相見積もりをとると図抜けて高いわけではないのだが1番にはなれない、やや高めで出る)安くと良質はなかなか両立しない。
 寺社や凝った数寄屋造りを専門とする高級工務店があるが相見積もりなどは受けない。特命でのみの受注だ。そうだろう。120%の技術を惜しげなく発揮するのに十分に食っていく報酬が必要だ。

 庶民の住まう圧倒的数量の住宅。経済コントロールの格好の政治的道具だ。それだけ数が多い。法令等技術基準は守るがとにかく早く安く大量供給することを業務とするところから買うか、プレミアム価格でも売れるブランドを確立した業態からとするか。 軽で良い方もいれば高級外車でなければならない方もいる。これはいずれも工場生産品であるので選んで買うのだが、住宅は手造り。自ら造ることが出来る、第三の道がある。一生住むのにポンと買うのではつまらない。『注文』を謳う大手ハウスメーカーの注文は『選択』のことを言っているだけだ。  選んでいただくのは実際に住まうエンドユーザーだ。

  2014年12月

災害対策には順序がある。
8月、9月、大型の台風が続いた。
災害に遭遇する可能性と対策。行政が執行する予算配分。
火山。危険の兆候があれば近ずかないことにしたい。
兆候がつかめていないときは、いたしかたがないか。
有り余る予算があれば万一に備えて避難シェルターを構築しておくのも良いだろうが相当の費用を要する。
登山者という観光者が山の地元にどれだけ金を落としてくれるかの天秤だ。
まず採算には合わない。富士山では収容対象者が多すぎてそれだけの準備は長時間を要するであろうし、 結果数の多さからして採算割れ。
火砕流の予想域に居住することは止める。
台風。一戸づつの建物をまず強くする。飛来物で開口部ガラスがやられないようにする。
高潮を伴う場合には居住域を十分に高い位置とする。まずは自己責任で。
もしくは賃貸であるならばオーナーは基準ギリでない余裕の強度を賃借者に提供を。
土砂災害予想区域に居住しない、建てない。誰が見ても崩れてきそうな山裾、なぜ建てた?
大地震。これも自己責任で。基準ギリでない余裕の強度を。津波の予想範囲には居住しない。
公共の福祉に合致する堤防は公共工事で構築。木造家屋密集地のクリアランスも公共の福祉に合致。居住者もそこにしがみつかない。
液状化対策は当然自己責任。傾いてしまってから「知らなかった」とか行政に頼るのはおかしい。液状化で命が危険にされされる事態はまずない。よって公金の投入はしない。
行政(国・自治体)が行う防災は、災害時に国民・市民の生命が危機にさらされないようにすること。
特に、生命が失われることを回避することが最優先事項。
どのようなことでも誰かが、あるいは行政が何とかしてくれると考える風潮があるようだが甘い。
「自分の身は自分で守る」。
暮らしを守るためには、上下水道・電気・ガスと言った、ライフラインや、 護岸などのインフラの耐震性確保が重要。そもそも個人ではできない。
そのためには、住んでいる場所で何が起こり、何が危険なのか?
また、どのようにリスクを回避できるのか?これらをよく考える必要がある。
狭い日本?ではなくけっこう広い日本。山裾海岸河川敷に居住する必要は無い。仮設的仕事場は流されてしまったならば自己判断で再建。日常居住所が健全ならば危害は命には及ばない。
追記:年明け1月の営業日からもう一つの設計スペースに張り付いての仕事を行います。平日(月〜金)の昼間は事務所に不在のことが多くなります。電話に出ることができません。留守電です。午後7時には新スペースから当事務所に戻り通常の仕事を行います。メールは通常通りお送りください。昼間でも対応させていただきます。ご不便おかけいたしますがよろしくお願いいたします。

  2015年2月

建築には想定外の事態が発生することがある。
 各種材料が木、石、鉄、アルミなどだけが使われた時代にはおそらく発生しなかった、もしくは非常に少なかったと考えられることです。
 木も鉄も難しいのだが出荷製品にはおよそ問題はない。
 まず化学製品としてはすでに性能などは固定化していると考えられるコンクリート。
セメントは石灰や粘土を主材とするが、各種の性能向上のために添加剤が加えられる。4週が経過しテストを行うと所定強度が出ていないことがレアケースとして発生するという。

 石油などを原料とする複雑な化学変化の末に建材として販売されるものは現在では星の数ほど存在する。プラスティック系、アスファルト系、固く固まりとして、もしくは板として使用するもの、柔らかい弾性の特徴を生かすものなどそれはそれは多種にわたる。
劣化しない材料など存在しないのだが、予期せぬ「劣化」もしくは「変化」をするものがある。

 簡単には割れないハズの部品がパリッと割れ取れてしまった、などは初歩的なこと。交換すれば終わりだが引き渡しから時間が中途半端に経っていると費用をどこが負担するかなど小さな問題となる。
業者としては使い方が悪いと言いたいこともあり、お客様としては普通に使っていて割れた、となる。
 速やかな対処に困る案件もある。固いはずの部材が柔らかくベタベタしてきた、高分子である以上起こりうる。メーカーの技術部などにも問い合わせをし、場合によっては変化してしまったサンプルを採取し試験所に送り分析を依頼することもある。原因はともかくお客様としては使い勝手が悪いわけで対処しなければならない。施工業者やメーカーはレアケースだが起こりうる現象として瑕疵ではないと主張することもある。
 ここでは力関係と補修金額の多寡により設計者も間に入りお客様と施工者とが折半などと落ち着くこともある。
 幸いなこと、デザインシステムでは遭遇したことはない。ゼロ確率はないので心して材料選択などしなければならない。

  2015年3月

 東京駅周辺に特に限ることはないのかもしれないが、これほどまでにオフィスビルを建設して床を埋めることができるのだろうか、それに、なにがしかのバブルの匂いもただよい、まだそう古くない建物が次々と取り壊され、あまり面白みのない、ただただ図体の大きなビルに変わっていく。
 私が学生時代にフーン、と思って見たパレスサイドビル。今も健在で取り壊しの噂もマスコミなどに流れてはいない。いつまでも建っていてもらいたいものだ。同じく学生時代にドンピシャ竣工し雑誌の臨時増刊号が発刊され私も購入した三井物産ビル、取り壊しの仮囲いがされ内部から取り壊しが始まった。このビル、美しさとかカッコイイとかは無縁だが当時の最先端技術を謳い、カルガモの池でも有名だった。
 またその当時、磨き仕上げでなくたたきの黒御影石をびっしり纏った玄人受けの三和銀行東京ビル25階建はいつのまにかなくなってガラスカーテンウォールの倍ほどの高さのものに取って代わった。皇居に面しては100Mまで、などの暗黙の高さ制限はとっくの昔になくなったようだ。
 東京郵便局は低層部が保存されたわけだが、今となっては違和感を持つのみで、当時の保存運動はなんだったのだろうか?
 旧読売新聞社ビル(10階建て程度だった)もそう古くないはずだが建て替わった。
 それとは対照的に銀座地区は超高層化をしないことが銀座らしさを保つことになるのだそうで、松坂屋の再開発も超高層化はしない計画で。
 小さな敷地を持つ旦那衆の街とスーパー街区を超えて同じ企業大家さんの所有地である街とは様子が全く違ってくる。それも、いいね!!
 それにしても35年ほどで建て替わるスクラップアンドビルド、すごい経済力である。一方新宿の超高層は次々に建てられるが建て替えはまだないようだ。一番古い京王プラザホテルは1971(昭和46)年開業。
 などと書いていると、青山のこどもの城が取り壊されることになった。一等地である。それに低層で容積が余っている。国有地なのだが何に使うのだろうか?払い下げ??20年近く前になろうか、子供を連れて何回か行った。劇場でも何かを観賞した。おもしろいビルだったように思う。
20年30年で取り壊し、こんなに建ててなんとする!?景気回復には土建屋の活用??

  2015年4月

 メーカーが試験結果を添付して販売している材料、工法が多種多様にあり、認定番号とともに設計に採用する。
JIS認定であったり、大臣認定であったりする。
 あまりの高次元の認定であるので設計者としてはそのまま採用に至り、現場でも相応な施工を実施する。
 お粗末でお客様にも改修工事の時間負担や職人の出入りなど厄介をおかけするものもある。
 数年前に発生したのはアルミサッシの防火認定試験ミス。試験したものと出荷したものが認定の仕様と異なっていたというものだった。サッシそのものを交換したり外側にシャッターを取り付けたりした。
 今回は大がかりになる。免震ゴムの偽装だ。懲りないね−建築関係者サン!!

 音に関する認定は客様の感覚の問題があり認定通りの施工であっても「こんなものでは困る」となることもあるようだ。
 戸建ではまずないがアパートでは起こる。2階の床音が1階へ、隣戸の話し声が聞こえるなどだ。床・壁ともに「この材料をこう使えば○dBの低減」とうたわれる材料・施工方法が多種販売されている。
 設計中の打ち合わせは建て主および仲介の不動産会社とどの程度とするか協議し床・壁の工法を決めていく。
もう1ランク上もあるが多くの場合コスト問題で、認定なのだからここまでとなることが多い。関係者は微妙な問題であることを認識しているので決めた工法が現場で実行されているか確認しながら工事は進む。
 完成後、入居が始まり暫くすると「音がうるさい」が始まる。
このとき仲介者にまず第一報、それが設計者、施工者にもまわる。工事中にあれだけ関係者一同で注意していたので今更現地を見に行ってもしかたがない。 でも施工者とも現地を見に行く。
 極端な場合は戸境壁に頭を付けて寝ていたりする。このときは、枕の向きを変えていただけないでしょうか、とお願いすることもある。
夜間にやけにシーンとなる街でほんのチョットの音が相対的に響くと感じられる場合もある。基本的に対処の方法はないのです。
 仲介する方にお願いしているのですが。「アパートですから、ある程度の音はします。赤ちゃんの泣き声などは必ずといってよいほど聞こえます」と入居契約前にお話ししてください。 よい浴室でしょ、キッチンでしょ、など見ればわかるものを説明するより「音」の話を真っ先に!!

  2015年5月

 軒の高さ9m。悩ましい数値だ。これを超えると構造計算のベースとなるルールがガラッと変わって、できない、ではないのだが手数が圧倒的に増え「審査も厄介なもの」の範疇とされ、時間も費用も増してしまう。  地盤から1階床までの高さは60cmで普通で、できることならもう10cm欲しいところ。  そのとき、70+280+280+280で910となり単純には9mオーバーで天井高さの十分にない3階建て住宅となる。  天井高さ270の部屋が欲しいこともあります。建物高さが10mを超えると日影規制が生じます。連動は街並みの構成と単体建物の構造とでは次元が異なりますが、おのずと規制がかかりますから「一律9mの軒高」の規制は不要なのではないでしょうか。構造計算は行うわけで、9mでも10mでも実際には大差はありません。木柱のプレカット材の既製寸法は3mですから有効利用にもなります。  背の高いご家族で、少しばかり高くしたかったのですが、できません、残念!!!  これは木造のことではありません。鉄骨造でも同じで、基準法の成立した昭和28年とは技術も時代背景も異なり、「軒高9m」の変な構造規制はもう無しにしませんか・・・・

  2015年6月

 戸建に限らずメンテナンスは重要だ。
 経年変化・劣化というものがあり、要は古くなっただけ古いままにしておくか、化粧直しだけではなく骨組みの補強から部品の交換まで、どこまで行うかによるがかなりな部分が新品同様、新築同様となるまで手を入れることもある。
 劣化のサイクルが非常に長いもの、かなり早期に痛むものなど建築では組み合わせで決まってしまう。「早いもの」に合わせていくしかないのが現状だ。化学製品・高分子系はともかく早い。アルミは痛みそうもない部材だが、もらい錆が起きる。よく雨にさらされ、ほこりがどんどん洗い流されればかなりの長寿物質だ。うまく使っていきたい。
 石がすべてではないが御影石はかなり放っておいてもよい。ただし、現代建築での石の使い方は薄くスライスしたものを鉄材などで裏打ち補強し、果てしなく大面は製造できないから、かなり大盤で並べるのだが、そして大盤と大盤はつなぎ目となり、シーリングが充填される。 よって、石に変化は見られずともシーリング材の劣化で、改修工事となる。シーリングなしのオープン目地もないわけではない。大型カーテンウォールなどでは使われる複雑なディテールとなる。
 戸建住宅において外装サイディングはあまりにも一般化したが、その性能とコストからすると代わるものが見つからない。この材もボード状である以上繋ぎ目の処理が必要だ。そこにはシーリング材が登場する。もっとも普通に高耐久性を謳っているサイディングであっても10年の経過で表面のチョーキング(粉っぽく指に付く)が発生する時期であるので、シーリングの打ち替えと共に塗り直しとなる。
 鉄骨系小規模建物の外壁材では100mm厚のALCがよく使われる。木造用では50mm厚があるが単独の外壁材とはならない。ベースが気泡を含んだ軽量パネルであって良い材料ではあるがW600がほとんどで目地が非常に多い。さらにチョーキングを放置すると元々の柔らかい気泡含みであるから基材に雨水が染み込むなどし基材表面が風化を始める。
 やはり10年、長くとも15年がシーリングの打ち替えおよび塗装のし直しには時期だ。
塗装会社もこうしたメンテナンス事業に乗り出しているが、塗装会社であり建設会社ではないので内部の鉄骨の不具合などにぶつかった場合は苦労する。こうした場合、メンテナンス工事とはいえ設計事務所の監理はおおいに力を発揮する。
 鉄筋コンクリートの打ち放しは非常に興味を引かれる仕上げではあるがデザインシステムでの事例は無い。もちろん行っても良いのだがきれいに保つことはメンテナンスが頻繁となり建て主の同意が欠かせない。そのお話しを差し上げるとタイル張りなりの表面を造ることに落ち着く。

  2015年7月

 家電製品をはじめおよそすべての製品には保証期間がある。期間を過ぎての修理などは有償です、というもの。
 最近ではOA機器にも使い勝手などを無料でガイドしてくれる購入後1年間なりの期間があり、それを過ぎると電話での問い合わせが有料になったりする。使っていると質問したくなるもの。ガイドブックに記載のないことも電話相談では教えてくれる。期間を過ぎてからの使い勝手のアレッが悩ましい。できるだけ期間中に様々な使用方法を試してみることになる。自動車にはほとんど起こりませんね(突然のリコールがあったりしますが)。家電、コンピューター関連、スマホも、隠れた使い方がけっこうある。そのそばまで行って、聞いてみるとその先があったりする。
 話は変わって、「壊れる」などの場合、2年保証のものが3年目でアレッ!になると腹立たしい。
これも家電類。けっこうある。 建物でもある。最近では法律で10年と決まっているものが躯体そのものと防水だ。10年もったものが11年目で漏れることはまずないが、5年ほどで防水層が荒れてしまいお客様が不安がるケース、10年以内なのだから直してください、ということもある。
 まだ漏れていないので保証の対象ではない。「漏れるかもしれない」ということだ。劣化してきたことは明らかなのだが、漏れて初めての保証であって、漏れる前に手を加えたい場合は費用はお客様に持っていただかなければならない。もし気になる荒れを放置した結果、9年に入ったところで漏れたならば内部のシミなどの被害も含めてすべて保証対象となる。
 ただ、非常に高価な家具が濡れてしまったというときには付加価値すべての評価が金額になることはない。そのあたりが世間一般の常識の中、の判断になる。
 設備では例えば換気扇が2年半で動作不良になることもある。工務店さんの力関係で電気屋さんに交換させてしまうこともあれば、保証期間の規定通り有償交換となることもある。このときお客様はご不満でしょう。がしかし、ずるずるといつまでも面倒を見るわけにもいかないのです。お引渡しの際に、これは10年、これは2年とお話しします。
 住宅瑕疵担保履行法によりエンドユーザーは保護されているかに見えるが、実際には簡単ではない。建設会社倒産などの際にはさらに状況が複雑になる。

    2015年8月

 戸建住宅としてデザインシステムでは2棟目となる全館空調設備をもつ建物が少し前に竣工した。
 この暑い夏の日、お邪魔していると本当に気持ちが良い。快適!!廊下に出ても洗面に行ってもトイレに行ってもすべて同じ温湿度。
プラスしてソーラーパネルを載せているので、暑いかんかん照りの日こそ全館空調のランニングコストが気にならない。発電モニターを見ると空調を運転しているにもかかわらずまだ売り電している。もっとも売り電にてすべてのイニシャルコスト回収は実のところ何年かかるのであろうか?試算はあるものの??ではある。
 24時間換気も個別換気扇と部屋ごとの給気口ではなく大元の機械に必要外気を取り入れてのものだから、給気口(そもそも付いていない)に手を当てるともわっとした空気が入っているということも無い。
 1件目のお家は数年前で当然現在も運転中であるがソーラーは載っていない。省スペースを考慮しインナーガレージの天井裏2階床下に本体を設置したので給気フィルターの交換はガレージの天井点検口を開けての作業となる。もっとも業者さんとのメンテ契約があるので建て主が自ら交換することは無いのだが、脚立に乗っての作業となる。今回は3尺×3尺の物入れ状の機械室を設けた。室内から楽に点検できる。
 高気密高断熱は新省エネ基準以上となり、全館空調はすこぶる効率的である。できるものならすべての建物に採用したいものである。使っていない部屋も空調していることをどのように考えるかである。
 大昔、駆け出しのころセントラルヒーティングのお家を設計し竣工させた。セントラルヒーティング?の読者もいらっしゃるだろう。灯油を焚くボイラーを設置し各室や廊下に給湯配管をしラジエター装置を設置するもの。冬を対象としたものだが家じゅうどこに行っても暖かいというもので、それはそれで高度成長期の経済的に余裕のあるお宅では一種のあこがれであった(?)。夏には対応できない。
 現在のヒートポンプエアコンの応用は実にすばらしいものだ!!

  2015年9月

地中のことはかなり厄介だ。 上物を建て終わり数年を経て変化が無ければ一安心だが、いつもそうも限らない(?)。
 よって地盤調査を建物の建つ位置で5か所程度分散して実施する。
 15年ほど前になる建物では役所調査でもやや小高い位置で5トン以上は確実にあり木造3階なら問題にならない、と聞く。
そのつもりで着工したら地中から大きなコンクリートの塊が出てきた。撤去するしかないので周り中を掘り返す。 モノは倉庫で、近所で聞くと昔八百屋さんがあった、と。どうも野菜寿命を長持ちさせるため地下の温度変化の少ない ムロとして使ったらしいことがわかってきた。撤去の結果は平面的に4m×3m深さ2.5mの穴となった。
まわりは良くしまった土壌だがここは穴。突き固め埋戻しではいずれ圧密沈下する。地盤改良埋戻しとなった。

 旧建物が敷地いっぱいに建っており空き地がほとんどない場合は事前調査ができない。
近隣のデータは拾うが的確さには欠ける。役所データは最近でこそかなり公開情報として閲覧できるが、 当該敷地から20mも離れていたりする。あるお宅がこれに該当した。
 既存の旧建物、近隣の住宅の基礎にはこれといったクラックも見受けられない、離れてはいるが近隣のデータとしては悪くない。 お客様には「近隣や目視のことなので地盤補強工事が必要な場合もあります」と説明の上、相見積後請負契約を締結し、既存の解体工事に着工。
 更地になり地鎮祭も終わった翌日から地盤調査。1本目から地盤はグズグズ。固くなるのは約11m下から。細径鋼管杭による改良工事となった。
本体工事費の5%程度の費用となった。

 この役所データで押し通した例もある。20年ほど前だ。現在では品確法、瑕疵担保保証の関係で、地盤調査を行わないことは無い。
 20年前では施主の了解の上、そのままベタ基礎で着工、竣工した。現在おじゃまさせていただいても傾きなどは全くない。
 ドアの開閉などもスムーズだ。おじゃまさせていただく道々近隣の建て替え工事を見るが木造2階建てで鋼管杭補強工事などを行っている。
本当の大地震などに遭遇しないことには不明ではあるが、一般には地盤調査を行い提出される「判定」欄には「補強必要」と記載されることが多い。 そのまま補強を実行するに越したことはないが、高額だ。
 このような時に「やらなくとも大丈夫」との保証付きの判定を有料サービスとして行っている会社もある。

  2015年10月

 地下室付き建物。 土地の有効利用を図るため容積率緩和も使える地下室の利用がある。デザインシステムにはかなりの実績がある。大型ビルでは地盤との馴染みの良さや杭との関連で積極的に設ける。ほぼ総地下室設置となる。事務室であったり、倉庫であったりだ。戸建住宅でも多い。地下室は鉄筋コンクリートだ。上部構造はコンクリートも鉄骨も木造もある。
 基本的には容積率にカウントしない。居室利用では採光が必要となるので、ドライエリアを設けそこに面する窓を設置する。地下のテラスとなり使い方は様々で面白い空間となり得る。
 または、上階よりも地下階を一部1m程度大きくしそこにトップライトを設けることで採光する。開閉可能なトップライトとすることにより換気も図ることが可能だ。
 実施例は数あるが、鉄筋コンクリートでなければ造ることができないので防水、断熱に様々な工夫を凝らすことになる。
 敷地が広ければ地下室の周りに余堀りを行い地上階を造るのと同じように鉄筋・型枠を組みコンクリートを流し込む。きちんと打ち込めたことを脱型後確認できるので一番良い。この場合は外防水、外断熱を行う。
 敷地が狭い場合は余掘りができず、山留と型枠が一体となる。型枠に防水材を先行して張り付けてそこにコンクリートを流し込み一体化する。丁寧な施工を行うので一体化したはずである。断熱材も本来外張りが望ましいが柔らかな材料をあらかじめ防水材と一体的に設置することは難しいので内貼りとなることが多い。
 このときコンクリート躯体は構造体としてのみ生きることになる。実はもったいない。
 外張りとし、室内の熱の蓄熱体としても働かせたい。室内が20℃のときコンクリート壁もいつしか20℃に極めて近くなる。空調を切った後も蓄熱体からじわじわ輻射熱が放出される。
 最近考えているのは、断熱しない地下コンクリート躯体だ。大型ビルの地下室では行わない。気をつけて使っていただける保証がなくクレームの原因となるだけだ。普通に放置したのでは夏場の結露は相当になるだろう。そこでまた工夫である。利用したいのは通年で地中温度は17℃程度であることだ。
 建築関係者であれば建物ピット点検に入ったことがあるだろう。それを居室として使う。住宅でまず行ってみたいものである。工夫、工夫、また工夫である。

  2015年11月

 さてさて、予定していた内容を来月回しにしても書かねばなるまい。
AK建材およびAK本体の件。
デザインシステムではこの会社の杭は使ったことはないが、ALCも断熱材も多用している。会社ではないが食品ラップも多用状態 。
 さて既製杭。支持地盤に達しているかは電流計抵抗値を用いる。地盤が固くなると針の振れ幅・抵抗が大きくなる。その数値位置 を事前に行っていたボーリング調査の値を比較し到達しているかどうかの判断をする。確実に振れ幅は大きくなる訳で、弊社の建物 ですと多くて杭は20本ぐらいで、1日(場合によっては2日)掘削機に付いていてモニタを確認している。
 私が付いているので現場監督もいっしょにいることになる。後日、あの時見たデータが印刷物となり杭施工結果報告書として提出されてくる。
 もう一つは現場造成杭。こちらは大がかりだ。直径1.8mなりの穴を深さ30mとか掘る。バケットで掘るのでその都度、土、 粘土、礫が上がって来る。こちらもあらかじめボーリング調査したデータと同じかどうか確認する。これは目で見てどんな土が出て きているのかを確認する。間違えるはずはない。
 非常に重大な役目を負っている杭であるが、土の中はるか下30mまで届いているわけで先端の確認は一旦施工が終わってしまう と本当に届いているのか、先端が支持層に1m以上食いこんでいるのか確認しようとしても大事(おおごと)になる。
 既製杭はボーリング調査の結果から構造担当者の設計により長さが決められ工場に発注され所定の長さに製造される。現場に持ち 込まれ工事が行われる。そのとき、杭位置の全数でボーリング調査が行われている訳ではなく、建物の大きさにもよるが5か所など で行うのが常だ。地盤にアバレが想定される場合は調査数を増やす。それでも全杭位置ではない。よって、地盤にさらなるアバレが あると工場で製作された杭長では不足することが出てくる。
 それを届いていないのに止めるか、届かせて上部をきちんとした方法で継ぎ足すか。現場判断ではない。届かせて上部を継ぐのが 当然だ。が、一旦止め、部材を発注し、数日待たねばならない。ここで工期の問題が浮上する。全体工程の中で「●月●日まで杭工 事」と決められ、次の工事がタイトに組まれているので遅れることが難しい。台風や大雨などでは自動的に現場はストップするのだ が、普通工事工程の遅れは大問題とする全体工事体制に問題がある。
 さて、このようなタイトな工程でデータ改竄となったのか、現場オペレーターの人的問題なのか??なにやら次々と出てくる。 地上から上の構造に問題が出たならばどうにかして補強をかけるなどで直しが効く。SFまがいの地底探査車のようなものでもあれ ば潜っていってコンクリートを打って来ることもできるものを。
 現在ではいかにマンパワーを掛けて見ているか、いちいち確認を怠らない、これに尽きそうだ。

  2015年12月

 独立系第三者管理は本当に合理的なのだろうか。
 初期に造った、設置したメーカーでないその道に「精通」している売り込みの点検・チェック会社による管理だ。
 例えばエレベーター、駐車装置、大きくはマンション1棟そのもの、複数棟で1ツのマンションのこともある、その日常管理は製造メーカー、設置会社(その系列の別会社の場合を含む)が行うのが良いのか、見ればもしくは専用チェック機械を使えばすぐ不具合はわかることから独立系の別会社でも十分なのか、いかがであろうか。
 先日相談を持ちかけられた。
 元々の製造会社のメンテナンス契約は高い、独立系は1/2から1/3の見積書を出してきた、というもの。
エレベーターがわかり易いと思う。自動車に例えても良いのかもしれない。
 大きな会社しかエレベーターは製造していない。その子会社が日常メンテナンスを行うのが一般的だ。定期点検と定期部品交換だ。最悪の事故は墜落だ。メーカー系は高いかもしれないがほかの手が入っていない限りその1社の責任だ。独立系が一旦入ると、交換部品はメーカー純正品(を取り寄せることもあろう)でなく準ずるもの、作業は独立系会社の社員となる。
 いざ事故のとき、そもそもの部分が原因だ、とか、メンテナンスのやりかたに問題があったとか、水掛け論も起こり得るし、原因に行きつくまでの時間もかなりを要することにになる。事故の場合は独立系だけでは処理ができず、元製造メーカーが出てこざるを得ない。出てきても一度いじった部品であるので、設置方法を含めメーカーの責任は問うことはまず不可能だ。賠償などになった場合、独立系の資本力は多くの場合小さく、倒産を含め多くは望めないことになることもあるだろう。
 一概にいけない、などと言うことは営業妨害でもあり、すべては契約主体同士の契約前の話し合いである。万一の場合の事例を挙げて話し合うことをお勧めしたい。戸建住宅でもホームエレベーターを設置し、その系列業者とメンテナンス契約を結ぶ。20年30年に及ぶ支払総額は相当なものになる。

そして、契約書には話し合った内容を記載すること。

  2016年1月

 2016年が始まりました。当短信を毎月お読みいただいている読者の方々に感謝いたします。私にとっては非常にありがたい!!本年もよろしくお願いいたします。

 さて、手帳を皆さんはお使いですか?  私は大学の2年生の時から使用を始めました。 スケジュールがそれなりに増え、書きとめておかないと忘れる事態を恐れました。 今は毎日、デスクに向かうとザーッと見ます。 昔はと言うと、2〜3日に一回でよかったのでしょうか? そうそうは書き込みをしていませんでしたし、忘れても高々レポートの提出期限で、命に別条はなかった。 今はお客様をすっぽかすわけにはまいりません。税金の払い込み期限などもありつまらぬ延滞にはしたくないもの。
 手帳のブランドはいかがですか? 毎年必ず同じものを購入しますか、それともどちらからか入手できたものをどれでもよいからお使いですか? 私は買い損ねたほんの2〜3冊(年)を除いては同じ会社の同じスタイルのものを使い続けています。 そろそろ表彰状をいただいても良いのかと思いますが・・・。N社のもので千円を超えてきました。ロッカーの中には既に40冊ほどの過去の手帳が保管されています。??と思われますか?
 皆さんの手帳の使用目的は? 未来の、近将来の行事予定を忘れないように書き留めておく!ことが一番の目的でしょうか。 これだけならスマホでも十分でむしろ時刻が近づくとアラームまでかかり手帳より便利! その使い方にプラスして日記代わりと言うか終わったこともあれこれ記録しておきます。 感想や考えたこともです。 機械のメモリーにあれこれ書いておいても機種変更すると無くなってしまう。もしくは残しておく保存の努力はかなりのもの。メールにしても何年も残しておきます?? 紙の手紙こそ書きません、日記も書きません、でも手帳に残すメモは貴重です。それは結構な情報源で、遠い記憶を、私の場合学生時代のあの時どうしたっけ? 新入社員のあの時は? 近くは「アレは5年前だったかな?」をたいした時間が掛らずに手で検索が出来ます。 マッ、皆さんもそうしていらっしゃるのでしょうね・・
   今年もどのような記録を残すことになるのやら

  2016年2月

 大工工事をどこまで行うか。  建材メーカーの建材はセットで揃う。例えばドアを決める。姿、樹種、色で数種の選択肢がある。お客様はご自分の意思で選ぶとだいたい満足される。コストにはおのずと制限があるから、ドアをA社で決めたとすると色・柄をA社ですべてそろえる。床、幅木、窓枠、カーテンボックスなど木製の部分はほぼ決まってしまう。
 設計者としては昔ながらに枠はトメでこしらえ、ステインで色の調整をし、ウレタン塗装をして仕上げるような、そしてドアにしても既製品ではなく枠、面材、額、多少の彫り物などクラフトマンシップを発揮して造りたい希望はある。
 しかし、塗りムラやほんの多少のキシミ、ソリなどベニヤ材に樹脂シート貼りではない天然材を使っている以上100%発生しないとは言えないなど、うまくいけば大満足だが工業製品に慣れている、メーカー展示場などを見ている建て主は無理してそこまでしなくともA社のドアがもともと気に入っているなどとおっしゃる。
 そこを無理してコストをかけ歪んでしまったらと考えるとメーカー品を使う方向に流れる。悔しいがベニヤにシートを貼り仕上がっている建材はきれいだ(光沢が樹脂らしい)。ゴツンと物をぶつければシートはすぐ禿げベニヤが出てくる。天然木であればひっこむだけだが。
 木製の階段は一昔前であると大工の腕の見せ所だった。今では図面を示せばメーカーで角度調整、側桁の削り、回り段の作成までプレカットを工場でコンピューターカットとして行い搬入された材を大工は組み立てるだけとなってきている。周囲の幅木や廻縁と同一の仕上げとなる。しかし、側桁(ささら)と廊下に続く幅木はまずきれいに収まらない。建材メーカーでこしらえた側桁の表面もシート貼りになっており、切り口はベニヤ集成材で専用の切り口塞ぎシートが用意されており接着する。この貼仕舞はどうにもきれいとは言えない。
 大工さんは手元が器用だから取扱い説明書あれば何でもできる。言ってみれば便利屋さんとして現場には欠かせない。水道屋さんや電気屋さんがうっかりあけてしまった穴も埋めてくれる(文句を言いつつ笑いながら)。その大工さんの多くはメーカーが供給する建材の組み立てに慣れている、そのことが上手であることのように考えられるのはいかがなものだろうか??ベテラン大工さんの底力には目を見張るものがある。もっともっと活用したいものだ。

  2016年3月

 良い家が欲しいという。
 地震に強く、風にも、洪水にも負けず、温熱環境に優れ、使い勝手は極めて良い、
 そういう家に私は住みたい。

 それができるだけローコストであることが望ましく、メンテナンスに手がかからず、などなどの条件が加わってくる。
 真四角のデコボコの無い平面形、大きな面積の窓を取り付けず、一つの大屋根とし複数の屋根をあれこれ切り返すようなことをしない、シンプルを良しとした家がこれらの条件を実現し易い。そこにデザイン性などと言っては???である。
 家の形に変化を出せば平面形は出たり引っ込んだりもし、それに架ける屋根も場所ごとに切り替えし複雑となり表面積が増えると同時に雨水を素直に流すことに多くの手を尽くすことになり多様な水切り処理を要する。天井が高いとか吹抜けがあるとかは温熱環境的には検討する項目が非常に増え、間違いなくコストアップであり、場合によっては想定外の熱コントロールがうまくいかないことも発生する。
 しかし、だ、やってみたい『主張』プラスアルファの表現はある。
 例えば桂離宮。雁行に雁行を繰り返し、屋根は幾重にも連なり、柱により部屋が持ち上げられ床下に風が流れる。水辺の夏を旨として雅を表現した名建築ということになる。四季折々で美しい姿を見せているが現代の感覚で常時利用(住まう)ができるのだろうか。
 真夏、コンクリートのような蓄熱系の材の使用が無い屋内はほぼ外気温であろうし、檜皮(柿)葺きの屋根および樹木や水面の好環境が幸いし外気温より室内は多少とも涼しいことが想像できる。
 真冬、底冷えする状況は避けがたいであろう。
 この姿形をして現代の技術で常時居住対応は可能だ。
 床、壁、天井には高気密造作・高密度断熱材、木製のサッシも存在するがどうしても気密性は落ちるので多重に設置して補う。耐震性は壁を取り付ける位置にかなりの高度判断を要し、柱も一回り太くなりそうだ。
 桂は夏を旨に建てられた。

  2016年4月

 デザインシステムはインスペクター(建物調査や各種相談など)業務も行っている。
 アドバイス(第三者意見)を求められることもある。
 いずれも有料で、対価を得る以上資格者としての責任をもった調査書を作成し依頼者に提出する。 過去にはいわゆる「欠陥住宅」に関して意見を提出したところ、東京地裁で証言することにもなった。 いずれも勝訴もしくは和解となりそれなりの報酬もいただいた。
 建築は複雑系の極みの存在だ。
素人にはわかりにくい。
 いろいろな疑問は当然で、元施工者でも多少はごまかして『こんなもの!』とする。
そこに更なる疑問が生まれる『そうなのだろうか?』
そうした疑問はネット上のQ&Aでは説明しきれない。そこで第三者だ。
 購入者もしくは建て主には権利意識が非常に強い方がいる。すべてを否定していると仕事にならないが、初回面談においてお話をお聞きし訴えたい現場の状況も拝見したうえで、お引き受けをお断りすることもある。
 建物は人が造るものである。工業製品の組み立てであっても職人さんが手で組み立てる。
つるつるピカピカの仕上げ面はつるつるピカピカでなければならない、は無理。
コンクリートはひび割れるものである。ボード下地の継ぎ目は割れるものだ。
 電気製品は壊れるものだ。
加湿器をガンガン使えば室内は結露する。給気口を寒いからとすべて閉じていればそのお家に入ったとたん生活臭を感じるお家もある。
これらは基本性能(重要な性能+見栄え)は十分に満たしていると言えることが多い。
 それほどつるつるピカピカにはなりません、過剰な要求では?
コンクリートは特別な手を掛けなければ微細ヒビ割れは必ず発生するものです。
電気製品(エアコンなど)初期不良は修理交換します、2年過ぎては有料のメンテナンスとなります。
換気口は必要があって設けています、開けて使ってください。
 『理想はインスペクションなど不要だ』である。まず工事に取り掛かる前の説明だ。
こうなります、こう使ってください、コンクリートはヒビ割れします、などなどの丁寧な説明。
次に工事の一つ一つを記録を残しながら行っていけば第三者の目による検査調査など余計な費用がかかることは不要だ。
しかし、だ。見られていると思えば性善説だけで片付けることができない「もう少し」、の部分が改善される可能性が出てくる。

  2016年5月

 本震と思いきやかなり大きな震度7の「前震」で、その後に再度震度7の「本震」がくる。その後にも「6」などの相当に大きな揺れが続く。現在の建築基準法では「想定していない」。
 ボン!と大きなものが来た後は徐々に収束していく、それ以上のものは来ない、のです。
と誰が言ったのか??一度に大きなエネルギーが放出されたのだから「もうエネルギーは残っていない!」 エッ!!であった。
沈思黙考。
 倒れた物は倒れたが、ほぼ健全なままで避難した人々を受け入れ、活動の拠点として機能している建物が多いのはうれしい!!
要は費用はかかるが基準法通りの建物から、耐震等級3のものもあり、1.5倍で止めて安心してしまうのではなく2.0倍でも良いのでは??そこは経済性では語れない。
 当ホームページ内に詳しい記載がある。『超堅牢建物』である。
地震にも台風にも負けない。津波にも水が引けば継続使用可能。火災にも周囲の火が収まれば継続使用可能。というような内容だ。
だからと言って無骨なただ要塞のようなものにはしない。そこはデザインだ。
従前、黙って1.25倍にはなっていた。性能評価制度以降は黙って1.5倍はクリアーしていた。さてこれからは「黙って」いないで説明を尽くしてコストをかけて2.0倍以上を目指していきましょうか!
 笑うむきは笑えばよいのでは・・・・。
 世の中、杭が短かかったり、梁に予定外の穴をどんどん開けたり、15Km/Lしか走らないのにテストもしないで30Km/Lです、と言ったりいろいろ。素人からすればブラックボックスであるわけで「信じろ」と言われ「大手だからとりあえず・・」となるのだろうか??

  2016年6月

 建築界、新しい技術の開発は雑誌などで取り上げられるが、基本的性能がどうも発揮されない、という以前に、一部の不具合で建物全体が疑われ大変な負担となる。
 しかし「他は大丈夫です」と言い切るには根拠が乏しい。発注者としては全てが疑わしいという。やった側はそれは大層なことであり「大丈夫っぽい」のだけれど、しないでいても絶対に大丈夫な確証はない。
 ずるずるといけば言われる通りの「全面検査」しか選択肢はなくなってしまう。しかし、客観的に「全面」と同等の効果のある「部分」無作為抽出検査法は存在せず、大変なことへと進んでいく。
 小さくても「欠陥」を作ってしまった側が悪いのではあるが・・・。例えばタイルが1枚剥がれた、では建物全体が怪しいので全て点検する、何万枚のタイルである。変なところに1個穴がある、全ての穴(スリーブ)は鉄筋を無視した後穴開けではないかどうか調査する。
 でも待てよ!こうした騒ぎをしているビルディングタイプは共同住宅だけなのではないか? マスコミは欠陥として共同住宅を取り上げやすいのだと思う。オフィスであれ図書館であれ行っていることは同じではないか。結構起こっているのだろうけれど、所有者が1であるから大した問題になっていないだけなのかもしれない。
 追っかけでも、先行でも新たな工法も生まれている。
 が、杭が届かないままでは機械が動かなくなってしまうなどの強硬手段を機械そのものがとる、というのは絵空事??タイルは昔からある良い材料であるが何せ「貼る」ので「剥がれる」ことと裏腹だ。地上から手の届く位置だけにしたいものである。
 打ち込みPCであるから剥がれない、とは言い切れず、剥がれにくいとなる。
 また、熊本での木造は少数ではあるが2000年以降に工事がされているにもかかわらず倒れた建物がある。その横でほぼ同規模のほぼ健全な建物が存在する。まだ専門家による最終報告とはなっていないが「手抜き」もしくは「知見不足」だ。こうしたことがある度に四号建物規定を廃止しようとする「構造」の筋の方々がいる。

  2016年7月

 いつの世にも、非常にスタイリッシュなフォルム・造形物が生まれる。おもちゃを造るような?そのものずばりの模型・モデルを造るような?何をしてもデザインでともかく独創的であることを旨とする、そうした方向だ。
 衣・食・住という。
 衣服の色柄姿形、食事の味付け彩盛り付け、住宅の間取しつらえ姿形、創れば造るだけその数はある。それらは伝統や歴史を引きずり土地地域により考え方受け取り方が異なりA国で絶賛されてもB国では奇異でしかなかったりする。世界的賞が数あるが、審査員はその筋の方々で庶民感覚とは乖離があることが常だ。さらに個人による好みの幅はとても大きい。
 被服のプロがいる、調理のプロ、建築(設計)のプロがいる。
黒い布で目だけを残し体中覆ってしまう風習の地域にパリコレを紹介しても???
肉・酒を口にしない身上の方々にフレンチフルコースの話をしても???
建築に関しては姿形も大切だがともかく地震で倒れず風に飛ばされず清潔をどうにかしたいと考えている世界的人口は圧倒的に多い。
 そこにプロでございます、と出かけて行っても「西側の有名な人が来たから話は聞く振りをしておこう」とうわべの歓待をされることになる。
 方向は変わってそうした中、選挙なり行政のプロがいるが、思わぬ方向へ踏み出すことがあり、プロらしからぬ読み違え、落選など枚挙にいとまがない。ポピュリズムを煽ること、耳触りの良いキャッチフレーズのみを連呼し本質を隠すことはプロのすることではない。
 某国はこれで良いのか? 都民が2年前に選んだ人は何だったのか? ○○ミクスと言っているだけと思わせていて動き出してみると海外派兵にお熱???だったり。

  2016年8月

 中高年のSNS利用が問題だ。FBから若者が離れて久しいという。若者としてはFBなんてオジサン・オバサン専用のツールだ、ということで各種ある他に移行している。なるほど、そのようだ。
 どうぞ参加してください、別に悪いことをしている訳ではない、ただ、参加した「うれしさ」のあまり誰かが何かをUPしようものなら、すかさず「いいね」をし、それだけでは参加している存在感を示せないとばかり、コメントを必ず添える念の入れよう!!
 特にオジサンか? 社会からややもうとまれ、家庭でもとなると、会社の部下に友人となることを強要し、さてどこかで存在を示したい??
 犯罪まがいのこと、悪徳商法のことを言っているわけではなく、まったく「悪意」は無いのに、ともかくあちらこちら片っ端から友達申請、しかたなく承認するとまるでストーカーのように間髪入れずにコメントだ。やたらと食い物の写真をUP、見たくないよそんなもの!
 要はネットである以上はコメントした当人でなくとも誰でも見る・読めるということ、そんなことわかっているヨ、と言いながらも当人にしか連絡していないつもりでいたりする。全くの他人は別としても少なくともグループ全体に発信しているつもりで個人に発信していれば大勢に見られても「あいつ、バカやってるよ」で笑われて終わる、すぐに忘れられる。ただそれは半永久的に残る。消すことはできない。
 数年会っていない友人に孫の写真をUPするのも良いが、選択権、拒否権もない孫のプライバシーを衆目に曝している。普通の人は何ら悪用もしない。企業の宣伝利用、政治家の活動報告、友達の友達に議員がいたりするとけっこううるさい。
 関東地方の梅雨明けは遅かったのですが、明けても雨模様で、ジトッと暑い重たい空気です。本当に必要がある以外は外出せず、屋内で弱くエアコンを点けっぱなしとするのが良いようです。小まめなON・OFFを繰り返すことは省エネではなくかえって電力を食うようです。

  2016年9月

 台風、暴風雨、洪水、そんな季節となっている。
 太平洋上をほぼ真西に進んでいた珍しい台風が思い直してUターン、東に向きを変えしばらく進み、その後北向きに進みだす。
結局、東北、北海道に上陸し、またの豪雨で河川は氾濫、山は崩れた。おかしなルートで動く台風が多くなっているようだ。
 溢れた水は地上1m。通常戸建住宅の床は地盤+0.6m。床上浸水となり床そのものは乾燥を計るしかないが、たたみと家具や荷物は廃棄することになる。各地自治体でまとめたハザードマップによると浸水の場合の最大深さがわかる。であるから、それ以上のファーストフロア高さとしておけば床上浸水は免れることとなる。
>  弊社の位置では江戸川の氾濫による浸水深さは0.5mとなっている。同じ区内でもだいぶ異なっている。2.5mなるところもあり、1階はすべて水没である。普段歩いていてもそのレベルの違いはほとんど感じることはない。でも、低いことは事実のようだ。
 その地域の新築住宅を見ると標準的に1階床高さはどうみても0.5mから0.6mとなっている。恐らく1階には重要な部屋はなく、水没可能、その時は使わずにも済む、そのような使い勝手なのであろう。
 叩き付ける風雨のときはサッシから水しぶきが入ることもある。特に引違いサッシの下枠からはてき面である。そもそも入る構造となっている。レールの上にまたがり車が動く、そこは隙間だらけで下枠の段差に水が溜ることによりそれ以上の浸水を防ぐ原始的構造になっている。
 一部サッシメーカーのカタログには雑巾を差し込んで部屋内に飛ぶ水を防ぎましょう、とある。
 公共下水敷設地域では個別には特別の浸水対策をすることは多くの場合ではない。地域によって雨水を飲み込むことのできる量が設計値として決まっている。あるところは時間60mmであった。ゲリラ豪雨で時間80mmにやられたときは続く時間にもよるがマンホールから水が噴水のように上がってくる。雨雲が通り過ぎるのを待つしかない。
 半地下タイプの駐車スペースを見かけることがあるが、あっという間に水没ですね(半地下の居室は止めましょうね)。

  2016年10月

 戸建て住宅の性能は今では来るところまで来ている感がある。
耐震、気密・断熱、ガイドは出そろいメニュー化され、それに合わせて建材も数多く出回っている。
 耐震を『売り』にしているのかしていないのか妙なCMを見た。
「震度6強で鍛えています」
 ウ? なんだろう。バックに起振装置に載ったモデルがある。
ハー? ここはまだ震度6相当で良いのですね? そのような想定で?
震度7に連続で揺すられた地域がある。 そこで建てるのは止めておきましょうね、と言っている訳だ。
 弊社の推奨する『超堅牢建物』は少々やり過ぎかもしれないが、耐震等級3(機種依存文字)に+余力で当然で、 気密・断熱はトリプルガラスをどうするかはあるものの、行きつくところまで来ている。
 それでは、あとは真四角の堅物を建てるか、性能は十分なままで意匠性を付加するかとなってくる。
またいつもの論調だ。
 絵に描いただけの意匠、文字で綴っただけの仕様書、実際はどう納めてよいのかわからぬまま「あとは、工務店さん、よろしくね」で わからないから任せてしまう。出来上がってからでは「こんなものです」であり、納まりは壁の中、床下、天井裏に隠れて見えない。
 建築士の試験も机上の空論の暗記とこねくり回す練習でこれでもか、とやらされてでどうにか合格してしまう。
世の中そんな建築士はたくさんいる。
それでも良いから1日も早く、多くの現場を実際に見て、触れて、実力が伴った資格者になろう。

  2016年11月

 豊洲の地下空間。あって当たり前だ。ピット空間はどのような建物でも普通に生まれる。
さらにその下にきれいな土を3m敷き詰める??ナンセンス!!
そもそもこの埋立地の選定にまで遡る議論をするつもりがあるのか、政治家諸君??
 地上1階のスラブ上に汚染物質がにじみ出るのかどうか、「なんとなく気持ちが悪いから
ここは止めておこう、せっかく造ったのだからこのまま別施設として使おう!」なのか。
 TOKYO OLYMPIC の競技施設が北海道や九州にあったり、極論としてはいつかの国際大会のように隣国と 併催のようになってしまうのか?
 政治家さんの言いたいことは分かるが、そして請け負う建設会社はここぞと儲けようとするのも分かる、
造るとなったら、邪魔者だとばかり解体撤去は素早かった旧国立競技場、改修して再利用を訴えた人もいたが、 新しいものが好きな、金なんかどこからか出せばいいじゃないか政治家さんがいることも確か。
 免振装置付きは「揺れない」魔法の建物と思い込んで購入を決めたマンション居住者がいる。
それに近いトークをした営業担当者がいたわけだ。
 世の中いろいろでよいが、建物(衣食住の一つなのだから)リテラシー、万人共通のところは欲しいもの。
特に記者さんは文系なのは分かるが、無知な一般人を煽るような無知の上塗りのような記事はいかかがなものか

  2016年12月

 1953年(?何の年)にからむ『年の瀬たわいないお話』(ご存知の方も多いはず)。
「100万ドルの夜景」
という言葉が使われ始めたという記事が掲載された年。
 六甲山からの夜景をいたく気に入った今の関西電力にあたる電力会社の副社長が、 一望できた神戸、尼崎、芦屋、大阪の住宅や街灯の数を調べてみると、約496万個あることがわかった。
(電力会社だもの、ちょっと調べれば分かるわね)
その約496万個の1か月の電気代は当時の価格で約3億6000万円だった(当然のことレートは360円)。
ちょっと夢が無くなる。電力会社の収益の一部を計算してみただけの話しなのかも??
ちなみに、神戸と同じく「100万ドルの夜景」とされる“日本三大夜景”は 「函館山から見る函館市内」と「稲佐山からの長崎市内」とされている。 ちなみに2005年の試算では1000万ドル相当とか。

 その元が原発か石炭・石油か、光か風かなどなど思いを巡らせるとロマンティックな感覚も吹っ飛びそう。
小川のせせらぎにコトコトまわる水車で十分な発電が出来ると随分と穏やかな気分になれますね。

 年末年始、年度内など工事契約期限を会計基準とは言え工事屋さん方はドタバタが始まっている。
折からの職人さん不足。ちょっとした補修や手を入れたいことなど先延ばし、先延ばし。
 それはさておき、ゆっくりと夜景を楽しむお相手はいらっしゃいます?
あくせくとした年の瀬です。
ご自愛くだされ!!
(1953、お分かりですか?私の生まれ年!)

  2017年1月

自助、公助。 地域コミュニティに参加していますか?
あけましておめでとうございます!!
 神奈川県の知り合い宅にお邪魔した。そのお宅に着く前から上空の爆音が気になった。
そのお宅に入った後も同様であるがこちらから「凄いですね」とは言えず触れなかった。
サッシ等遮音工事補助金があり実施済であるらしい。
どちらが先?と思ってみれば、この家族が当地に住み始めたのはそう昔のことではない。
が、プロペラ機が音速超えジェット機に代わろうとは四半世紀前に考えたか?

 学校の騒音も言われて久しいが運動会をはじめとして空中に拡散される音はそうなのだろう。
体育館での音楽会、合唱や笛の演奏だけの以前から最近では金管バンドが盛大に演奏だ。
サッシも新築されるときは二重サッシにするが、古い校舎の改修工事には手付かず。
保育園にして然り、不足しているのだから増設しましょう、でも自分の家の近所はダメ!!
長らく続いているコミュニティに寄与していた町内会の盆踊り、新築マンションの住民から苦情!!
除夜の鐘に苦情!!餅つき大会に苦情!!「騒音トラブル」はネット上にあるある!!

 餅つき大会に関しては音だけでなく行政指導が入り「食べるな」「飾り餅としろ」との地方がある。
確かに素手で多人数がかかわりその場の勢いで手を洗っていない人まで加わる、
係のお母さんにはきれいなネイルの人までいる。
自分の子には食べさせられないな!?飾り用が適当かも。

 災害時避難所の運営訓練を行っている。参加者は少ない。
地域の人々の関心は薄い、と言い切ってはいけないのだろうが、
いざ!のときはお客さんでは困るのです。係・役員も同じ避難民でありボランティアの最たるもの。
本災害時に我が儘やエゴが出ないことを祈りつつの訓練となっている。

 それにしても、避難所となる学校の耐震補強が心もとない。
昭和40年代に新築されたRC造3階建てが数年ほど前に補強工事が終了した。
補強目標はほぼ現行の基準法強度(詳細はIs=0.7を目標)であり、1.5倍強度などではない。
「震度」と耐震強度は直接リンクはしないが、言ってみれば震度6には耐え大きな損傷無し、
でありこれから起こるであろう7やそれ以上にどのように耐え避難所として使えるのであろうか。
自助、自助。とは言うものの、訓練は続けなければならないが、皆が心配で、でも、
何もしないわけにもいかず・・・・
 絶対に倒れない家に住もう! 災害後も住み続けることのできる家にしよう!
耐震等級Vというだけでなくさらに余力を!

  2017年2月

 昔は(?)大手・大資本の業務と街の工務店など零細の業務は住み分けができたようにも思う。
 大手は巨大ビルや庁舎などを自らのテリトリーとして独占した。零細は戸建て住宅をはじめとした高々1〜2億のものまでを範疇とした。
もっともそれを超えてもできなくはないが、うかつに受注するとその後に困った。
今では大手が百万円のリフォームを行います、と窓口を増やしている。
 建設大手だけではなく全くの異業種(広告業、人材派遣業など)がその知名度をもって戸建て住宅の設計施工リフォームも行うとした広告が氾濫するようになった。その名で仕事を取る訳だから発注者はビッグネームに安心感を買うものなのかもしれない。

 末端の工事は街の職人さん方だ。一方で零細が都市開発デベロップメントを行うことは無く、巨大な力をつけたほんの一握りの(一握りもないくらい)住宅会社が例外的に巨大施設を造っている。
 会社の大小はさておき一社員としては所属は異なるものの巨大ビルとはいえ最終な内装工事や什器の据えは戸建て住宅と変わらない、その数量が圧倒的に多いことが異なる。

 もう一つ会社の大小で大きく変わるものがある。積み上がる経費。一等地の本社立地、事務系職員の増加、宣伝広告費・モデルルーム、部門ごとの仕事分担、伴い役職員も増加、株主にも利益配分する。これらの合計が売値。
 零細が全く同質のものを造ったときの時の建て主の支払いはおよそ2割は低いのではなかろうか(推定)。
 地場産業、御用聞きの大工さん、ふらっとやって来て、痛んだところをいつの間にか直して縁側でお茶をして帰っていく、その姿を誰も疑わず、誇らしげにしている、
そんな大工に私はなりたい!
 娘を嫁がせる先は大工だ(江戸の世)!

  2017年3月

 いずれもボリュームを造ることだけに腐心して(設備の方や、構造の方はそのボリュームを具現化するご苦労は相当なものであることは想像に難くない)と言っては語弊があるが、どう見ても大型ビル(だけではなく小住宅も)というものが面白くない。ボリュームがあるだけだ。
 建っているたたずまい、纏っている外皮、ガラスの割り付けと石・アルミ等のバランスに各種の性能を組み込んではいるが見た目がドでかいだけでおもしろみがない。かつて超高層ビルの萌芽の時期に巨大建築に抗議する、の論戦が中途半端にあったわけだが、ここではレベル低く「面白みがない」と言うのみ(ボキャ貧で論じるだけのベースに欠けている)。カーテンウォール(外装)専門のデザイン事務所があるのだがその結果が今建っているものである訳だ。
 3Dをこれでもか!といじり倒し、曲面×曲面で構成する粘土細工のような建物も存在するのだが「変な形ですね?」で、良く言ってオモチャとして捉えるように「おもしろいですね」で片付けられてしまい真に建築の意味は伝わっていないor実は意味が無いのかもしれない。  それでも造り続けているわけではある。各種の○○賞も毎年贈られているがどこが良いのか、批判だけしている訳でもない。そばに寄って見てみる。しかしつまらないのだ。
 アルミパネルが光っている、それで覆うと建物です!?ほんとうですか?
 住宅にしても相当に形態操作を行っているものがポツンとあったりするが自己満足の世界でしかない。やってしまいましたね、でありしっくりこないのだ。大多数の住宅は言わずもがな。
 では、いろいろの可能性を伴うと想像できる数千u程度の非住宅、非医療系、非庁舎、言うなれば美術館等であるが新築ではこれまた見るところが無い。レンガ造(鉄筋コンクリート造ではある)の○○会館を改築再利用の方がまだ見ごたえがある。かと言ってこうした建物を新築する勇気のある者はいそうもない。
 「前川建築8自治体ツアー(近代建築ツーリズムネットワーク)」いいですね。弘前は行ったことは無い、熊本は1冊の本となったので所持している。関東圏が中心だが上野、大宮、甲府、少し離れて京都・・・見方によってはワンパターンと映るかもしれないが、好きだなー前川美術館。
 美術館ではないけれど京都会館、すっかり改築されてしまったが、誰かが手を加えなければ取り壊しの運命となってしまう。ボリュームを稼ぐだけの超高層なんて不要だ。
 最近、F.L.ライトの写真集を時の経つのも忘れて見入ってしまった。

  2017年4月

 新しい年度を始めるために旧年度の処理をあわただしく進め、一応終わったかに見える程度で、時間は人の行為を確認することもなくただただ過ぎていった。 卒業式、年度内完了の仕事、人生そのものの終焉もあった。
 1年程度で終了するもの、6年のもの、10年かかったものなど、自身には変化は無いつもりであるのだが、改めて一歩引いて見てみると周辺は相乗的に変化している。
 歩み続けるだけと考えると同時に、ここでしばし立ち止まって見てもいいかな?と感傷的になってみたりもする。 この年度替わりはいつになく思うところが大きい!!
 地球上も何かと物議が方々に存在することはここ数か月のことで、増えこそすれ減る気配はなさそうだ。
 こと建築は省エネを徹底するために国の定めた基準に合致あるいはそれ以上の効果があると専門機関での審査を経ないと確認申請は通らないとの法規の運用が始まった。 省エネ、創エネは良いことだ。 これまで通りの設計に加え当該チェックを受けるための相当量の書類作りが義務化された訳で、単に「効率よく設計する」では語れない非常に多くの時間を要しそうだ。
 宇宙船に使われると謳う断熱材だったり、トリプルガラスだったり、亜熱帯化してきた日本は断熱よりも遮熱を考えねばならなかったり、環境も変化している。
 事務所を立ち上げた頃の新築建物では北面のみペアガラスというものがあり、すべてがシングルガラスのものも多数存在する。 現在ではすべてがペアガラス以上で西面南面は遮熱型Low-Eペアが標準、場合によっては東側北側は断熱型Low-Eペア。 断熱材に関してはよく当欄などに書くことだがデザインシステムではグラスウールは創業時は100mmなどの厚いものを使用していたが直後からは使用しておらず全てが発泡プラスティック系、近年では屋根下はウレタンフォームではなくフェノールフォームだ。 もうこのあたりでとも思うが時間は進んでいる。
 断熱リフォームでの難物はサッシだ。シングルガラスを単にペアもしくは真空ガラスに交換すれば良いということではなく、これだというものが無い。 サッシごと交換すれば良いのだが取り合いを含めたコストとの戦いだ。 大面積のファサードFixガラスもあり、シート?塗布型?悩みが大きい。

  2017年5月

 GWさなかです。今年は例年よりも少し涼しいのでしょうか。
 GWと言えば我が家では森林公園。よく行ったのです。気温も高かったこともあり、 噴水池に子供が入って遊びました。本来入って良い?ところかどうかは何とも言えませんが 複数人が入っていたので「自分も入って遊ぶ!」と。
20年も前のことです。
平年の梅雨入りは6月8日だそうで、これから約1か月、暑くなるのでしょうね。 5月からクールビズですが、さすがにまだエアコンは不要です。
 物騒な世の中です。某が発射したと地下鉄が全線数分間止まり、某空母が北上し、核シェルターが売れていると。
 購入し設置しても詳細は知りませんが爆心地至近では役に立たないことは当然で、10kmも離れていて事前に逃げ込み空気フィルタを稼働させどうにか高濃度汚染空気が鎮まるまでその中で生活するというもの??でしょう。蓄電池もあるのですよね。その中で数日間ですからトイレなど外に処理するのも数日後??冷凍するのかな??大きな地下壕で空気フィルタ付きならどうにかなるのかもしれませんが数百万する核シェルター、果たしてどこまで機能することか?
 有効なのかなと思われるのは地下鉄トンネル。かなり深いものまである。空気浄化は不明ですがぎっしり満員でなく余裕があれば数日間はどうにかなるのでは??ただ酸欠、生き埋めは避けたいものです。

  2017年6月

 建物は竣工時からというより、その材料が製造された時から劣化が始まる。  もっともしばらくの間強度が増していくものもあるがそれは一面でありその他の物理的性能は落ちていく。酸素、紫外線、温度、湿度、水いずれも生物が生きていく上になくてはならない物質が材料の劣化にかかわり、遮断しては生命の存続が危ぶまれる。  部分的に遮断が可能だがその遮断物質もまた劣化する。劣化速度は一律ではなくメンテナンス周期に配慮が必要だ。  同時に経済的耐用年数という評価尺度もあり、よほどの文化財的価値が認められなければ単に陳腐、古びた建物でしかなく、補修やリニューアルの対象とはならず取り壊しとなる。以前にも書いたが築20年で超高層ビルが取り壊される。理由は恐らく「もっと大きなもの床の有るものが建設可能となったから」。  中古建物の取引・売買に際してインスペクション・建物診断が義務付けられた。資格者による検査を受け診断書を得、売買の参考にすることになる。従来であると希望があれば一部を剥がして検査することも行われていたが、義務ではなかった。かなり疑わしきは解体撤去の運命であったであろう。  修理の効かない建物は無いわけで、費用も掛かる訳であるがより詳細な、新しい生命を吹き込むリニューアルを前提とした調査も可能であるわけだ。  耐震強度の増加、間取りの変更、見え掛かりのデザインの大変更も可能で、見違える建物になる。ただし対費用効果を考えなければ手を付けられない。  老朽空き家問題。一戸建てなど維持管理が面倒と親のいなくなった家に子供が住まず放置。住んでいないのだから知らないヨとばかり、所有名義は親のまま、税金も知らないヨ、なぜ自分が取り壊しの費用を負担しなければならないのか、と主張。確かにそうなのですが、放火、地震・強風で倒壊、ゴミの投げ込み、地域的に見苦しい。

  2017年7月

 ツユが梅雨らしくなくあまり降らない。後半の集中豪雨、ゲリラ豪雨が懸念される。
 時間100mmとかあるいはそれ以上。 時間100mmとは地面に10cm水が溜ること。 降っている地域全体でそういうことだ。
未舗装地は各宅地の小庭くらい、その前より降り始めているのでそこから先浸透する余地は余り無く、ほとんどの地面がアスファルトで舗装されており水は下水道へと向かう。
 例えば30坪(約100u)の宅地には10m3の水が降ったことになる。1m立方の桝に10杯分。これを下水道に流そうたって無理で、都市河川は溢れる。
 その時、戸建住宅の1FLは少なくもGLより+450なので氾濫が大きくなければ床上となることはない。多くのアパート、集合住宅では階を稼ぐため1FLはGL+100とか、場合によってはGL-1000だったりする。この時、ピット内排水ポンプはフル稼働となり下水に送り続けるが既に下水道に受け入れのキャパは無い。アパート廊下の冠水はすぐに1FLに及ぶことになる。
 コンクリート躯体以外、床・壁仕上げ、家具などすべて処分・更新になるでしょう。そうしたところを選んで住んだのだからしかたがない。
 大家さん、分譲だったらデベロッパーに文句を言っても仕方がない。ポンプは故障もあり、能力超えの自然がある。
 都市地下室の利便性は高い。最大限の注意をもって造りたいものだ。

  2017年8月

 猛暑。すっかり亜熱帯と化した日本は暑い。漢字として暑いと書くが熱いが良いような気がする。外にいるだけで火傷する。そのような熱さだ。都会ではアスファルトが良く吸熱するとしているが、御影石張りの建物の吸熱量も相当なものだろう。
 RCに塗装仕上げの公立学校であれば遮熱塗料で塗り替えよう。タイルを貼り立派に見せた私立校ではそうもいかない。木造戸建の外壁材は遮熱型のパネルとしたい。「そうでなくともつまらぬパネルばかり」と反発のむきもあるのは承知しているが工場で初めから塗装済みとなっている「性能」は捨てがたい。もはやコンクリート打ち放しの質感が好き、とか言っている場合ではない。
 Low-Eガラスというものがある。遮熱型はそれなりの効果があり省エネ建物の指針にも「推奨」の状況だ。ただ、解体撤去されるときガラスは丁寧に取り外され再処理に回されるにしても蒸着され膜として固着した重金属はきれいに分離再処理されるのだろうか。空気中に拡散してしまうことはないのだろうか。極めて微量だから構わない?各所のホームページにはその材名は書かれていない(徹底して探してもいませんが)。超高温で燃焼すれば消えてなくなるとも何とも。
 敷地さえ大きければ防風林(防熱林)に囲まれた建物が一番だ。高々5階程度を覆うことにはほぼBest。屋上緑化、壁面緑化が製品として開発されてはいるがいずれも採用には至らない。もっとも大型建物では少なくとも屋上緑化しないと省エネ基準をクリアしにくい。Low-Eを採用するのも手っ取り早く、とりあえず建物が使われている間の居住者には悪くない。天然素材だけの断熱材料ではどうも不足だ。
 などなど言っていても、造らなければならないわけで、放射性物質を大量にため込んで(捨てはしないが)「将来の英知に期待する」とすることと似ている(?)
 かつて、断熱にも鉄骨耐火被覆にもセメント成形品にも優れた性能を発揮できるアスベストが大量に使われた。そうした建物の解体時期となり社会問題化している。これも固めて埋め立てるしか現在のところ無さそうだ(溶融による超高温での処理も併用)。
 どこまで納得して採用するかであり設計者の判断だ。

  2017年9月

 盆とか彼岸とか連続月であるのは8月(もっとも7月の場合もあるが)9月だけ。仏壇や神棚の相談や設計の必要な場合が多いとついつい考え込む。  家具調仏壇であれば置くだけと簡単には済まされないもの、ましてや造り付けとなると単に市販の仏壇の真似事ではせっかく設計する意味が無い。創作的仏壇と気負ってみても結果は壁に掘り込み段が何段か有る、床の間の代わりに取り付けたようで終わってしまったりする。
 と言って、仏教とはまで哲学をするのかどうか??  先祖は誰にでもいるわけであるが、記憶は祖父・祖母までである場合が多く、その先の代は知らないことが多い。生活を共にしたからこそ手を合わせようかであり例えば祖母に非常にかわいがられた孫であっても物心付く前に祖母が他界した場合は孫の記憶の外で「おばあちゃんに手を合わせる」ことは親に言われてするものとなり、自ら進んで行うことは稀となりはしないだろうか。そもそも手を合わせることの意味が不明でその説明を求められてもうまい説明はできない。

 住宅の経済寿命が30年程度とはよく言われるが、いくらリフォーム、メンテナンスをしっかり行ったとしても、陳腐化は避けられず、ましてや建売りと呼ばれるものでリフォームを繰り返し使い続けていくものだろうか?疑問は残る。
 そのような中、仏壇であるがスタイリッシュ家具タイプであっても「置く向き」があり、宗派習慣があり適当にとはいかない。ただ「置く」ことであるので非常に長い年月のことは考えずに済むことが多い。
 さて、100%注文住宅である場合の造り付けである。デザインシステムでは過去2回実行した。特別の大きなものはなく間口はどちらも3尺だ。打ち合わせは微に入り細に入りで、段数や奥行に始まり、仕上げの白木、部分欅、漆や金箔まで、上部には何も設けないことは当然だが、下部には備品の収納をしたいわけだ。今は座布団に正座で拝むが将来は椅子に腰かけて、などとなると目線高さも問題となる。設置位置は和室で、1件は高齢の方の寝室、もう1件は客間である。和室そのものが少なくなっている。
 かつて、新築するのに一部屋も無いのは寂しい、という時期・時代もあったが最近ではそもそも要望が無く、面積余裕がある場合には1度のみ「和室」という言葉を出してみるが反応が薄い場合は2度目は口にしない。
 仏壇は自宅にはなくビル型集合納骨堂に行ったときのみ手を合わせるという時代であろうか?

  2017年10月

 もっぱら最近の興味はリニューアルにある。新築から15年、20年と経ち、当時の技術から進歩もあり、見るからに20年ですね!のもの。 如何にして価値を取り戻すかor 新築に負けない価値を付加するか。
 耐震性は向上できる、断熱・省エネも向上できる、設備も最新に更新可能だ。使用勝手も現在のニーズに合わせることができる。使い慣れ、住み慣れたものをいとも簡単に取り壊し新築することもない。
 住宅街でも角地であったりすればランドマーク化しているものもあり、建て替えにより街の雰囲気が変わる。キッチュなカタログハウスが出来上がると溜息が出るのは感性鋭く生きている方は皆共通だろう。
 新築の方が安上がりのことも多い。既存をいじり回すことは所有者サイドにも大きな時間的金銭的負担がかかる。それでも残したい意思があれば単に『そっくり』などではなく街並みも思い出も引き継ぐ『新築同等それ以上』が可能。

 日本住宅公団の団地を取り壊すことなく2戸1を伴い躯体補強をし内外装をやり直した賃貸住宅が人気という。子育ての終わった高齢夫婦にとっては元住戸区画のままでも設備・内装を一新すればコンパクトに暮らすことが実践できる。多くは3〜5階程度で住棟間が広く、長年の間に木々は成長し緑豊かで、民間開発マンションのような容積いっぱいの圧迫感は無い。
 ただ、どのような建物でも高さ方向のかさ上げは非常に困難を伴い多くの場合行わない。新築ビルでは1階エントランスの天井高さが10mもある立派なものだが、だだっ広いだけでもある。そんなに高くて何とする? 3m高さでも豊かさは工夫次第。 人の寸法感覚は、巨大空間はコンサートホールやアリーナだけで良い。住宅エントランスには不要だ。

  2017年11月

 つぶやき・・・
とんだ茶番で、ひっかき回した、回された。
結果は? そうなんだろうなーというものだった。
政権不支持率が高いのに、なぜ与党が圧倒的多数議席を確保できるのか?

 選挙は「業界票・労働組合票・宗教票」いわゆる組織票で決まると言われている。
そんな組織に属している意識はなくとも、 知らずのうちに刷り込まれ「組織」の一員として投票している人もいる。
 〇〇さんが△△をしてくれている、〇〇さんでなければ△△は立ち行かなくなる、などと 言われ、そうなんだー、で意識せずとも一員となる。

 一般の人が投票しても何も変わらないという嘆きはよくわかる。
かつて、支持政党無しの人は寝ていてくれたほうが良いと言い放ったお偉い政治家もいた。
あまり投票率が高いと困るのだ。浮動票はどこへ行くのかわからないから。

 確かに、小選挙区制度は「どちらがましかを選ぶ究極の地獄の選択」と言った人もいるほど。
投票したい「人」はいない、でも「あの人」ではいやだなー。
今の選挙は、始まる前にすでに決着がついているのかもしれない。

北の方から怪しげなものが飛んでくる。
株価だけは上がるが庶民に余裕は感じられない。
インフラはどんどん老朽化するが迎撃ミサイルやステルス戦闘機は買わないといけない。
年金支給額は減らし支給開始も遅らせる、70歳定年制だ、働け!医者にはかかるな!早く死ね!
子供は増やせ、でも保育所は増やせないぞ。

大学教育まで無償化する?ただ遊ばせるだけでしょ。つまらんところに目を付ける。
18歳選挙にしたので当たり障りの良いキャッチフレーズ?
旧日本育英会からの金はいつから利息を取るようになったのか?
無利息奨学金を希望者全員に出す、親が返済するのではない、本人の給料から天引きする。

さてさて、この国はどこへ行く??
衆議院選挙1回行われると約600億円(あるいはそれ以上)の公費が使われる。

(政治的発言はしないつもり。どうしろ、こうしろと言っている訳ではないので)

  2017年12月

 再開発と容積、都市計画変更。公費を投入する価値観はどこに。そこに公共性はあるのか。
 という政治絡みの利権絡みで厄介な話。
 木造老朽建物密集地。一度災害が発生すると瞬く間に人命を巻き込みながら広範囲が灰塵と帰す可能性をはらむ。そうした危険地区は各所に存在する。多くは地割が小さく公的な手が入らなければまとめることもままならず放置。10坪や20坪の土地で頑張ってみてもたかが知れている。放置しても時折小さな建て替えは行われるわけだが建蔽率いっぱいにしたところで希望の床は生み出せない。5件まとまると100坪なのだが権利関係の整理は至難の業。
 であるならば、数件まとめて、ではなく、1ブロックまとめて、もしくは数ブロックまとめてha単位の「再開発」を「法的手続き」にのっとり行おうではないか!!空地・公園も生み出せる。
 民間ディベロッパー、ゼネコン、各種コンサルタントが絡み合い「公開空地のある立派なビル」が出来上がる。元地権者は等価交換等の手法で完成ビル内に床を取得する。結果、落ち着くところに落ち着くわけだ。各方面は「適正」な利潤を得て。
 この数百億円が動いた事業の詳細決算書は議会承認という魔法の手続きを経て終結する。税金の使途も適正と判断された訳だ。
 市区町村でも私有財産である個人住宅を準耐火造以上で建て替えると百万円超え単位の補助金が出るところがあるのも同次元なのかもしれない。燃えにくい街造りのために・・・。

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