作品17.「朝のひととき」Happy hour in a morningF60号 個人蔵

「Kiyoのことば」  食草の後、ある牛は佇み、ある牛はゆったりと横臥し、半眼でゆっくりと反すうを始める。朝陽に温もるそのひとときは、牛にとって至福の時にみえる。反すうに伴う頭部の規則正しい上下動は、悠久の時を刻むようにおおらかで平和なのどかさを醸し出す。

「牛のことば」 日の出から始めた食草も人様が一日の活動を始める頃には、一休みするのが私たちの日課なの。休息中は、ほとんどの牛が口をもごもごさせて、いわゆる反すうをしています。実は私たちが食草時は、草を引きちぎってほとんどかまずに飲み込み、ドラム缶ほどの胃袋にどんどんためこむの。そして休息中に内容物をはき出してかみ戻し(反すう)、胃袋での消化を助けるというわけ。
取材地:島根県大田市

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