あとがき

 このお話は「エタ−ナルメロディ」の帰還ED後という触れ込みで書き始めたのですが、何せ私にとって小説を書くというのははじめての体験だったもので、書きたかったネタをあれもこれもと詰め込んでいったら原稿用紙にして200枚分にもなってしまいました。特に異世界のくだりについては、「無理に全キャラを出させる必要はないのでは」という御意見をいただきましたが、これはこれで個人的に愛着があるのでどうしても削れませんでした。やはりどのキャラに対しても愛着が持てる、これがエタメロというゲームの魅力なんでしょうね。(「変な風にまとめるなっ!」>主人公)また私としては、ヒロインがなぜ主人公を愛するようになったかという点ばかりでなく、パーティーメンバーになった各キャラ間の友情や、パーティー間のやりとりも書いてみたかったもので。ただ、キャラットの出番が少ないのが心残りです。
 
 あと、こんなとんでもないお話を書いた理由ですが。私はエタメロの各EDを見てるうちに、「これでいいんだろうか」と思うようになりました。というのは、主人公君にしてみればわけのわからない世界から何とか帰ってくることができた上、かわいい彼女までできてめでたしめでたしというところなんだろうけど、その主人公君のために自分の生まれ育った世界も、そこで積み上げてきたものも捨てて、右も左もわからない世界に来たヒロインたちの心の内はどのようなものだろうか、そもそもカルチャーショックもなくちゃんと現実世界に適応していけるのだろうかと思うようになったからです。

 その中でも私は、「何であのオツムの悪いアルザが高校に入れたんだ、そもそも入学の資格があるのか?」ということに疑問を持つようになりました。そうやって考えていくうちに、「どうせ女子高生ネタをやるならリラでやった方が面白そうだな、年も同じで誕生日も近いし。」と思ったのがこのお話のそもそものはじまりです。とはいえこれで全国のリラファンの皆さんを敵に回したなというのが正直な感想です。書いていて「リラってこんなキャラだったか?」と思うことばかりでした。そもそもエタメロのキャラに現代日本の家族問題や教育問題を語らせるような酔狂な人は私以外にいないでしょうね。

 しかし男が女性の立場にたって話を書くのは難しいですね。細かい女心まではとうていわからないもので。この話も、結局言いたかったことは「『いい女』というものは、スカートをはいて男に料理を作ってやるような女である」ということになるのではないか、これって「男」の側からの視点ではないのか? とついつい悩んでしまいます。

 あと、読まれた方はわかるかと思いますが、オリジナルキャラの友美は悠久シリーズのトリーシャ、晋也はクリスがモデルになっています。佐和先生は最初の構想では由羅をモデルにするつもりだったのですが、書いているうちにキャラが一人歩きしてむしろヴァネッサに近くなりました。同じく最初の構想ではアレフやシェリルみたいな子を出そうかと思ったこともありますが、こうなってくるとリラがまるでエルみたいだな。(笑)まあエタメロと悠久のキャラが一緒に出てくるなんて話も面白そうですけどね。

 なお、タイトルはユーミンの曲から取りました。原稿をパソコンに打ち込むにあったってユーミンの曲をBGMにしたのですが、「リフレインが叫んでる」や「ANNIVERSARY」がかかったときには泣けました。でも個人的にはこの話のテーマ曲としては岡本真夜の「tomorrow」や、今井美樹の「Goodbye Yesterday」なんかもいいんじゃないかと思っています。

今もいろいろ書いていますが、私は一度書いたものを何度も何度も書き直すたちなもので、いつまでたっても完成しなくて困っています。しかし小生はこのリラと晋也クンのでこぼこコンビ(カップル?)が自分でもなかなか気に入っているので、このネタであとお話が二つか三つくらい書けそうな気もしますが、そうなったら単なる「学園ラブコメ」であって、エタメロのお話ではなくなるからねえ。

 感想等聞かせてくれたら嬉しいです。

Annabel Lee

 

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