礫川(れきせん)公園

 「礫(れき)」とは小石のことです。つまり「礫川」とは「こいしかわ」ということになります。 このあたりは小石川後楽園を含めて昭和39年まで旧町名の小石川町でした。
 礫川公園は地下鉄丸の内線後楽園駅そばの小さな公園です。カスケード(階段状の滝)と植え込みを 主体にした二段構成の造園形態になっています。駅に近い植え込みには、サトウハチローの「小さい秋見つけた」 のモデルになったハゼノキや、作家幸田文さんにゆかりのある都内にはあまりないハンカチノキがあります。

 カスケードの奥には東京都戦没者霊苑があります。先の太平洋戦争にて亡くなられた戦没者の霊を祀っていて、 休憩所には遺品も展示されています。

 公園は茗荷谷から丸の内線の北東側に連なる小石川台地の東端にありますが、 ここで取り上げたのはこの場所がかつて陸軍砲兵工廠の跡地(現在の小石川後楽園)であったからです。

 そして戦没者霊苑の場所は旧陸軍砲兵工科学校でした。そしてこの台地の下に東京工廠で製造された弾丸の 試射を行なう地下施設があったということです。現在その射撃場入口跡が残されていますが、 内部の詳細は分かりません。近くに日本ライフル射撃協会がありますが多少は関係があるものと思います。

 
 
(2010年 2月)



戻る