レトロな町並み13−奈良


[2023年7月更新]
 約9年ぶりに奈良ホテルに宿泊し、奈良市内を散策しました。今回は京都から
近鉄特急あをによし号に乗り、奈良へ入りました。
 あをによし号は、1・3・4号車がツインシート、2号車がサロンシートとなっており、4号車に乗車しました。大きな窓に面したテーブルを囲むツインシートは景色を見ながらゆっくり過ごすことができます。2号車には販売カウンター、4号車のシートすぐ後ろにはライブラリーがあります。


 奈良市内では、近鉄奈良駅から奈良ホテルへの途上、興福寺、猿沢池に立ち寄りました。興福寺では、北円堂の特別公開、国宝館東金堂五重塔南円堂三重塔を見学しました。ホテルチェックイン後、近隣を散策しました。高畑エリアにある、志賀直哉旧居を訪れ、新薬師寺に参拝しました。このエリアは連休とは言え、観光客が少なく、いずれもほぼ貸し切りに近い状態で静かに散策、参拝することができました。

【志賀直哉旧居】
 志賀直哉は、大正14(1925)に京都山科から奈良に転居して、借家で4年間を過ごした後、この上高畑町に自ら邸宅を設計したと言われています。昭和4年(1929年)に移り住んだこの邸宅は奈良公園に隣接し、御蓋山、春日山、若草山、高円山などを借景とし、自然の風景に恵まれ、静寂な場所で約9年過ごしたと言われています。この間、暗夜行路等を執筆するとともに、多くの文化人たちと芸術を論じ、友人知人たちと交流し、家族の絆を育んだようです。数寄屋風の造りに洋風の様式も取り入れた建築になっています。

【新薬師寺】
 新薬師寺は、8世紀(天平年間)に、聖武天皇の病気平癒を祈って光明皇后により創建されたと言われています。創建当初からの建造物として国宝の本堂があり、鎌倉時代に建立された重要文化財の東門・南門・鐘楼・地蔵堂があります。本堂内には本尊薬師如来坐像と日本で最古最大の十二神将立像が安置され、いずれも国宝に指定されています。

 翌日は、JR奈良駅から法隆寺駅まで移動し、徒歩20分の法隆寺に参拝しました。法隆寺では、西院伽藍の五重塔、金堂、大講堂、聖霊院、大宝蔵院、東院伽藍の夢殿舎利殿を見学しました。その後、夢殿のすぐ隣にある中宮寺に参拝しました。法隆寺駅周辺は殆ど観光客もおらず、法隆寺もひっそりとして静かに参拝することができました。
 法隆寺駅へ徒歩で戻り、JRで郡山駅下車し、昔ながらの郡山市内を徒歩14分、近鉄郡山駅で近鉄に乗り換え、西ノ京駅まで移動しました。そこから徒歩約10分の
唐招提寺と駅すぐの薬師寺に参拝しました。唐招提寺では講堂金堂、薬師寺では、東塔と西塔、玄奘三蔵院の特別公開講堂、金堂を見学しました。東塔と西塔では、500年ぶりに安置された釈迦八相像(お釈迦様の生涯をあらわした)を初めて見ることができ、往年の姿に思いを馳せました。その後、大和西大寺乗り換えで近鉄奈良へ戻り、東大寺大仏殿へも参拝しました。奈良公園や東大寺は多くの外国人観光客で賑わっていました。

近鉄特急あをによし号 猿沢池 興福寺北円堂 五重塔
東金堂 南円堂 三重塔 志賀直哉旧居
新薬師寺   JR旧奈良駅舎 法隆寺金堂・五重塔 大講堂 聖霊院 夢殿
    
舎利殿 中宮寺 唐招提寺金堂  講堂  鼓楼・礼堂 金堂
薬師寺金堂 講堂 西塔 東塔 玄奘三蔵院  奈良国立博物館
 
奈良公園 東大寺南大門 東大寺大仏殿  

[2014年12月更新]
 7年ぶりに奈良ホテルに宿泊し、奈良市内を散策しました。今回は西ノ京にも足を延ばし、薬師寺唐招提寺に参拝しました。

【薬師寺】
 近鉄西ノ京駅からすぐの場所にある薬師寺は、法相宗の大本山で、7世紀後半に天武天皇により発願され、持統天皇によって本尊が開眼され、8世紀初めの平城京遷都に伴い現在地に移されたと言われています。世界遺産に登録されています。
 最初に駅に近い玄奘三蔵院伽藍エリアを訪れました。玄奘三蔵院は、法相宗の始祖である玄奘三蔵を祀るため、主要伽藍の北側に1991年(平成3年)に建てられたもので、日本画家平山郁夫画伯が30年をかけて制作した「大唐西域壁画」が展示されています。
 その後、道路を隔てた南側にある、白鳳伽藍エリアを訪ねました。玄奘三蔵院伽藍エリアと白鳳伽藍エリアは共通入館券で入場できます。1976年(昭和51年)の再建で、奈良時代の仏教彫刻の最高傑作の1つとされる本尊薬師三尊像を安置する金堂や、2003年(平成15年)の再建で、伽藍最大の建造物である大講堂、1981年(昭和56年)再建の西塔等に参拝しました。現存する奈良時代の建築である東塔は、2009年(平成21年)から10年かけて、解体修理中のため、見ることはできませんでした。

 
薬師寺大講堂  金堂  西塔  玄奘三蔵院伽藍  玄奘塔


【唐招提寺】
 続いて、薬師寺から昔ながらの旧道を約10分ほど北へ歩いた場所にある、唐招提寺を訪ねました。唐招提寺は、南都六宗の1つである律宗の総本山であり、唐出身の鑑真が、苦労して渡来した後、建立し、晩年を過ごした寺と言われています。唐招提寺も世界遺産に登録されています。1960年(昭和35年)再建の南大門を入ると、正面に奈良時代建立で国宝の金堂、その背後に同じく国宝の講堂があります。いずれも長い歴史を感じさせる重厚な建築です。さらにその北側には、鑑真廟、御影堂等があります。鑑真廟は、森や池に囲まれた自然豊かなエリアにあります。唐招提寺は緑に囲まれた静かなエリアにあり、ひっそりと歴史の重みを感じ、荘厳な空気に浸ることのできるスポットです。

唐招提寺金堂  講堂  鼓楼・礼堂 講堂鼓楼  宝蔵・経蔵


【春日大社】
 春日大社は、8世紀の平城京遷都の後に、茨城県の鹿島神宮から武甕槌命(タケミカヅチノミコト)を御蓋山(ミカサヤマ)山頂の浮雲峰(ウキグモノミネ)にお迎えしたのが始まりと言われています。その後、8世紀後半に称徳天皇の勅命により、今の場所に社殿を造営し、千葉県の香取神宮から経津主命、また、大阪府の枚岡神社から天児屋根命・比売神を併せて祀ったと言われています。
 以来、20年毎に行われる式年造替という制度により、社殿の修繕等が行われ、現在に至っています。また、全国約3000の分社があり、奉納された3000基の燈籠は、厚い信仰の広がりと」言われています。春日大社も古都奈良の文化財として世界遺産に登録されています。ちょうど、「本殿前特別参拝」の期間中だったため、本殿間近で参拝し、朱塗りの回廊、多くの釣灯籠、万灯籠を再現した藤浪之屋等を拝観することができました。

 春日大社参道を散策の途中、旧奈良県物産陳列所に立ち寄りました。重厚な木造建築の建物は1902年(明治35年)に建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。

春日大社南門  参拝所  藤浪の屋・燈籠  奈良公園の鹿  旧奈良県物産
陳列所


【興福寺】
 興福寺は、藤原鎌足の没後に建立された山階寺が、飛鳥に移されて厩坂寺となり、8世紀の平城京遷都で現在の場所に移されたと言われています。8世紀中に、中金堂、北円堂、東金堂、五重塔、西金堂等が建てられて、伽藍が整ったと言われています。その後9世紀に南円堂が建てられ、藤原氏とともに興福寺も勢力を伸ばしたと言われています。12世紀後半に平氏の焼討ちで焼失、18世紀の出火で再度大半が焼失した後、南円堂が再建され、1998年(平成10年)からは壮大な伽藍の復原整理事業が進められているとのことです。北円堂、東金堂、三重塔、五重塔等が国宝に指定されています。猿沢池等から望む五重塔の風景は、奈良を代表する景観です。近鉄奈良駅や奈良ホテル、菊水楼等からも徒歩圏内で、気軽に立ち寄ることができる奈良のスポットとなっています。

興福寺南円堂  東金堂・五重塔  猿沢池

【東大寺】
 東大寺の二月堂、法華堂(三月堂)に参拝しました。お水取りで有名な二月堂は、17世紀に再建された建物で、国宝に指定されています。法華堂(三月堂)は、東大寺の建築の中で最も古く、8世紀のものと言われています。春日大社や手向山八幡宮からも近い二月堂・三月堂エリアは、奈良市内を一望でき、大仏殿とは異なる雰囲気があります。法華堂前の食事処で、蕎麦や茶がゆの昼食を楽しみました。その後。大仏殿の横を通り、13世紀に再建され、国宝に指定されている重厚な南大門を通って帰路につきました。

東大寺南大門  二月堂  法華堂(三月堂) 四月堂   手向山八幡宮


 菊水楼奈良ホテルに連泊し、世界遺産に登録されている奈良・斑鳩の寺社を訪ねました。

法隆寺
(西院伽藍)
五重塔 金堂 夢殿

【法隆寺】
 聖徳太子ゆかりの寺院である法隆寺は、世界最古の木造建築と言われ、日本で初めて登録された世界遺産です。JR法隆寺駅南口からバスで10分弱、法隆寺の南大門の前に着きます。拝観券は、西院伽藍・大宝蔵院・東院伽藍の3箇所への拝観がセットになっています。西院伽藍には国宝の中門、金堂、五重塔、大講堂等が並び、重厚で静寂な雰囲気に包まれています。大宝蔵院には、国宝の百済観音像等の寺宝が展示されています。東院伽藍には、国宝の夢殿等があります。ちょうど春秋の開扉期間に当たり、夢殿にある国宝の救世観音像を見ることができました。

東大寺大仏殿 興福寺 東大寺の鹿

【東大寺】
 奈良公園にある東大寺は奈良時代に聖武天皇が建立したと言われる寺院です。鹿が佇む参道から国宝の木造金剛力士立像がある、国宝の南大門をくぐり、入母屋造の楼門の中門に辿り着きます。拝観券を購入し、国宝の金堂(大仏殿)へと向かいます。金堂(大仏殿)の中にある盧舎那仏坐像(奈良の大仏)は、奈良時代の造立で、国宝となっています。東大寺には、この他、国宝の開山堂、法華堂(三月堂)、二月堂等があり、自然に囲まれた広い境内の中を鹿が歩き回る風景は風情があります。

【興福寺】
 猿沢池に近い奈良公園にある興福寺は、藤原鎌足と藤原不比等ゆかりの寺院であり、東大寺同様に世界遺産に登録されています。国宝の東金堂や五重塔、北円堂等があります。

奈良公園・
浮見堂
奈良国立博物館
・本館
旧奈良県物産
陳列所
奈良女子大
記念館

【奈良国立博物館】
 興福寺と東大寺の間にある奈良国立博物館は、1895年帝国奈良博物館として開館しています。1894年竣工の重厚な洋風建築の本館や、1902年竣工の木造建築の仏教美術資料研究センター(旧奈良県物産陳列所)は、重要文化財となっています。 

【奈良女子大記念館】
 近鉄奈良駅の北にある奈良女子大構内にある記念館は、同大学の前身である奈良女子高等師範学校が発足した1909年に竣工した洋風建築であり、同大学正門にある守衛室とともに重要文化財に指定されています。


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