女の子が無精卵を産み始めたら
女の子に付き物の産卵。ペアの場合なら雛の期待もできうれしいところなのですが、雛が産まれる期待のない無精卵は、見ても辛いものがあります。それが、次から次ぎへと産むような事にでもなれば、こちらの方がパニックになり、いつまで産むつもりなの?と、気が気ではありません。
一羽飼いの女の子や、女の子ばかり飼っている場合など、手乗りの小桜インコは(小桜インコに限りませんが)いったん産み始めると次から次ぎへ産んでしまうことがあります。産卵はそれ自体、自然なことだと思うのですが、雛の期待の出来ない無精卵は、なるべく産まないようにしましょう。絶え間なく卵を産むと、病気になる可能性もありますから。

発情させないようにしていても、女の子はいつか卵を産みます。だって、女の子ですものね。産卵をした小桜インコの女の子は、卵に対して、2通りの行動にでます。1つは、抱卵を始める子です。卵に対して執着がありますから、ペアになれば良いお母さんになれます。もう1つは卵に無関心な子です。このような子は、巣引きをしても抱卵しなかったり、雛を育てなかったりと、問題をおこす子が多いそうです。どちらの子が良いよいとか悪いとかそういうことはありません。手乗りインコゆえの事なのでしょう。
産みたいだけ産ませましょう
産卵する兆候が見られたら、体重を測りましょう。朝決めた時間に測ると忘れません。産卵が始まったら、産んだ卵はそのままにしておきましょう、捨ててしまってはいけません。産卵したからといって、巣箱を買い与えるのもよくありません。見慣れないものは、鳥が嫌いますよ。こちらが寒そうだと感じても、どうしてそんなところで産むの?と感じても、それはそれでいいのです。女の子たちは、十分納得しているはずです。とにかく産卵が始まったら、毎日体重を測り、産卵が終わるまで、静かに見守りましょう。卵をそのままにしておくのは、「鳥は産卵の卵の数をそろえ、足りないと次々産み足す」からなのです。本人の好きな数だけ産んでしまうと、後産み足すことはないと思います。卵を取り去ってしまうと、「あら、卵が足らないわね、まだ産まなくては・・」と、足らない分を補充しますので、いつまでもだらだらと産む可能性があります。
巣引きをしたペアは、約半年間発情しません、これは手乗りのペアにもいえることです。巣引きですっかり体力を落としていますので、発情どころではないのでしょう(体重が平均で5グラムぐらいは少なくなります)。女の子がどんどん卵を産み続けるのは、体力がありあまっているからで、巣引を終えたペアが次に発情しないのは、体力が落ち疲れているからなのです。
小桜インコが一回に産む卵の数は、まちまちですが、大抵の場合は4個〜6個ぐらいの間です。産み終わると骨盤が閉まってきますし、おなかがぺちゃんこになります。体重もすくなっているでしょう。
卵に興味のない子の場合:産卵しても産んだ卵をサッカーボールのようにけ飛ばしたり、つついたり割ったりするような子の場合は、卵を産んでからすぐに取り出しても、産み足すということはあまりないようです。ただ、こういう子は、体力が落ちていませんので、ふたたび産卵することが多いようです。卵管などの病気に気を付けてください。最後の卵を産んでから、一週間経っても、おなかの膨らみがとれない場合には、病気を疑うこともあるそうです。病院を訪れて、的確な指導を受けるべきと思いますよ。
卵に執着してて暖め始めた場合:卵を暖め始めたら、体重のチェックを欠かさないようにしてください。刺激しないで、そっと様子をみてあげましょう。体重が激減している場合には、すぐ病院へ行きましょう。普段と変わらない様子で、ご飯も適当に食べ、元気に卵を暖めているようなら、そのまま最後の卵を産んでから、数日様子を見ましょう。女の子の様子に変わったことがあれば、すぐに卵を取り去って、抱卵をやめさせ病院へつれていきましょう。いつの場合にも言えることですが、様子に変わったことがあったときにはすぐに病院へつれていってあげましょう。産卵は女の子にとって、ふつうの事なのですが、命がけの一大事でもあるからです。
どれぐらい卵を暖めさせればいいのでしょう
卵を産んで抱卵している場合ですが、数日間様子を見ましょう。気を付けるところは、体重の変化、うんちの変化(量と数)、尿酸の変化(うんちについている白い部分)、うとうとしていないか、ご飯を食べているか、などです。
小桜インコは女の子だけが卵を暖めます、食事は男の子が口移しに女の子に食べさせます。ペアの場合には、女の子は体力を落とすことなく抱卵を続けられますが、女の子だけで抱卵している場合(無精卵の場合)には、食べさせてくれる男の子がいませんから、女の子は、卵を暖めるか、ご飯を食べるかのどちらにするか葛藤しています。卵に執着する女の子は、食べることを最低限度にとどめて、ひたすら卵を暖めます。これでは、女の子の体力が持ちません。元気で暖め続ける子なら、23日ぐらい、そうでなくて、体力が落ちた場合には、その時点で、抱卵を中止しましょう。鳥の卵はそれが有精卵なら生きていますので、暖かいのですが、無精卵は中で雛が成長しているわけではありませんから、暖かくなく冷たいままです。小桜インコの女の子も、雛が産まれない卵はいつまでも暖めないことが多いのです。23日ぐらい暖めさせるというのは、冷たい卵をいやがって、女の子の方から、「この卵きら〜い」と言って欲しいからです。元気そうに見えても体重は少なくなっていますから、しばらくは卵を産まないで、体力の回復に努めると思います。
抱卵しなくなったらどうするの
女の子が抱卵に飽きたり、体力が落ちて、危険だと感じたら、卵を取り去ります。卵を取り去った後は、卵を産むのに使ってしまったものを与えましょう。タンパク質とカルシウムです。たくさん食べさせるのは良くないそうですが、良質のタンパク質を食べさせましょう。卵の黄身などがいいそうです。ほんの少しですが食べさせましょう。カルシウム源としては、一般によく知られている、ボレー粉やカットルボンなどをかごに取り付けてあげましょう。果物は禁物です。果糖がたくさん含まれているからです。かびは果糖が大好きです。そのために体力が落ちている女の子にかびが生えやすくなるそうです。気を付けてください。
こまめに体重を測って、体重がふつうの時の体重になったら、発情させないようにしましょう。次の産卵まで数ヶ月あけてください。