房総林道と素掘りトンネル(その2)

 引き続き房総の林道探索と素掘りトンネルウォッチングです。

 2004年2月

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 早朝のフェリーで金谷に到着し、とりあえず最初の目的のトンネルに向かいました。 富津館山道路の竹岡ICを右に見て山道を進み、Y字路を左にとって相川にいたる峠にある トンネルにたどり着いたのですがそれは期待した素掘りではなく、単なる舗装トンネルでした。残念!
 次の目的地は国道465線の富津市〜君津市間にある平田トンネルの旧トンネルですが、 しかしここも柵があって入れず、また反対側からも土手を越えなければ覗くこともできずで失敗でした。残念!
 ただ手前の九十九トンネルの旧道465号だけが確認できました。
 そしてこの旧道を戻る形で鹿野山林道に入れるのですが、このときは舗装工事の真っ最中で、 しかもトンネルは素掘りでありませんでした。残念!

 次に国道を戻って豊岡の戸面原ダムのトンネルに向かいました。
 ダム湖の北側を進むと宇籐木の集落になります。その集落の奥に一つ目の素掘りトンネルがあり、 短いのですが岩の裂け目を利用したようなちょっと珍しいタイプのトンネルで 出口側には水が滴り落ちていました。さらに登りかげんに狭い道を進むともう一つ素掘りトンネルがあり、 その先で道は消えます。(素掘りトンネル2本)

 この県道沿いの脇道で、高宕山自然動物園のところに志組という集落があります。 その集落の奥に幅広規格で開設されたばかりの林道志組線(左の画像)と 開設工事真っ最中の市之沢線があります。 それぞれ高宕山に向かって伸びている2km弱のダートです。

 次に戸面原ダムの南から大山林道、横尾林道、高山林道と完抜きすることにしました。 大山林道は県道側の入口付近だけが舗装であとはかなり荒れたダートです。入口から1.6km、 峠を下ると民家が現れ、松節線との分岐になります。 (左側直進方向が松節線、右に登っていくのが横尾林道)

 ここを舗装された横尾線側に登ると同じく荒れた古い感じの道になり、ガードレールなし、 カーブミラーは役立たず、でも上の方は開放的な明るい雰囲気になりました。
 房総としては比較的高いところを走り見晴らしがよく、 ちょうど峠は休憩によい広い空間になっています。下りもかなりえぐれていましたが、 大幡線との分岐を過ぎて国道410線の旧道にいたる終点まで17km、貴重なロングダートでした。 さらにここから高山林道につなげると、こちらは舗装が半々ぐらいで現れます。 1.4kmで渕ヶ沢奥米線に出ます。

 渕ヶ沢奥米線で袖の木林道の工事中入口を右に見て国道に降り、高宕林道の怒田沢側に向かいます。 三島神社の鳥居をくぐって林道表示の看板を入るとすぐにトンネルがあるのですが、 しかし普通のトンネルでした。しかも続いて次のトンネルが現れますがそこで通行止めで、 今回も高宕林道は挑戦できませんでした。残念!

 しかたなく国道を北上し、房総スカイラインの入口手前辺りで六本木林道に入ります。 入口がちょっとした広場になっています。古そうな林道ですぐに素掘りトンネルに行き当たり、 スカイラインの下を通過します。

 この六本木林道はすごいです。立て続けに大小(長短)のトンネルが現れますが 非常にマッディーです。四駆でなければ通過できません。 ところが五本通過したところで(0.8km)、その先のトンネル手前に古い崖崩れの跡が あり進めません。途中右方向に東粟倉支線が分岐していますが荒れていて進めません。 (素掘りトンネル5本)

 このあと久留里に向かい狭い国道を通って上総亀山近くの柳城まできました。 地図上ではここに坂畑と隣りあわせでトンネルがあるのです。 入口を探して入るとそれなりのところに素掘りトンネルがありました。しかし出口の先はヤブなのでそこでUターンです。 (素掘りトンネル1本)

 つづいて坂畑の素掘りトンネル群ですが、亀山中学校近くの十字路から入るこの名無しの林道は 以前に来たときとは違って舗装されていました。すぐに素掘りトンネルが2本あり、 その先の未舗装部分もフラットで走りやすいです。そのあと素掘りトンネルは2本あり、 変形十字路の左側からもさらに2本あって最終的には民家にたどり着いて行止りとなります。 この間3.3km、舗装率50%。 (素掘りトンネル6本)

 これが変形十字路で左側がわりと長いトンネルでそこを下っていきます。直進と右側は狭くて進入不可です。

 このあと全線舗装の坂畑林道を登り、大福山林道と合流しました。大福山林道は合流点の所だけがダートで、 あとはすべて舗装です。集落や学校もある生活道路です。約6km、稜線伝いに北上しながら下っていきます。
 金谷に戻る途中、ちょうど日没となり、きれいな夕陽が見られました。そして金谷港から帰路につきました。 

 房総のトンネルウォッチングをしていてまたヘンなことに気付いてしまいました。

 素掘りらしそうなトンネルを探すため地図(県別マップル等)を眺めていると、 何故だか川が切れていてトンネル表示になっているのです。トンネルに川が流れているのだろうか?  曲がりくねった細い川にいくつもあります。

 調べてみると「川廻しのトンネル」というもののようです。 「川廻し」は千葉県の上総南部の丘陵を流れる川のみにみられる特殊な河川曲流短絡工事で、 水田拡張(確保?)のために川の曲流部分を短絡し、今まで川だった所を水田化する方法で、 近世〜明治にかけて房総丘陵各地で行なわれたものとのことです。

 次回はこの辺りも探険しようと思います。
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