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 大東亜戦争(太平洋戦争)が勃発した昭和16(1941)年当時、ちょうど20歳のわしは陸軍第17師団歩兵第81連隊に所属し、 中国の徐州で鉄道の警備にあたっておった。当時徐州は日中戦争によって日本軍の占領下にあったのじゃ。
 そして昭和18(1943)年10月には上海に召集されて南下し、そこで夏用の軍服を支給された。「はて、これから冬に入ろうという時に 夏服とはどういうことだ?南方へ行けということか?」と思ったのじゃが、これがビンゴじゃった。上海におったのは2日間だけで、 すぐに赤道直下のパプアニューギニアへ行くよう命じられ、「東洋平和の礎となって参ります!」と勇んで戦場へ向かったのじゃが、ここからがまさに修羅場だったんじゃ。