しかしながら、ペルチェ素子の構造上、100℃以上の高温は不可能です。
半導体である
ペルチェ素子自体の絶対最大定格の温度が150℃だからです。逆に低温側は−30℃以下
まで動作しますが、これはいかに、ペルチェを効率よく利用するかに問われます。
※ペルチェ(J.C.A.Peltier、1785〜1845、フランス)が初めて発見し、この現象をペルチェ効果と呼んでいます。
■温度コントローラーの概要
今回紹介する、温度コントローラーはこのペルチェ素子を利用し、−10℃〜+80℃まで設定ができ、
恒温槽のような精度の高い用途にも耐えられるような仕様で開発いたしました。下左の写真は恒温槽で氷を作ったものです。
当サイトで取り扱う、恒温ユニットを使用すると−10℃まで冷えて、氷が出来上がります。
★PIC16F877A−I/P
を使用した温度コントローラーです。
★温度コントロールの演算はPI
制御で行っております。
★ペルチェ素子をPWM
で駆動しますので、加熱も冷却も可能です。
★−10℃〜80℃の範囲で温度を設定できます。
★16文字2行の液晶ディスプレーを搭載し、4
つの温度が同時に表示できます。
★測定データはRS−232C
でパソコンに出力できます。
★温度の他にデータ収集用に4ch 10bitのA/D
出力が可能
☆恒温槽にする場合は、本キットの他に恒温槽と恒温ユニット、
(冷却ファン、ヒートシンク)を、水温コントローラにするには
熱交換器と冷却ファンを用意する必要があります。
★一般の温度コントローラーに比べて
@ペルチェ制御用として自動で極性を切り替える機能。
Aペルチェ冷却用として冷却ファンの制御が可能であること。
B冷却でコンプレッサーを使用しないこと。 環境によく、静かです。
Cヒーター電源に100Vを使用しないこと。 安全
■温度コントローラーの仕様
温度制御方式 : PI(比例、積分)制御
加熱冷却素子 : ペルチェ素子 3素子
駆動方式 : PWM(ペルチェ素子、ファン共)
温度極性切替 : リレー(自動切替)
設定温度範囲 : −10 ℃〜80 ℃
測定温度範囲 : −10 ℃〜92 ℃
表示温度 : S 、A,B,C (設定温度、気温、対象物温度、容器温度)
※2011.03.07 訂正
対象物 : 約100J/℃(水なら24g)以上
最大熱流量 : 1ペルチェ素子あたり吸熱34W
制御間隔 : 1 秒
分解能 : 10 ビット(0.1 ℃が1 ビットに対応)基準電圧2.8V 標準
入力電圧範囲 : 0〜基準電圧
電源電圧 : 19VDC
消費電力 : 51WDC(ファンを除く計算値)
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