キンポウゲ科センニンソウ属に分類する植物です。
世界中に分布しており特に温帯(北半球)を中心に約300種の原種が自生をしています。
クレマチスの名前の由来は、ギリシャ語のKlema(つる、まきヒゲの意味)から学名がついたものです。
日本の原種・カザグルマ(C.patens)やユキオコシ(C,yukiokoshi)、中国の原種・ラヌギノーサ(C,lanuginosa)ヨーロッパに渡り、世界の原種(ビチセラ、テキセンシス,ジャックマニー等々)と複雑に交配されて今日我々が見ている花になって戻ってきた、日本生まれで海外育ちの園芸植物です。 よく「テッセン」という名前で呼ばれている事もありますが、室町時代に渡来した中国原産のテッセン(C.florida bicolour)とカザグルマがまた大輪園芸種が花の形や姿が似ているのでいつのまにか混同されて、クレマチスというより「テッセン」と言う親しみやすい名前で今日呼ばれています。

「つる性植物の女王」「バラに継ぐ花」としてガーデニングの本場イギリスでは呼ばれています。つる性の特性を生かして空間を演出する花として日本でも古くから多くの方に親しまれている人気の宿根草です。それもそのはず、日本のカザグルマの形をそのまま反映した品種が多いせいか、なんとなく親しみがあるのはそのせいでしょうか?

花色・花形・草姿に変異が多い

1年中花を楽しめる(数タイプ手元にあれば)

熱さ寒さに強い

病虫害に強く丈夫な植物

つる性なので仕立て方に変化が楽しめる

切り花としても幅広く利用できる
海外からの導入でベル型、チューリップ型の品種も紹介され楽しみ方が広がってきています。その他にも色々とありますが、まずは自分で栽培してみて、その魅力を味わっていただければと思います。

花弁に見えるものは、がくが花弁化したものです。
テツセン(Clematis florida Thunb)
中国原産の原種。乳白色の6弁からなる花弁とおしべが弁化した花芯からなる花を枝の枝の節々に咲かせながら伸長していく。枝変わりには、白万重がある。
国内への渡来は、室町時代であろうといわれている。
テツセンの渡来時代については色々な説がある、江戸時代中期という説が以前では有力(江戸時代の園芸書・地錦抄付録には寛文年間に渡来)であったが、1985年の美術書「日本の文様ー朝顔・鉄せん」西山松之助著では、テツセンの来歴に触れており、室町時代の中期、応仁・文明にはすでに渡来していたと指摘している。(根拠として文明6年の文明本節用集と黒本本節用集に紹介されている)他にも国立博物館所蔵の「唐草双鳥八花鏡」でこの工芸品は室町時代のものでテツセンと思われる模様が描かれているところから江戸時代よりも200年以上早い室町時代に渡来が定説になっています。
その当時に、はたして現在のような雄しべが弁化したテツセンが入っていたかは不明ですが、よく栄養繁殖だけで今日まで種が継続されてきたものだと考えさせられます。数年前より種子できるテツセンがヨーロッパでは紹介されていますが、これが枝変わりの前のものなのかは試作中のためははっきりとした答えは出ていません。
近年は研究の結果、テツセンからの実生も少しですが出てきていますが、10年ぐらい前までは種子が出来にくいから実生はなかなかと言われていたものです。国内でも何品種か発表されていますが・・・
八重咲き系のフロリダは、テツセンではなくカザグルマの八重咲きのユキオコシを交配親として改良されたものでテツセン(フロリダ)の系統ではありません。
写真(テツセン) (白万重) (一つの花でテツセンと白万重が咲き分け状態)