・・・ 半島に、海の守りの跡を見る(1) ・・・
 三浦半島には幕末から、明治〜昭和にかけて東京湾の守りとしての備えが いたるところに存在しました。  以下、深田台、猿島、観音崎、剣崎、城ヶ島と順を追って紹介します。
 
(2006年5月記)

 【深田台の米ヶ浜砲台】
 京浜急行横須賀中央駅と県立大学駅(以前は公郷駅という名称でした)間のトンネル の真上の台地に砲台跡があります。

 現在、深田台中央公園となっているのですが、横須賀中央駅から平坂を上って公園入 口を入ると正面の海を背にして砲台跡らしきものが目に入ります。全体は柵で囲われて保護 されていますが内側に弾薬庫の入口があります。

 ここは明治24年から第2次世界大戦終了まで約55年間、「米が浜演習砲台」とな っていたところです。

 階段を上ってみても通気孔の屋根が2つあるだけで砲台そのものの形は残っていませ ん。ほかに休憩用ベンチの足元に、崩されかけたようなレンガ塀がさらし出されている程度 です。

 公園内には船のへさきをかたどった日清戦争以降の戦没者慰霊塔と、核兵器廃絶の意 思を示すステンレス製、高さ20mの平和モニュメントがあります。
 公園の海側には猿島が真正面に見えます。大砲の射程距離が気になりますが猿島に落 ちることはなかったのでしょうか。

 【猿島要塞と砲台跡】
 その猿島ですが横須賀沖にあって東京湾唯一の自然島、無人島です。戦艦三笠のある 三笠公園から遊覧船が出ています。

 遊覧船はその名の通りの形をした三日月浜の桟橋に着きます。その桟橋自体もかなり 古く(江戸時代?)からのもののようです。
 売店の裏手には旧海軍兵舎があり、古い建物であるらしいことはわかるのですが今は 発電施設か何かに使われているようです。

 島の中の遊歩道に入っていくと切り通しの、いわゆるフランス積レンガ要塞壁となり、 弾薬庫などの塞がれた入口を見ながらトンネルへと続きます。

 トンネル部分には、倉庫や兵舎、司令部があったということですが、ことごとく閉鎖 されていました。ここの要塞は砲台とともに東京湾の守りを固めるため明治中期に作られま した。

 現存する5基の砲台跡は昭和16年の太平洋戦争時に作られた高射砲砲台で、終戦と ともに進駐軍により解体され、台座だけが残されたものです。

 【観音崎の砲台跡】
 高峰秀子と佐田啓二の主演する「喜びも悲しみも幾歳月」で、あの燈台守の最初の舞 台である観音崎には東京湾を守ったいくつかの砲台跡が今も残っています。

 この画像は灯台から少し離れたところにある三軒屋砲台の跡で、4基の砲台と見張り 所、弾薬庫跡などが残されています。明治29年に完成したが、昭和9年には廃止されまし た。

 据え付けられていたのはカノン砲、砲台と砲台の間の地下空間には弾薬庫があったと 思われますがことごとくふさがれていました。

 近くの切通しの壁には木の根が這い回り、時の流れを感じさせます。そしてその奥に は目的はわからないのですが洞窟部屋が作られています。

 誰もいない空間、鳥の声、遠くから聞こえる船の汽笛・・・、レンガ積みの壁を見て いるとタイムスリップしたような気にさえなります。

 近くには今は園地になっているところに腰越堡塁、戦没者慰霊碑のところに大浦 堡塁跡が残されています。つまり陣地の跡です。いずれもレンガ構造物の一部が見られるの ですぐにわかります。

 遊歩道の中の「レンガのトンネル」を抜けた先に「海の見晴らし台」という展望台が ありますが、ここもじつは北門第3砲台の跡です。塗りこめられてしまった弾薬庫のような 構造物や一部崩れてしまった構造物もあります。

 さらには、東京湾海上交通センターに続く専用トンネルの先の道沿いに北門第2 砲台跡があり、その一部はセンターの基礎土台となっているということです。

 ちなみにこの海上交通センターは遠めには観音崎灯台と間違えられやすいのですが、 本物の灯台は少し目立たない位置にあります。その本物の観音崎灯台近くにあるのが北門一 砲台跡です(右の画像)。二つの砲座の間にトンネル状の通路があります。

 南門第一砲台は自衛隊基地の中にあるため確認できませんが、その下のトンネル は通行できます。そして最後になりますが南門第三砲台跡はビジターセンター近くの公園の 中で花壇にされていました。いずれも日清、日露戦争の時代に活躍したというものです。

 ビジターセンターの公園から海上自衛隊基地の沖に見えるこの構造物は潜水艦監視用 の水中聴音所です。

 さらにその隣、観音崎自然博物館側駐車場の隅にはトーチカがあります。
 トーチカとはロシア語で「点」の意味があり、鉄筋コンクリートで円形・方形・六角 形などに作られた機関銃・火砲などを備えた堅固な防御陣地のことをいいます。

 このあと【剱崎、城ヶ島】に続く
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