上高地帝国ホテル


上高地帝国ホテル
上高地帝国ホテル

上高地・河童橋から見た北アルプス
河童橋から見た北アルプス

 上高地帝国ホテルは、日本初の山岳リゾートホテルとして昭和8年に開業したホテルです。赤い屋根と木のぬくもりが感じられる建物や、ロビー、マントルピース、読書室、廊下等に開業時の面影がそのまま残っており、大変味わいがあります。上高地が閉山する最後の週末、11月中旬の或る日、このホテルに初めて宿泊しました。春から秋にかけて、あれほど混雑した上高地も、11月中旬ともなると、静けさを取り戻し、白銀の山々と冷たい空気が冬目前を感じさせます。生憎の雨天のため、外には出ず、読書室で本を読んで過ごしました。他に客はおらず、まるで自分の家のリビングにいるかのように静かに過ごすことができました。昼間はティータイムを楽しむ観光客で大変混雑していたロビーラウンジや廊下も、夕刻になると人影がなくなり、初めて宿泊客が少ないことに気づきました。開業時の姿を最も残していると思われるロビーラウンジのマントルピースの前で夕食後コーヒーを飲みながら火に暖まり、まだ自動車道路が整備されていない昭和初期に徳本峠を越えて歩いてこの地を訪れた人々に想いを馳せてみました。翌日は快晴となり、白銀の美しい北アルプスを眺めながら、梓川沿いに河童橋までの散策を楽しみました。

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