作品12.「朝もやの休息」 Resting in a morning mist  SM

「Kiyoのことば」   もやがかかった早朝は、時が止まったような静寂の中にある。時に牛の息の音が聞こえ、朝の食事を終えて休息する淡い影の黒牛に目をやると、全身の体毛に霧状の朝露を付けた体をゆっくりと起こし、興味深そうに近づいてきた。▼しばらくして朝日が絹のヴェールをかけた景色を吹き払い、鮮やかな黄金色に彩ると、それに対比して、先刻の景色が彼岸の別世界のように脳裡に刻まれる。

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