● シーンE・・・サイバーシティ:オートベース宇宙港
セイバートロンの地表に降りたホエール
駆けつけるサイバトロンの面々。
ウルトラマグナスに続き、皆、トランスフォームする。
一同の見守る中、ホエールのハッチが開く
コンボイ司令官が姿を現す。
「コンボイ司令官!」
駆け寄る一同
「ご無事で!?」
「もちろんだとも」
タラップを降りてくるコンボイ。
サイバトロン一同コンボイを取り巻く。
「あなたの身に何かあったのではと心配していたのです」
「はは、私は無事だ。この通りな。それともここにいるのは幽霊か何かだとでも?」
コンボイは胸を張り、ドンと叩いてまで見せる。
「いやいや、まったく。とんだ勘違いで。なにせロディマスが・・・」
「!?ロディマス?彼が?」
「はい司令官。脱出艇で帰還しました。それで、我々も御身を案じていたのです」
「・・・彼は?」
「はい、負傷が著しく、現在リペア中で・・・あ、いや、もうそろそろ・・・。お会いになりますか?」
「いや、今はいい。・・・時間はあまりないのだ」
コンボイ歩調を速める
「なんです?」
「危機が迫っている!」
●シーンF
(プリミタリ・ラボ・セクション)
メンテナンス・ロック・ベッドにホットロディマスが横たえられている。
周囲を忙しく往来するエイダードロイド。
そして、Dr.ベノム。
「本当に大丈夫なんじゃろうか?」
と不安げなチャー。
「あんたが許可したんじゃないか」
「いや、そりゃ、そう・・・なんじゃが・・・」
「しかし、確かに他に方法もなし。もし、失敗したら、オレがヤツに責任をとらせてやるまでさ」
拳を固めるスプラング。
「ああ、ロディマス・・・」
不安げなアーシーを抱き寄せるスプラング。
「はじめるぞ!」
ベノムがスイッチを入れ、スパークイクストラクション・システムが起動する。
ロディマスの五体に接続されたチューブにエネルギーが注入される。
それに従ってロディマスのボディが赤く輝きだす。
ベノムは一人だけ遮光ゴーグルをしている。
光はますます激しくなり、周囲を圧する。
「こ、これは!?」
「ドクター!大丈夫なのか?」
「もちろん、この天才に不可能などはないのだ!」
赤く発光するボディの中央に別種のエネルギーが収束していく
唖然とする一同
「我々の生命が何処にあるか、知っとるかね、諸君?エナジーポンプ?ブレインサーキット?メインメモリーパネル?・・・どれも正しく、どれも間違っておる!我々の生命は我々の全身に満ちておるのじゃ!全身のすべてのメタリック・セル、ネジの一本一本に至るまで、生命は浸透しておる!我々は全身で生きておるのじゃ!」
「そ、それで・・・?」
激しさを増す光に手を翳し光を遮るスプラング
「末梢から送り込まれる反発エネルギーを受け、ライフフォースエナジーは体の各部から追い出され、ベクトルの中心に収束する・・・」
ロディマスのボディのちょうど胸のあたりに集まったエネルギーが球体を成し始める。
ベノムが高らかに宣言する。
「見よ!生命の結晶、これぞ“スパーク“!!」
青く輝くスパークがそこにあった。
神々しい輝きに思わず手を伸ばすアーシー。
「よせ!触るでない!」
ベノムの一喝にビクッと手を引っ込めるアーシー
天井から透明のカプセルが下がってきてスパークを収納する。
「なんて美しいの・・・」
スパークに見とれるアーシー
「我々すべてが持つ、命そのものじゃよ」
「だれもが、これを?」
「そうじゃとも」
●シーンG
抽出されたスパークが新しいボディに移される。
キャリーフレームに固定されたままのブランクボディ。
ベノムがボディプラントから不法に持ち出し、隠匿していたものだ。
ボディの胸部に露出したホットロッドエンジンが開き、カプセルからスパークが吸い込まれていく。
エンジン内のホルダーにスパークが収まる。
スパークはゆっくりと回転し始める。
惑星のように。
鼓動するように。
エンジンが閉じ、ブランクボディにみるみるうちに生命が宿ってゆく。
灰色のボディが真っ赤に染まり、ボンネットウィングにファイアパターンが浮かび上がる。
一同驚嘆の声
満足げなベノム。
新しいロディマスの瞳が二三度明滅し、光が灯る。
「ロディマス!」
駆け寄る一同
「・・・こ、ここは?・・・チャー?みんな!」
「よかった、本当によかった!」
ベノムに歩み寄り、握手を求めるブレインストーム
「ありがとう、ドクター。あなたのおかげだ」
キャリーフレームから離れ、床に下りるロディマス。
「帰ってきたのか?オレは?」
「ああ。一体なにがあった?」
「!そうだ!大変なことが!コンボイ司令官が!」
「司令官なら少し前に戻られたそうじゃよ。安心せい」
「なんだって!そんなバカな!」
●シーンH
コンボイとウルトラマグナスを先頭に司令部にやってくる一同。
列の中ほどにグリムロック(恐竜モード)
「オレ、グリムロック、ヒトリゴト・・・なんかヘンだと思う、でも、それが何か、オレ、わからない・・・」
司令部のスタッフが席を立ち、コンボイを迎える。
「お帰りなさい!司令官!」
しかし、それをほとんど無視し、足早にセンターコンソールパネルに向かうコンボイ。
ものすごい勢いでキーを操作するコンボイ
「・・・・・」
「司令官?」
「・・・・・」
スクリーンに銀河全域の地図。
無数の光点が浮かび上がる。
それは銀河に散らばるTFたちの勢力図だ。
コンボイは次々にデータを呼び出し、メモリし、送信する。
突然アラートが鳴り、司令室中、すべてのモニターがブロックされる。
「!?」
スクリーンには“DEFCON armagedon”の表示
基地は非常事態モードに移行し、司令部の扉も二重にシャッターが下り、基地内の各通路でも隔壁が降り、通路を遮断していく。
「気付いたか!ベクターシグマめ!」
コンボイが吐き捨てるように言う。
「司令官、一体なにが、何が起こっているんです?」
「ウルトラマグナス、見てのとおりの非常事態だ」
「・・・・・」
「ベクターシグマが狂った!」