邦題「ハンニバル」
原題「Hannibal」
評者 |
評価 |
ひとこと |
ほーく |
2 |
あかんがな、レクター博士だけじゃん。 |
<コメント> |
駄目ですなあ。原作の神々しいまでのレクター博士の強さ・完璧さが少ししか描かれていない。アンソニー・ホプキンスは、己の持つ力でもって、「羊たちの沈黙」のレクター博士を再現させてはいる。だが、いかんせん、舞台が用意されていないので彼の努力も水の泡である。もっと思い切って、フィレンチェ編を描ききれなかったのか?リドリー・スコット。キミの得意な水だよ、暗闇だよ?グラディエーターで再評価されてるようだが、やはり往年の力は出ないようだね。今回の失敗の要素はふたつ。キャスティングミスと中途半端な脚本である。クラリス@ジュリアン・ムーアは、やはりクラリス@ジョディ・フォスターには到底及ばない。レクター博士に惹かれながらも、踏みとどまっていようとするそのギリギリ感と、その一線を越えてしまうその瞬間を表現してこそが今回の見せ場であったのに、ああいった展開の脚本にあの表情では論外である。 さらに、周辺人物がこれまた全くの大根揃い。かのゲイリー・オールドマンは、それほどインパクトのある役柄ではないので勿体ない。もっと、脇役をしっかり使うべきである。あんなに弱いと、せっかくのスーパーマン・レクター博士の強さが際だたないじゃないか!と歯ぎしりしてしまう。エンディングのあのエピソードなんかは全くの蛇足であり、あんなレクター博士はもはやステロタイプである。 稀代の怪人レクター博士もスクリーン上では、単なるサイコさんとして消えていくのであった。残念である。映画を観て失望した方は、是非とも原作を読んでレクター博士に惚れ直してほしいものである。 |
主演 | アンソニー・ホプキンス@ハンニバル・レクター |
共演 | クラリス@ジュリアン・ムーア、メイソン@ゲイリー・オールドマン |
監督 | リドリー・スコット |
脚本 | |
衣装 | |
美術監督 | |
撮影監督 | |
音楽 | |
編集 | |
OST | 未購入。 |
2000年作品 | 2時間42分 |