どんなことでも。君がいるから頑張れる。
 どんなことでも。君が喜んでくれるなら頑張ろうと思う。
 どんなことでも。君の為に頑張ったと重荷になる事だけは言わない。

 どんなときでも。君のことを思わない時はない。

彼氏彼女の事情  - オモイハテナシ -


(あら・・・?)
部屋の中。かなみが一生懸命古いセーターをほどいて何かをしている。
「かなみちゃん?何をしているの?」
水守はお茶を持ってにこやかにかなみに話しかける。
「はい。そろそろ寒くなってきたから・・・・カズ君に・・・・」
はにかんだように笑うかなみ。
「まぁ。それはきっとカズマさんも喜ぶわね。・・・・・マフラーとか?」
かなみと一緒に微笑む水守。
(私も劉鳳に何かあげようかしら・・・・?)
と。水守がうっとり思いをはせている時に
いいえ。ハラ巻きです。
かなみは最高の笑顔でさらりと言った。

「・・・ハラ、巻き。・・・なの?」
「はい カズ君おなかが痛いってよく言うし。」
一瞬きょとんとした水守だったが。
(・・・・いいかもしれないわね・・・・・・)
おなかが冷えると全身が冷えるって言うし。
それに劉鳳にも編んだら喜んでくれるだろうか。
「・・・・私も。一緒に編んでもいい?」
そう言ってきた水守にかなみは笑顔で返事をした。


(この腹巻き。カズ君喜んでくれるかなぁ・・・?)
夜中。いや。もうすでに朝方に近いが。
先程やっと完成した腹巻きを手に取り。ぼんやりとかなみはカズマに思いをはせる。
「喜んで、くれるといいな・・・・」
今もきっと本土の人達と戦っているあの人に。
(ね。カズ君・・・・・・)
疲れからか。かなみはそのまま机に崩れて寝息を立てる。
それから少し時間がたって。
窓の外にひょっこりと黒い影が現れた。
影はそのまま窓から室内に入り、かなみに毛布を掛ける。
「・・・たぁく。風邪引くっての。」
その憮然としたような言葉とは裏腹に声音は。顔は。どこか嬉しそうで。
「・・・でもまぁ。これは貰っていくぜ。」
そう言って。かなみが作った腹巻きを手に取り。
「あぁ。そうだ。忘れモン。」
その口元をかなみに近づけて。

「・・・じゃあ。な。」
身体をかなみから離して名残惜しそうにまた窓からでていく。

  ・・・夢を。夢を見ました。
  夢の中でのあの人は。私は。
  一生懸命頑張っている女の子の体を心配したり、
  そして、それが自分の為と判っているから、とても嬉しかったり、
  ・・・・バカだと思ったり。

  そして。とうとう何かを終えて崩れた女の子を見た時。
  私はいてもたってもいられずに駆けつけたい衝動に駆られました。
  けれど、夢の中の私は、その子に気付かれまいと少し様子をうかがって。
  「まだ終わってないから面と向かって会えない」と自分に課した約束の為に自分を律して。

  それでも。女の子が自分の為に作った物を持って。
  そのまま去ろうとした時。
  あぁ。私はとうとう堪えきれずにその子に近づいて言ったのです。

 「・・・ありがと、な・・・・・・」


  愛しいとか。大切だとか。
  そんな言葉だけでは表せない思いを込めて。


   ・・・Next>>>






ラヴ米の神光臨祭。(なんだそりゃ)
こんなにクソ砂吐きそうなほど甘い話なのに作る物は腹巻き。
貰う物も腹巻き。
ネタを提供したくれた倉岡嬢さんと小雨っちょさんに感謝。
(そして長くなりそうな予感に自分ドキドキ/沈)

01/12/20

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