ホワイトフェース&ブルー(パステル)の顔 | ||||
羽根の色が青く(または青緑で)、額が杏色か白(クリーム色に近いです)、嘴のしたから胸にかけて白くきれいな色をしている小桜インコを見かけたことはありませんか?ブルーチェリーと言う名でお店にいるかもしれません。彼らは本当は羽根色を変化させる遺伝子の組み合わせによって、産まれて来た子たちです。彼らの色は、実はこんなに複雑な仕組みに支配されているのです。みなさんも一緒に考えて見ませんか? (1)遺伝に関しての一般的なことについて知っていてください。遺伝に付いてはこちらもご覧ください。 ホワイトフェースとブルーはご存知のように劣性遺伝の因子です。 一般にホワイトフェースの遺伝子記号は(W)と(w)です。 次のような意味を持っています。 (W)羽根のカロチノイドを減少させません (w)羽根のカロチノイドを減少させます ブルーの遺伝子記号は(Y)と(y)を使います。 次のような意味を持っています。 (Y)羽根のカロチノイドを減少させません (y)羽根のカロチノイドを減少させます 劣性遺伝ですから、ブルーは(yy)、ホワイトフェースは(ww) の遺伝子型のときのみ、色変わりとなります。 (YY)や(Yy)の場合、(WW)や(Ww)では、色変わりとなりません。 この2つの色変わりの因子はよく似ていて、最近まで議論が なされていましたが、現在は全く別の因子であると結論づけられています。 2つの因子は、それぞれ顔の色を脱色することで知られていますが、 体の色も脱色します。 どちらかというと、ホワイトフェースのほうがブルーよりも脱色されます。 また、ブルーはくすんだ色ですが、ホワイトフェースはつやのある色をしています。 ブルーもホワイトフェースもそれだけが存在している小桜インコは珍しく、 必ずと言っていいほど、他の因子と混在しています。 そのため、数々の色が出現しますが、顔(特にエプロン)が白くなるのは、 ここにあげた2つの因子のどちらかによるものです。 余談ですが、バイオレットは、このホワイトフェースを持つときに、 一番美しい色となるのだそうです。 (2)ブルー 最近ではパステル(ヨーロッパで)ともいわれます。 この因子は、カロチノイド色素約50%ぐらい減少させるといわれます。 そのために、小桜インコのエプロンは白く、はちまきは杏色になります。 羽根はくすんだブルーをしています。 ブルーと言うよりは、青みがかった緑と言う感じでしょうか。 残念ですが、透き通るような青というイメージではないのです。 男の子方がより緑色に近い色をしているといわれます。 ごくまれですが、ヘテロ(スプリット)の鳥で、羽根色が変化することがあるそうです。 (3)ホワイトフェース この因子は、みなさんもご存知のように、白い額を作ります。 劣性遺伝ですので、(ww)の組み合わせの遺伝子の場合でないと 色変わりとなりません。ご存知のように、因子が1本、2本の時の 区別はありません。 この因子を持つ鳥は、金属光沢を持つ鮮やかな緑がかった青となります。 ブルーの場合よりも、鮮やかでくすみをもちません。 (4)ブルーとホワイトフェースのリンク ブルーとホワイトフェースの因子は、リンクします、そして両方の因子が共にスプリット の場合には、アップルグリーンと呼ばれる色になります。 遺伝子型は(WwYy)です。 この鳥は、アップルグリーン色の羽根を持ち、サーモンピンクの額を持ちます。 (5)ブルーとホワイトフェースの両方持つ場合 ブルーとホワイトフェース因子を両方もつ場合には別の色変わりとなります。 ブルーは(yy)、ホワイトフェースは(ww)で持つ鳥ですが、 これはホワイトフェースパステルと呼ばれます。 この鳥の遺伝子型は(yyww)です。 この鳥は、ホワイトフェースとは簡単に区別できます。 羽根の色は、金属光沢を持ちませんし額の白もホワイトフェースの場合とは 異なっています。 (6)余談 ホワイトフェースを持つ場合は鳥の名前の前に「ホワイトフェース」を付けていいます。 今まで述べてきましたように、ブルー(パステル)因子が(yy)の形で存在していると、 はちまきが杏色、エプロンが白の鳥になります。 ホワイトフェース因子が(ww)の形で存在しているとはちまきもエプロンも白くなります。 例)ダッチブルー:ブルー(パステル)因子を持っています。はちまきは杏色、エプロンは白です。 コバルト:ブルー(パステル)因子とダーク因子を1本もっています。 ブルー(パステル)因子のせいではちまきは杏色、エプロンは白です。 ホワイトフェースコバルト:コバルトにホワイトフェース因子が加わった場合です。 ホワイトフェース因子が存在しているため、はちまきは白、 エプロンも白です。 モーブ:ブルー(パステル)因子と、ダーク因子を2本持っています。 ブルー(パステル)因子のせいではちまきは杏色、エプロンは白です。 ホワイトフェースモーブ:モーブにホワイトフェース因子が加わった場合です。 ホワイトフェース因子のせいではちまきは白、エプロンも白です。 |