このパイプ達は私のアマチュア5作目の写真です、
このページではパイプ手作りの楽しさをご案内しようと思っています。 今から25年前の1975年(昭和50年)の誕生日にワイフから贈られたパイプキットが始まりです. 20歳の誕生日にアメ横でパイプを購入、当時としては超生意気な若者だった事でしょう、 それから20年、パイプも何時の間にやら安物が20本位に増えていました。 始めての自作パイプは穴明き、マウスピース付きで思ったより簡単に仕上がり、出来映えも その時は鼻高々という感じに出来上がりました。 2本目を作ろうと喫煙具店をはしごし、そこで始めてハンドメードのパイプ、ラルス・イバルソン のクロスグレインを、じっくりと見る機会に巡り会いました、 値段にもびっくりしましたが、その美しさ、精巧さに愕然としました、 手作り材料にもいろいろのものが有り、穴なしプラトーなども販売されていて手作りの奥の広さを 始めて知りました。 有り金をはたいて穴明き2個とプラトー5個を買い求め、ダボ付き丸エボも手に入れました、 ウン10万もするパイプが自分で出来るような気になり、意気揚揚と帰宅しました。 この時、購入した原木の中に掲載写真の原木も入っていました、購入の際、お店が主催する ハンドメードパイプコンテストの応募券なるものがついて来ました。 昭和48年、石油ショックの頃にパイプが大ブームとなり、その影響でパイプの手作りファンも多く コンテストも隆盛を極めていた時期に、この様な世界がある事を知ったのは、とても幸せでした。 翌日からは頭の中はパイプ作りの事で一杯、会社ではパイプのデザインで一日が終わり、帰宅 すれば、原木とにらめっこ、原木に木目に合わせたパイプデザインを書いては消し、書いては消し。 |
パイプの置いて有る店を片っぱしから見て歩き、パイプに関する書籍を有るだけ買い求めました、、 なにせ、人に物を教わるのが嫌いな悪い性格、無謀にもコンテスト優勝に向けスタートを切りました 穴明き、穴無し原木で3本の実績を積み、いよいよ輪切り原木との対決が始まりました。 |
半年の構想の結果、たどり着いた結論として、輪切りブライアーから3本のパイプの原形を切り出し、 残った円形のブライアーを出来あがったパイプの収納ケースとするものでした、 3本のパイプはストレートグレインが上広がりと下広がりになった2本と、クロスグレインを1本作る 事にしました。 作業は、まず、ケースの底板と表蓋にする為に手鋸でブライアーの表と裏を薄くスライスすること から始まりました、出来るだけ薄く、平らに鋸を引く事の、なんと難しい事、なんとか無事に切れました 次はパイプ型に切り抜く作業です、D字型の手持ち糸鋸は小学校の工作以来始めて、刃はすぐ折れ るわ 、1cm切るのに2時間位い掛かるわで、すべてを切り出すのに100時間を超える作業と なりました、 パイプの成型作業は糸鋸の作業で忍耐、忍耐を強いられただけに、とても楽しい作業となりました、 当時、所有の工具としては、電動ドリル、鬼目やすり、三角やすりだけの作業でしたが日々形が 出来上がって行く嬉しさを満喫出来ました、何度、水を付け木目に眺め入ったことか、 ドリルに取りつけられる先の丸い回転やすりをDIY店で見つけ何とか火皿とダボ穴と煙道を明けました |
マウスピースを削り、#150.#400のサンドペーパーで墨汁で墨入れ、.#600.#1.000と進み、着色、 ボールをWAXで磨き、マウスピースをコンパウンドで磨き上げ、惚れ惚れと眺め入りました。 あとはケース作りのみ、蓋の両面を平らに置いたサンドペーパーで鋸目が無くなるまでごしごしとやり パイプ収納部の形状を整え、着色、磨き、パイプ収納部ににスウェードを接着、蓋につまみにになる様 ミニパイプを作り接着、最後に蓋の裏にアクリルで蓋止めを装着。 我ながら見事に完成したと感激しました。 |
原木に手を付けてから実に3ヶ月が経過していました、正直なところ、途中で何度投げ出そうかと 思った事か、しかし苦労したほど、完成した時の喜びは大きいものです、 バンザーイ!! |
2ヶ月後、コンテストの発表、優勝の夢ははかなく消え、3位入賞と云う事でその時の気持ちは 正直に言って内心、穏やかでは有りませんでした。 |
数日後、入賞式で入賞者達と始めて顔を会わせました、私の外は全員顔見知りの様でした、そこでの 話しは、ダボの勘合がどうだ、マウスピースの擦り合わせがどうだと云ったパイプの精度や、最終仕上げ の完成度の良さに付いてで、私のパイプ作りには、まったく配慮されて居ない事柄ばかりでした、 改めて外の人の入賞作品をマウスピースを抜かせて見させて貰った結果、 「我が力作パイプはパイプでは無い!」 と悟りました、煙道は曲がっている、ダボはゆるゆる、モールは通らない、煙草を喫う道具としては 欠陥品です。入賞は、良く出来ました、では無く、努力賞だった事を思い知らされました。 |
このパイプはその後一切手直しをせず、私の作業部屋の壁に飾ってあります、飾り物であってパイプでは 無いという反省材料として、今後も手直しする事無く保存して行くつもりです。 |
喫煙人口も減り、パイプスモーカーには厳しい時代にはなりましたが、 素敵なパイプでの一服は至福の時間を与えてくれます、まして自作パイプでの スモーキングは人生を更に豊かにして呉れるでしょう。 パイプを自作する人も以前に比べ、すっかり少なくなりました、とっても寂しいと 思っています、 誰でも、簡単に素敵なパイプが出きるはずです、ぜひ、挑戦して見て下さい. 長々とご購読有難うございました、いずれ、この、続編を掲載する予定です。 大変お待たせしましたが、お約束の続編、次ページに新設しました。 |