炎にくちづけを

ヴェルディ作「イル・トロヴァトーレ」より

ネオ・ヴォヤージュ




     今回の作品はオペラのヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」  オペラというと一見難しく感じるけれど、今回の作品はとても噛み砕いた
     感じで、作品としては判りやすく書かれていると思います。テーマは平和と愛について、作品を通してどのように受け止めるか?
     って。 ヴェルディの作品は、オペラを観る機会が今までに数回あったので、よく判るのですがテーマが平和と人権、愛。
     私も、幾つかの批評を踏まえた上で、観劇に臨みましたが1回ではテーマの重点にとらわれて物語のあらすじをほとんど読まず
     だった為か、展開に付いて行く事ばっかり考えてました。

     でも、2回目の観劇をして思った事は、予習(あらすじ)を兼ね、オペラ故に台詞も一部歌詞で繋がれてる。役柄の心情が全て
     綴られてる。

     日ごとに変化していく舞台で、見所は所々にあります。綺麗な楽曲とたかこさんの歌声をはじめ、宙組のコーラスが素晴らしいです。
     舞台の熱演が伝わってきます。

      

マンリーコ (吟遊詩人) 和央ようか
レオノーラ (女官) 花總まり
アズチューナ(ジプシー、母親) 一樹千尋
ルーナ伯爵 初風緑
パリア(ジプシー、幼馴染) 大和悠河
エーク  (ジプシー) 美郷真也



  ☆ 炎にくちづけを

              15世紀のスペインが舞台。 ルーナ伯爵をはじめとする貴族達の言い伝えが物語の発端。
            20年前の出来事で、ジプシーに恨みを持ち続けていた。
            宮殿内の女官(レオノーラ)は、馬上試合で出会ったマンリーコに想いを寄せていたが、一方で
            ルーナ伯爵は女官に恋焦がれている。(三角関係ですね)
 
            ある日、レオノーラはマンリーコに想いを馳せて、夜の庭園で待ち侘びてるとレオノーラへの恋歌う
            人物が…。でもそれは、一途な想いを抱くルーナ伯爵だった。
            強引な態度で迫る伯爵から逃れようとするレオノーラ、そこにマンリーコが現れてレオノーラを救うべく
            決闘が始まる。

            剣を振るうのに優位な立場だったけれど、マンリーコは剣を投げ捨てる。結局、仲間を呼んだルーナ
            伯爵により、大怪我を負う事に。
            看病をしたレオノーラの母親が、長くうなされて苦しんでいたマンリーコに怪我の原因を突き止め、
            レオノーラとルーナ伯爵の存在を知ることに。

            そして20年前の出来事をアズチューナはマンリーコに伝えて、復讐を遂げる事を誓うの。
            
            (その後は…ネタばれになるので、感想も一緒に)→こちら♪


  ☆ お気に入り場面や歌 

              2回目の観劇までは、悲劇と知ってはいてもボーっとしてるせいか涙を流すまでは感動出来なかった…m(_ _#)m
            でも、結末を知ってくると、色んな視野が広まり、様々な場面で各々の心情が伝わってくる。
            見所が多いので、中でも気に入ったもの幾つかを以下に…
  
        ・ 決闘場面   ……  ルーナ伯爵とレオノーラをめぐっての決闘。マンリーコの力強い歌声にとても感動。

        ・ 森の場面   ……  ここではマンリーコとレオノーラが恋仲になって、幸せな想いをお互い歌で綴っているんだけど、
                        レオノーラの何と幸せそうな表情。 マンリーコも無心に(ジプシーと卑下せず)愛を注いでくれる
                        レオノーラに、嬉しかった事だっただろう…って、涙が出てしまいました。


          ・ 牢獄の場面  ……  アズチューナに親子の愛を確認して、処刑に恐怖を持つ母親を優しく歌い慰めるの。
                        マンリーコも窮地に追われて、求める先は母親のみとなってしまったのか?と新たに涙が…
                        慰めながら”子守唄”を歌うマンリーコの姿に心打たれた。
                        レオノーラは宗教とジプシーに対する差別感の関りで、中性の立場を取りつづけ最後まで
                        マンリーコへの愛を貫いた時、同じくしてマンリーコがレオノーラへの愛が互いに通じるもの
                        があって、”マンリーコの恋歌”はとても心に響きました。感動。
                        久し振りに鳥肌が立つ程でした(^^)

    

   ☆ ネオ・ヴォヤージュ

              全体的にタップダンスと、群舞が多いですね。”歌劇”に記載の”和央スタイル”も発見できました。(白い燕尾姿ね)

       幕開きは、お茶会報告にも記載させて頂きましたが、たかこさん(和央さん)の鬘がジョニー・ディップ仕様。(カリビアンだなぁ〜)
       船に乗って、世界の国を廻るって感じです。
  
       曲はラテンからジャズ、ブルースと様々。ラテンでは舞台だけでなく、客席も参加型でヒートアップしてます。楽しいですよ。
       曲想は一転してブルース。たかこさん演じる恋を断念した男は、夜の街角(砂が敷かれた場所)で、肩にトレンチコートを
       羽織り、帽子を深めに被る姿がカッコ良いの。
       その後、コートを脱ぎ捨て、帽子も取ったスーツ姿でネクタイを緩めにしながら、髪をクシャクシャってする。
       そこで、タップを競い合うような感じですね。
       暗転の後、ステッキを持った白い燕尾服のたかこさん、ステッキさばきが素敵でソロのタップを踏む場面は我イチオシ!
       ステッキを持って左右に動かすところや、ターンをする時がお気に入りかも。
       花ちゃん(花總さん)とダンスの絡む前だったか…和央スタイル。ほんの一瞬

       タニちゃん(大和さん)演じるピアノマンは、”ぼくは何処〜?、ぼくは誰〜?”から始まり、ロシア人やアラビア人、中国人が
       登場。

       終盤のフィナーレでは、たかこさんが大階段から登場。満天の星の中、青い衣装(燕尾の長さが違う)で後姿。
       様になっててとてもカッコ良い。 ソロダンスの後、タニちゃんの登場でデュエット、綺麗でした〜。
       セリで下がるたかこさんで、大階段より花ちゃんが白いドレス(スカートは薄青っぽいグラデーション)でガイチさん(初風さん)
       とのデュエットの後、数人の若手(役名)達とリフト。  再び、たかこさんが現れ、衣装は白い衣装に青い衿?スカーフ?らしき
       ものが付いてて、涼しげ〜な感じ。デュエットダンスがあって、銀橋でのリフト。時折、後の指揮者の方には当たらないんだなぁ〜
       って心配したり。

       今回のショーでは、エトワールをガイチさんが務めてらっしゃる。フィナーレでのお衣装や、羽などは組カラーをイメージしてあって
       涼しげなパープル。

       中盤では、タニちゃんのハッピーハロウィンがあるのは、東京公演の10月に関連してるのかしら?