第1報(1999.10.26)
シンガポール入港前日 |
10月18日ウクライナ船籍オリビア号(1万5000トン)に乗船、世界一周ピースボートの旅が始まります。 香港まで丸々4日を要します. 世界平和を目指すNGO(非政府、非営利組織)ピースボートの募集に応じた乗船者580名の内訳は、10才代、20才代の若者が51%を占めます。 洋上地球大学校の国際奨学生20名を含め、23カ国の人からなる国際チームです。 ちなみに、この地球大学は、国連ユネスコの公式プログラムとして認定されました。 航海中、船上で行われる講座と現地の訪問がリンクしている点が平和教育のプログラムとして評価されたのだそうです。 私も、一応学生登録しましたが、国際関係論や語学講座への出席率、現地検証ツアーへの参加、レポート提出が義務付けられ、卒業要件を満たそうとすると、のんびり船旅を楽しんでいる余裕はとれそうにありません。 分刻みのスケジュールの間をぬって、朝、昼のブッフェ、夜のコースディナー、ティータイムと美味しいご馳走を満喫しています。 船揺れも全くなく、美人揃いのウクライナ娘のサービスに乗客全員ご満悦です。
船室は、私と同年輩の3人の男性と一緒ですが、いずれも意欲的な方で、初対面から互いに気が合う仲間ができました. その後、毎日1,2名づつ仲間の輪が広がっていきます.
香港は8時間弱の寄港でしたが、日本軍政史跡を探訪しました。 香港の歴史研究家の案内で「グルメとショッピング天国」のイメージとは一味違った面を検証しました. 軍票補償問題の活動家も加わりました.
次の寄港地ベトナムまでは、報道写真家石川文洋さんからベトナム、カンボジア、ソマリア、コソボ戦線での生々しい写真と体験を聞くことに重点をおきました. 「人間は、生来残忍性を秘めた生物だから、これを顕在化させないことが平和の実現である」という言葉が印象的でした.
船内には、各地のNGOが開発途上国、難民向けに集めた援助物資を搭載しています。 ベトナムでは、車椅子を荷卸しました. 船倉には、救急車2台も積み込まれています.
10時間のダナン寄港の間、農村を訪れ、農家の手料理をご馳走になりました. 対米、対ポルポト、対中国としぶとく戦闘した民族なのに、ベトナム人は明るい穏やかな人たちです. 田園地帯は、40年前の日本の田舎と全く同じ風景です. 道路事情も当時の日本とそっくりで、郷愁を感じます。 英語の時間に、"The
village of Vietnam reminded me of Japan in
my younger age." と感想を述べたら、シルバーは同感でしたが、ヤングは怪訝な顔をしていました。アメリカ人の先生からは「昔の日本のことを初めて聞けて嬉しい」と感謝されました。
これから、シンガポール、スリランカ、エリトリア、スエズを経てエジプトに向かいます。第2報は、エジプト(11/11)から郵送する予定です。 メーリングリストへの掲載をお願いした渡辺さんに対し、感謝します。