【多摩のちょいスポット:024】
 

長沼公園の礫層

長沼公園の礫層

 以前、“内裏谷戸公園”にある御殿峠礫層の露頭、 つまり地表に現れているところを見に行ったのですがあの状態では雑草に覆い隠され、 いつの時期に行っても無理と思い、都立長沼公園に行きました。 都立長沼公園は京王線長沼駅から南に5分ほどのところにある管理事務所もないシンプルな北斜面の雑木林です。 高低差が100mあり、尾根にある展望台からは京王線や中央線の電車、八王子の市街、西武ドーム そして奥多摩の山々を見ることができます。
都立長沼公園

 御殿峠礫層は入口の案内板によるところの公園中央、“霧降の道”の上部に見られました。 散策路を切り開いたときに礫層がむき出しになり現れたと思われます。見にくいですが上の画像の左側が礫層です。 礫層(礫:レキとは小石のことです。)というだけに小石が混じっています。ただし、“霧降の道”の下部の場合は 平山砂層の一部の礫層なのかもしれません。(現地案内板の「表層地質分布平面図」より)
 御殿峠礫層とは多摩丘陵北西部の山頂付近に約10mの厚さで堆積しているもので、 さらに上部は関東ローム層で覆われています。この地層は秩父山地のものではなく、丹沢山系のものに似ている ということから大昔においては相模川が東に向って現在の多摩川方向に流れていたと考えられています。 その古い相模川の運んだ川床の石が隆起して多摩丘陵に残されているということです。

 (2010.4)



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