ボウリング惨敗記

 小生は生まれもっての運動音痴である。なぜかよくわからんがマラソンだけはそこそこできたが、それがあるとき以外は小中高の12年間を通して体育の成績は常に学年で下から5番以内だった。運動会の徒競走ではいつもビリで次の回のためにテープをはっているのをくぐってゴールインしていたし、逆上がりができないで一人だけ残されて練習させられたりもしたものである。おまけに高校からは柔道も加わったが、そいつはさんざん投げられてばかりで、小生にとって苦痛以外の何物でもなかったものである。

 そういうわけで、小生は学校を出たのをいいことに、運動だのスポーツだのといったものとはてんで縁のない生活を送ってきた。しかしこんな小生のところに、先日うちの勤め先でボウリング大会があるという話が舞い込んできた。ボウリングというと大学にいたころまでは年に何回かの頻度とはいえ行ったことはあるが、ここ7年くらいやったことがない。それでも何かの機会だと思って久しぶりに行ってみることにした。

 会場となるボウリング場は東京ドームのそばの「黄色いビル」の中にある。ここはドームで野球やその他の催し物が開催されるときには多くの人でごった返すばかりでなく、競馬があるときには競馬新聞を手にしたおっちゃんたちがたむろしてるのだが、この日はドームでのイベントに行く人ばかりでなく、ハナキンを楽しむ人たちでちょっとばかり華やいで見える。

 そういうわけで、靴をはきかえてレーンに立ってみる。最初は練習で軽く投げてみた。うんうん、だんだんコツを取り戻してきたぞ…とまではよかったが、いざ始まってみると、なぜか緊張してしまう。こんなのはせいぜい会社の中の軽いお遊びだ、あまり堅くなることはない…というのはわかっているのだが、隣のレーンの人が投げているのなんかを見ると、集中力が乱れてしまう。そういうわけで、最初放った玉は2回ともそれて溝に落っこちた。2度目はこんどこそ…と思ったものの、結果は同じ。そういうわけで、2回投げて結果はゼロというとんでもない滑り出しになってしまった。

 3回目。1回目も溝そうじ。いったいどうなってるの、えい、こうなったらもうやけくそだ…と思って2回目の玉を投げた。すると…その玉は珍しくまっすぐいって、ピンの群れの方へつっこんでいった。そして1本だけピンが残った…と思うとそのピンもぐらぐらして倒れた。よっしゃよっしゃ、これでも一応はスペアだ…というわけで、回りの社員たちもなぜか拍手をして盛り上がっていた。

 しかし次も溝掃除。2回目で5本倒せたものの、これじゃスペアの意味がないやんけ…というわけで、これからもなんとか小刻みに得点をあげたものの、10回投げてゲームが終ってみると…トータルスコアは何と41点!(どうか皆さん、笑わないで下さいませ。)

 2回目は1回目よりはいくらかましで、スペアもたまには出るようになったものの、小生の場合、スペアになってもその次の投球が溝そうじになってしまうのである。で最後の10球目を投げたところ…やっとストライクが出た。それでもトータルは76点。

 終ってからボウリング場の前で、ささやかながら表彰式のようなものがあった。それで小生はみごと最下位の残念賞。女性社員はハンデがあったが、小生のような野郎にはそれすらあまりないというわけで。トップの人なんかは、一回で160点くらい入れていたというのに…。まあこういうことは、あまり勝ち負けにこだわってクヨクヨするもんじゃない。なかなか楽しい催しだったし、こういう「人と一緒に何かをすることができる」という機会は大切にしていきたいものだ。

(2001年6月10日)


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