雛の冬時期の保温
2001年の冬、ケケと歩緒夫婦が巣引きをしてしまい。手乗りにするため、雛を巣箱から出したとき、保温しなければならなくなりました。さあて、大変なことに・・・室内の温度は約20度、これでは雛は死んでしまいます。どうしようか迷って、病院の先生のアドバイスを受けることにしました。雛がいる周囲の温度を高くするために白熱灯または100ワット前後のペットヒーターを使のがいいのでは、病気の鳥の保温と基本的には同じだから、とのお話でした。なるほど、そうか、病鳥の保温、これでやってみよう、だめだったらエアコンで部屋ごと暖めればいいのだから・・・というわけで、私が使った方法です。
必要となるもの
1. 100ワット前後のペットヒーターかまたは白熱灯

雛がいる場所の空気全体を温めるために使います。先生のお話では、周囲の空気が暖かいことが必要で、ホカロンのような体に接触しないと暖まらないような物ではだめなのだそうです。私は留守をしなければならないため100ワットのペットヒーターは怖くて使えませんでした。それで白熱灯を使いました。近くのホームセンターで購入しました(1980円)。白熱灯も100ワットぐらいがいいですよ、と先生がおっしゃいましたが、100ワットですと30度を軽く超えてしまいましたので、60ワットのものを使いました。

2. ふごとプラスチックケース

3羽を入れるためのふごを探しました。大きなふごを探しましたが、見あたりません、通販でもあれこれ探しましたが見つかりません。仕方がないので、小さいふごを使いました。大きくなってきたら、プラスチックのケースを使いました。プラスチックのケースは、亀を飼育するためのもので、ふたや周囲に、通気のための穴がたくさん空いていました。蒸れなくてよかったと思います。

3. 温度計

ふごやプラスチックケースの中の温度を測ります。水温を測るときに使う温度計が良いと思います。うんちが付いても大丈夫ですから。

4. 使い捨てカイロ、タオル、キッチンペーパー、テイッシュペーパー、測り

周囲の温度が高くなっても心配でしたので、使い捨てカイロをケースに張って使いました。ふごでは使いませんでした。温度が高くなりすぎたからです。使い捨てカイロも、さいしょはケースの内側に貼っていましたが、どうも暑いところとそうでないところの温度差が極端に感じられて、ケースの外側に貼りました。タオルは、雛が寄りかかるためのものです。キッチンペーパーはケースの下に敷きました。何枚か重ねて敷いて、汚れたら上から順に引き抜いて捨てました。はかりは体重をチェックするためのものです。
実際の方法
雛が小さい(生後20日前後)のときに使った方法です。ふごは周りをタオルで巻いて熱が逃げないようにしました。ふたはすこしだけずらしてあります。温度計をふごのすぐ横に置いて、ふごの周りの温度を測りました。白熱灯を左上の方向からふごを照らすような角度で置きました。ふごの上に乗せてあるのはキッチンペーパーを折りただんだものです。光が直接ふごの中に入らないようにしました。
上のふごのふたを取った時の画像です。雛はまだまだ小さいので、ふごには余裕があります。ふごのなかで動き回れなくなるころにプラスチックケースに移動しました。一番右の子はまだ毛が生えていません。白熱灯の熱でひからびてしまいはしないかと、心配しました。ふごの下にしいてあるのはわらを短く切ったものです。農薬の心配が無く、カビのない清潔なものを選びました。この上にテイッシュペーパーを敷いていたのですが、すぐにテイッシュペーパーはぐちゃぐちゃになってしまいました。わらがのどに詰まったりしないかどうかもやはり心配でした。でもわらの保温力はたいしたものでした。
雛がすこし大きくなってふごのなかで動けなくなる頃、プラスチックケースに移しました。プラスチックケースの中にはキッチンペーパーを敷いてあります。プラスチックケース自体は保温性がありませんので、ケースの周りをタオルで巻きました。外気は18度を下回っていましたが、プラスチックケースの中の温度は30度近くあって、タオルを巻いたことはかなり保温には役立ったと思います。
上の画像のふたを取った状態です。プラスチックの一カ所を画像のようにタオルを半分に折りたたんで崖になるように斜めの状態にして立てかけ、タオルが立てかけてある部分のプラスチックケースの外側にホカロンを張り付けました。最初内側のタオルの中にホカロンを入れていたのですが、タオルの温度が異常に高くなってしまうことに気がついて、ホカロンはプラスチックの外側にガムテープで張り付けました。ホカロンの熱は思ったよりも強力で、プラスチックケースの外側に取り付けたにもかかわらず、タオルはぽかぽかしていました。3羽とも、タオルに寄りかかって寝ていました。
かわいかったな〜。。。。
小さい頃、雛は自分で体を支えることができないようです。私はタオルを使いましたが、雛が体を預けられる場所を作ってあげることが大切なんだと感じました。体を預けられる場所がぽかぽかしていると、雛はその場所でよく寝ていました。
下に敷いたキッチンペーパは、一日に3回取り替えました。
差し餌に種子を使う場合は水分が多くありませんので、うんちも比較的堅く、雛の足も汚れませんが、私は差し餌にフォーミュラを使いました。フォーミュラは水分が多いと思います。かなり水分の多いうんちをしますので、キッチンペーパーが濡れて汚くなります。雛の足にもうんちがつきやすくなりますし、だいたいプラスチックケースの中が不潔です。ケースの中は30度前後に保温されているわけですから、雑菌の繁殖も心配です。こまめに取り替えてあげたいものです。
立てかけるタオルはなるべく起毛の少ないものがいいと思います。信じられないのですが、雛が大きくなって羽が生えそろい、盛んに飛ぶ練習をするころに、タオルの崖をよじ登り、外の景色を見たがるようになったのです。びっくりしました。羽を広げばたばたと羽ばたきながら、崖を上るのです。小さい頃は足の爪が伸びきっていませんので足にタオルがからみつくということもありませんが、大きくなって爪が伸びてくると、タオルの起毛部分に爪がからみ、思わぬ事故になりかねません。私は、羽が生えそろうぐらいまではタオルを立てかけましたが、それ以後はケースの中にタオルを入れませんでした。生後40日ぐらいまではこの中で過ごしました。床にはご飯をまいてあげました。飛ぶようになった42日目ごろに、ケースごと465インコのかごの中に入れました。しばらくは巣箱のかわりになっていて、ケースの中で夜は寝ていましたが、3羽とも本格的に飛ぶようになると、ケースの中には入りたがらなくなりました。そのころケースを取り除き、洗って天日で乾燥させ、次の雛たちのために、大切にしまっておきました。
雛を育てるのにあたって、助言をいただいた、ボストンのシェリー先生、アン先生、キム先生、
多摩の永井先生、そして、小桜同盟の会長様に感謝いたします。
無事、雛を育てる事ができました。