キャラクタ−講評

楊雲

 自分の「影の民」としての能力と、それに対するコンプレックスのためにがんじがらめになっていた楊雲。そのために自分自身の存在すら呪いながら生きていかなければならなかった彼女の胸の内はどのようなものだったのでしょうか。それだけに、イベント「輝き、解き放って」のときの楊雲の瞳はきれいだと思いました。

 そのせいもあって彼女は熱心なファンも多いですが、小生にとっても大好きなキャラです。というか小生は、こういうストレートの長い髪って好きなんですよ。ゲームを通して閉ざされていた心が解きほぐされていくところもなんともいいです。かき氷やあやとりが好きなんてところもいい味出してますよね。個人的には、夏の日に縁側で一緒にかき氷を食べながら夕涼み…なんていう妄想を抱いてしまいます。

メイヤー・ステイシア

 小生はメガネっ娘が好きだというわけで(紅蘭とか如月さんとか)、初プレイのとき早速仲間に選んだんですが、ぶっとんだ行動、そのくせして主人公を巻き込むと目をうるうるさせる単純さ…どうも単純だなあと思ってしまいましたが、そのような小生の考えを変えたのは、やはり帰還EDのコンタクトにした顔でしょう。あれはエタメロ全ED中の白眉で、これを見ずしてエタメロを語る勿れと思っています。

カレン・レカキス

 エタメロ関連の同人誌なんかを見ていると、彼女はけっこう登場機会が多いですよね。それもそのはずで、お話をつくるときにはパーティーの相談役兼まとめ役として重宝するキャラです。実際、戦闘でもエーテル・マキシマムを覚えさせると無敵だし、バイトでも頼りになるしというわけで。でも年下のパーティーメンバーとケンカするなんてちょっと大人気ないぞ。

 そんな彼女ですが、内心かなり無理をしているということがわかるのは、「エンジェルクライシス」のイベントです。これもこの世界の宗教ってどうなっとんねんと突っ込みたくなるようなイベントですが、彼女の涙を見てやっと彼女の本心に触れることができたような気がします。その意味で、彼女が飾りのないありのままの自分の姿を出している帰還EDが好きです。

アルザ・ロウ

 この手のゲームにつきものの関西弁キャラ。牙人族のことばって関西弁なのかなあ? みごとにパワー系に偏っていて魔法は全滅という、まさに『三國志』シリーズの呂布か張飛、典韋あたりを思わせるようなスケジュール適性、そのあまりにも単純すぎてわかりやすい行動と思考のパターン…と思っていたのですが、最後の「瞳を閉じて…」のイベントでは彼女のかくれた細やかさと積極性を見せてくれました。まあパーティーに入れたら旅を盛り上げて楽しいものにしてくれることは間違いないでしょうね。

 あとアルザというと、やはり帰還EDでの女子高生バージョンでしょう。しかしどうやって高校に入学できたのか、学費はだれが払ってるのか?…エタメロの謎のひとつだ。あとその後の一枚絵CGでは暇を持て余しているように書かれてるけど、彼女ならその気になれば何でもやれると思うけどね。

紅若葉

 彼女の設定はドジで世間知らずのお嬢様といったところのようですが、彼女はそんなキャラではありません。行動力も決断力もあるし、なんと言っても小生は、自分が「正しい」と信じたことに対してきちんと筋を通し、その責任もきちんととろうとする、とても強いキャラだと思います。そのせいあって、小生は若葉はエタメロではティナの次に好きなキャラなのですが、実際に主人公の立場にたったらあの料理に耐えられるかなあ? あと、若葉のイベントに出てくる魔族のリリトもけっこう一部では人気あるんだよね。

 あと、なぜ彼女は日本風の名前で着物みたいなヘンな服を着ているのか、影の民同様少数民族なのか…ということも気になりますが、このゲームの世界観についていちいち突っ込んでるときりがないのであまり考えすぎない方がいいでしょうね。

リラ・マイム

 彼女の一番の魅力は、その細かいことにくよくよしない、竹を割ったようなさっぱりした性格でしょう。告白のときの意地をはって素直じゃないところもいいけど、やはり小生にとって一番のツボは動物園イベントですね。ボーイッシュな女の子がかいま見せる細やかな心づかいというのは、この手のゲームの定石ですが。でも彼女はこのような見かけの明るさとはうらはらに、心の中ではいろいろトラウマをかかえている部分があると思うので、心の底からの彼女の笑顔が見られたらと思います。そうは言っても気さくに友だち感覚でつきあえそうなあたりも魅力ですね。(彼女はファンも多いし、同人誌の数も多いです。)

 あと彼女は動きやすい服が好きでおしゃれパラメータが全滅とさんざんな扱いを受けていますが、そのおかげで自作の小説ではさんざん遊ばさせていただきました。(爆)興味のある方はこちらもどうぞ。最後に、フリルの服もぜひ見てみたいけど、賭博場の姐さん姿も見てみたいなあ…。

ウェンディ・ミゼリア

 小生がウェンディにひかれる一番の理由は、「繊細でロマンチストなところ」ですね。「誰もいない砂浜でひとりで見る夕焼けが一番好き」というところが好きです。あとおさかなが好きなところや、手芸や料理が得意というところも。 

 しかしそのような心のために彼女がここまで心に傷を負うことになったのかと思うと、すこし考えさせられてしまいます。おそらく彼女が主人公との旅に出たのも、そんな自分をか得体という思いからだったのでしょう。そんな彼女も、旅を通して少しづつ心を開いていきます。「探し物はどこですか」のイベントを見て、彼女はこれまで自分がとらわれていたものを断ち切ることができたと感じました。でもあの帰還ED、最初はあまりにも狙いすぎてるような気がしていまいち好きになれなかったのですが、彼女だったらいい仕事してくれそうですね。(苦笑)

キャラット・シールズ

 明朗闊達、天真爛漫、純粋無垢、そばにいるだけで楽しい気分にさせてくれそうなキャラです。でも彼女も心の中はけっこう寂しがりやなのですが、そのへんがまた「そばにいてあげたい」という気持ちを起こさせるのでしょう。しかし戦闘では能力が中途半端で、使いにくいキャラですが。

 彼女のイベントはどれもいいものばかりですが、その中でも「トゥルー・フレンド」がいいです。このイベントで描かれる森のさわやかな情景が好きです。このように日ごろ見落としがちなものにあらためて気づかせてくれる、これは「悠久」のメロディにも共通する魅力ですよね。あとは古本屋に行ったときの「きっとボクの中にはお話の種がいっぱい詰まってるんだ。」というセリフがいいかな。それにしてもフォーウッドっていったいどういう人たちで、どんな暮らしをしているんだろう? あの着ぐるみパジャマ、虫よけ用かな?

ティナ・ハ−ヴェル

 いよいよ真打ち登場。小生がエタメロでいちばん好きなキャラです。

 小生が彼女を好きな理由は、はじめは「風の音を聴いていたんです」とかいうセリフ、湖の話など、彼女と一緒にいるといろいろ情景が浮かんできそうなあたり、そしてどことなく少女趣味なところでした(失礼!)。しかしゲームを「DARK BLOOD」のイベントまで進めると、そのような普通の女の子と同じ面を持っているはずのティナが心の中ではどれだけ苦しんでいたかということに気がつき、胸が痛みました。

 しかしそれにもかかわらず主人公と別れるまぎわの告白、そして「私のこと…、忘れないで…。」という涙ながらの声を聞くとその宿命にも負けない彼女の一途さ、そして強さを感じ取りました。エタメロのヒロインたちは皆自分のしっかりした意志を持って行動する強さを持っていますが、ティナの場合は特に胸にこみあげてくるものがありますね。

 しかし「DARK BLOOD」のイベントで現れたヴァンパイアとしてのティナの人格(一般には「影ティナ」とか「裏ティナ」とか言われていますが)をどう見るかという点については、同人屋さんたちもいろいろ頭を悩ませておられるようですね。「影ティナだってまがうことなきティナの一部なのに、それを悪者扱いするのはおかしい」という指摘も一理ありますが、ならばあのときどうすりゃよかったのか?という疑問は残ります。小生の自作の小説でもこの点については取り上げましたが、筆が足りないなと読み返しつつ思っています。

カイル・イシュバーン

 彼はいちおう主人公のライバルということになっているんですが、やはり人気のあるキャラです。その理由は…「面白いやつだから」ということに尽きるでしょう。(そんなことを言ったらカイルくんに怒られそうだけど)悪を気取っていながらも悪になりきれず、ドジな側面を見せるところがなんともいいです。レミットのつけた「バカイル」というあだ名が彼のキャラクターをよく表していますね。でも「DARK BLOOD」のときの彼はなにげにかっこよかったぞ。まあこれも彼の一面でしょうね。

 で、なぜ彼が主人公の邪魔に現れたかというと、これまで孤独だったところに、主人公こそが自分を理解してくれそうだと直感で感じたからではないでしょうか。そうなってくると、一種の「友情」といえるのか…。それにしても彼は、どうやって仲間を勧誘したんだろう? あの一昔前の暴走族のようなパーティー名のネーミングセンスはいったい…。

レミット・マリエーナ

 彼女が主人公にいろいろちょっかいを出してくるのは、やはり王女という生まれでありながらも、心の底に寂しさをかかえていたからなんでしょうね。その意味で、主人公とのやりとりばかりでなく、エタメロの愉快な仲間たちと一緒に旅をすることを通して彼女もきっと変われたんじゃないか、そんな気がしています。しかしよくいわれることですが、彼女がなぜパーリアの街に来ていたのか、王宮をほったらかしてあちこちをほっつき歩いていて何も問題はないのか…そのへんを考えてみるのもおもしろいかもしれません。

 レミットというと帰還EDで主人公と一緒に暮らす…ということをあげる人も少なくないようですが、小生はあのバッドエンドで笑ってしまいました。しかしあれ、主人公君は本当に体の中まで女にされちゃうのかな? 一部にはあれはあれでけっこうおいしいのでは…と言っておられる方もいるようですが。

アイリス・ミール

 寂しがりやのレミットの理解者として貴重な存在です。moo先生のゲームにはこういうほんわかとした感じのキャラが多いですが、その意味で彼女もエタメロには欠かせないキャラですね。実際レミットのわがままに振り回されながらも文句一つ言わずにきちんと彼女をここまで連れてくるなんて、普通の人にできることじゃないですよ。

 あと、はじめてやったらヒロインがアイリスになったという方もけっこうおられるようですが、それについてある方から「彼女がどうして主人公にほれたのかわからない」とおっしゃっていました。でも彼女と一緒というのも、ほんわかとしていて楽しい気分にさせてくれそう。

ロクサーヌ

 この人はよくわからんことが多いです。「男か女か」というところからはじまって、主人公の旅の元手となったお金をどうやって工面したのか、神出鬼没の行動力の源は?などなど。ゲームが終わりまで進むと謎は解けるのか?と思いましたが結局解けずじまいでした。(小生は空中庭園でロクサーヌが暁の女神に化けるのだと思いましたが。)うがった見方ですが、結局この人は自分が魔宝を手に入れるために皆さんを利用したのでは?という気もしています。

 彼(彼女?)の声を担当しておられた新山志保さんは、惜しくも2000年2月に病気のために若くして他界しました。慎んで冥福をお祈りします。

フィリー

 いちおうこの旅の案内役…ということになっているんですが、彼女がカイルやレミットにいらんちょっかいを出したりしなかったら主人公君も余計な苦労をせんですんだのに…。まあいらぬつっこみはよしましょう。まあ彼女の一挙一動もこの旅を楽しくしてくれます。でもヘキサEDがあるのになぜフィリーEDはない?というのもよく言われることですが。でも妖精さんと一緒の生活っていったいどんなものだろう?

主人公

 一応プレイヤーの分身…ということになっているのですが、小生はこの主人公君がけっこう好きです。リラが番兵につかまったり、スリの嫌疑をかけられたりしたときの機転のきいた行動、心を閉ざしていた楊雲やウェンディにも優しく、ときには厳しく接してあげられること、さらには影ティナに血を吸われそうになっても彼女のことを信じてやれること…もし小生が異世界に飛ばされても、絶対こんな行動は取れません。そして絶対元の世界に帰れずに、姫さまの次女にされてるでしょうね。工事現場の鉄骨の下には近寄らない方がいいかも。(爆)

  ゲームのお部屋へ  TOPへ