L(0)、L(-2)、L(-4)を求めた。L(1)、L(3)、L(7)をζ(2n)の無限和で表現した。またζ(2)、ζ(4)、ζ(6)、ζ(8)を
ζ(2n)の無限和で表現。 Sin[ s=s, π/2代入,πテイラー]のテイラーシステム成立条件を見た。
テイラーシステムSin級数を用いて次にL(0)、L(-2)、L(-4)を求める。「その1」で出した一般式をまず掲げる。
まずL(0)を求めます。
上式でs=0とすると、求まる。
s=とすると、次のようになる。
L(0)=(1-2^2)・ζ(-1)・(π/2)^1 /1! - (1-2^4))・ζ(-3)・(π/2)^3 /3!
+ (1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^5 /5!- (1-2^8)・ζ(-7)・(π/2)^7 /7!
+ (1-2^10)・ζ(-9)・(π/2)^9 /9!- (1-2^12)・ζ(-11)・(π/2)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------@
ζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を用いて@を変形して、整理整頓すると次となる。
L(0)
=(1/π)[(1-1/2^2)・ζ(2)/2^0 + (1-1/2^4)・ζ(4)/2^2
+(1-1/2^6)・ζ(6)/2^4 + (1-1/2^8)・ζ(8)/2^6
+(1-1/2^10)・ζ(10)/2^8 + (1-1/2^12)・ζ(12)/2^10
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------A
次にL(-2)を求める。
一般式でs=-2とすると、求まる。s=-2すると、次のようになる。
L(-2)=(1-2^4)・ζ(-3)・(π/2)^1 /1! - (1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^3 /3!
+ (1-2^8)・ζ(-7)・(π/2)^5 /5!- (1-2^10)・ζ(-9)・(π/2)^7 /7!
+ (1-2^12)・ζ(-11)・(π/2)^9 /9!- (1-2^14)・ζ(-13)・(π/2)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B
ζ(s)の関数等式を用いてBを変形して、整理整頓すると次となる。
L(-2)
=-(1/π^3)[(1-1/2^4)・ζ(4)・3!/(2^0・1!)
+ (1-1/2^6)・ζ(6)・5!/(2^2・3!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!/(2^4・5!)
+ (1-1/2^10)・ζ(6)・9!/(2^6・7!)
+ (1-1/2^12)・ζ(12)・11!/(2^8・9!)
+ (1-1/2^14)・ζ(14)・13!/(2^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------C
次にL(-4)を求める。
一般式でs=-4とすると、求まる。s=-4すると、次のようになる。
L(-4)=(1-2^6)・ζ(-5)・(π/2)^1 /1! - (1-2^8)・ζ(-7)・(π/2)^3 /3!
+ (1-2^10)・ζ(-9)・(π/2)^5 /5!- (1-2^12)・ζ(-11)・(π/2)^7 /7!
+ (1-2^14)・ζ(-13)・(π/2)^9 /9!- (1-2^16)・ζ(-15)・(π/2)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------D
ζ(s)の関数等式Dを変形して、整理整頓すると次となる。
L(-4)
=(1/π^5)[(1-1/2^6)・ζ(6)・5!/(2^0・1!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!/(2^2・3!)
+ (1-1/2^10)・ζ(10)・9!/(2^4・5!)
+ (1-1/2^12)・ζ(12)・11!/(2^6・7!)
+ (1-1/2^14)・ζ(14)・13!/(2^8・9!)
+ (1-1/2^16)・ζ(16)・15!/(2^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------E
どれも素晴らしい秩序が現れている。
A、C、EからL(-2n)は「偶数ゼータζ(2n)の無限和」で表現できるとわかる。(n>0)
「タットル彗星 その1」でも示したが、
L(0)=1/2、 L(-2)=-1/2、 L(-4)=5/2
である。
もちろん、@〜Eはこれらに正しく収束していく。
例えば、L(-2)だけ見ると、
1項だけ=-0.19634954・・
3項まで=-0.44251398・・
5項まで=-0.49265568・・
となって、L(-2)=-1/2に収束していく。
まとめておこう。
下の三つを眺めるとわかるが、下のものほど、収束性は悪くなっている。L(0)が最も収束速度が速い。
上で出した3式(6式の内の下3つ)は、次の通りである。この右辺にはπが現れている。L(s)の関数等式を利用
すれば、このπはきれいに消せることに気づいた。πが出ない方が純粋に”ゼータをゼータで表す”ことが実現され
ているような気がする。
生命体ゼータはそちらを望んでいるのではなかろうか?
**********************************************************************
L(0)
=(1/π)[(1-1/2^2)・ζ(2)/2^0
+ (1-1/2^4)・ζ(4)/2^2
+ (1-1/2^6)・ζ(6)/2^4
+ (1-1/2^8)・ζ(8)/2^6
+ (1-1/2^10)・ζ(10)/2^8
+ (1-1/2^12)・ζ(12)/2^10
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------@
L(-2)
=-(1/π^3)[(1-1/2^4)・ζ(4)・3!/(2^0・1!)
+ (1-1/2^6)・ζ(6)・5!/(2^2・3!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!/(2^4・5!)
+ (1-1/2^10)・ζ(6)・9!/(2^6・7!)
+ (1-1/2^12)・ζ(12)・11!/(2^8・9!)
+ (1-1/2^14)・ζ(14)・13!/(2^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------A
L(-4)
=(1/π^5)[(1-1/2^6)・ζ(6)・5!/(2^0・1!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!/(2^2・3!)
+ (1-1/2^10)・ζ(10)・9!/(2^4・5!)
+ (1-1/2^12)・ζ(12)・11!/(2^6・7!)
+ (1-1/2^14)・ζ(14)・13!/(2^8・9!)
+ (1-1/2^16)・ζ(16)・15!/(2^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ] ------B
**********************************************************************
さて、L(s)の関数等式
L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(sπ/2)・L(s)
を用いて、@〜Bのπを消そう。
まず@から。関数等式より、L(0)=(2/π)・L(1) である。よって、これを@に代入して整理すると、次となる。
0!・2^1・L(1)
=(1-1/2^2)・ζ(2)/2^0
+ (1-1/2^4)・ζ(4)/2^2
+ (1-1/2^6)・ζ(6)/2^4
+ (1-1/2^8)・ζ(8)/2^6
+ (1-1/2^10)・ζ(10)/2^8
+ (1-1/2^12)・ζ(12)/2^10
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------@-2
わざわざ0!をつけたのは、後の式を意識してのことである。
L(1)は、n=2以上のζ(2n)の無限和で表せた。
次にA。
関数等式より、L(-2)=-2!(2/π)^3・L(3) である。これをAに代入して整理すると、次となる。
2!・2^3・L(3)
=(1-1/2^4)・ζ(4)・3!/(2^0・1!)
+ (1-1/2^6)・ζ(6)・5!/(2^2・3!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!/(2^4・5!)
+ (1-1/2^10)・ζ(6)・9!/(2^6・7!)
+ (1-1/2^12)・ζ(12)・11!/(2^8・9!)
+ (1-1/2^14)・ζ(14)・13!/(2^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------A-2
L(3)は、n=4以上のζ(2n)の無限和で表せた。
次にB。
関数等式より、L(-4)=4!(2/π)^5・L(5) である。これをBに代入して整理すると、次となる。
4!・2^5・L(5)
=(1-1/2^6)・ζ(6)・5!/(2^0・1!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!/(2^2・3!)
+ (1-1/2^10)・ζ(10)・9!/(2^4・5!)
+ (1-1/2^12)・ζ(12)・11!/(2^6・7!)
+ (1-1/2^14)・ζ(14)・13!/(2^8・9!)
+ (1-1/2^16)・ζ(16)・15!/(2^10・11!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B-2
L(5)は、n=6以上のζ(2n)の無限和で表せた。
この美しい秩序は、いったいなんだろうか!驚くべき美しさといわざるをえない。
まとめておこう。
[百武彗星 その5」で出した次の4式も、一つ上と全く同様にして、”ゼータを純粋にゼータだけで表す”ことができる
ことに気づいた。つまり、πを消すわけであるが、早速行おう。
もちろんζ(s)の関数等式
ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を使って変形していく。
まず@から。関数等式より、ζ(-1)=-1!・ζ(2)/(2^1・π^2)となる。これを@に代入して、次を得る。
-(1-1/2^1)・(1-2^2)・1!・ζ(2)
=(1-1/2^4)・3!・ζ(4)/(2!・2^1)
+ (1-1/2^6)・5!・ζ(6)/(4!・2^3)
+ (1-1/2^8)・7!・ζ(8)/(6!・2^5)
+ (1-1/2^10)・9!・ζ(10)/(8!・2^7)
+ (1-1/2^12)・11!・ζ(12)/(10!・2^9)
+ (1-1/2^14)・13!・ζ(14)/(12!・2^11)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------@-2
ζ(2)は、n=4以上のζ(2n)の無限和で表現された。
次にA。関数等式より、ζ(-3)=3!・ζ(4)/(2^3・π^4)となる。これをAに代入すると、次となる。
-(1-1/2^3)・(1-2^4)・3!・ζ(4)
=(1-1/2^6)・5!・ζ(6)/(2!・2^1)
+ (1-1/2^8)・7!・ζ(8)/(4!・2^3)
+ (1-1/2^10)・9!・ζ(10)/(6!・2^5)
+ (1-1/2^12)・11!・ζ(12)/(8!・2^7)
+ (1-1/2^14)・13!・ζ(14)/(10!・2^9) + (1-1/2^16)・15!・ζ(16)/(12!・2^11)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------A-2
ζ(4)は、n=6以上のζ(2n)の無限和で表現された。
次にB。関数等式より、ζ(-5)=-5!・ζ(6)/(2^5・π^6)となる。これをBに代入すると、次となる。
-(1-1/2^5)・(1-2^6)・5!・ζ(6)
=(1-1/2^8)・7!・ζ(8)/(2!・2^1)
+ (1-1/2^10)・9!・ζ(10)/(4!・2^3)
+ (1-1/2^12)・11!・ζ(12)/(6!・2^5)
+ (1-1/2^14)・13!・ζ(14)/(8!・2^7)
+ (1-1/2^16)・15!・ζ(16)/(10!・2^9)
+ (1-1/2^18)・17!・ζ(18)/(12!・2^11)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------B-2
ζ(6)は、n=8以上のζ(2n)の無限和で表現された。
次にC。関数等式より、ζ(-7)=7!・ζ(8)/(2^7・π^8)となる。これをCに代入すると、次となる。
-(1-1/2^7)・(1-2^8)・7!・ζ(8)
=(1-1/2^10)・9!・ζ(10)/(2!・2^1)
+ (1-1/2^12)・11!・ζ(12)/(4!・2^3)
+ (1-1/2^14)・13!・ζ(14)/(6!・2^5)
+ (1-1/2^16)・15!・ζ(16)/(8!・2^7)
+ (1-1/2^18)・17!・ζ(18)/(10!・2^9) + (1-1/2^20)・19!・ζ(20)/(12!・2^11)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ------C-2
ζ(8)は、n=10以上のζ(2n)の無限和で表現された。
美しい形だ。これはゼータが形作るアートである。
まとめておこう。
「エンケ彗星 その2」の< テイラーシステム成立条件の別表現 >で見た成立条件をSin[ s=s, π/2代入,πテイラー]
でも確かめておきたい。
「タットル彗星」シリーズでは、テイラーシステムの「π/2代入,πテイラー展開」の条件で、多くのL(s)値を導出した。
それらは、具体的な数値計算で収束を確認しているので正しいことはわかっているが、ここで”テイラーシステムの成立
条件”という別角度からも、念のために調べておくことにする。
「エンケ彗星 その2」で見出していた条件は次の通りである。
L(2)とL(-2)という二つの特別な場合で、上が成立しているか否か確認しておきたい。
まずL(2)から。
これを見るには、上のB式のテイラー展開を見なければならない(冒頭の一般式ではどうにもならない)。
s=2より、
g(x)=(sinx)/1^2 + (sin2x)/2^2 + (sin3x)/3^2 + (sin4x)/4^2 + ・・・
を考え、このπ周りのテイラー展開を行うと、次のようになる。
g(x)=-log2・(x-π)^1 /1! + (1-2^2)・ζ(-1)・(x-π)^3 /3!
- (1-2^4)・ζ(-3)・(x-π)^5 /5!+ (1-2^6)・ζ(-5)・(x-π)^7 /7!
- (1-2^8)・ζ(-7)・(x-π)^9 /9!+ (1-2^10)・ζ(-9)・(x-π)^11 /11!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ζ(s)関数等式を用いて、変形すると次のようになる。
g(x)=2・[-log2・(x-1)^1/(2^1・1!)
+ (1-1/2^2)・ζ(2)・1!・(x-π)^3/(π^2・3!)
+ (1-1/2^4)・ζ(4)・3!・(x-π)^5/(π^4・5!)
+ (1-1/2^6)・ζ(6)・5!・(x-π)^7/(π^6・7!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・] ------@
この級数の収束半径を計算する。
@の(n+1)項目の(x-π)^(2n+1)の係数をAnとすると、An=(1-1/2^(2n))・(2n-1)!・ζ(2n)/{π^(2n)・(2n+1)!}
である。よって、
lim An/An+1=π^2
(n-->∞)
となる。いま、@のべきが(x-π)^2で増えているので@の収束半径Rは
R=π ------A
となる。
さて、上の”成立条件”を見てみよう。いまSin[ s=2, π/2代入,πテイラー]であるから、当然
p=π/2、q=π
である。
よって、 | p - q | =π/2 ------B
である。
A、Bより、| p - q | < R は成り立っている。よって、このSin[ s=2, π/2代入,πテイラー]でテイラーシステムは正常
に機能し、正しい値を出してくれるというわけである。
次にL(-2)を見る。
同様にB式のテイラー展開を見る。
s=-2より、
g(x)=1^2・ (sinx) + 2^2・(sin2x)+ 3^2・(sin3x) + 4^2・(sin4x) + ・・・
を考え、このπ周りのテイラー展開を行うと、次のようになる。
g(x)= -(1-2^4)・ζ(-3)・(x-π)^1 /1!+ (1-2^6)・ζ(-5)・(x-π)^3 /3!
- (1-2^8)・ζ(-7)・(x-π)^5 /5!+ (1-2^10)・ζ(-9)・(x-π)^7 /7!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ζ(s)関数等式を用いて、変形すると次となる。
g(x)=2・[ (1-1/2^4)・ζ(4)・3!・(x-π)^1/(π^4・1!)
+ (1-1/2^6)・ζ(6)・5!・(x-π)^3/(π^6・3!)
+ (1-1/2^8)・ζ(8)・7!・(x-π)^5/(π^8・5!)
+ (1-1/2^10)・ζ(10)・9!・(x-π)^7/(π^10・7!)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・] ------C
この級数の収束半径を計算する。
Cのn項目の(x-π)^(2n-1)の係数をAnとすると、
An=(1-1/2^(2n+2))・(2n+1)!・ζ(2n+2)/{π^(2n+2)・(2n-1)!}
である。これより、lim An/An+1を計算すると、
lim An/An+1=π^2
(n-->∞)
となる。いま、Cのべきが(x-π)^2で増えているので、その収束半径Rは
R=π ------D
となる。
ここで上の「成立条件」を見てみよう。いまSin[ s=-2, π/2代入,πテイラー]であるから、当然
p=π/2、q=π
である。
よって、 | p - q | =π/2 ------E
である。
D、Eより、| p - q | < R は成り立っている。よって、Sin[ s=-2, π/2代入,πテイラー]でテイラーシステムは正常
に機能し、正しい値を出してくれるというわけである。
以上。
L(2)、L(-2)という二つの場合を見たが、もちろん他の場合も同様にできる。
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