2002年 第1回 ホンダ・コレクションホール所蔵マシン
            動態確認テスト・2

 


 

2002年4月18日(木)ツインリンク茂木西ロードレースコースにて、2002年、第1回のコレクション
ホール所蔵マシン・動態確認テストが行われました。

前ページに続きましてその模様をレポートしたいと思います。

 

テスト出走車輌    
2輪レーサー

RC145              (1962年)
RC161              (1960年)
RC163              (1961年)
RC166              (1966年)

ライダー:  高橋国光、 宮城光
   
4輪レーサー

ブガッティー T35C      (1926年)
RH684ラルトホンダ      (1984年)
マクラーレンホンダMP4/6  (1991年)
MOTULホンダシビックSi    (1984年)
JACCSシビック         (1993年)

ドライバー: 高橋国光  中子 修
   
     
     
<ラルト・ホンダ RH-6-84 1984年>

 グッドウッド遠征のテスト走行のページにも紹
介している、ラルトホンダ RH-6-84です。
 
 
 
 
   1983年にF-2で再び王座に付いたラルトは、
1984年にかけてのシーズンオフに、マシンに大
幅な手直しを加える事になります。
 その主な目的はグランドエフェクト効果をより有
効に使おうとするものでした。
 前年と同様にCASIOのメインスポンサーを受
け、マシンのカラーリングも基本的に変わってい
ない為、一見しただけでは前年型との違いは見
出しにくいですが、サイドポンツーン内部に設け
られたウイング形状は1983年モデルとは、全く
異なるものでした。
 開幕戦のシルバーストンを、1983年から引き
続いてドライブする、M・サックウェルと、新たにチ
ームに加わったR・モレノが見事な1-2フィニッシ
ュで飾ると、その勢いを持続してポーまで開幕6
連勝。前年の中盤から続いていた連勝記録を 12まで伸ばすことになりました。続くホッケンハイム
ではタイヤのパンクなど、不運なトラブルに見舞われて連勝記録は途絶えてしまいましたが、1ヶ月後
のミサノから再び3連勝を記録するなど、シリーズ全11戦中9勝をマーク。サックウェルが念願のチャ
ンピオンに輝きました。
     
   今回、ラルト・ホンダに乗った、高橋国光氏です。
もういいお年でしょうが(失礼!)まだまだ現役です
ね!
 
 こーゆーおじさんになりたい!と思っているのは、
私だけではないはず!!
 ピット裏で休憩中に声をかけさせてもらいました。
しまった!サインもらうの忘れた!!
     
   左から・・・

 小林勝氏 (元ホンダコレクションホール
         メカニック・・・現在は引退)
 高橋国光氏

 中子修氏
  
     
   言わずと知れた、「国光カラー」のメットですね。

 でも「国光カラー」って、フルフェイスより、ジェット
ヘルの方が”らしく”ありません?
     
   そのメットを被って、いざテストに向かう、国光氏
です。

 
     
   宮城光氏です。
 国光氏と同様、2輪4輪両方のテストを担当して
いました。
 2輪の方がキャリアが長いですね。
 1983年には全日本選手権ノービス250cc、F3
クラスでチャンピオン、また同じ年の鈴鹿4耐でも、
優勝を飾っています。
     
  <RC145 1962年>

 1962年にホンダ最後の2気筒125ccマシンとし
て登場したこのマシンは、なかなか調子の出なかっ
たRC144の後を受けて急遽投入された1961年の
チャンピオン・マシン、2RC143をベースに造られ
それまでエンジン左サイドに位置していたカムギヤ
トレーンは2つのシリンダーのセンターに移され、結
果としてエンジン幅はフロントフォークスパンと同じ
くらいまでスリムになっています。

 また、エンジンは、前年の250ccクラスで圧倒的
な強さを誇った4気筒RC162の外側2気筒を取り
去って2気筒125ccとしたような構成を持っている
のが特徴と言えます。

 フレームには、RC144から受け継がれた、剛性に優れるクロモリ鋼のダブルバックボーンタイプが採
用されています。
 この年、RC145はルイジ・タベリが6勝を挙げてチャンピオンを獲得。さらに今回のテストにも参加して
いる高橋国光氏やジム・レッドマンの活躍で、出場10戦中10勝をマークする完璧な戦いぶりで、ホンダ
のこのクラス2連覇に大きく貢献しました。
     
  <RC161 1960年>
 
レーシング・スーツから革ツナギに着換えて、颯
爽とRC161に跨る国光氏です。

 RC160で開発された250cc4気筒エンジンはこ
のRC161で更なる変化を見せました。
 カムシャフトの駆動は、RC160のベベルギヤから
RC161ではスパーギヤの組み合わせによるギヤ・
トレーンとし、ユニットのコンパクト化と信頼性のアッ
プが図られました。

 一方の車体周りは、それまで浅間のオフロードコ
ースを念頭に開発されていたものから、キャスター
やトレールをマン島のオンロードコースに合わせて
設定されています。
 フレームは、まだシングルバックボーンですが、ステアリング周りの剛性を上げ、エンジンマウント角度
がRC160の直立からRC161では35度傾斜へと変更されました。
 1960年のマン島TTでは4位ボブ・ブラウン、5位北野元、6位谷口尚己の順でフィニッシュ。その後の
西ドイツでは改良型RC161を駆った田中健二郎が3位に入賞し、日本人として初めて世界GPの表彰
台の一角を占めました。
 さらにアルスターでは、トム・フィリスが2位に入り、当時圧倒的な強さを誇っていたMVアグスタの牙城
を揺るがし始めました。ホンダのGP参戦2年目、わずか5レース目の出来事でした。
     
  <RC163 1962年>

 1961年の世界チャンピオンとなったRC162を継
承し、1962年モデルとして登場したのがこの、RC
163です。
 カムギヤトレーンのDOHC4気筒4バルブのエンジ
ンにCRキャブレターを装着するなど、基本的なスペ
ックはRC162を踏襲していますが、クロモリ鋼管ダ
ブルバックボーンフレームに搭載されたエンジンは、
RC162より1馬力パワーアップした46PS14000
回転で発生しました。
 数少ないRC162からの変更点としては、フロント
ブレーキのドラム径を194mmから210mmへ大径
化されたことが挙げられます。
 RC162以来、開発のテーマとなっていた加速性能と耐久性の向上も引き続きこのマシンに生かされ
ています。
 RC163を駆ったエース・ライダーのジム・レッドマンは、この年の初戦から連戦連勝を重ねた末にチャ
ンピオンを獲得、ランキング2位はチームメイトのボブ・マッキンタイヤが得ました。
 RC163はこの年、参加9戦中9勝の完全勝利を収め、2年連続で250ccクラスのメーカータイトルを
保持して、ホンダの優秀性をあらためて世界に示しました。波にのったホンダは翌年もタイトルを獲得。
3連覇を成し遂げました。
     
   どこかで見たような人だな〜?と思ったら・・・。 
ホンダの前社長、川本信彦氏ですね。
 当日はお忍びで(・・・と言うには、あまりにも堂々
としすぎるような感もありますが・・・)テストの模様を
覗きにきていたようです。

 元コレクションホールの名メカニック、小林勝氏が
愛車ステップワゴンで持ち込んだトライアンフに試
乗していました。
 これはリヤブレーキの調整をしているところでしょ
うか?
 川本氏の注文に笑顔で答えて調整する小林氏で
した。
     
   そのトライアンフで颯爽と走り出す、川本氏です。
 この後、ピット裏を笑顔をこぼしながら何週もして
いました。
 川本氏も他のホンダの歴代社長の例と同様、運
転が好きなようです。昨年の”グッドウッド”ではカ
ーチス号のハンドルを握っています。

 

 

 

next

 

 


 

e-mail