ピーテル・ブリューゲル (1525-30〜1569)  牛群の帰り

 ブリューゲルは季節の農作業や村の祭などの農民画を積極的に描いた。特に季節の農家風俗と暦とを合体した絵暦と呼ばれる絵が多い。▼この絵もこのカテゴリーに入り、10月頃、草がなくなり落葉した山から牛群を里に下ろす牧人達が描かれている。重い雲がたれ込める北方の沈鬱で静寂な雰囲気を破るように、長い牛追い用杖で牛を追い立てるかけ声と牛の鳴き声が聞こえるようである。

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