ナイト・オブ・ザ・グールス 米 1958年 69分 |
映画『エド・ウッド』は棺から起き上がるクリズウェルの前口上で始まるが、その元ネタが本作である(左写真上)。『プラン9』に次いで製作された長篇映画であるが、劇場にかけられることはなかった。現像代が払えなかったために差し押さえられてしまったからである。日の目を見たのはウッド没後のことらしい。本当にダメな人だったのだ、ウッドという人は。 本作を観ると、ウッド作品においてベラ・ルゴシの存在が如何に大きかったかがよく判る。枯れても名優だったルゴシのいないこの映画はスカスカだ。クリズウェルは相変わらずカンペを読んでいるのがミエミエだし、トー・ジョンソンはウロウロするだけ。ヴァルダ・ハンセンは、そのアンゴラのセーター故にウッドがキャスティングしただけのおねえちゃんなので問題外。俳優らしい俳優はケニー・ダンカンぐらいしかいないのだから、マトモに仕上がる筈がないのである。 なお、この映画ではウッドは、ヒッチコックを意識してか、特別出演している。警察署に貼られている指名手配写真がエド・ウッドその人なのである。気づいた時には吹き出してしまった(註1)。 註1 もう1ケ所、ウッドが出演している場面がある。映画前半、若者が取っ組み合いの喧嘩をしている映像が無意味に挿入されているのだが、その一人がウッドなのである。これは56年に製作打ち切りになった『ロックンロール・ヘル』の映像だそうだが、云われないとウッドだと判らない。 |
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