幻のフリートーク
1992年8月29日、この日のNHK-FMは1日かけて『FMリゾートクラブイン沖縄』という特番を放送。夜11時から12時には沖縄民話3篇を盛り込んだ『クロスオーバーイレブン』のスペシャルプログラムが放送されました。そのエンディングで、アジムスの「オクトーバー」にのせて、津嘉山さんのレアなフリートークが流れました。下記はその全容です。
えー、久しぶりに沖縄へ帰省しました。
太陽の輝きが違うといえばいいんでしょうか、とても暑かったんですが、しかし東京と違って空気が透明ですから、遠くの家並みまでくっきり見えて、空は真っ青で、雲は真っ白で、気分的には東京よりはるかにしのぎやすいという感じがしました。
そして夜は、空に満天とまではいきませんけど、たくさんの星があって、打ち寄せる波の音を聞きながら空を見上げていると、普段東京で暮らしているときには気づかない自然というもの、自然の大きさ、宇宙、その宇宙の中の地球という私たちの星、もっと大げさに言えば神などということまで考えてしまいます。
たまたま今回は『マクベス』の沖縄公演で帰省したんですが、シェークスピアの作品に出てくる神とか、悪魔とか、運命とか、超自然的なものとの対話も、やはりこういう環境の中でないと生まれてこないのかもしれない。大草原、大海原、大宇宙などをイメージさせるクラシック音楽なんかも、やっぱりこういう環境の中でないと生まれてこないのかもしれないな。
まあ、そんなことを感じた帰省でした。
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