赤湯温泉
東京から山形新幹線で約2時間半の赤湯駅東口から徒歩25分(タクシーで5分)、山形県南陽市にある赤湯温泉は、平安時代後期に奥州統一を進めた源義家に同行した弟義綱が発見したと言われる開湯900年以上の歴史ある温泉です。兵士が傷ついた体を湯に浸したところ、傷が治り、血で真っ赤に染まったことが赤湯温泉の由来となったと言われています。その後、上杉米沢藩時代には殿さまが入る箱湯として保護され、上杉鷹山も湯治に訪れたと言われています。
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| 大文字屋 | 玄関 | 廊下 | 石造り大浴場 | 赤湯元湯 | ||
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| 丹波館 | 玄関 | 廊下 | 中浴場 | 観光センター足湯 | ||
【大文字屋】
江戸時代中期創業の大文字屋は、温泉街の中心にあり、伊能忠敬が全国測量の計測途中で宿泊し、明治時代には新渡戸稲造の定宿となっていたと言われる歴史ある旅館です。昭和初期に建てられた本館は昔ながらの趣があります。お風呂は、壁面にぶどうのオブジェがあしらわれた大浴場、坪庭を眺める石造りの男性用大浴場、露天風呂付きの女性用大浴場があります。日帰り入浴で立ち寄りました。昔ながらの玄関で靴を脱いでロビーへ上がり、呼び出しボタンを押すと、ご主人が出てこられ、受付の後、ご主人にお風呂の場所まで案内いただきました。
玄関ロビーから廊下を通った先の新館にある、坪庭を眺める石造り大浴場は、老舗旅館に相応しく明るく清潔感があります。お湯は少し熱めで透明マイルド、硫黄の香りがとても心地よく、よく温まります。午前中の遅い時間帯ということもあり、他に入浴客も宿泊客もおらず、貸切状態で1時間弱、静かにゆっくり入ることができました。本館の玄関ロビーや中庭、廊下等は昭和初期の雰囲気をそのまま残しています。また、老舗旅館ながら、とてもアットホームな感じで、気軽に立ち寄ることができました。
【丹波館】
明治元年創業の丹波館は、大文字屋の隣にあります。旅館建物や玄関、廊下、階段等は昔ながらのレトロな雰囲気が溢れています。お風呂は、石造りの内湯と岩風呂風露天風呂のある大浴場と、石造りのモダンな内湯の中浴場が男女日替わりとなっています。大文字屋入浴の後、続けて日帰り入浴で立ち寄りました。玄関で靴を脱いで、女将様の受付を済ませ、昔ながらの廊下を通った奥の中浴場を案内されました。
やはり老舗旅館に相応しく、中浴場とは言え、石造りの広い湯船は大きく明るく清潔感があります。絶えず流れ出ているお湯は透明マイルドで熱めで、硫黄の香りがとても心地よく、よく温まります。日中時間帯ということもあり、ここも他に入浴客はおらず(学生団体のような宿泊客が送迎バスで10数人出発していきましたが)貸切状態で1時間弱、静かにゆっくり入ることができました。かけ流されるお湯の音以外は何も聞こえず、静寂な中で硫黄の香りに浸りながら、寛ぐことができました。こちらも老舗旅館ながら、とてもアットホームな雰囲気で、気軽に立ち寄ることができました。
赤湯温泉のお湯は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉で3つの源泉があり、いずれの旅館もかけ流しのお湯を味わうことができます。お湯は熱めで硫黄の香りがあり、切り傷・火傷や疲労回復にも効果があると言われています。丹波館の目と鼻の先には赤湯元湯という公共浴場もあり、賑わっているようです。また、その並びには赤湯温泉観光センター併設の足湯もあります。立ち寄った旅館以外も昔ながらの歴史ある老舗旅館が多く、とても素朴で風情ある魅力的な温泉と感じました。今回は日帰りでしたが、いつか宿泊で訪れたいと思いつつ、温泉街から赤湯駅まで約25分歩いて帰路につきました(行きはタクシー利用)
赤湯温泉は、ワインの産地としても知られており、ワインセラーがある他、赤湯駅の駅カフェにも有料の試飲コーナーがあり、列車待ち時間に手軽にワインを味わうこともできます。
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